浅草九劇で上演中の『SMOKE』、愛“煙”家 急増中?!口コミ、SNSなどでじわじわとその評判が広がっているようです。
四方を取り囲む客席、驚くほど近い?!、楽曲に圧倒される、韓国の詩人の李箱を扱った作品、ミステリアスな物語、キャストの歌声・芝居に震える……いったいこれはどんなミュージカルなのだろうか。でも、興味あるなぁ。そう思われている方は、ぜひぜひ作品世界に飛び込んでみましょう。
紅:高垣彩陽さん(Wキャスト)、超:木暮真一郎さん(Wキャスト)、海:大山真志さん
登場人物は<超・チョ>(日野真一郎さんと木暮真一郎さんのWキャスト)、<海・ヘ>大山真志さん、<紅・ホン>(高垣彩陽さんと池田有希子さんのWキャスト)の3人。<超>と<海>が<紅>を身代金目的で誘拐する。海へ行くために……。
リーダー格の<超>から監視を任されたはずの<海>を言葉巧みに操って猿ぐつわと目隠し、手枷を解くことに成功する<紅>。<海>を見た<紅>は言う「わたしよ、わかりませんか」と。それに対して首を横に振る<海>。
だが次第に打ち解ける二人、そこに<超>が帰ってきて……。
いったい3人の関係は。と、ここからは劇場でのお楽しみです。
ここからは『SMOKE』を体験されたみなさまからの感想を舞台写真とともにご紹介いたします。
「最初から最後まで緊張感のある舞台で、観ていて息をするのを忘れそうになる。それぐらい引き込まれます。曲が最高に良い!あの音楽だけでも鳥肌が立つ。俳優さん達もとても歌が上手で、とても聴き心地がよかった」
「中央のステージの四方を囲む至近距離の客席、小劇場ならではの臨場感。
卓越した歌唱力の3人のソロ、デュエット、3人のハーモニーで聴かせてくれる。しかもその歌詞の中に李箱の詩の言葉が散りばめられている。強く心揺さぶられ、切なく胸がしめつけられた。しかし、道に迷い、見失い、たとえ遥か彼方にあるとしても最後まで行こう!と覚悟の気持ちを私に与えてくれた素晴らしい作品!」
「その部屋の中に自分も存在しているような感覚でした。光と陰、明と暗、強弱の対比、激しさ、息苦しさからの解放、子供のようなあどけなさ、過去の真実、色々なものが煙となって漂っていました。大山さん、木暮さん、池田さん、3人の力のある歌声が素晴らしい。
一度と言わず、二度三度と観たら、新しい発見が出来そうな舞台でした」「こちらが戸惑う程、舞台と客席が間近でまず驚き。ストーリーは、事前知識なしよりは、モチーフとなっている「李箱」をザッと調べていった方が幾許か分かりやすくなるかも。
大山さんの「海」を通した存在感と池田さんの「紅」の生半可なく難しい居方。
そして、木暮さんの「超」その力強さとは裏腹の、擦り切れて悲鳴を上げる孤独な心がバシバシ伝わってきて素晴らしかったです。
各シーン、アチコチで刺さる台詞と、発する演者の声音はクセになります」
「360度客席に囲まれたステージで、客席とステージの境目がありません。
間近で見る演者の迫真の演技や、客席まで包み込むようなプロジェクションマッピングによる演出に、よりキャラクター達の感情に共鳴でき、ものすごく感情が揺さぶられました。
夢を追いかけ挫折した経験がある人には刺さる台詞がたくさんあり、自分も奮い立たされるようで泣いてしまいました。ある謎が解けてから、物語の捉え方が違って見え、知った上でもう一度みたいと思いました!
公演もまだ続くようなので時間を作ってリピートしたいです」
「高垣彩陽さんの紅を観ました。可憐さと小悪魔的な魅力に加えて、あの華奢なからだのどこから?!というほどのパワフルな歌声。言葉の力強さに圧倒されました」
「韓国で話題になっていて、気になっていたミュージカルだったのですが、日本版も期待通りで、観られてよかったです。大山真志さんという俳優さんは、初見だったのですが、歌がお上手なだけでなく、役が憑依しているようで、これから注目していきたいと思います」
「ミステリアスな不思議な世界にたった三人の魂のぶつかり合いのようなセリフで、観ている私たちを巻き込んでいく‥だんだんこちらも感情が高ぶって後半は泣けてきます。
小劇場の贅沢すぎる空間が、三人の叫びをストレートにココロに響かせます。
迫力あるシーンからのホッとする音楽と歌声‥特に日野さんの歌声はいつもやさしさが溢れていてほろっとします。この舞台を観ないと損をする‥素直にそう思います。ピアノの生演奏も迫力ありました。
『SMOKE』最高です」「木暮真一郎さんがご出演されるということで観劇しました。
今までの木暮さんのイメージにはないような役どころでしたが、演技に磨きがかかっており、持ち前の素晴らしい歌声とあいまって本当に素敵でした」
「大山氏の歌は、何度か聴いていますが、ガッツリと芝居をみたのは、初めてかもしれません。次回の出演作を観たくなりました。ユッコさんは、バツグンのカッコ良さでした」
「照明や映像が効果的でした。あの劇場の狭さだからこそ成立する作品だと思いました。
また、このような作品でセミロングランが企画されることが素晴らしいと思いました。リピートします」
「既に観劇したお友達の感想を訊いて、すべてが自分好みな気がしたので、かなり興味津々で観に行きました。結果は予想をかなり上回るもので、ストーリー、舞台装置、脚本、演出、音楽、そして御三方共に演技力も歌唱力も全く申し分なかったです!!小劇場なので臨場感も半端なくて、ストーリーの内容にピッタリで、誰かの心の中に入り込んだような不思議な感覚が味わえますよ。迷っている方は是非一度は観て欲しいです」超:日野真一郎さん(Wキャスト)
「すり鉢形の観客席で、舞台が近くて役者さんが間近で見られました!
