日本初演! ミュージカル『マタ・ハリ』開幕レポート【舞台写真掲載】


「ダブル主演の柚希礼音さん、加藤和樹さんが切り開いた新境地!」
「あらたなミュージカルスターの誕生」「日本版ならではの繊細なメッセージ」…
話題満載! ミュージカル『マタ・ハリ』日本初演・開幕レポートをお届けいたします!


 第一次世界大戦下のヨーロッパで、蠱惑的なダンスで人々を魅了しながら、フランスの諜報員として暗躍したマタ・ハリ。

 時代と戦争に翻弄されたひとりの女性の愛と運命を、フランク・ワイルドホーンの楽曲にのせて描き、韓国で大ヒットした話題作が、石丸さち子さんの訳詞・翻訳・演出による新たな日本版として開幕!

 ミュージカル『マタ・ハリ』日本初演の初日に先がけて、主演の柚希礼音さん・加藤和樹さん、演出の石丸さち子さん、そして加藤和樹さんとダブルキャストで交互出演する佐藤隆紀さん・東啓介さんが作品への意気込みを語りました。

 舞台写真とあわせて、日本初演に挑む演出家、キャストの熱い思いをお届けいたします!



こんな“ちえちゃん”見たことがない!
“女優”として、確実に新たなステップに上った柚希礼音さん。
スターとして、そして恋する女として、マタ・ハリが見せるさまざまな表情は、宝塚時代からのファンの方も必見です! 



【囲み取材に登場した出演者たち】
写真左から:アルマン役の東啓介さん、ラドゥー/アルマン二役を演じる加藤和樹さん、マタ・ハリ役の柚希礼音さん、ラドゥー役の佐藤隆紀さん


【日本版ならではの見どころ】

石丸さち子さん(演出):
 韓国でこの作品を見て、ドラマチックでパッションを感じる芝居に感動しました。日本版では、熱いパッションはそのままに、日本人ならではの繊細さとゆらぎを取り込みたいと思っています。ヨーロッパ中が疲弊した第一次世界大戦のさなかに、美しい男と女がぼろぼろに傷つきながらも生き抜こうとする姿。その強さをしっかり描きたい。美しさと醜さ、優しさと残酷さ…世界にはそんな両局面があると思います。その両極をお見せしたい。戦争の過酷さ、残酷さのなかに、生きる希望、優しさが生まれる様子。男と女に生じる愛と裏切り。それでも人が生き抜こうとする姿。そのようなことを描きたいと思っています。



ヨーロッパ中にコネクションを持つマタ・ハリ(柚希礼音さん)の存在に目をつけたフランス諜報局のラドゥー大佐(加藤和樹さん)。
彼女の過去の秘密を握り、スパイとして働くことを強要する場面ですが、はじめはあくまでも紳士的な態度。マタ・ハリも毅然と応対しますが、物語後半ではふたりとも全く別の顔を見せてくれるのです…。


フランス首相・パンルヴェ(栗原英雄さん)の娘婿として、そして諜報局大佐として、次第に追い詰められていくラドゥー。軍服に身を包んだ凛々しい姿。けれども、その心の中は恐れと苛立ちに満ちていることが伝わってきます。
短い場面で芝居をキリッと引き締めるパンルヴェ役の栗原さんもさすがの存在感!



【“マタ・ハリ”として生き抜きたい】

柚希礼音さん:
 すべてが挑戦。マタ・ハリになりきりたいと思っています。壮絶な生い立ちがあり、立ち上がることのできなかった過去の自分が嫌で、いまは「生きる」ことに強く向かっている女性。そこを大切に演じて、思いきり“マタ・ハリ”として生き抜きたい。「マタ・ハリにしか見えない」と思ってもらえれば。


フランスのスパイとして、ある任務を遂行するマタ・ハリ。
彼女のパトロンのひとりでもある、ドイツのヴォン・ビッシング大佐を演じるのは福井晶一さん。
この役がまた一筋縄ではいかない、多面性を持つ役柄なんです。
ふたりのかけひき、福井さんとアンサンブルのみなさんの歌声も含めて、作品の見どころ聞きどころのひとつになっています。


こちらは、おけぴスタッフお気に入りの一場面。
マタ・ハリが、スターダンサーでもなく、スパイでもない、ひとりの恋する女の表情を見せるひととき。柚希礼音さんの柔らかい笑顔が印象的です。
東啓介さん演じるアルマンの“年下彼氏”っぽさもたまりません!
加藤和樹さんのアルマンも、またがらりと印象が変わりそうで楽しみ♪



