ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』ROLLYさん、藤井隆さん、鈴木福さん鼎談



 『シザーハンズ』や『チャーリーとチョコレート工場』など世界中にファンを持つティム・バートンが監督した『ビッグ・フィッシュ』。ファンタジックで温かな家族の愛を描いた名作が2013年にはブロードウェイでミュージカル化、そして2017年、ついに日本版初演を迎えます!





 このちょっと不思議な世界を立ち上げる色とりどり、多様なフィールドで活躍する面々が集結した日本初演。中でもこの作品だからこそ集ったといっても過言ではない素敵なお三方、ROLLYさん藤井隆さん鈴木福さんにお話をうかがいました。


【稽古場ではけん玉ブームの予感】


──製作発表会見を終えての感想は。




ROLLYさん)
 (主要キャストの)みんなが顔を合わせたのは、今日が初めてです。まだ、つかめていないところもたくさんありますが、演出の白井(晃)さんのもとで一丸となってやるぞ!という気持ちになりましたね。


藤井さん)
 緊張していましたが、楽しかったです。かなり早い段階で(笑)。


福くん)
 楽しかったです。緊張は…うーんあんまり(笑)。みなさんがとてもやさしくしてくれて、面白かったです。



──みなさんそれぞれご面識は。

ROLLYさん)
 15年ほど前のことになります。藤井さんとTVの歌番組でご一緒した際に、わざわざ楽屋までご挨拶にいらしてくれました。すごく丁寧な方だなと思っておりまして。その日以来、その印象が裏切られたことは一度もございません。





藤井さん)
 滅相もございません!僕がまだ駆け出しだったころのことを、こうして覚えてくださっていることが、すごくうれしいです。鈴木さんとは…。


福くん)
 福でいいです!福って呼んでください!


藤井さん)
 じゃあ、福くんね。福くんとは違う現場で、ちょっとだけ同じシーンがあってね。





福くん)
 はい、すれ違うようなシーンでした。


藤井さん)
 そこで会いましたね。


ROLLYさん)
 私は今日初めてお会いして、ボスとお呼びすることに決めました(笑)。


福くん)
 福で…。


ROLLYさん)
 では、福ボス!ん?何か変かな。


一同)
 笑!!




──今日、ご登壇されたみなさんの中で気になる方は。

藤井さん)
 気になるというか、控室で川平さんがサッカーの話をしてくださり「むむっ!」とおっしゃったとき、「あ、聞けた!」というのはありましたね(笑)。


福くん)
 僕は浦井さんと(自分が好きな)けん玉の話ができたので、これからもっとお話するのが楽しみです。(浦井さんは)すごく優しかったです。


──けん玉は“腕に自信あり”ですか!




福くん)
 そうでもないです(笑)。1年生のときにちょっとやって、それから4年生のときがほぼピークで、それ以降は、まぁ…(緩やかに下降のジェスチャー)です。


一同)
 笑!!




ROLLYさん)
 けん玉というのは、Myけん玉でやるのと、いきなり渡されたものでやるのでは、だいぶ違うものなんですか?


福くん)
 そうですね。やっぱりやりやすいのとやりにくいのがあって。軽いとか重いとか。


藤井さん)
 木製?それとも今はプラスティックなのかな?





福くん)
 僕は木のけん玉です。でも、(プラスティックの)ケンダマクロスもやったことありますよ。学校でもけん玉ブームがすごくて、4年生のときは中休み、昼休みはみんなでけん玉をしていました。


ROLLYさん)
 ちなみに、ヨーヨーをする方というのはいらっしゃいます?


福くん)
 僕、やります!


ROLLYさん)
 犬の散歩とか!


福くん)
 はい、やりますね。


ROLLYさん)
 そして、その犬にかまれたり。





福くん)
 それはちょっと(笑)。


藤井さん)
 ヨーヨーも何年かに一度ブームが来ますよね!


ROLLYさん)
 そうそう、私の時代は、中学生の時にコカ・コーラが大々的にキャンペーンをして。ヨーヨーチャンピオンがいて、ショッピングモールとかでイベントをしたんですよ。憧れましたね。


藤井さん)
 僕も好きでした。あと、コカ・コーラといえば、バンバンボール!ラケットにゴムのついたボールがついていて。ボールをただひたすらに連打するだけなんですけど(笑)。





ROLLYさん)
 はい、はい!ありましたね。


藤井さん)
 王冠の裏をめくったりもしましたね。


──ありましたね、懐かしいです!

ROLLYさん)
 稽古場でブームってあるんですよ。以前、白井さんと『星の王子様』という作品でご一緒したときは、ウクレレがブームでした。今回は、たぶんけん玉だと思います。
 そして、けん玉が一番うまいのは彼なのでやはり、ボス!