ベルベッツの日野さんはさすがの歌唱力、大山さんは初めて拝見しましたが、良かったです」
「手を伸ばせば届く距離で繰り広げられるスリリングなストーリーに、ぐいぐい引き込まれました。次々に変化する3人の関係性から目が離せず、後半はまばたきを忘れるほど。
結末を知った上で、もう一度最初から観たくなる作品です。四方からステージを囲む客席のどこに座るかで俳優さんの表情の見え方が変わるので、感じ方も変わるかも。Wキャストの違う組み合わせでもぜひ観たい!」
「素晴らしい声!!この一言に尽きるかも知れません。心理描写劇なのでストーリーとしては苦しさを感じましたが、3人の歌の素晴らしさに心を奪われ時間がアッという間に過ぎていきました、ピアノ伴奏も素晴らしく小さな九劇がすっかり音楽に満たされ異空間となり、そこにスッポリはまり大満足でした」
「キーワードの「鏡」の演出が秀逸!」紅:池田有希子さん(Wキャスト)
「ちょっとアングラっぽい感じもあるミュージカル。個人的にはかなり好きな作品だった。
とにかく、3人共歌が上手い。大山さんは体は大きいが、キレのある動き。日野さんは、LE VELVETSでの印象とガラリと違う硬派な演技。池田さんは、ハスキーボイスと確かな演技力で、最後までミステリアスな印象。
何度も観たくなる作品だった」
「脚本、演出、音楽、役者の力量…作品必要な要素すべてがハイレベルで、完成度の高い素晴らしい作品でした!いわゆる"ミュージカル"よりは演劇に近い印象。狭い空間にぎゅっと濃縮された作品の熱量は、今この時しか得られない貴重なものなので、気になっている方は是非観に行ってほしいです」
「小劇場というコンパクトな空間で、役者さんの熱演をとても近くで感じ、濃厚な時間を過ごすことが出来ました。初めての韓国ミュージカルで、難解なのかなと思っていましたが、美しい音楽とパワフルな歌声のハーモニー、照明と映像の効果も素晴らしく、緊張感がありつつも、とても感動しました。
台詞も歌も多かったけど、分かりやすかったのは、役者さんの力量も去ることながら、翻訳も素晴らしいのだろうと感じました」ミュージカル『SMOKE』日本版初演、上演決定速報はこちら ミュージカル『SMOKE』稽古場レポートはこちら 【公演情報】の下にちょっぴりネタバレコーナーあり。
以下、シーンなどちょっぴりネタバレします!
<超>を演じる日野さんの絶望と虚無感、退廃的な美を纏った色気、木暮さんが見せる孤独とやり場のない怒りの哀しみが胸を打ちます。お二人とも、まずはなんとも美丈夫で、<超>たる説得力抜群でございます。強いからこそ脆い、そんな難役を体当たりで演じるW真一郎から目が離せません。
そして、ラストソングの「翼」の前に、鏡の中から現れる<超>の柔和な笑顔は反則です(笑)。
<紅>という役は、実にミステリアス。くるくると声色を変え、ときにコケティッシュに、ときに切々と、ときに力強く<海>へ働きかける高垣紅。<海>が睡眠薬により眠ってしまったときの「眠らせただけよ」の声の響きにゾクゾクしました。また、冷静に状況を読み取り、溢れる母性で<海>を導こうとする池田紅。「わたしは命なの」という言葉に、感動以上のものを感じました。
<紅>がもつ何度倒れても立ち上がるたくましさは、結局のところ、「生きたい」という思いの強さだったのかもしれませんね。
そして、お待たせいたしました。<海>の大山真志さん。少年の心から、苦悩と対峙したときの鬼気迫る姿まで、ある意味、芝居をひっくり返す力をこれでもかと見せつけます。キャスティングの過程はわかりませんが、結果として、<海>をシングルキャストで演じるというのもなんだか運命的ですよね。
作品全編を貫く、心情に寄り添い、気持ちを高める音楽は耳に残るものばかり。♪最後のチケッ~ト、♪私はただの芸術家~、♪お願い~よ、行かないで捨てないで、♪希望をなくして テクニックを手にした~。菅野こうめいさんによる、台本・演出はもちろん、なによりも歌詞がハマっているのです。
キャストを替えて…観たくなる!!
浅草九劇にて10月28日まで。キャストスケジュールなどは
公式サイトにてご確認ください
感想寄稿:おけぴ会員のみなさま
おけぴ取材班:chiaki(編集・文) 監修:おけぴ管理人