2012年8月22日(水)13:00
ミュージカル「RENT」制作発表レポ
20世紀末のNY、イーストヴィレッジを舞台に、ある年のクリスマスイブからの一年を描いたミュージカル「RENT」。
この秋、シアタークリエにてオリジナル版の演出を手掛けたマイケル・グライフによる新演出版が上演されます。
「Seasons of Love」、「Another Day」、「I’ll cover you」などR&B、ロック、タンゴ、ゴスペル・・・様々なジャンルの名曲が舞台を彩るこの作品。
世界中で熱狂的ファン“レントヘッズ”がいることでも有名ですよね!
パワーのある作品にふさわしく、今回も個性的で魅力的なキャストが揃いました!
キャストの意気込み&歌唱披露の模様をレポートいたします。
まず、ストーリーテラーでもある映像作家のマーク役は賀来賢人さん
映画版→舞台版DVD→オフ・ブロードウェイでの観劇と、RENTとの関係(!?)を深めてきた賀来さん。
「曲に魅了され、仕事観などもブチ壊された!」
「観ている人がその世界に入りたいと思えるような、素敵な、自分たちらしいRENTを作り上げたい。」
コメントの随所に座長としてのリーダーシップも感じられる、気合十分なマークです!
マークのルームメイトで元ロックバンドのメインヴォーカル、元ジャンキーのロジャーには中村倫也さん(ジュリアンさんとのWキャスト)。
NYやHIV、同性愛、貧困・・・体感したことのない部分を想像力や稽古で体になじませたいという役作りのコンセプトに続いて飛び出した中村さんらしいアプローチは
「ロジャーは滅多に笑わないんですが、たまに笑ったらすごいチャーミングだなと思っています。だから、僕、可愛くなりたいです(笑)。」
可愛い笑顔!!お見逃しなく!
強い意志とセックスアピール、ちょっと破れかぶれなところも魅力のSMダンサー・ミミ役には石田ニコルさんとJenniferさん!
モデルでもある石田さんは演技、歌、舞台と初モノづくしとのことですが、キュートな笑顔と目力はミミにぴったり!
「RENTはミュージカル以上の何かがあって、すごく心に残る素晴らしいもの!私の人生の中で大きな出来事になると思っています。」
JenniferさんはRENT出演後、「レ・ミゼラブル」や「TATTOO14」など大活躍!もうすっかりお馴染みですね。
「ミミ役は3回目ですが、いつも新しいスタートだと思っています。フレッシュな気持ちで一杯です。今回はミミの心の深いところまで入りたいと思っています。」
その名のとおりの愛と優しい心の持ち主、ストリートドラマーのエンジェルはヨウスケ・クロフォードさんと田中ロウマさんのWキャスト。
大好きなRENTの中でも特にエンジェルの“無償の愛”に共感したというヨウスケ・クロフォードさん。
「オーディション中、エンジェルが自分が好きなキャラクターだからこそ自分自身にすごくプレッシャーを与えていました。課題曲の歌詞があまりに前向き過ぎて聞くのがすごく辛かった時期もありましたが、それを乗り越えて今こうしてカンパニーに参加できることをとても誇りに、嬉しく思います。」
3度目のエンジェル役となる田中ロウマさんはエンジェル役について
「エンジェルのコアとなるのはその“愛”と“みんなと結ぶ”気持ち。これは初めてだろうが3回目だろうが芯に置いておきたいです。自分の経験、恋愛、失恋(笑)、その他色々、そういうものを
毎回反映させられたらと思っています。」
より深まったエンジェル、楽しみですね♪
コンピューターの天才で教師、さすらいのアナーキスト・コリンズにはScoop On SomebodyのTAKEさん(加藤潤一さんとのWキャスト)。
最年長にして初舞台、足を引っ張らないようにと語るTAKEさんですが、そのコメントからこれまでのキャリア、経験の深みがしっかりと感じられます。
「僕に歌を授けてくれた街がニューヨークです。(若いころ感じた)その当時のニューヨークの空気感というものを、僕なりにこの「RENT」の中で表現できたらなと思っております。
若い人はもちろん、40代、50代、60代、70代・・・のみなさんもぜひ劇場に足を運んで、RENTを観るというよりは、一緒に感じて一緒に歌いに来てほしいですね。」
マークの元恋人、パフォーマンス・アーティストのモーリーには上木彩矢さんとソニンさん。
上木さんは初舞台ということでプレッシャーを感じている中、やはりモーリーンと言えばあのシーンについて。
「モーリーンはケツを出すんですよ、“初めての舞台で、初ケツか”みたいな。。。(笑)。そこはソニンちゃんとかに色々レクチャーしてもらって(笑)。楽しみにしていてください。」
これを受け、ソニンさんは「モーリーンは初めてだから(笑)!!」
確かに!前回ソニンさんはミミ役でしたからね。
「ミミでオーディションを受け、モーリーンって言われて(笑)、正直ショックでしたが、同時にこういうことは日本ではあまりないな、“これぞニューヨーク、これぞRENT”とすごく興奮しました。
ミミとの違い、モーリーンの特徴はバイセクシャル。男であろうが女であろうがそこに目の前にいる人間を愛するだけというところにすごく共感します。
もしかすると、モーリーンの方がありのままの自分で表現できるんじゃないかな。」
そのモーリーンの新しい恋人、ハーバード・ロースクール出身の弁護士・ジョアンヌには西国原礼子さん。とにかく明るい!
