今年の『RENT』も熱い!世界中に熱狂的なファンを持つミュージカル『RENT』が約2年ぶりにシアタークリエに帰ってきます。昨年末の20周年記念ツアー来日公演
(※ブロードウェイ初演より)も盛り上がり、今なお、その魅力は輝きを増していることを実感された方も多くいらっしゃるでしょう。
世紀末のNYを舞台に、貧困、ドラッグ、HIV、LGBTといったシビアな問題を正面から描く社会性、愛、友情の普遍性、心をとらえて離さない歌と芝居のエンターテインメント性…すべてを持ちあわせエネルギーに満ち溢れた『RENT』。
2017年の『RENT』も個々のエネルギー、そしてその化学反応が楽しみ!そう感じた製作発表レポート<コメント編>をどうぞ!
<歌唱披露編>はこちらから。
マーク役:村井良大さん
村井)
「まさか2年前に続き、再びマークを演じられるなんて!本当にうれしく思います。この『RENT』の世界で、素敵なキャスト・スタッフのみなさんと、また素晴らしい濃厚な時間を過ごせると思うと、今からワクワクが止まりません。今回は公演期間も長いのですが、今日、舞台袖で控えているときに「このメンバーだったら乗り越えられる!」と感じました。これからみんなといろんな話をしながら、仲を深めていき、本番ではエネルギーを凝縮して舞台に立ちたいと思います。よろしくお願いします!」
『RENT』ご出演後もミュージカル、芝居などなど幅広くご活躍される村井さん(『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』レポ)、今回2度目となるマークとしてどう舞台上に登場するのか楽しみです。ロジャー役(ダブルキャスト)堂珍嘉邦さん
堂珍)
「僕も2回目のロジャーとなります。とても光栄に思うとともに大きな責任も感じています。この素晴らしいカンパニーがひとつになることがお客さまへの恩返しだと思います。このカンパニーをひとつにするための自分なりの方法として、裏ではずっとふざけていようかと思っています(笑)」
ロジャー役(ダブルキャスト):ユナクさん(超新星)
ユナク)
「2年前に『RENT』に出演したときは、緊張のあまり何が何だかわかりませんでした。今回は、新メンバーもいますが、前回に続き村井くん、堂珍さん、そしてみんなそろってもう1回、東京や地方公演で『RENT』が出来ることをすごくうれしく思います。2年前とは違う、もっといいロジャーを見せることを、この場で約束します」
ともにシンガーとしても活動されるダブルロジャー。繊細さと情熱を持ちあわせた前回から、どう進化するのかこちらも楽しみです!(クールキャラながら素顔のおふたりは…光永さんのコメントをどうぞ)ミミ役(ダブルキャスト):青野紗穂さん
青野)
「みなさん、はじめまして。今日からミミになります!青野紗穂です!よろしくお願いします。この中ではたぶん一番年下で、経験値もゼロに等しく、右も左もわからないひよっこですが、先輩方の背中を見て一生懸命喰らいついて頑張ります。私なりのミミや『RENT』を表現できればと思っています」
ミミ役(ダブルキャスト):ジェニファーさん
ジェニファー)
「『RENT』は小学生の頃からずっと愛してきた大切な作品です。ストーリーはいつまでもタイムレスで、世界中の人に愛の本当の意味を教えてくれます。何回見ても何回歌っても、曲を聴くとやっぱり鳥肌が立ちますね。愛があれば、何よりも強い!愛がすべてに勝つということをみんなが一緒に感じるのは『RENT』しかないとずっと思っています。ミミ役は5回、もうちょっとで10年になります。ミミは見た目がとてもセクシーな役で、自信があって、怖いものもない強い女性というイメージを持っていました。でも、ミミが抱えているものを勉強し始めてから、彼女は素直で壊れやすい女の子でもあり…演じれば演じるほど奥深い。たまねぎみたいにレイヤーがすごくたくさんあるので、10年経っても、まだ知らないことがいっぱいです。今回は、魂の奥まで見つめたいと思います」
深く深くミミを掘り下げるジェニファーさんと初役の青野さん、舞台上での共演はかないませんが、稽古場でのふたりのミミの化学反応がそれぞれにどう影響するのか。ワクワクしますね。コリンズ役:光永泰一朗さん
光永)
「青野さんが最年少なら、きっと僕は最年長です。ですがミュージカル初挑戦になるので、年齢に関係なく新人の気持ちでおります。続投キャストの方々が多いので、我々新キャストが入りづらいかなと思ったら、まったくそんなことがなくて!堂珍さんってこんなにいじられているんだとか、ユナクさんはこんなに…天然なのかとか、いろいろなこと発見しています。村井さんがおっしゃったとおり、このメンバーであれば絶対に上手くいく!僕もチームの一員として精一杯この役を演じたいと思います」
