【イベントレポート】『伊礼彼方の部屋』~時空を超えた!トークイベント~ゲスト:平方元基

 ミュージカル『王家の紋章』大阪公演も大詰めの5月28日、KANATA-LTD主催のイベント『伊礼彼方の部屋』@梅田芸術劇場が開催されました。

 今回、ヒロイン・キャロルの兄のライアンを孤独に熱演中の伊礼さんのお部屋を訪ねてくれたのは、ヒッタイト国の王子イズミル役を華麗に熱演中の平方元基さん。現代パートと古代エジプトパート、本編では決して交わることのないふたりの時空を超えたトーク!ということで、たいへん多くの王族、ミュージカルファン、そしておふたりのファンのみなさまにお集まりいただきました。




 イベントは時空を自在に行き来する?!フリーダムトークから、熱い演劇トーク、妄想劇場まで、盛りだくさん。さらに古代エジプトからまさかの飛び入りゲストまで登場!あっという間の2時間(!!)でした。


【伊礼彼方の部屋へようこそ】


 まずはもちろん、この方の登場から!

伊礼さん:伊礼彼方の部屋へようこそ~!広いでしょ(笑)。本日はお越しいただき、ありがとうございます。



「水が飲みたいな」…そこにアシスタントの長尾哲平さんが持ってきたのは…


泥水!!
「ろ過してきま~す」(長尾さん)


 『王家の紋章』でキャロルが“ただ者ではない!”と崇められるエピソードのひとつ、「濁った水のろ過」ネタに場内大爆笑。がしかし、これは“ただ者ではない”フラグだったのです…。



速攻でろ過し、再び登場!

 清水も届いたところで、まずは事前にみなさまから集めた質問に伊礼さんが答えるコーナー!トークのお相手は長尾さんと客席のみなさん、

伊礼さん:こんな質問が届いています。「はじめてライアン兄さんの髪型をしたときはどのようなことを思いましたか」
 それはね、金八先生?と思いました(笑)。でも、再演にあたりスーツもカツラも新調したんですよ。すごくスマートになったかなと。
 でね、むしろ僕から聞きたい!(おっと、いきなり脱線)今日は王族と呼ばれる方も多くいらしてるようですが、思い入れのある作品が実写、2.5次元になっていかがですか。


客席:最高!
客席:ライアンかわいそう!



伊礼さん:ありがとうございます。みなさんの中にライアンのイメージってあると思うんです。見た目はある程度似せることができる。そうなると、僕らがまず考えるのが“声”です。それとマンガの描写って、コマ送りじゃないですか。コマとコマの繋がりがない。その繋がり、コマの間の仕草を想像することにも時間をかけました。王族の方のライアン像ってどうなんだろう、そこに近づけなくてはならないってね。



長尾さん:その様子を稽古場で目の当たりにしていましたが、伊礼さんが毎回違う芝居を何パターンも提案している姿が印象的でした。そして、出来上がったものはライアンそのものだなと。

伊礼さん:稽古場で表現を提案していくのが俺らの仕事だからね。それを演出家がジャッジして芝居が出来上がっていくんです。本番が始まってからも毎日芝居を変えています。
 ご存じのように、今回、一人芝居が多いんですよ。まぁ、孤独(笑)。でも、一人だといろんなアプローチができるんです。自己完結できるから。もちろん本筋から脱線しない程度に、動きを変えたり、強調する部分を変えたり。それによって、日々ライアン像が良くなるように心がけています。常に何か発見したいんです。
 それは僕だけでなく、みんながやっていることです。役者だけでなくスタッフさんも、より良く!より良く!と。そうやってどんどん成長していく。それが舞台の良さだと思うんです。
 あ、なんか真面目な話だな。ちょっと空気を変えるために…呼ぶか!


 さぁ、お待たせしました!本日のゲスト平方元基さんです。


【平方さん登場】



颯爽と登場!


平方さん:お客様いっぱいでうれいしねー!
伊礼さん:まぁ、座れや!


 ここからはおふたりへの質問を中心にしたトークスタートです!進行は長尾さん。

長尾さん:では、平方さんへの質問です。「今回のイベントが決まったときの気持ちは」

平方さん:うれしい!でも、決まったときの気持ちっていうか、気づいたら決まっていたんだよね。昨年、東京でやったから(BUTAKOMEクリスマスイベント)、次は大阪で!って。

伊礼さん:俺、平等が好きだから。

場内:拍手!!