【二役の演じ分け、役の芯の部分で迷いはない】

加藤和樹さん:
 まずひとつの役を作り上げて、それからもうひと役を作ろうと石丸さんと相談していたのですが、佐藤くんや東くんが(ラドゥーとアルマンを)演じているのを見ていると、どちらもやりたくなってしまって…(笑)。結局、同時進行で二役を作り上げました。役作りの上で思ったほどの混乱はなかったですね。それぞれの役の芯の部分ではまったく迷いはない。このメンバーと作り上げてきたものを、いかに舞台上で出せるかが非常に楽しみです。二役ともぜひ見ていただきたいと思います。


任務として接するなかで、次第にマタ・ハリに対して異常なほど執着していくラドゥー。なにが彼を駆り立て、追いつめたのか? その答えもまた、この作品が訴えたいことなのかもしれません。
苛立ち、焦燥感、そのすべてを歌声にぶつける加藤和樹さんもまた新たな役柄で新境地を切り開きました!
(あまい恋のシーンたっぷりのアルマン役も楽しみです♪)

佐藤隆紀さん:
 稽古場で和樹くんの芝居を見ることがすごく勉強になりました。「ここはこう見えるんだ、ここはこう見せたほうがいいんだ」と気がつくことがたくさんあり、ほんとうに良い機会を頂いたなと。
 同じ役ですが、ダブルキャストで本当に印象が変わると思います。稽古場でお互いの演技を見て、いいところは真似をしたりもしましたが、お互いの個性が活きている部分はそのままにしている。やはりダブルキャストどちらも見て頂きたいなと思いますね。



こちらはアルマン役をみずみずしく演じた東啓介さん。『スカーレット・ピンパーネル』に続く本格ミュージカル出演二作目で、大役を射止めました。
まだまだ荒削りな部分はあるものの心を感じる演技。そして持って生まれた声の良さというのでしょうか、これからどこまで進化していくのか楽しみな歌声を聞かせてくれました。
新たなミュージカルスターの誕生、ぜひ劇場でお確かめください!

東啓介さん:
 ダブルキャストというものを経験するのが初めてだったので、稽古場で自分が演じる役を客観視できる時間があるのが新鮮でした。すごく貴重な時間で発見もたくさんありました。


この階段の場面、きっと胸がキュンキュンする方続出のはず♪セットの全貌はぜひ劇場で。(美術は堀尾幸男さん)
…とはいえ単なる甘い恋人、としてだけではない顔を持つアルマン。
彼もまた、戦争のために運命を変えられていくひとりの人間として描かれます。西川大貴さん・百名ヒロキさん演じるピエールにかけるアルマンの言葉が、重い意味を持つパイロットたちのシーンにもぜひご注目ください。



【マタ・ハリ=柚希礼音のダンス】

石丸さち子さん:
 マタ・ハリはあの大戦のさなかにヨーロッパ中に呼ばれて公演をしていた。彼女のダンスがなぜそこまで人々を魅了したのか。振付の加賀谷香さんと相談しながら、柚希さんのダンスでその理由を体現できるシーンをいくつか作りました。マタ・ハリのダンスは神に捧げる踊りでもあるし、同時に人々を楽しませるエンタテインメントでもある。精神性の高さと、見ていて楽しい要素のどちらもある、とても素敵なシーンになっていますので、ぜひご期待ください。

柚希礼音さん:
 加賀谷さんの振付を受けるのは初めてですが、とても気持ちよく、心から踊れるものになっています。有名な「寺院のおどり」には、ただ振りを踊るだけではない精神性の高さがある。この踊りがマタ・ハリの心の支えになっていることが、物語を最後まで見て頂くとわかってもらえるのではないかなと思います。


「柚希さんのダンスを稽古場で見て、「あ、マタ・ハリだ」と思いました」(加藤和樹さん)
おけぴスタッフもカメラのシャッターを押しながら、柚希さんの動き、そしてその素晴らしいプロポーションに目が釘付け!
男役時代には決して見ることのできなかった、生身の“柚希礼音”の魅力。宝塚時代のあの男らしさは、この研ぎ澄まされた筋肉、体幹の強さがあってこそのものだったのか!と納得です。



【ダイナミックでロマンチックなフランク・ワイルドホーン楽曲】


この方の歌声を楽しみにしている方も多いはず!
マタ・ハリが心を許す衣裳係のアンナを演じる和音美桜さん(写真右)。
登場場面やナンバー数は多くはありませんが、舞台上で描かれていない彼女の人生にも思いを馳せ、切なくなってしまうような歌声です。
マタに献身的に尽くし、彼女を通して世界を見て生きてきたと歌うアンナ。「生き抜いてこそマタ・ハリでしょ!」というセリフも心に残ります。

