中川晃教さん 第24回読売演劇大賞 最優秀男優賞 受賞記念取材会レポート

 『ジャージー・ボーイズ』旋風が、第24回読売演劇大賞を席巻!

 史上初ミュージカルがはじめて最優秀作品賞に輝き、演出の藤田俊太郎さんが優秀演出家賞に、そして、フランキー・ヴァリを演じた中川晃教さんが最優秀男優賞を受賞!ジャージー旋風が巻き起こった第24回読売演劇大賞、その受賞を記念した中川さんの取材会が行われました。





【仲間~「今回の受賞を、中川さんと一緒に仕事をして、中川さんを知る人はみんな喜んでいると思います」~】




──このたびの受賞に際して、『ジャージー・ボーイズ』のキャストや演出の藤田俊太郎さんと連絡は取り合いましたか。

 作品賞、演出家賞、男優賞3冠ノミネート(=優秀賞受賞)の連絡をいただいたとき、「やったねー!」とLINEやFacebook、メールなどで分かち合いました!

──多くのお祝いのメッセージが届いたかと思いますが、心に残ったものは。

 どのメッセージも心に残っていますが、あるプロデューサーさんからいただいた「今回の受賞を、中川さんと一緒に仕事をして、中川さんを知る人はみんな喜んでいると思います」という言葉。それによって『ジャージー・ボーイズ』に関わったすべての方の努力が報われたこと、その過程でのすべての出会いへの感謝に加えて、今まで出会ってきたすべての人へ感謝する、そんな思いが浮かんだんです。

──受賞をいの一番に報告したのは。

 いの一番に報告…できなかったんです(笑)。事前に連絡をいただき、決して口外していけないと言われていたので(笑)。発表まで、ノミネートのことは公表されていたので、みなさん「どうなるかね」と声をかけてくださるのですが、「なるようにしかならないので」なんて言いながら過ごしました。母親とも「どうなるんだろうね、やっぱり(三浦)春馬くんかね」「うん、春馬くんもがんばっているからとってほしいよね」、そんなやりとりをしました。
 だから、本当の意味では会社の人間かな。朝、会社へ行き、僕を15年支えてくれたマネージャーやスタッフ、事務所の仲間たちから「おめでとうございます!」と言われて、「本当にありがとう」と。それが、いの一番です。

 

【フランキー・ヴァリの歌声~僕は、音楽の無限大の可能性を信じている~】


──フランキー・ヴァリの声、普通では歌えないですよね。ご苦労した点など教えてください。

 まず、「これはいける!」と思ったのは、『ジャージー・ボーイズ』という作品の主役が音楽だったから。シンガーソングライターでもある僕は、音楽の無限大の可能性を信じているので。

 でも、この作品はコンサートでなく、クオリティの高いミュージカル。自分がその中でフランキーになれるのか…。そこは周りの「中川にやらせたい!」という気持ちに後押しされ、「やりたい!」の気持ちひとつで始まりました。


 今となってはよかったのですが、その時にはアメリカ本国にいるボブ・ゴーディオさんの許可を得なければ出来ない役ということを知らなかったので(笑)。

 本国のOKをもらうために、まず3曲のデモテープと映像を送りました。そのために楊淑美先生のもとでボイストレーニングを受けました。「ゴーディオさんたちが知りたいのは、1曲のなかでトワングというファルセットよりも強い発声、ファルセット、そして地声、その3つの使い分け、コントロール出来ているかということだろう」というポイントで具体的な課題をもらい突き詰めていきました。

 その後、6曲送ってくれと…(笑)。増えたんです!これはどういう意味なんだ?試されているのか?と思い(笑)、さらに気持ちに火がつきました。結果、ゴーディオさんからOKをいただきヴァリ役を演じることになりました。また、稽古中にもスカイプでレッスンを受けるという条件があったようなのですが、プロモーションビデオのクオリティを見て、必要ないと判断していただけました。

──41公演やり遂げましたね。フランキー・ヴァリ役は、「余人をもって代えがたい」と評されました。




 自分も知らなかった声、自分の声のことは自分が一番良く知っているはずなんだけど…。それに出会った感動と同時に、それを保ちながら、進化もさせて、41公演務めあげることへの不安はもちろんありました。

 実は公演中も、ボイストレーニングに通ったんです。休演日や昼公演だけの日に。初めてのことです。そこで、どう歌うか、どう声帯を使うか、ポジションを確認し、そして本番ではそれを全部忘れて役を生きる!その連続でした。

 あとは、本番ではマイクを通して歌声が伝わります。劇場ではPAの方が毎日、バンドと出演者全員の声のバランス、そして僕のヴァリとしての歌声、声質を細かく細かく調整してくれたんです。カンパニー全体の調和で41公演やりきれました。