光永さんの『RENT』愛はこの後の質疑でも炸裂!! エンジェル役(ダブルキャスト):平間壮一さん
平間)
「前回はほぼ初ミュージカルで、ミュージカル界にはこんなにすごい人たちがいるんだと足がずっと震えていました。そこから経験を積んで、今日また再会したり、新たなメンバーと会ったりして、『RENT』という場所は他とは違うんだなって感じています。表現することに対する、ひとりひとりの思いの強さをどのカンパニーより感じます。だから日本でも『RENT』がみなさんに愛されているんだと、そして、俺がここに居られてよかったと思いました。まだ『RENT』を知らない人にも知ってもらい、もっともっと『RENT』を大きくしていきたいと思っています」
エンジェル役(ダブルキャスト):丘山晴己さん
丘山)
「フゥ~!『RENT』最高!大好きな作品、大好きな役を演じられること、この素晴らしいキャストとともに今年の夏を盛り上げていけることを本当にうれしく思います。僕は本当にハッピー!渡米して17年目。NYで感じたこと、見たことのエッセンスをエンジェルにとりいれて、一生懸命演じていきたいと思います」
I've loved you guys already!!
爆発するRENT愛を受け止める村井マーク!見つめる仲間たち!
丘山さんはスケジュールの都合でフォトセッション後にご退席ということでお先にご挨拶でした。みなさんのご挨拶のテンションとは若干異なるのはそのためです(笑)!モーリーン役(ダブルキャスト):上木彩矢さん
上木)
「私は3度目の参加となります。2012年の『RENT』が人生初舞台でした。それまではミュージカルというものを知らずにいましたが、この作品と出会い考え方や価値観、生きるモチベーション、すべてなにもかもが新しく生まれ変わりました。それほどまでに影響力のある作品です。今回は『RENT』という作品、モーリーンという役に改めてゼロから向き合って挑みます。新メンバーも加わり、さらに勢いを増したRENTを楽しみにしていてください」
モーリーン役(ダブルキャスト):紗羅マリーさん
紗羅)
「今にもどこかに飛んでいきそうくらい緊張しています(笑)。これが初ミュージカルです。今は夢の中にいるような感じですが、モーリーンとして、楽しみながら、自由に、精一杯演技できたらと思います。あとは、私は若い頃からお仕事していて学生時代を経験してないので、ここで青春を取り戻したいと思います。クラスメイトみたいに楽しくできればと!」
ジョアンヌ役:宮本美季さん
宮本)
「私も前回の『RENT』が初ミュージカルでした。この作品が初というのはとても幸せなことだと思っています。こうして2年振りに会い、みんなで「Seasons of Love」を歌ったときに、本当にやっぱりいい曲だな、いい作品なんだなと感じました。今回はジョアンヌと宮本美季の共通点をより多く見出して、更なる上を目指していきたいと思います」
ベニー役:NALAWさん
NALAW)
「日本での舞台は初挑戦です。素晴らしい方々と一緒に、この舞台をやることができてすごくうれしいです。まだまだ足りないところがいっぱいあって、いろんなことを学んでいきたと思っております。(同じ韓国出身の)ユナクさんがいらっしゃることがすごく心強いです。いろいろ教えてください!唯一の悪役として、大勢の方々にたくさん嫌われるように頑張りたいと思います(笑)」
ここからは親御さんからホームレスなど、様々な役を演じるマルチなみなさま!! 新井俊一さん
新井)
「人生で『RENT』に2回も出られるなんて超ラッキーだと思っています!また、再演というのも初めての経験なので、過去をなぞるのではなくて、新しい角度から『RENT』に向き合い、発見していけたらいいなと思っています」
千葉直生さん
千葉)
「3回目の出演となりますが、気を抜かずに初心を思い出して『RENT』と向き合いたいと思います。『RENT』から学ぶことは、毎回違います。1日1日を大事に生きていきたいと思っております」
小林由佳さん
小林)
「私も直生と一緒で、3度目の出演になります。またこのファミリーの一員になれて、本当にうれしく思っています。今年の夏は、このメンバーで最高の『RENT』を作り上げ、みなさまの心に届く作品にしたいと思っています」