石丸さち子さん:
 ワイルドホーンさんの音楽は、ものすごくダイナミック。次々と別の世界に連れて行かれるような、とんでもないジャンプがある。ダイナミズムとロマンチックさ。そのふたつを最大限に活かしたいと思います。

加藤和樹さん:
 二役の演技で混乱することはなかったのですが、ラドゥーとアルマンふたりのシーンの稽古で、演じている役と別のパートを歌ってしまったことがありました。ハモらなくちゃいけないところがユニゾンになってしまった(笑)。舞台上ではそんなことのないよう、それぞれの役の気持ちを持って、しっかりと歌えるようにしたいです。

柚希礼音さん:
 みなさんに助けてもらいながら挑んでいます。最終的には(音楽に)マタ・ハリの思いが乗るので、舞台上では心が叫ぶように歌いたいと思います。

東啓介さん:
 (声楽の練習を続けていることについて聞かれて)僕は楽譜も読めないところからはじまったので、現場でみなさんからたくさん学ばせていただきました。とにかく楽譜がすべての答えだと思っているので。楽譜通りに歌えた上で、崩したりっていうことがあるのかな、と。

佐藤隆紀さん:
 東くんが試行錯誤しながら、本当に真摯に音楽に向かっているのを隣で見て、成長を肌で感じました。東くんのファンの方もきっと「わ、変わった」と思うのでは。稽古の初日からどんどん良くなってきているんです。(周囲から「先生(笑)!」とツッコミが…)(笑)。僕も頑張ります!



親しみやすい口調と表情でお答えくださった佐藤隆紀さん。
あの歌唱力で演じるラドゥー大佐役、加藤ラドゥーとはまたちがう迫力がありそうです。どんな仕上がりになっているのか、ぜひ劇場で!







 幕が開いてすぐに、「もう過去へは戻らない」と力強く歌う柚希マタ・ハリ。そのエネルギーの強さに心をつかまれ、そのまま一気にクライマックスまで連れて行かれるようなミュージカル『マタ・ハリ』。

 舞台上には常に戦争の気配が漂い、閉塞感に包まれた中、それでも輝く命、愛。ただ楽しいだけのエンタテインメント・ミュージカルではありませんが、舞台に込められた思いの強さを感じることのできる作品です。

 最後に、4人の出演者からあらためて意気込みのコメントを頂きました。


東啓介さん:
 日本初演のこの作品に参加できることは、自分の中ですごく財産になると思っています。作品で描かれている「生きる」という力を、お客さまに持ち帰って頂ければと思います。
 
佐藤隆紀さん:
 今、この時代だからこそ、ぜひ見て頂きたい作品です。あの時代に生きたマタ・ハリの人生を体感することで、現代を生きる方にとっても「戦争」について深く考えるきっかけになればと思います。頑張ります。

加藤和樹さん:
 韓国でこの作品を見たとき、胸に熱くこみ上げるものがありました。それを自分が、しかも二役を演じるということでプレッシャーもありますが、みんなで積み上げてきたものを、ようやくお客さまに見て頂ける楽しさのほうが勝っています。「生きている」ではなく「生きる」ということ、その思いの力強さ、エネルギーを、現代を生きるお客さまに感じていただければと思います。

柚希礼音さん:
 自分にとって大きな挑戦になるマタ・ハリ役。気を引き締めて、マタ・ハリの半生を、思いっきり壮絶に、勇敢に生きたいと思っています。応援よろしくお願いします!




 ミュージカル『マタ・ハリ』は、大阪・梅田芸術劇場メインホールにて1月28日まで、そして東京国際フォーラムホールCにて2月3日から18日まで上演です。

 役替りスケジュールなど、詳細は公演公式サイトをご参照ください。
 

▼「梅田芸術劇場チャンネル」で舞台映像が公開されました!

【公演情報】
ミュージカル『マタ・ハリ』
2018年1月21日(日)-28日(日) 梅田芸術劇場メインホール
2018年2月3日(土)-18日(日) 東京国際フォーラム ホールC

脚本 アイヴァン・メンチェル/作曲 フランク・ワイルドホーン/歌詞 ジャック・マーフィー
オリジナル編曲・オーケストレーション ジェイソン・ホーランド
訳詞・翻訳・演出 石丸さち子

出演
柚希礼音 加藤和樹
佐藤隆紀(LE VELVETS) 東啓介/西川大貴 百名ヒロキ
栗原英雄/和音美桜/福井晶一 他

※ラドゥー役・アルマン役は加藤和樹さんが日替わりで出演します。
※ピエール役 百名ヒロキさんは大阪公演には出演しません。
※公演回毎の出演者は公演公式サイトをご参照ください。

公演特設サイト

おけぴ取材班:mamiko(文・撮影) 監修:おけぴ管理人

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