「新しいキャスト、スタッフとの出会いにもすごく感謝しております。精一杯やらせていただきます。「RENT」のオーディションを受けた時期は、初めてのミュージカル宮本亜門さんの「アイ・ガット・マーマン」への出演が決まっていました。亜門さんに選んでいただいたことで、調子に乗って受けました(笑)。そうしたら受かったので、たぶんミュージカルに向いていると思います(笑)。」
そして、マーク、ロジャーの元ルームメイトで現大家、結婚によって裕福となったベニーにSpiさん。Spiさんは前回公演ではゴードンなどの役で参加されていましたね。
「ベニーをやらせていただきます。一生懸命頑張りたいと思います。よろしくお願いします。」
言葉少なでしたが、実は誰よりもインパクト大だったかも。。。
実は会見の冒頭、賀来さんに「就活?」と突っ込まれたのがSpiさん。カジュアルな皆さんとは一線を画すスーツ姿!!でも、ベニー役ですからね。語らずとも役への思い入れが感じられる(?!)スーツに身を包むSpiさんです。
ここからは歌唱シーンの写真をご覧ください!
この日だけのスペシャルWモーリーンとジョアンヌで「Take Me Or Leave Me」
マークとロジャーの「What You Own」
この日の登壇者全員によるSeasons of Love♪ みなさん気持ちよさそう!!
様々な役の代役を担うSwingキャストという“大役”に挑む田代絵麻さん、
「学生生活を終えて初の大舞台がこのRENTで本当に光栄に思っております。精一杯、スウィングを務めますのでどうぞよろしくお願いします。」
20歳になったばかり、初舞台の千葉直生さん、
「舞台の上でまっすぐに精一杯生きて、存在したいと思います。」
アクロバットダンス・カンパニー“G-Rockets”所属で舞台経験豊富な小林由佳さん、
「毎日を一生懸命、精一杯愛して生きていけるよう、みなさんから色んなことを学んで、舞台にぶつけていきたいです。」
中学生の頃RENTに出会い、CDを繰り返し聞いていたという伊藤友樹さん、
「この作品に参加できることは本当に夢が1つ叶ったなと、すごく嬉しく思っています。」
子役時代から数々のミュージカルで活躍されている海宝直人さん、
「ミュージカルの概念を変えてくれるきっかけになった作品です。参加させていただくことをとても光栄に思っています。」
この日のソリストはセキグチタケオさんと高城奈月子さん!堂々の歌いっぷりです♪
本場NYでもRENTを複数回観劇されたというセキグチタケオさん、
「まさか自分がこの舞台に立つなんて!「RENT」をみんなで作り上げていく上で、彩りを加えられるように、一生懸命、生き様をパフォーマンスしていきたいです。」
日米でゴスペルシンガーとして活動し、ミュージカルには初挑戦となる高城奈月子さん、「私が歩んできた道のりはちょっと独特かもしれませんが、その中で培ったもので何か役に立てればと思っています。」
プレビュー公演の前日に35歳の若さで急死した作者ジョナサン・ラーソンの遺した"NO DAY BUT TODAY"(今日という日と精一杯生きよう)というメッセージの詰まった人生賛歌のミュージカル「RENT」、ニューキャスト、新演出の2012年の新生「RENT」いよいよ始動です!!
勇気とパワーをもらえるミュージカルです。ぜひいろいろな組合せでご観劇下さいませ!
<公演情報>
2012年10月30日~12月2日 シアタークリエ
2012年12月6日~9日 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
<スタッフ>
脚本・作詞・音楽:ジョナサン・ラーソン
演出:マイケル・グライフ
日本版リステージ:アンディ・セニョール Jr.
訳詞:吉元由美
音楽監督:佐藤真吾
公演協力:アルファ ロメオ
(11月20日~25日 LGBT Pride Week開催決定!)