平方さん:こんなにたくさんの方が集まってくれて、うれしいな。
でも、2時間のトークショーってすごいよね。
2時間しゃべるってもう喫茶店ぐらいでしか経験ないよね!


こんにちは!(と上手側客席に手を振る平方さん)


伊礼さん:なに、あのエリアだけ!!ちょっとやめなさい、みんな同じ値段なんだから!!やるなら反対側も、後ろも手を振る!!


平方さん:じゃぁ、こっちもね!ありがとう!!


 気を取り直して!!

長尾さん:『王家の紋章』に関する質問を。「元基くんのイズミルの衣裳は暑そうですが、なにか対策をしていますか」

平方さん:対策ねぇ。僕、暑がりだからな。

伊礼さん:見ていて思うのは、とにかく動かないようにしている。この子(平方さん)ね、楽屋に帰らないんです。みなさん、舞台をご覧になったからお分かりかと思いますが、イズミルは1幕は最初に出て、あとは後半まで出ないんですけど、ずっと舞台袖に居るからね。40分くらいかな。

平方さん:もっとだよ、1時間くらい。僕が動くといろんな方に迷惑がかかるんですよ。衣裳がぞろびいて(引きずって)危ないし。それで舞台袖に居ますが、袖から観ていて楽しいですよ。その日の芝居のテンポや空気がわかるから。

伊礼さん:この芝居を一番観ているのは元基かもね。



イズミルの衣裳は足さばきも大変という話から、カーテンコールでのイズミルの歩き方再現!


長尾さん:次はこの質問。「お互いのいいところ、リスペクトしているところは」。


平方さん:彼方くんを見ていてすごいと思うのが、(劇中で)ライアン兄さんはほとんど誰ともしゃべらないでしょう。最初は、(あまりの孤独に)日に日に彼方くんが壊れていくんじゃないかと心配だったんですけど、そんなに弱くなかった(笑)。

伊礼さん:本当に。出るシーンが少ない上に台詞は説明という、なかなか酷な状況なんですよね。その台詞にあまりに感情を乗せると、説明をより説明してしまうことになる。そうすると、ただの暑苦しい人になってしまうから、その加減が難しい。再演では、台の上で芝居をすることが多くて、もはや歩くことすら許されず(笑)。

長尾さん:目線すら合わないという。

平方さん:それが時空の隔たり感にリンクするのかな。

伊礼さん:作品に参加していない感はある(笑)。本当に孤独だよ。でもね、1幕ラストにキャロルがナイルの波打ち際に流れ着くところ、いつもは気絶している芝居なんだけど、今日は聖子ちゃんがちょっと意識がある(むせるような)芝居をしてくれたんです。それだけで、会話ができる!と、すごくうれしかったの!!芝居っていいな!今日は、聖子ちゃんがご褒美をくれたのかな。

平方さん:そこまで壮絶な思いで舞台に立っていたとは…(笑)。

長尾さん:あ、質問のリスペクトしているところというのは。

伊礼さん:元基の好きなところは、芝居に対する情熱。芝居の芯をつかもうとする姿勢かな。

平方さん:彼方くんは、本番で1回も同じ芝居をしないんですよ。それは意識して違うことをやるのではなく、舞台に流れている空気に乗っかって、その場に応じた芝居をするってこと。そこがすごいなと思うんだけど、あまり褒めても気持ち悪いかな(笑)。

伊礼さん:「生」ってそうでしょ。同じ反応ってないから。お客様によっても違うしね。舞台は台詞、歌、動きは決まっていても、芝居のスピード感や熱は本当にその日によって違うからね。そういう感覚はお互い似ているのかなって思っているよ。

平方さん:そうそう、お客様といえば!僕のなかでは大阪のお客様のイメージって、客席がずっと熱いというか、沸々とわいているイメージだったんです。それが、今回は違って。最初は嘘でしょ!こんなに静かで…と思っていたんです。そうしたら「みなさんは集中して、食い入るように観てくれているんだよ」と祐さん(山口祐一郎さん)が教えてくださって。「お客様は…一挙手~」。



(長尾さんにちょこっと確認)

平方さん:「(一挙手)一投足を観ているんだよ」と。なるほどと思いました

伊礼さん:俺もその言葉苦手!あとね、オタマジャクシって言っちゃうの。

平方さん長尾さん:??

