DRAMATIC SUPER DANCE THEATER『FLAMENCOマクベス~眠りを殺した男~』稽古場レポート



 主君ダンカン王を殺し、自らが王となったマクベス。彼をたきつけたといわれる野心家のマクベス夫人。勇猛な武将が欲望の力でのし上がり、自らが犯した罪の意識に耐えきらず錯乱し、妻もまた……。“人間の業”を描いた傑作が、フラメンコミュージカルとして舞台に立ち上がる!


【感想ご紹介】


♪主人公マクベスは雄々しくて気高い、それでいて弱くて愚かしいとても人間味のある男。王を殺し、親友を殺し、憔悴しながらも纏っている空気が研ぎ澄まされていくのを感じました。
 伴侶であるマクベス夫人は美しくて冷酷で、でもマクベスに対する愛に満ちていて、世間的には悪女であっても視点を変えれば深すぎる愛を貫いた女性でした。
 個人的には刺客役の和田さんのシーンがとても好きです。出番の短さに反して存在感が濃い。親友バンクオーを殺すためにマクベスが放った刺客ですが、動きに一切の無駄がなくて、全く目が離せません。清廉潔白なバンクオーとは対照的な闇深い印象で、2人の戦いはまさに命の削りあいのような迫力あるものでした。

♪今まで観たマクベスとは全然違う!マクベスが啓示をうける場面のフラメンコ!尺八の音色とパワー、和太鼓ドラムの効果ラストのマクベスと二人のフラメンコマクベス婦人の邪な心がマクベスを追いつめ、染まってしまう場面マクベス夫人が手を洗っても洗ってもきれいにならない・・がダンス表現で素晴らしく心に届きました。
 ダンスで表現する心の叫び想像以上に響きました。

♪フラメンコがドラマチックで斬新なダンスエンターテイメントでした。ダンスのキレが素晴らしい。もちろん、歌も素晴らしかった。水夏希マクベス夫人の毒がしたたるような美しさにほれぼれしました。

♪今までにない程のリーダー(東山さん)と森さん、中塚さんのがっつり芝居が見所です!いつもとはちょっと違ったD☆Dの魅力が溢れていました。

♪フラメンコと和楽器、ドラムなど一見ばらばらなジャンルなのにお芝居が絡むと絶妙なバランスで迫力と格好良さがいっぱいでした。あと素晴らしきは、水さんがおひとりで白いドレスで踊るシーンです。オーラが凄かった!

♪D☆Dの舞台は数々観てきたが、今までで一番といえるくらい気迫の込もった舞だったと思います。尺八とflamencoの、まるで戦いのようなセッションが忘れられません。

♪ダンス公演は、遠くの席からが一番良いということが、よくわかる公演でした。
 何といっても、照明が綺麗。それぞれの、出演者の心情に合わせた、変化する照明。そして、フラッグやアクロバティックなダンスの美しさ。そして何より、主役二人の絡み合うデュエットダンスの美しさ。
 マクベスとマクベス夫人の心情似合わせて変化する音楽、照明、激しいダンス。本当に、素晴らしかった。そして、道化役の骨。巧みな話術とダンス。とても良かったです。

♪ダンスだけでも充分魅力的なのに、台詞を言い歌を歌う東山さんがとても新鮮で素敵でした!勿論D☆Dメンバーやアンサンブルダンサーも大活躍。
 冒頭の殺陣シーン最高! 森君はもはや神です!音楽、照明とダンスのコラボも素晴らしい。和太鼓や尺八とフラメンコって合うんですね。シーンによって様々な効果を存分に発揮していました!

♪豪華キャスティングで素晴らしい舞台総合芸術の極みを堪能させていただきました。
 シェイクスピアの四大悲劇の中の最後の大作を、上田遙氏はこれでもかと言わんばかりの度肝を抜くような演出の連続で見せつけてくれました。
 荘厳にして重厚な雰囲気の舞台を創り出せるのは、D☆Dならではの特色だと思います。
 今回の出演者の中で特に注目していたのは、フラメンコ界の至宝である小島章司さんと、リトルダンサーのBilly役でブレイクした木村咲哉君です。小島さんの存在感に圧倒され、木村君の短期間での成長ぶりに驚かされました。

