戦乱の世に現れた稀代の踊り子をめぐる物語舞台・映像で活躍する多彩なキャストと新進気鋭のスタッフが集結する
新作ミュージカル『ふたり阿国』!
平成最後の春、魂を揺さぶるミュージカル開幕咲いて散るならいざや、かぶかん!!
本作は、皆川博子作『二人阿国』を原作として、戦乱の世に咲き誇る芸の花、抑圧された名も無き民衆の声をテーマにした新作オリジナルミュージカルです。戦乱が絶えない時代に、突然現れた“阿国”と、彼女に憧れながらも同時に憎しみを抱き、のちに「二代目おくに」を名乗る“お丹”。同じ芸の道を極めようとするも、相反する生き方を選ぶ娘と女。絶対的な存在として何にも縛られない自由な阿国の強さ、そんな阿国との関係から浮き彫りになるお丹の成長物語です。
―これは波乱の世に翻弄されながらも強く生きる民衆の物語― 圧倒的な歌唱力と抜群のエンターテインメント性で人気を博した宝塚歌劇団元星組トップスター・
北翔海莉が明治座初出演・初座長を務めます。北翔が演じるのは、民衆の心を掴む踊りに天賦の才を持つ阿国。また、阿国に憧れながらも反発し、のちに二代目おくにを名乗るお丹役にAKB48の
峯岸みなみ、高い演技力と切れ味のある立ち回りを武器に様々な舞台・映像作品でマルチに活躍中の
玉城裕規、数々のミュージカル作品に出演する実力派俳優・
坂元健児、個性的な風貌と声で、小劇場からミュージカルまで幅広く出演する
コング桑田、バラエティやドラマで活躍する
モト冬樹といった、実力あるキャストが明治座で一堂に会します。そして、多彩なジャンルのオリジナルナンバーと臨場感あふれる生演奏でお届けします。新たな時代のミュージカル作品『ふたり阿国』にご期待ください!
3月29日(金)に公演初日を控え、稽古が本格的に進む中、公演に先駆けて、キャストとスタッフが本作にかける意気込みを語る製作発表が行われました。さらに、この日会場に集った特別オーディエンス30名から寄せられた公演にまつわる質問への回答、さらに男性俳優4名による立ち回りや、公演で鍵となるテーマ曲を披露しました。司会は出演者でもある伊藤裕一さん。
【ご登壇者、役柄とともにご紹介】
北翔海莉さん【ほくしょう・かいり】
「天に認められた究極のエンターテイナー“出雲阿国”役を演じさせていただきます」
峯岸みなみさん【みねぎし・みなみ】
「北翔さん演じる“阿国”に憧れ、芸事の道を志し、日々奮闘していく“お丹”を演じます」
玉城裕規さん【たまき・ゆうき】
「“猪熊少将教利”を演じます」
坂元健児さん【さかもと・けんじ】
「ひとり芸人“とっぱ”を演じます」
コング桑田さん【こんぐ・くわた】
「“三郎左”を演じます。お丹を見いだし、二代目阿国にしてやろうと頑張る男でございます」
モト冬樹さん【もと・ふゆき】
「笠屋一座の座長で、お丹の父親である“犬太夫”を演じます」
細貝圭さん【ほそがい・けい】
「“二蔵”役を演じます」
雅原慶さん【みやはら・けい】
「“こふめ”役を演じます。笠屋一座の一員でございます」
市瀬秀和さん【いちのせ・ひでかず】
「“京極高次”役そして殺陣指導も担当いたします」
中村誠治郎さん【なかむら・せいじろう】
「“三九郎”を演じます」
田尾下哲(演出・脚本) 本日はご来場いただきありがとうございます。『ふたり阿国』演出にあたり、偉大なる先例がございまして・・・木の実ナナさん主演で栗山民也さん演出の舞台があります。皆川博子先生の原作を、今回はお丹の成長物語としてみる『ふたり阿国』を、“阿国”という絶対的な存在に対してほかの芸人たちはどのように向き合うのか、そういったところを描いていきたいと思います。精一杯頑張りますので宜しくお願いします。
中屋敷法仁(脚本) 原作の素晴らしいところ、お客様にどのように魅せていくか注目して演出していきたいと思います。宜しくお願いします。
【質問コーナー】
※特別招待のオーディエンスより事前に寄せられた質問に回答。
質問①(出演者皆さんに)台本を読んだときの作品に対する第一印象と、自分の役のここが可愛い、かっこいい、面白いなどの推しポイントがあるか?
