第24回読売演劇大賞贈賞式 大賞は舞台美術の堀尾幸男氏 スタッフの受賞は史上初!

 第24回読売演劇大賞(読売新聞社主催、日本テレビ放送網後援)の贈賞式が、高円宮妃久子さまご列席のもと行われました。



 各最優秀賞受賞者の喜びの声、優秀賞受賞者のお写真は、以下の通り。(敬称略)


大賞・最優秀スタッフ賞
堀尾幸男(『逆鱗』『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』の舞台美術)
「演劇大賞24回目にして、スタッフからの選出は初めてという快挙」(選評より)




「みんなが素晴らしいスピーチをするもんだから、僕は何を話そうかと(笑)。用意はして来ているんです。でも、さきほど1分でやれと言われ。だから、端折りまして大事なところだけやります。

 私は(登山家の)三浦雄一郎さんに似ているんです。それも書いてあるんです。(登山における)シェルパこそが舞台美術家、スタッフなんだという風に思っていたんですね。シェルパは決して(表舞台に)出てこない。それが出ることになりました。これはどうしようと思って、頭を抱えておりまして。でも、僕はみんなのためにいいスピーチをしなければいけないと思いまして、夕べ一生懸命書いたんです。そうしたら1分って。以前は3分だったんですよ。

 みなさん立っているので、短いほうがいいと思いながら、だんだんと長くなっています。ごめんなさい。最後だけ…」

 とてもチャーミングな人柄が溢れるスピーチで、これまで支えてくれたスタッフたちの名を挙げ、「みなさんを代表して私がもらうんだと思うとちょっと緊張していました」と語る堀尾さん。でも、最後にはやはり「もちろん、私の家内の名前を出さないと後で怒られますから」と笑いを誘うのでした。


最優秀女優賞
鈴木杏(『イニシュマン島のビリー』『母と惑星について、および自転する女たちの記録』の演技)
「その最大の美点は言葉を大切にした確かな演技力にあると言えよう」
(選評より)


「20代最後に、こんなに素晴らしいご褒美をいただけたことを、とてもうれしく思っています。2003年、15歳から16歳になる間くらいに『奇跡の人』という舞台で、初めて舞台の上に立ち、そのときから、私は演劇に恋をしっぱなしです。

 舞台の上に立っていると、照明が温かく太陽のように照らしてくれて、板は大きく大地のように包み込んでくれる。厳しくも、とても自由になれる、私にとって大事な場所です。その舞台の上で、10代後半から20代に出会った作品、役、演出家の方、スタッフの方、共演者の皆様から、役者としてもひとりの人間としても、本当に多くのことを教えてもらいながら、いままで生きてきました。

 中でも、とてもたくさんの大事な種を私に植えつけてくださったのは蜷川幸雄さんです。昨年お亡くなりになり、ひとつ帰る場所をなくしたような、心細いような気持ちになったのですが、その前後に、森新太郎さん、そして栗山民也さんという素晴らしい演出家の方と出会うことができました。なんだか大きなものに運んでもらえているような、未来につなげてもらえているような気持ちがしています。

 今、また新たなスタートラインに立っている気持ちです。本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします」


最優秀演出家賞
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(『8月の家族たち』の演出)
「演出者としての豊かな才能が端的に発揮されるのは、戯曲の読み方の上手さだと思う」
(選評より)


「(この前に登場した藤田氏のときと比べ…)どうも、ヒューヒュー言っていいですよ。ありがとうございます(笑)。

 昨年は『グッドバイ』という作品で優秀演出家賞をいただき、今年、最優秀演出家賞をいただきました。優秀と最優秀の違いは僕自身、実感としてはよくわかっていないのですが、でも、まぁ、最優秀のほうがうれしいです(笑)。

 今回、新作ではなく、誰かの作品をとなったとき、特にやりたい芝居があったわけでなく、あちこち探して歩いたんですね、(実際)歩いたわけではないですけど(笑)。探す中では、鈴木杏さんが受賞された『イニシュマン島のビリー』もいいなと思ったのですが、すでにあちらに上演権が渡っていて。本当に苦し紛れの『8月の家族たち』だったんです。でも、残り物には福があるというか(笑)。麻実れいさんをはじめとする出演者の方々とワイワイやっているうちにできたという感じなので、こんな楽しいことをやって、賞までいただけて、本当にうれしいです。

 そしてこの読売演劇賞は、何回でもいただけるというのが、とてもありがたいです。審査員のみなさん、ありがとうございます。最近、「脂が乗っていますね」なんて言われますが、2001年ぐらいにも、一度、よく言われたんですよ。それがパタッと言われなくなるんです。16年ぐらいして言われるようになるので、次回、脂が乗るのは2033年となっておりますので、お楽しみに!ありがとうございました」


杉村春子賞
三浦春馬(『キンキーブーツ』の演技)
「全てをかけてローラに挑んだ勇気と地道な努力が実を結びました」
(選評より)


「受賞させていただきました!本当にありがとうございます!