伊礼さん:本当の自分と違う自分をみせようとする。

客席:天邪鬼!



伊礼さん:そうそう、それをオタマジャクシって言っちゃうの。


平方さん:あとね、賛否両論が両否賛論になっちゃうの。

場内:笑!

 おふたりはちょっといい話になると途端にお笑い方向にハンドルを切るんですよね(笑)。


長尾さん:続いての質問は「『王家の紋章』での好きな台詞、シーンは?」

伊礼さん:すごくマニアックだけど。1幕前半、健ちゃん(メンフィス役の浦井健治さん)がアイシスに対して「姉上」というところ。台詞では説明していないんだけど、ただ「姉上」と言うだけで、“気品のある拒絶”が伝わるんだよね。スゲーカッコイイ!再演では健ちゃんは芝居を“王子”から“王”に変えてきていて、そのために身体も鍛えて、それによって心も変わっているんだよね。

平方さん:あの芝居の後、めぐさん(アイシス役の濱田めぐみさん)打ちひしがれているからね。あの感じ、ショックだと思うよ。

伊礼さん:俺、ああいう健ちゃんの芝居大好き!

長尾さん:それに関連した質問ですが、「アイシス様を男性としてどう思いますか」


平方さん:とても美しいと思います。我が崩れゆく愛、その悲劇性があのキャラクターになる。舞台上では、そういう負の感情が大きな原動力になって生まれるキャラクターがすごく魅力的に映るってあるんだよね。

伊礼さん:俺はかなしい女性だなと、傍から観ていて切なくなるな。

 ここで客席緊急アンケートをとったところ、お客様はアイシス様に感情移入される方が多いことが判明!



【共感度調査?!結果】

キャロル < アイシス
メンフィス < イズミル < ライアン


伊礼さん:いやぁ、うれしいですね。でも、なんだろうこの客席に漂うヨイショ感…笑。

 お話はこだわりのシーンへ…


伊礼さん:冒頭、ライアンは台に乗って登場するでしょ。照明、曲のタイミングに合わせてふり返って電話なんだけど、そこの振り返りは、その前の健ちゃんの振り返りを真似て、同期させているんだよね。

平方さん:ねぇねぇ、もうひとつ同期させているところあるでしょ!あのルドルフ3人(浦井メンフィス、平方イズミル、伊礼ライアンのお三方はミュージカル『エリザベート』で同じ皇太子ルドルフを演じていらっしゃいました)でいるシーンで、彼方くんと健ちゃんが「キャロル、お前を取り戻す」って言うところ。

伊礼さん:そうそう。あそこは逆に、俺が言った声のトーン、音程に健ちゃんが合わせてくれるんだよね。

 おお!!一部ではライアンはメンフィスの生まれ変わり説もあるという2つのキャラクターがリンクするというのもロマンがありますよね!それを抜きにしてもそれぞれにキャロルを思う強い気持ちという点でも、そのリンクは演劇的にすごく面白い!

伊礼さん:こんな質問もあるよ。「もし続編があったら、どのエピソードをやりたいですか」。質問をしてくださった方は「私は時空を超えてライアン兄さんの拳銃で撃たれるイズミルが見たいです」とのことですが。

 ここで突然の妄想劇場!

平方さん:見たいけどさぁ…。舞台でやるとなると、すごい技術が必要だよね。まさか拳銃の弾の役の人が動くわけにもいかないでしょう。でも、弾は見えたほうがイイよね。


伊礼さん:やってみようか!えーと、間違いなく俺は台の上だから(笑)。


パーン!と撃ったらピンの照明でスローモーションにして…


弾が時空を超える!


ああ!!


平方さん:そのシーンやりたいね!でもさぁ、そこからイズミルはずっと怪我をしているんだよね(しょんぼり)。


【なんとあの方登場!】


伊礼さん:えーとですね。ここでもう一人、時空を超えてですね。我が妹

客席:キャー!!(悲鳴は、のちに笑いへ)



オープニングの衣裳(風)のキャロル…


キャロ子さん、キャロ江さんに続き、この日以来、SNSなどで話題沸騰のキャロペイさんお披露目の瞬間です!