峯岸:台本を読んだときにまず大変そうだと感じました。沢山の要素があって、色々な音楽がありますし・・・今回はなんと言っても能に初めて挑戦します。大変だと思うと同時に、人々の良い部分悪い部分や人生を描いておりますので、しっかり演じたいと思います。見てくださる方に何か伝えられたら良いなと、今から楽しみにしています。役の推しポイントは・・・私自身はひとの顔色を伺ってしまうので・・・
お丹の自分の気持ちに正直に進んでいく姿はかっこいいなと思います。玉城:このようなミュージカル作品に出ることはあまりないので、台本を読んだだけでは正直想像ができませんでした。稽古を通じて、いかに具現化していくのか興味を感じました。
猪熊少将は天下の美少年であったり・・・プレイボーイであったり・・・(苦笑)プレッシャーはもちろんあります。
天下無双のプレイボーイなんて聞いたことありませんし(一同笑い)どんな色の作品になるのかがとても楽しみです。
坂元:ミュージカルといえばフランス革命など洋物が多いイメージですが、台本を読んで完全に和物であると思いました。これは日本人にしかできない、
日本人だからこそ共有できる作品なのではないかと思います。頑張りたいと思います。
コング:木の実ナナさんの作品は見たことがありますが、これとは全く違うな~と思いました。能を大成した世阿弥の本には「老後初心を忘れるべからず」という言葉があります。私も老後ですが・・・これからどのようにして初心を大事にするか、この作品を通してまた初心を得られるのではないかと楽しみにしています。
今回の役どころはブラック企業の社長みたいなものです(笑)ニュースをみて勉強したいと思います。(マスコミに向かって)ご指導のほどお願いします。
モト:犬太夫は、
色々な逆境に遭いながらも自分の意志を貫き通す、時代の流れに乗れない男ですね。この作品は
歌・踊り・殺陣が主役になりますので、アンサンブルさんも含めて、皆さん頑張ってください(一同笑い)
細貝:一蔵と二人兄弟です。
様々なミュージカルナンバーがあるなかで、この二人の曲は少し変わったものになっています。それも楽しみにしていただきたいです。
雅原:一般的に出雲阿国は有名ですが・・・台本を読んだときに、このミュージカルは阿国に憧れるお丹を軸に描いたもので、お丹の成長物語であるという印象を受けました。そこを楽しみに見ていただけたらと思います。私は、お丹と同じ笠屋一座のこふめ役ですが、こふめはお丹の良き理解者であり、彼女を支える役です。
こふめにまつわる事件がきっかけでお丹の人生が変わってしまいます。その点も注目してください。
市瀬:普段には和物の役が多いのですが・・・
今回はキリシタン大名なので十字をきります。十字を楽しみにしてください(一同笑い)
中村:はじめて台本を読んだとき、
芸事に追従している人々の話であるなという印象を受けました。感慨深いなと思う場面もあるので、そのあたりも考えながら稽古していきたいです。阿国一座の頭領なので、モトさんやコングさんとかかわる機会も多く・・・怖いですが一生懸命やっていきたいです。
北翔:阿国はお丹とは違い、台詞が非常に少なくて、
一言一言に重みがあり、天下のメッセンジャーであり責任のある台詞が詰まっています。その点に大変さを感じました。台詞よりも歌が多く、立ちまわりもあります。非常に楽しみでもあります。また、
阿国のかっこいいところは何に対してもぶれないという姿勢だと思います。憧れでもあり、この役を通して学びたいと思っております。
質問② (田尾下へ)目玉の大仕掛けや舞台演出はありますか?
田尾下:舞台には大きな階段を盆に設置します。また舞台に設置した橋が割れるという大仕掛けがあります。出演者の鮮やかな衣裳とともに、背景をあまり変えずに、盆を回転させることで場面転換します。
人間の力強さのようなところを表現したいです。
質問③ (中屋敷へ)公演タイトルの「ふたり」を原作とは異なり平仮名表記にしたことで、人々の躍動感を表現しているとはどういうことか?
