スーパー歌舞伎II『ワンピース』製作発表レポート

現在上演中

「君は何をやってもルフィにしか見えない」
原作者・尾田栄一郎さんからのお墨付きも♪


猿之助=ルフィが新橋演舞場に帰ってくる!!

 10月6日から11月25日まで東京・新橋演舞場にて上演される「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」製作発表会がおこなわれ、市川猿之助さん(演出・出演)と、横内謙介さん(脚本・演出)が再演に向けての意気込みを語りました。



写真左:横内謙介さん、右:市川猿之助さん


 2015年10月、11月に新橋演舞場で上演。翌年3月、4月には大阪松竹座、博多座公演で大幅な演出変更(新キャラクターも♪)を経てバージョンアップ上演された『ワンピース』。

 4度目の公演となる今回、猿之助さんはルフィとハンコックの二役を、平岳大さんが赤髪のシャンクスとエースを演じるほか、新たなキャストとして坂東新悟さんが参加。ナミとサンダーソニアの二役を演じます。

 さらに! 公演期間中、一部日程昼公演では、猿之助さんの役を尾上右近さんが演じる特別マチネ「麦わらの挑戦」公演がおこなわれることも発表されました!!
(猿之助さんはシャンクス役に、サディちゃんを坂東新悟さん、マルコを中村隼人さんが演じます♪ 詳細は公演情報をご確認ください

 仲間たちの「ドラマ」に焦点をあてて、さらなる進化を遂げそうな“ワンピース歌舞伎”。初演時を振り返ってのおふたりの挨拶からどうぞ。
 



横内謙介さん

横内さん)
 2年前、初演の製作発表のときには「これは歌舞伎界と漫画界を敵に回してしまうかもしれない」と不安でした。台本の第一稿はできていましたが、猿之助さんも忙しかったので深く打ち合わせができていたわけでもなく、さらには「原作を読んでいない」という恐ろしい発言まであって…(笑)「そんなこと言っちゃだめだ!」と“ウソップ”のセリフが出てくるくらいハラハラしていたことを思い出します。稽古段階では原作への理解不足もあって、ジャンプ編集部から「このキャラクターはこんなことを言わない」と検閲が入ったりもしました。私はこれを密かにGHQと読んでいたんですけれども(笑)。「歌舞伎にするんだから、原作のとおりには行かない。若い娘の役を45歳過ぎのおじさんがやるんだから」なんてやりとりをしたりして、国内でありながら異文化交流だったなと思います。
 紆余曲折あって初日を迎え、歌舞伎のお客様、原作ファンのお客様にも大きな心で受け止めていただきました。「想像の斜め上を行く」とも言っていただき、初めて聞く言葉でしたが、我々にとって力になる良い言葉をもらったなと思いました。演劇仲間からも「歌舞伎と「ONE PIECE」の親和性、相性の良さがすごい」と褒められましたが、そもそも尾田栄一郎さんが描いた世界が、日本文化の源流のような要素を持っていて、それが、歌舞伎という形で再会しただけなのかもしれないと思っています。漫画って輸入文化のような印象がありますが日本で生まれた文化の発展系なので、日本文化の源流に近いところにあって新しいものも受け入れていく歌舞伎と「ONE PIECE」は出会うべくして出会ったんだなと。自分で言うのもおかしいですがこの歌舞伎版『ワンピース』は世界に誇るべき日本文化だと思います。
 初演はとにかく初日の幕を開けるのに精一杯。その後、大阪松竹座、博多座公演の前に少し時間があったので、かなり練り直して、その間に我々の「ONE PIECE」への理解も深まりました。やりながら気がついたこともたくさんあった。たとえば白ひげ海賊団との対決で、セリフがたった一言だけだった“シャイン軍曹”などのキャラクターにもそれぞれファンがいて、その人物に対する思いがあることを知り、それを「手下1,2,3」という役名にしていたことは大きな間違いだったのではないかと。そこで一度原作に立ち返り、それぞれ役名をつけたところ、演じる俳優たちもさらに輝きを増して臨んでくれた。これは新橋演舞場のお客様にもぜひ見ていただきたいね、と言っておりましたので、今回こうして再演の機会を得たことを嬉しく思っています。




市川猿之助さん

猿之助さん)
 名作と謳われている歌舞伎作品も、初演からその形があったわけではありません。繰り返し上演されて、あらゆる俳優が工夫をして、究極系の形ができた。素晴らしい作品を生み出すためには再演を重ねることが必要なんですね。猿翁のおじから常々言われているのは、「再演を重ねられる「新作」を作るのは難しい」ということ。なるべく後世に残るようなものを作りたいと願い、興味本位、一回限りの話題性だけ、そういう作品づくりは避けてまいりました。この『ワンピース』が再演になったこと、それがすべての答えだと思っています。
 先日、尾田先生とお話ししたときに「君は何をやってもルフィにしか見えないから大丈夫」という言葉をいただきました。初演時、最初は役のディテールにこだわりました。これは古典歌舞伎でも同じで、先輩から教えていただいたとき、最初はまず役の細部にこだわって演じます。けれどもそれだけでは駄目で、その先の発展段階では自由にやるということですね。先輩方がよくおっしゃる「役の心さえ掴んでいれば、なにをやってもいい」という究極の教え。それと同じ言葉を尾田先生からいただいたような気がしました。再演にあたって、僕だけでなく、みんながそれぞれの役を自分のものにしていると思いますので、役の心を掴んだ上で、自由に羽ばたいてみたいと思います。大阪とも博多とも違う、新たなものをお見せしようと思います。