──浦井さんとのけん玉対決も楽しみですね!

福くん)
 頑張ります(笑)!




【本番はご褒美!】


──では、ここからは「舞台」についてうかがいます。ROLLYさんも藤井さんも多岐にわたる活動をされていますが、その中で舞台出演はどのような位置づけでしょうか。

ROLLYさん)
 私の本職はロックミュージシャンですが、これまでにも舞台を経験したことで得られたことがたくさんございます。ライブでのMCも「みんなー、元気だったかーい!」というようなものが、(朗々と)「話せば長いことながら、まさに運命のいたずらというものでしょうか…」とお芝居がかったロックコンサートができるようになりました。
 逆に、ロックミュージシャンをやっていたことが舞台にも役立つ、独特の歌い方や居方ができるということもあります。すべての出来事に無駄なことはないですね。


藤井さん)
 僕は、もともと吉本新喜劇からスタートしているので、舞台で、お客様の前に立たせていただくということは、それほど違和感はないんです。でも、吉本新喜劇は、1週間の公演があり、楽日に稽古があって、次の日にまた新しい劇の初日、そしてそこからまた1週間。そのように、どんどん変えていくんですよね。ですので、初めて外部の公演に出させていただいたときに、1か月稽古をして1か月本番があって、さらに地方を回ってという経験をし、いかに自分が同じことを繰り返すということができないかを知りました。

 また、初めてミュージカルをやらせていただいたときには、音楽・歌の進行に自分の感情を合わせていかなくてはならない。音楽が始まったらもう行くしかないんですよね。そこが全くできないことがわかったので、「舞台、すごく楽しいです!」と言いたいですけど、まだそれは言えない感じですね。

 でも、共演者のみなさんやスタッフのみなさんと長く一緒に過ごす中で、教えていただくことがたくさんあるので、バラエティのときのその瞬間にグッと集まって、バッと作るという瞬発力からくる興奮とは、また違う喜びがあります。


──今回、念願かなって初舞台という福くんから、お二人に質問はありますか。




福くん)
 舞台をやっていて、疲れますか。


藤井さん)
 そうですよね、気になるよね。


ROLLYさん)
 一番疲れるのはお稽古だと思います。お稽古は何度も何度もやって、できなくて落ち込んで…。でも、本番が始まって、照明、セット、衣裳、メイクと揃って、いざ、お客さんを前に演じるときには「これはご褒美なんだ!このために、今まで稽古してきたんだ」って思うんです。だから一番疲れるのは稽古、本番が始まると最高の気分ですよ。
 そして、その舞台が終わったときに自分のキャリアに『ビッグ・フィッシュ』という新たな一頁が加わるんです。


藤井さん)
 素敵ですね。
 僕の場合は、舞台は疲れますが、実は1日2回公演が好きなんです。身体はくたくたになりますが、1日1回より2回目があるときって、どこかに「あれ、これ何時間か前にやった!」という瞬間があって、デジャヴやタイムワープじゃないですけど、妙にそれが心地いいんです。

 



藤井さん)
 ただね、もう40代も半ばになると、腰が重いとか、膝が割れそうに痛いとか、ヒアルロン酸が必要だ…となってくるんですけど、福くんはそんなことないからね。ROLLYさんがおっしゃったように、本番はきっと楽しいと思いますよ。


福くん)
 ありがとうございます(笑)。


藤井さん)
 福くんがいてくれると、我々も疲れない気がします。





ROLLYさん)
 そうですね、若者のエキスを吸い取って元気になれそうです。


藤井さん)
 ちょっとおどろおどろしい表現ですが、はい、そうやって元気になれそうです(笑)。





【父と息子】


──この作品のテーマは父と息子です。みなさん“息子”さんですね。

ROLLYさん)
 ボスや藤井さんはお父さんとの関係性はいかがでしょうか。





福くん)
 はい、普通に仲いいです。お父さんが帰って来ると、一緒にお話して、休みの日には遊びにも連れて行ってくれるし、いつも助けてくれます。


藤井さん)
 僕も好きですね、父のこと。うちの母方の親せきで困ったことがあったときも、仕事を放ってかけつけるような人なんです。子供のころは、材木屋さんで働いている時期もあったので、僕の学習机や棚を作ってくれて。父の手で、一枚の板が立体になることが、子どもながらに不思議でした。