♪とても上質な舞踊公演(セリフ、歌も少し有りますが)でした。踊りはもちろんのこと、洋のドラムと和太鼓という、2種類のリズムセクションのコラボと、尺八の和楽器の概念を覆す、ど迫力な演奏も楽しめました。

♪小島章司さんが舞台に登場されただけで、舞台の空気が変わるんです!深みのある踊りに引き込まれました

♪ドラムと和太鼓、尺八、和洋の楽器のコラボで表現されるマクベスの世界、特に打楽器による心臓の鼓動から雷まで繊細な音からダイナミックな音の表現の豊かさに驚かされた。
 そして、タイトルにもあるとおりのフラメンコを取り入れた、登場人物の心情表現。敢えて台詞で語らず、ダンスや打楽器の音で表現していて、こちらも演出が大変面白かった。中盤の怯むマクベスと鼓舞するマクベス夫人のダンスは圧巻!
 ものすごい緊迫感に釘付けになりました。






 2017年の『サロメ』に続く、DIAMOND☆DOGS&上田遙さんが放つDRAMATIC SUPER DANCE THEATER第2弾は、シェイクスピア四大悲劇のひとつ『マクベス』。連日熱い稽古が繰り広げられている現場へ潜入!作・演出・振付の上田遙さん、東山義久さん、水夏希さん、木村咲哉くんのコメントとともに稽古の様子をレポートいたします。


 この日は抜き稽古が行われていました。こちらは宴のシーン。



ダンカン王を迎えるマクベス夫妻


フラメンコ


バレエ


こちらは別シーンですが、木村咲哉くんは、バレエや歌、アクロバットはもちろん、見事なフラメンコ(サパテアート)も披露!!


「咲哉くんには、稽古場で“表現の爆発力のある大人”を見て感じてほしい。彼はいつも自然体。たいていの子は緊張してしまうのですが、彼は意外に平気なんですよ(笑)。常に、いろんなものに興味をもって見ている。それが、将来活きてくるんじゃないかな」(上田遙先生)

「やっぱり僕はまだオーラというか、そういうものがみなさんに伝わるように出てこないけれど、大人の人たちはオーラがバンバンあってすごい!」(木村咲哉くん)

 これには水さんから「その分、若いエネルギーがバンバン出ています!」とのコメントが続きました。



男たちを従えた華麗な舞!

「水さんは表現の探究者。ダンスはもちろん、歌や芝居に関しても現状の自分を決して許さず、常に新しい表現を求めるタイプ。今回も、ジャンプして手を伸ばすとぎりぎりかするくらいのところ(レベル)に作品を用意しています。それを掴めるようになったら、ちょっとずつ上げていくんです(笑)」(上田先生)



 さまざまなジャンルの舞が次々に繰り広げられます!戦の時代を生きる熱気、明日をも知れぬ身であることへの緊張感が入り交じるような、なんとも刹那的な空気が満ちる空間。



旗を使った迫力の演出にも圧倒されます!


「今回のハイライトは剣舞!そこで輝く東山義久をご覧ください!一番楽しみにしているのは僕なんですけど」(上田先生)


【ダンカン王の死】


伝令(小寺利光さん)がダンカン王の死を告げ、一気に緊張感が高まる……。


ダンカン王の死を受け、復讐に燃えるバンクオー(中塚皓平さん)


緊・張・感!


【マクベスの見た幻影】


 原作にも、本作サブタイトルにもある「眠りを殺した男」、そんな描写が見られるのはこちら。自らが手にかけた人々の幻影に怯えるマクベスの姿は、狂気に満ちている。そんな狂気をマイムで魅せる!これは舞踊表現ならでは。マクベスの内面が見事に表現されています。




“骨”という役どころの森新吾さんの動き、そして存在感が面白い!