 

<「麦わらの挑戦」について>

猿之助さん)
 若手の抜擢を認めていただき、わたしは非常に喜んでおります。歌舞伎は「伝えること」が大事。若手役者の育成に力を入れていることをよくわかっていただけると思います。主役が変わることで、世界観も変わってきますので、両方を楽しんでいただけると嬉しいですね。(「麦わらの挑戦」でルフィを演じる)尾上右近くんは当然、僕と比べられる。実際の年齢は彼のほうが若いですが、歌舞伎の役の上では、年齢が若ければ若く見えるわけではない。年齢を重ねて、さらに若く見える演技、それを彼が学んでくれるか。主役を支える隼人くん、巳之助くん、新悟くんもいつも以上のカバー力が必要になってくる。ある意味僕が主役のときは僕に助けられていたところがあると思うんです。でも先輩とばかり組んでいると芝居が面白くならない。若手の彼らが100%以上の実力を出して何かを掴んでくれば、という思いで、僕は泣く泣くダブルキャストにしたんです(笑)。自分が一番良い状態のときに次の担い手に渡すというのは歌舞伎の使命。僕がシャンクス役にまわったときに、若手の彼らがどうなるか、お手並み拝見ですね


<新演出について>

猿之助さん)
 初演で行き詰まったときに、ゆずの北川悠仁さんに相談して主題歌を提供してもらうことになりました。舞台の発想も彼らのステージからヒントをもらっています。今回も幸か不幸か、5月に彼らの20周年記念ライブを見てしまいまして(笑)、そこで使われていた演出を取り入れてみたいなと思っています。映像を使った最新技術です。ライブ会場と演舞場の違いはありますが、そこは無理にお願いしようかと。上演時間もできるだけ短く、観劇後に銀座の街を楽しんで帰っていただけるような終演時間にしたい。そのぶん中身を濃密にしたいと思っています。
(ルフィの手が伸びる演出についての記者の質問に) やっぱり最初に話題になるのは、そういうところですよね。僕らも最初は「ONE PIECE」の世界にお客様が入ってこられるのかどうか心配で、そういったルフィたちの能力に対する説明をいちいち入れていましたが、上演を重ねていくと、必ずしもそこに重きを置かなくてもよいのではと感じるようになりました。もちろん、手が伸びると皆さん喜んでくださりますが、そういう場面は作品の彩りでしかない。それよりも尾田先生が描いた人間の変わらない部分、ドラマに皆さん感動するので、今回はそのあたりをより生かしていきたいと思っています。初演で説明に使っていた時間をドラマに使えますので、より普遍的なものをお見せできると思います。




国民的人気漫画「ONE PIECE」がふたたび歌舞伎に。
猿之助さん率いる麦わらの一味と再会できる日が待ちきれません!


 スーパー歌舞伎II『ワンピース』は、10月6日(金)から11月25日(土)まで新橋演舞場にて上演。その後、2018年4月に大阪松竹座、5月に御園座(名古屋)での上演が予定されています。

 
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スーパー歌舞伎セカンド『ワンピース』製作発表レポート(2015年初演時)
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<こぼれ話♪>
 ルフィ以外に演じてみたい役は? と聞かれた猿之助さん。
「今はルフィしか考えられない。それくらい愛着があるので。いつか僕が死んだときに、新聞とかで「当たり役は義経千本桜の佐藤忠信、ルフィ…」とか並んだらいいじゃないですか、ね? ルフィ役は一番の宝物だと思っています」


【公演情報】
スーパー歌舞伎II『ワンピース』
平成29年10月6日(金)~11月25日(土)

原作:尾田栄一郎
脚本・演出:横内謙介
演出:市川猿之助
スーパーバイザー:市川猿翁


出演:
市川猿之助(ルフィ、ハンコック)
市川右團次(白ひげ)
坂東巳之助(ゾロ、ボン・クレー、スクアード)
中村隼人(サンジ、イナズマ)
尾上右近(サディちゃん、マルコ)
坂東新悟(ナミ、サンダーソニア)
市川寿猿(アバロ・ピサロ) 
市川弘太郎(はっちゃん、戦桃丸)
坂東竹三郎(ベラドンナ)
市川笑三郎(ニョン婆)
市川猿弥(ジンベエ、黒ひげ) 
市川笑也(ニコ・ロビン、マリーゴールド) 
市川男女蔵(マゼラン)
市川門之助(つる)

平岳大(エース、シャンクス)
嘉島典俊(ブルック、赤犬サカズキ) 
浅野和之(イワンコフ、センゴク) 
 

「麦わらの挑戦」配役
シャンクス:市川猿之助
サンジ、イナズマ、マルコ:中村隼人
ルフィ、ハンコック:尾上右近
ナミ、サンダーソニア、サディちゃん:坂東新悟
エース:平岳大

公演公式サイト

おけぴ取材班:hase(取材、撮影) mamiko(文)  監修:おけぴ管理人

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