中屋敷:原作から感じられる
人間の力強さや、しなやかさ・艶やかさ・嫋やかさのようなものを平仮名の曲線美に込めました。質問④ (北翔へ)幕間に食べられるおすすめの弁当を教えてください。
北翔:今回食堂での御膳と折詰弁当をプロデュースしました。お膳は
「ふたりお肉」という名前で・・・阿国とお丹をイメージして、二種類のお肉を入れています。折詰は
「阿国の苦肉の策弁当」です。お肉のような食材を9種入れたお弁当です。「9つの肉」で「くにく」の策です(笑)定番の鶏肉なども入りますが、大豆などを使用しています。○○の肉と名のつく食材を入れています。
【殺陣披露】
玉城・細貝・中村・市瀬が、今回の製作発表のためだけに作った特別な立ち回りを披露。
アンサンブルの歌をバックに、迫力ある立ち回りがマスコミ・特別オーディエンスの目の前で演じられました。
【歌唱披露】
北翔・峯岸・坂元・コング・モト・雅原が本公演のメインテーマ曲を披露。「道から外れても そこに道を作ればいい」と歌うキャストたちの力強い歌声が心打つナンバー。
【北翔より一言】
北翔:出演者43名一丸となって、平成最後というよりも次の時代に向けてエネルギーを爆発させていきたいと思います。舞台役者の仕事は生きる喜びを与えることだと思います。私たち自身、生き生きとエネルギッシュに舞台を務めていきたいと思います。どうぞ応援宜しくお願いします。
【囲み取材】
──役の難しいところについて北翔:本格的な稽古はこれからで、まだ歌稽古しかしていないが、この役は本当に台詞が少ないです。また阿国が相手にしているのが“人々”ではなく“天”であるところを表現するのが難しいと思います。
峯岸:1幕では、芸を志しはじめて未熟なところがありますが、2幕では月日が経ち、環境や考え方、お丹ができる芸事も変化していくので、お丹の成長を体現するのが難しいのではないかと思っています。
──注目点は?コング:まだまだこれから共演者の皆さんとコミュニケーションを取ってお芝居を作っていきたいです。アンサンブルが元気だし、作品自体が美しいですし、殺陣もあるし、(玉城を見ながら)美少年もいるし(笑)
玉城:それがプレッシャーになるんですよ~。
──(玉城へ)今回は殺陣がありますが・・・玉城:今日は製作発表用の殺陣でしたが、作品のなかで殺陣があれば一生懸命頑張りたいです。
コング:大階段もあるし・・・これは大変そうだね。宝塚の大階段とは違いますね。
(一同笑い)
──稽古場の雰囲気についてモト:まだ本格的な稽古はしていないので分かりませんが(笑)、みんなで一つのものを作っていきますので、コミュニケーションを大切にしたいですね。
──阿国という役の解釈について北翔:芸事はそもそも供養や神さまへのパフォーマンスという意味がありますので、その真髄がぶれないように演じることが大事だと思っていますが、お客様に新鮮な衝撃や喜びを与えられるエンターテイナーという部分も意識したいです。(阿国は)常に時代の一歩先を見るような役であり、自分がやりたかった役ですね。
──宝塚と通じる部分は?見どころは?北翔:ありますね。役者にとっては芸をきわめるということは、己の欲望ではなく、ぶれない精神を見つけたもの勝ちだと思います。今回は子どもからご年配の方まで楽しんでもらえる内容で、洋物のミュージカルを多く見ている方にも喜んでもらえる作品だと思います。
──お丹の役作りについて峯岸:北翔さん演じる阿国は、私そしてお丹にとっても大きな存在です。追いつこうとする過程のなかで、お丹の感情と私の感情が重なる部分があるかと思います。北翔さんの背中を追って、阿国から沢山学んで心からお丹になっていきたいと思います。
最後に歌唱披露、立ち回り披露、質疑応答の様子を映像でもご紹介(公式サイトより)~歌唱披露映像~
~立ち回り映像~
~質疑応答~
この記事は公演主催者からの情報提供によりおけぴネットが作成しました