平方さん:僕、こんな子をさらった覚えはないんだけど(笑)。

と言いつつも、あのシーンの再現が始まるのでした。どこまでもサービス精神旺盛な方々。



そなたを愛おしいと思う。
この私をはばかるのか。



突然逃げ出す平方さん「なんなの、この会」
しかも待ち受ける伊礼さんがキスを求めるという…


でも、次の瞬間には、当たり前のように寄り添って座るふたり。


キャロペイさん:実はね、この衣裳一式をメンフィス様が用意してくれたんです。口紅はプロデューサーさんが出る直前に、やるなら完璧にしないとダメって。塗り方まで細かく指導してくださって。仕上げのグロスはプロデューサーさん自ら塗ってくれました。

伊礼さん:じゃあ、いろいろ公認のキャロルってこと(笑)?

 カンパニーを挙げての王家愛が炸裂ですね!


【キャロペイ走る!!】


 最後に行われたプレゼント大会でも大活躍のキャロペイさん。



プレゼントをもって広い客席を走るキャロペイさん

こうして楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。



平方さん:彼方くんの「やろうよ!」のひと言から始まったこの企画。今日こうしてたくさんの方が来てくれたこと、本当にうれしく思います。

伊礼さん:元基がいなかったら成立しない企画だったから。元基も来てくれてありがとう。これから僕らの世代がもっともっと頑張って、ミュージカルや舞台が発展していけばと思うんだよね。

平方さん:チャレンジしていかないとね!そこにプレッシャーも感じるけれど、それを跳ね除けて、地に足をつけてちゃんと歩んでいける俳優、人でありたいと思っています。

伊礼さん:やっぱり人生経験豊富な先輩方がとても魅力的に見えるのってそこなんだよね。元基、これからもよろしく!哲平もありがとう!!
 みなさんも、これからもミュージカルを見て、楽しんでください。また舞台やイベントで会えることを楽しみにしています。本日はありがとうございました。


 最後は頼もしい言葉で締めてくれる素敵なおふたりと大活躍の長尾さんに惜しみない拍手が送られ、イベントは終了しました。

 イベントでお客様をお迎え、お見送りしたBGMは、伊礼さんお気に入りの吹奏楽『樽屋雅徳作曲/星の王子さま(加養浩幸指揮/航空自衛隊西部航空音楽隊)』です♪ イベント本編はもちろん、会場の雰囲気づくりへもこだわった『伊礼彼方の部屋』はいかがでしたか。また、お目にかかる日を楽しみにしています!


【今後の出演情報】


 これからのみなさんの活躍からも目が離せません!!

<伊礼彼方さん>
ミュージカル『ビューティフル』(おけぴ製作発表レポ
ミュージカル『メンフィス』(公演HP

<平方元基さん>
ミュージカル『キス・ミー・ケイト』(おけぴ製作発表レポ
ミュージカル『レディ・ベス』(ミュージカル『レディ・ベス』開幕直前スペシャルイベントレポ 2014年の初演時の記事です

平方さん2nd写真集「Off the Day」も好評発売中!!

<長尾哲平さん>
ミュージカル『RENT』(おけぴ製作発表レポ
ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』(公演HP
『黒蜥蜴』(公演HP



【『王家の紋章』2017年キャスト版DVD発売】


♪Ra (太陽の神)バージョン
メンフィス: 浦井健治    キャロル: 新妻聖子
イズミル: 宮野真守     ライアン: 伊礼彼方
アイシス: 濱田めぐみ    イムホテップ: 山口祐一郎

♪Hapi (ナイルの神)バージョン
メンフィス: 浦井健治    キャロル: 宮澤佐江
イズミル: 平方元基     ライアン: 伊礼彼方
アイシス: 濱田めぐみ    イムホテップ: 山口祐一郎

詳細はこちらから


【イベント冒頭には…あの方が】


 実はイベント開始早々にまさかのあの方が登場したのでした。


メンフィス役の浦井健治さん(手には梅田のグルメガイドブック)
謎の登場となりましたが、キャロペイさんの仕掛け人(発案から衣裳調達まで)はこの方。多大なご協力&友情出演、ありがとうございました!



おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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