【これから~なんてすばらしい仕事をさせてもらっているのだろう~】


──『ジャージー・ボーイズ』から得たものは。



 やっぱり奇跡ってあると思うんです。この賞をいただくまでのストーリーもそう。ひとつひとつの経験を自信にして、次の作品と出会っていく。でも、毎回怖かったり、本当にこれでいいのかと思いながら挑んでいく日々です。『ジャージー・ボーイズ』も同じような気持ちで挑んだのですが、ひとつだけ違ったことがあります。19歳のとき、僕は運命を感じる役『モーツァルト!』に出会い、10代、20代の代表作になりました。30代になり、フランキー・ヴァリと出会った瞬間に、これが30代の僕の代表作になるかもしれないと思いました。

 同時に超えなきゃいけない山の高さも感じましたが、でも、出来ないことはないという自信もありました。僕は歌を通して、お客様の心を掴む、そして感動を届ける。なんてすばらしい仕事をさせてもらっているのだろうと思います。音楽がなかったら、僕はいないので。音楽が主役のこの作品に出会い、経験したことで、この仕事に就けていることの幸せに改めて気づきました。



──『ジャージー・ボーイズ』再演について

 公演中に再演が決まったんです。それはすごく嬉かった!千穐楽の日に再演決定を発表したのですが、客席のあの盛り上がり。「おおおおお!」と底から響いてくる雄たけびみたいな感じを覚えています(笑)。お客さまに育てられたんだなと思いました。再演では、声の精度をより高め、老若男女、もっともっとこの作品が多くの方に見ていただけるように頑張ります!ザ・フォー・シーズンズをリアルタイムで聞いていた年代のみなさんにもたくさん見ていただきたいな。

──中川さんのこれから

 自分のモットーとして、誰も歩いていない道を歩くということがあります。特に音楽をやっているときに感じることですが、孤独なんですよね。自分を追い込むし。いっぽうでミュージカルはみんなで作っていける。苦労を一緒に乗り越え、その過程も作品に活きてきます。同じエンターテインメントでも全然違うんです。僕のなかにはその2つがあります。

 そして、僕にとって一番の夢、表現である音楽とミュージカル、次に見えている夢は「ミュージカルを作りたい」 ということ。

 いま、『フランケンシュタイン』という韓国発のミュージカルをやっていますが、軽く嫉妬しますよ(笑)!作曲家、どう見ても若いんですよ!えーっ!てくらい。あれだけ壮大な楽曲、オーケストレーションを作るんですよ。日本でもそういう才能、環境はあります。どこかでオリジナルミュージカルを生み出していく時代が来るんじゃないかという気持ちが、僕だけではなく、同じミュージカルシーンで頑張っている仲間たちにある、井上芳雄さんしかり。本当にそういうみんなの力がプラスになって、その時代は近づいている気がするんです。そして、それを応援してくれる人がいる。僕たちはそれを夢でなく、現実にしていかなくてはならないと思っています。

 そのために、今はミュージカルの作り方を学んでいます。たくさんの輸入作品をやらせてもらっています。『ジャージー・ボーイズ』のようなブックレス、コンセプト、そうかと思えばブックミュージカルも。

 これまでミュージカルをけん引してきた大先輩方の土台のもと、新しい世代がいよいよ次のステージに向かう、新しい世界へ向かっているように感じます。



【スヌーピー役について~日常にある小さな幸せに感動~】


──次なる出演作は『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』。そこではスヌーピー役です!


 6人のメンバーでお届けする、ブロードウェイミュージカルです。チャールズ・M・シュルツさんが50年近く描かれてきた『ピーナッツ』というコミックを原作にした、歴史を感じるミュージカルです。

 この作品には厳しくとも愛のあるメッセージが詰まっています。ユニークなキャラクター、彼らが抱く、小さな悩みや想いを歌やダンス、芝居で表現していくのですが、その目線がシュルツさんの愛、『ハピネス』というテーマ曲に繋がります。日常にある小さな幸せに感動できるんです。キャラクターをただ可愛く演じるだけでなく、キャラクターの肉付けもしっかりとしながら作っていきたいと思います。

 チラシのイメージは“子どもミュージカル”っぽいのですが、決してそんなことはありません。大人が観て楽しいミュージカル。役者冥利に尽きるスヌーピー役、形から入るのではなく、中身から入ろうと思っています。

スヌーピーのお次は…


 ミュージカル『ビューティフル』@手国劇場に、キャロル・キングと同時代を生き、共に切磋琢磨した職業作曲家バリー・マン役です!



【おまけフォト】


やったーという感じで!とのリクエストに


中川さん、そして『ジャージー・ボーイズ』、おめでとう!!

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人 JB2016

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