MARUさん
MARU)
「2年前の製作発表で初めて「Seasons of Love」を歌ったときに、すごく緊張したのを覚えています。ほとんど記憶もないくらい。そして今日、2年経ちましたが、あの曲の素晴らしは全然変わってない。「Seasons of Love」のパワーに驚かされました」
ずっと一緒に音楽をやってきた仲間、初出演の光永さんへのエールに…胸アツな光永さんです。奈良木浚赫さん
奈良木)
「『RENT』が初舞台、初ミュージカルでした。いろんな不安がありましたが、本当に最高の時間を過ごせました。今回も全員で最高の時間を過ごしていきたいなと思います」
岡本悠紀さん
岡本)
「前回、僕は稽古場最終日に『RENT』に出られることがうれしすぎて、気絶してしまいました。最高にハッピーだったんですけど。今回も…2017年のRENTファミリー、最高に刺激的できっと気絶してしまうと思いますが、またその時はよろしくお願いします(笑)」
【質疑】
──2度目のマーク役の村井さん、どのような心構えですか。村井)
「心構えは…なんでしょうね。みんなのコメントを聞いて「自分、しっかりしなきゃ!」と思いました(笑)。でも、前回も「まとめなきゃ!」というより、みんなの個性、色を受け入れて、毎日を楽しんでいたんです。やはり『RENT』に関しては楽しむことが大事。大所帯で、公演数も多いですし、稽古も本当に大変なんです。でも、辛いなと思ったことは一度もありません。『RENT』という作品のパワーが、僕らの背中を押してくれるんです。
2度目のマーク役については、こんな幸運なことはありません。自分の人生を変えてくれた大切な作品、役とまた向き合うことができる。キャストのみんなや演出のアンディ(前回に引き続き、日本版リステージを担当されるアンディ・セニョールJr.氏)とディスカッションをしながら作品を作る、1日1日をしっかり生きるのが楽しみです。こんな感じで、答えになっていますか。大丈夫?」
「OK!すごくイイ!」(堂珍さん)「ありがとうございます(笑)。みんなにかわいがってもらっています!」(村井さん)
──ロジャーのおふたりに、役と共感する部分はありますか。ユナク)
「僕は自分で曲を作っていますが、みなさんにすごく知られている曲がないんですよ、「One Song Glory」が…。だから、その気持ちでロジャー役を演じたら、すごくよかったというか、自分の経験が役に立ちました。今年も素晴らしい曲をみなさんに残したいという強い気持ちで演じたいと思います」
堂珍)
「ロジャーを演じる上で、音楽をやっていて助かることあるとは思います。でも、それよりも作品の意味、生きていくことの愛、エネルギーとか切なさとか。それを味わいながら演じていきたいと思います。基本的にはふらっと来て、ふらっと帰る感じ。こんな感じで大丈夫ですかね。」
みなさんから「ダメ!ダメ!(笑)」と、さっそく鋭いツッコミが!!仲の良さの表れですね。──新キャストのみなさん、この作品をご覧になったことがありましたら感想を!…との質問に対する光永さんの答えをご紹介いたします。光永)
「19年前、学生時代にアルバイトで『RENT』公演のビラを配っていました。そのときに、「『RENT』を観てきなさい!」と2泊3日でNYに行かせてもらったんです。オリジナルキャストの公演を観て大ファンになりました。だから僕はちょっと暑苦しいほどマニアックかも(笑)。それがちょうど20歳のころ、だから本当に僕の人生を変えてくれた作品です。あれからずっと、いつかこの作品に関わりたいと思っていました。ようやく40歳になって初めてこの場に立てる喜びを感じています。この偉大な作品の語り部のひとりとして、自分の役割をしっかりと全うしたいと思います」
──最後に村井さんよりひと言お願いします。村井)
「『RENT』は本当に人生を変える素敵な作品です。まだ観たことない方、今まで何回も観た方、どなたも、何度でも楽しめるミュージカルだと思います。キャスト一同、力を合わせて大千秋楽まで頑張りますので、ぜひ魂の歌を聞きに来てください。今日はありがとうございました!」
今年の夏は『RENT』で決まり!愛、多様性、そしてどう生きるか…今こそこのメッセージが必要な気がします。世界初演から20年が経っても、色あせるどころかより一層の魅力を放つ『RENT』、お見逃しなく。
7月16日(日)13時は『RENT』おけぴ観劇会!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人