ROLLYさん)
 私の場合は少々複雑で、『ビッグ・フィッシュ』にでてくる父子に似ていて、子供のころは父親が大嫌いだったんです。いつも自慢話ばかりで。

 進駐軍向けのドイツレストランを経営していた両親のもとで育った父は、店の前に止まっていた進駐軍のジープを勝手に運転していたというんです。カギはついたままで、3メートルほどのチェーンでつながれていたらしいのですが、その数メートルの運転をクラッチ操作を誰にも教えてもらわずに会得したと。ちょうどボスぐらいの歳にですよ。
 そうやって自慢話ばかりする父に対して、でも、本当のところあなたはどうなのよと思っていたんです。ほかにもぶつかることばかりで。





ROLLYさん)
 それが、自分がこの仕事に就いて、ROLLYといういわば屋号でやっていくようになると、同じように商売をしていた父の言っていたことはこういうことだったのかと思うことがたくさんあるんですよね。だから、今は父エドワードのことも、息子のウィルのこともよくわかる、本当に思い入れのある作品なんです。


──なんだか思い入れ以上の、ROLLYさんご自身がこの作品、もっといえばティム・バートン作品から飛び出してきたような感じがしてきます。会見ではティム・バートン監督とお話しされたとのエピソードもご披露されていましたが。

ROLLYさん)
 ティム・バートン作品には社会的弱者というか、はみ出した人間の哀愁が描かれていてそこにシンパシーを抱くんです。そして、父親にも少年時代があり、お婆さんの中にも少女が住んでいる。そして、僕のなかにも小学生がいてその子が操縦している。そんなことを思い起こさせてくれるんです。
 監督と話したというのは事実ですが、ほんの少しです。ただ同じ部屋の空気を吸ったというだけですよ(笑)。


藤井さん)
 でも、ティム・バートン監督の息吹を運んでくれるROLLYさんのような方がカンパニーにいらっしゃるのは心強いです。


福くん)
 今、僕たち、同じ部屋の空気を吸っていますね。


藤井さん)
 そうそう、こうやっていろんなことを共有していきましょう!


ROLLYさん)
 そうですね。これからお稽古、本番と一緒に頑張っていきましょう。


ROLLYさん藤井さん福くん
 よろしくお願いします!


──素敵なお話をありがとうございました。
 稽古場もにぎやかになりそうですし、みなさんが作り上げる『ビッグ・フィッシュ』日本初演がますます楽しみになりました!




【実は…ROLLYさんのお父様の自慢話の後日談】


ROLLYさん)
 父親の自慢話を聞いて、「そんなん、見つかったらどえらいことになるで」と思っていたんですよ。でも、父の葬式のとき、父の兄弟たちが「うちの兄貴は子供のころ進駐軍のジープに乗って捕まったことがある」って話し出したんです。やはり、それは大問題になったらしいんですよね。面白可笑しく自慢話をしておいて、捕まったところは言わない。そんな父でした。




【公演情報】
ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』
2017年2月7日(火)~28日(火)@日生劇場

<ものがたり>
 エドワード・ブルーム(川平慈英)は昔から、自らの体験談を現実にはあり得ないほど大げさに語り、聴く人を魅了するのが得意。

 自分がいつどうやって死ぬのかを、幼馴染のドン・プライス(藤井隆)と一緒に魔女(JKim)から聴いた話や、共に故郷を旅立った巨人・カール(深水元基)との友情、団長のエイモス(ROLLY)に雇われたサーカスで最愛の女性、妻・サンドラ(霧矢大夢)と出逢った話を、息子のウィル(浦井健治)に語って聞かせていた。

幼い頃のウィルは父の奇想天外な話が好きだったが、大人になるにつれそれが作り話にしか思えなくなり、いつしか父親の話を素直に聴けなくなっていた。そしてある出来事をきっかけに親子の溝は決定的なものとなっていた。

 しかしある日、母サンドラから父が病で倒れたと知らせが入り、ウィルは身重の妻・ジョセフィーン(赤根那奈)と両親の家に帰る。
病床でも相変わらずかつての冒険談を語るエドワード。本当の父の姿を知りたいと葛藤するウィルは、以前父の語りに出ていた地名の登記簿を見つけ、ジェニー・ヒル(鈴木蘭々)という女性に出会う。

 そしてウィルは、父が本当に伝えたいことを知るのだった-。

<スタッフ>
脚本:ジョン・オーガスト
音楽・詞:アンドリュー・リッパ
演出:白井晃振付:原田薫/Ruu
衣裳:前田文子

<出演>
川平慈英/浦井健治/霧矢大夢/赤根那奈(夢咲ねね 改め)/藤井隆/JKim/深水元基
鈴木福・りょうた(Wキャスト)
鈴木蘭々/ROLLY
東山光明/大谷美智浩/加賀谷真聡/風間由次郎
中山昇/樋口祥久/遠藤瑠美子/加藤梨里香
小林由佳/菅谷真理恵/谷口ゆうな/真記子


公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文) おけぴ管理人(撮影)

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