「東山くんのダンス表現をバレエとかジャズとかジャンルで囲うのは、まるで百獣の王ライオンを檻に入れるようなもの。彼は密林を走り、崖の上を行き、戦い続けてこそ魅力が最大限に発揮される。僕は、そのための空間を用意するだけ。そこで、東山義久が本能と直感でマクベスを探り当てていく。そうして生まれるのが、この『マクベス』です」(上田先生)



「上田先生の作品作りは、先生が空間と枠を用意してくださって、色塗りは君に任せる!という感じ。稽古では“ここは青かな、いや、赤のほうがいいんじゃないかな”、そんなディスカッションをしています。だからいただいた振りを踊らなきゃというプレッシャーはありません。マクベスの心情を自分の体を通してわかりやすく見せるにはどうするかに意識が向くので、やっていて楽しいです。実は今回、初めてダンスソロがないんです。でも、その分、(ここがピークというのではなく)最初から最後まで舞台に立ち続けてマクベスという人物を作っていかなくてはならない。それは僕にとって新しい挑戦です」(東山義久)




幻影たち




狂気のマクベスと対峙するマクベス夫人

「水さんはとてもインテリジェンスが高い方。今回もいろいろとお話させていただき、相互作用っていうのかな、水さんの目線、お芝居を自分に映したときに生まれるものを稽古で探っています」(東山さん)

「今回、多様なジャンルの踊りが大変!でも、自分の引き出しの中でやったら意味がない。引き出しにないものに出会って、(表現の)武器を増やしていきたいと思っているので、こうして武器が増えるであろう作品に出会い幸せです。今は自分と闘っています」(水さん)

 言うなれば“本能と知性”、タイプの違うおふたりがぶつかり合って生まれるエネルギーの爆発を見られそうですね。ワクワク!!




そんな彼女にも狂気が忍び寄る


「マクベス夫人は悪女と言われることが多いですが、誰しもが持っている欲望が、あるとき理性で押さえきれないほどの野心になっていったのかなと思っています。そしてその根底にあるのは、マクベスへの愛。愛が大きすぎた結果なのかな」(水さん)

 そして、本作のもうひとつの見所は、フラメンコ界の至宝、世界の小島章司さん。役どころはマクベスが対峙する“運命”。

「マクベスに登場する魔女という存在、我々日本人には馴染みのあるものではありません。我々にとっては…と考えたとき、身近にあるものとして、この“運命”という言葉が思い浮かびました。永遠の探究者小島さんは命と魂を削って踊っている方です。ある種、悟りの境地、その精神性は一緒に踊っている東山くんも感じるんじゃないかな。東山くんは経験豊富だけど、さすがにこれは初めてじゃないかって」(上田先生)

 今回フラメンコミュージカルとしたことについては(とはいえ多彩なダンスが登場します!)。

「身体の中にある、人間対人間、原初的なリズム。それがフラメンコにある。そして、小島さんはもちろん、東山くん、水さん、そして森くんも、みなさん自分の中に音楽を持っている。それぞれに異なる音楽性がハーモニーになったり、戦いになったり。さらに、ドラム、和太鼓、尺八も加わって……、僕自身本番でどうなるんだろうと楽しみで仕方がない。楽譜に従うというより、感情によって生み出される『マクベス』。毎回、一回一回が勝負です!」(上田先生)

 木村くんの役どころ“少年(未来の王)”というのも気になるところですが、それは観てのお楽しみ!新解釈とも言える上田遙版『マクベス』、誰も見たことのない世界に出会える予感がビシビシ伝わってきました。フラメンコのもつプリミティブなエネルギーと和太鼓、尺八といった和楽器の融合も、確かにものすごい化学反応が起きそう!と期待が膨らみます。

 個々のエネルギーの融合、生の舞台ならではの魅力いっぱいの『マクベス』を“感じ”に、さぁ、劇場へ参りましょう!


【公演情報】
DRAMATIC SUPER DANCE THEATER『FLAMENCOマクベス~眠りを殺した男~』
2018年5月23日(水)~27日(日)@シアター1010

<スタッフ>
台本:上田 遙 / 河内 連太
演出・振付:上田 遙
音楽:T-LAYLA

<出演(役柄)>
東山義久(マクベス)
水 夏希(マクベス夫人)
木村咲哉(少年[未来の王])
小島 章司(運命)
森新吾(骨)
小寺利光(伝令)
中塚皓平(バンクオー)
和田泰右(刺客)
咲山類、TAKA(魔女)
箆津 弘順(ダンカン王)
柳谷 歩美/松田 知也/山形 志穂/羽鳥 翔太
小山 圭太/出来田 和哉/島田 連矢/甲斐 祐次/東間 一貴/田巻篤
~MUSICIAN~
橋口 隆之(和太鼓)、岩田 卓也(尺八)、樹(ドラム)

公演HPはこちらから

感想:おけぴ会員のみなさま
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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