 ブロードウェイで『キンキー・ブーツ』を見て、この役に挑戦したいと願った、あのときの自分が本当に懐かしいです。その思いが現実となり、さらに受賞という形となって、これまで支えてくださったみなさん、見に来てくださったみなさんにも、感謝しています。そして、アミューズのスタッフ、そして家族には、言葉にならない愛情がわき上がってくるのを感じます。

 これからも微力ですが、ミュージカル・演劇を身近に感じてもらえるような、そんな働き、努力をしていきたいと思っております」


芸術栄誉賞
吉井澄雄
「日生劇場での浅利慶太演出、商業演劇に初登場した当時の蜷川幸雄演出、二代目市川猿翁が創出したスーパー歌舞伎……。こうした現代の演劇を考える上での節目の公演は、吉井氏のシャープな照明があったればこその成果だった」
(選評より)


「私は60数年、演劇の獣道を歩いてまいりました。私が手がけました演劇・オペラ・ミュージカルに関わったあらゆる人たちに、感謝を申し上げたいと思います。その中で、私の演劇への扉を開けてくれた3人の方のお名前を出し、改めて感謝を申し上げます。1人目は私の石神井高校の2年先輩の仏文学者の諏訪正さん。二人目は、私と同級生で素晴らしい知性と声を持っていた俳優の水島 弘、それからもう一人は慶応高校の浅利慶太です。
 この3人は私に演劇の扉を大きく開けてくださいました。

 そして、この賞は私一人が頂いたのではないと思っております。私の後ろに、今なお、獣道を一生懸命歩いている後輩たちがたくさんいます。これからも、この獣道を歩いている光を扱う職人たち、芸術家たちに、どうぞ光を照らしてくださるようお願い申し上げます」


選考委員特別賞
三浦基(『ヘッダ・ガブラー』『桜の園』の演出)
「三浦基の演出は、物語を解体して一見難解だが、虚心に接すれば古典絵画の裸体に加えられたイチジクの葉を除去するように、時代の壁を乗り越える明快なものである」
(選評より)


「作品優秀賞もいただき、さらに選考委員特別賞という大きな賞をいただけるとは、さすがに驚いております。ただ、これを聞いた周りの人たちは、「特別賞は地点、三浦君らしい」と、こちらが引くぐらい喜んでくださって。あ、特別なのは支えてくれた人たちなんだなとしみじみしました」と、三浦さんの特別な人を愛情と愛嬌たっぷりに読み上げてくださいました。


最優秀作品賞『ジャージー・ボーイズ』を代表した演出の藤田俊太郎さん、最優秀男優賞 中川晃教さんの喜びの声は、既報をご覧ください。


優秀賞受賞作、受賞者は次の通りです。

◆優秀作品賞=『For the people-リンカーン 自由を求めた男-』『宮本武蔵(完全版)』『三億円事件』『ヘッダ・ガブラー』


◆優秀男優賞=市川猿之助、坂本昌行、千葉哲也、三浦春馬



◆優秀女優賞=轟悠、濱田めぐみ、山本郁子、吉田羊


プレゼンターは昨年同賞受賞の小池栄子さん
「今回女優賞を受賞されたみなさん、本当におめでとうございます。そして最優秀賞を取られた鈴木杏さん.
ずっと少女みたいで、ときに色っぽくて、本当に生き様がカッコイイ、尊敬する先輩です。その方にブロンズ像をお渡しできることがとてもうれしいです」





◆優秀演出家賞=千葉哲也、原田諒、藤田俊太郎


プレゼンターは、昨年同賞受賞の鵜山仁さん
「ケラさんと千葉さん、藤田さん、原田さん、三浦さん、多士済々で、同じ演出の言う仕事をしていると思えないのですが。
 このように演出というのは、多様な世界なんだなと思って、この際、いろいろと刺激をいただいて、また新しい芝居、プロジェクトが立ちあげればいいと思っています」




◆優秀スタッフ賞=沢田祐二、高橋巌、玉麻尚一、原田保



 新人を顕彰する杉村春子賞に輝いた三浦春馬さんのフレッシュさ、大賞・最優秀スタッフ賞の堀尾幸男さんのユーモア、そして芸術栄誉賞の吉井澄雄さんの後輩へのエール、みなさんの舞台への情熱と愛情が込められたご挨拶でした。





【過去記事リスト】

第24回読売演劇大賞『ジャージー・ボーイズ』が席巻!最優秀作品賞&最優秀男優賞のダブル受賞!

【公演NEWS】~それぞれの分野の最前線で活躍する面々が集結~新国立劇場『マリアの首-幻に長崎を想う曲-』

祝・読売演劇大賞 最優秀男優賞受賞 中川晃教さんおけぴ単独インタビュー

中川晃教さん 第24回読売演劇大賞 最優秀男優賞 受賞記念取材会レポート

『ジャージー・ボーイズ』おけぴ関連記事

おすすめ PICK UP

ミュージカル『にんじん』製作発表記者会見レポート

【公演NEWS】TAIYO MAGIC FILM 第12回公演『時分自間旅行(ジブン ジカン リョコウ)』

新国立劇場バレエ団『ジゼル』主役インタビュー 木村優里さん&渡邊峻郁さん

ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念日スペシャル・カーテンコールレポート

【西川大貴さんインタビュー】映画『TAP -THE LAST SHOW-』公開&かららんNEWアルバムリリース記念ライブ&西川演出版ミュージカル開幕!

こまつ座第118回公演『イヌの仇討』演出 東憲司さんインタビュー

新国立劇場「JAPAN MEETS...―現代劇の系譜をひもとく―」シリーズ第11弾『君が人生の時』初日前囲み取材&フォトコールレポート

ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演観劇レポート

“ハロー・ミュージカル!プロジェクト” ミュージカル『キス・ミー・ケイト』製作発表レポート

『CLUB SEVEN-ZERO-』蘭乃はなさんインタビュー

ミュージカル『ビューティフル』おけぴ観劇会決定!

六月花形新派公演『黒蜥蜴』開幕レポート

おけぴスタッフTwitter

おけぴネット チケット掲示板

おけぴネット 託しますサービス

ページトップへ
おけぴ会員のご案内(登録無料) プレミアム会員のご案内(540円/月)