六月花形新派公演『 黒蜥蜴』稽古場よりレポートが届きました!



 あまりにも有名な江戸川乱歩の傑作エンタテインメント小説が、新派の舞台に!

 名探偵・明智小五郎役に喜多村緑郎さん、この世の美しいものをコレクションすることに執念を燃やす女盗賊・黒蜥蜴役に河合雪之丞さん。乱歩の世界にぴったりのお二人のビジュアルにうっとり。はまり役になる予感しかございません!

 さらに新派初登場となる秋山真太郎さん(劇団EXILE)、昨年9月に新派に入団した春本由香さん(尾上松也さんの妹さん)、そして永島敏行さんも出演の六月花形新派公演『 黒蜥蜴』稽古場よりレポート&出演者コメントが届きました!



(以下、公演主催者より提供されたレポートを一部編集・抜粋)




六月花形新派公演『 黒蜥蜴』稽古場レポート



黒蜥蜴と明智小五郎が出会う場面。左は春本由香演じる早苗。 

 この日が初めてとなる通し稽古が行われている稽古場に潜入。三越劇場の舞台と同じ寸法に稽古場を用いて、舞台転換に合わせ、舞台装置を実際に動かしながら、小道具なども手にし、本番さながらの稽古だ。

 まず印象的だったのは、とにかくスピーディなストーリー展開。どうなるのだろう? と、ワクワクしながら見ていると、あっという間に一幕目が終わり…という具合で、飽きることなく物語が進んでいく。明智小五郎と黒蜥蜴を中心に、それぞれのキャラクターがはっきりしていて、物語にも入り込みやすい。


黒蜥蜴の登場シーン。妖艶な魅力の河合雪之丞。


 さらに立廻りやアクションがふんだんに盛り込まれて、出演者が総勢19名とは思えないほど! 出演者一人ひとりが汗をかきながら、動き回っているのも印象的だ。



 芝居の核となる明智小五郎と黒蜥蜴の物語は、喜多村緑郎と河合雪之丞の息の合ったコンビで、スリリングでありながら、時にしっとりと描かれ、名探偵と女盗賊という相反する関係ながら、“美しいもの”を求める美学が通じ合い、惹かれあう「愛の物語」となっている。


 

タンゴを踊る明智小五郎と黒蜥蜴。

 
 今回のみどころのひとつである明智小五郎と黒蜥蜴による「タンゴ」!

 二人が出会う場面で、春本由香演じる早苗のかけるレコードから流れるタンゴの調べに合わせ、明智小五郎が手を差し伸べ誘い、黒蜥蜴が手を合わせて二人が組み、タンゴを踊る…。喜多村緑郎、河合雪之丞ともに、タンゴを踊るのは“初めて”。

 演出家の意向で江戸川乱歩の原作にはないタンゴシーンが書き込まれており、日本舞踊とは異なる振り付け、ステップに戸惑いながらも、全体稽古の後に二人で「タンゴ・レッスン」に臨んだという。この日はすでに芝居の中で音楽に合わせてタンゴを踊り、初めて取り組んだとは思えないほどの仕上がり具合だが、本人たちは不安な様子…。

喜多村緑郎さんコメント
「よもや、歌舞伎俳優の養成所時代から30年の付き合いの雪之丞さんと“タンゴ”を踊る日が来るとは、夢にも思わなかった! 二人とも真剣に取り組んでいますが…、お互いに笑いをこらえながらのお稽古になっています(笑)」

河合雪之丞さんコメント
「明智小五郎と初めて出会う場面で、この“タンゴ”を通じても、お互いのことを確かめ認め合っているんですよね。喜多村さんとは長い付き合いですので、何も言わなくても、な仲ですが…。二人ともタンゴが踊れるという設定なのが、初めての私たちとしては困りますよね(笑)」



 取材などでは、「雪之丞さん」「喜多村さん」と呼び合う二人だが、稽古の合間に、歌舞伎時代から変わらない、「春ちゃん」「段ちゃん」と声をかける一幕も垣間見えた。
(喜多村緑郎は、市川段治郎から市川月乃助。河合雪之丞は、市川春猿)



冒頭の永島敏行演じる片桐刑事のセリフから物語世界に誘われる。

 冒頭の独白で『黒蜥蜴』の物語世界に誘うのは新派公演には2回目の出演となる永島敏行。

永島敏行さんコメント
「演じる片桐という刑事は庶民目線で、どこか世間離れした明智と黒蜥蜴という二人と、庶民をつなげることが役目だと思う。観にいらしたお客様と、舞台をつなぐのも役目ですね」




劇団EXILEの秋山真太郎。女方とは初めてのお芝居。手前は演出の齋藤雅文。

 新派公演に初めて出演する劇団EXILEの秋山真太郎は、元ボクサーで黒蜥蜴に全てを傾ける雨宮を演じる。
 (黒蜥蜴とのキスシーンも!)

秋山真太郎さん(劇団EXILE)コメント
「雨宮という役を、ステレオタイプなヒール役ではなく、暴力的であるけれど、どこか繊細で壊れそうな部分をもって役作りができたらと。女方さんとお芝居することをはじめ、初めてのことだらけで。何から何まで初めて尽くしですので、恐さも半減しています(笑)」



 昨年9月に劇団新派入りした春本由香。兄は歌舞伎俳優の尾上松也。宝石商岩瀬家の令嬢、岩瀬早苗を演じる。

春本由香さんコメント
「とにかく演出の齋藤先生や先輩の皆様に従って、ひとつひとつのことを吸収していきたいです。今回の『黒蜥蜴』は、どなたが見てもわかりやすく、見やすい作品ではないかと思っています」


 脚色・演出の齋藤雅文が、「痛快大悲恋冒険活劇」というほど、今回の『黒蜥蜴』は「娯楽活劇」になっている。

 これまでに幾度も舞台化、映像化されてきた『黒蜥蜴』とは、またひと味もふた味も異なる新しい『黒蜥蜴』が誕生している。




(提供レポートここまで)


 この作品を上演するのが念願だったという喜多村緑郎さん。「新派とも歌舞伎とも言い難い、新しい挑戦」と意気込む三越劇場創立90周年トークイベントのレポートもぜひ御覧ください。

 映画やドラマ、そして美輪明宏さんが演じ続ける三島由紀夫版や、宝塚版など、さまざまな形で愛され続けてきた江戸川乱歩の傑作小説『黒蜥蜴』。

 古くて新しい、そして妖しく哀しい世界観にぴったりの新派版『黒蜥蜴』は6月1日より三越劇場にて上演。おけぴではゲネプロレポートも掲載予定! お楽しみに!!



【公演情報】
六月花形新派公演『黒蜥蜴』
6月1日(木)初日~24日(土)千穐楽
三越劇場(日本橋三越本店本館6階)

原作 江戸川乱歩
脚色・演出 齋藤雅文

明智小五郎・・・喜多村緑郎
黒蜥蜴・・・河合雪之丞

雨宮潤一・・・秋山真太郎(劇団EXILE)
岩瀬早苗・・・春本由香

宝石商・岩瀬庄兵衛・・・田口守
岩瀬家女中・柏原春・・・伊藤みどり

片桐刑事・・・永島敏行

公演情報詳細

この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました

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