2013/09/24 『明治座 十一月花形歌舞伎』制作発表レポート

錦秋の浜町・明治座で獅童、右近、笑也、松也がかぶく!
荒事、世話物、そして舞踊とまさに歌舞伎の魅力を凝縮した構成に期待高まる、
明治座『十一月花形歌舞伎』の制作発表の様子をレポートいたします。



まずはこの方、歌舞伎のみならず、映画・テレビでもご活躍の中村獅童さん。

中村獅童さん

「僕は歌舞伎以外のお仕事をさせていただくことも多いので、
こういう言い方をするとちょっと偉そうですが、
若い方たちに歌舞伎を伝えること、それが僕の使命、役割だと思っております。

この公演は初めてご覧になる方にもわかりやすい構成になっています。
歌舞伎には色々な種類の演目があるということ、難しいものもあれば簡単ものもある
可笑しみのあるものもあれば舞踊もある。
そんな歌舞伎の魅力が凝縮した公演にしたいと思います。」


続いて二代目市川猿翁さんの薫陶を受けた芸が定評のおふたり、市川右近さんと
市川笑也さん。

市川右近さん

「中学一年で上京してから大学を卒業するころまで、
毎年春は明治座で迎えさせていただきました。
そこで勉強させていただいいたことが、今の私の血となり骨となっている
思い出深い劇場です。

そして、私にとりましても若い方に見ていただくことは
人生を通してのテーマでございます。

歌舞伎の3要素は歌・舞・伎、つまり音楽性、舞踊性、そしてお芝居です。
歌舞伎はいわば日本で410年前からやっているミュージカル!
日本にはこんなに素晴らしいミュージカルがあったんだと思っていただいても
結構ですので、ぜひ若い方にも見ていただきたいです。
いまミュージカルで歌を歌っていらっしゃる方もいらっしゃいますが(笑)。」


茶目っ気たっぷりの右近さん

お隣には松也さん!!ミュージカルの貴公子然とした笑顔♪


終始穏やかな笑顔でやりとりを見つめていた笑也さん。

落ち着いた語り口の笑也さん

「『鳴神』では姫を、『毛抜』では(当主の息子)春風、
『権三と助十』では女房おかんを演じます。
おかんは顔も肌色に近い、長屋の女将さんですので初めての味を
お楽しみいただけると思います。いろんな味の笑也を観に来てください。」

そして、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』にてベンヴォーリオを熱演
熱唱中の尾上松也さん!

尾上松也さん

「明治座さんに初めて出演させていただく折に、このような大役を
務めさせていただきますこと、責任と喜びを感じております。
若い世代、歌舞伎を見たことない方にも楽しんできたいただけるよう、
僕なりのエネルギーを発信していきたいと思います。」


みなさんがお話しされている、バラエティ豊かな演目の数々を
作品への想いとともにご紹介いたします。

獅童さん)
“歌舞伎十八番”というのは、
誰でも一度は見たことのあるような演技法、“見得を切る”、“六方”など
代表的な演目です。分かりやすく言えば、THE歌舞伎!
一方、『瞼の母』、『権三と助十』は書き物、世話物といわれる演目です。
こういうお芝居も歌舞伎だったんだ!ということを知っていただきたいですね。

‐昼の部‐
『歌舞伎十八番の内 鳴神』(なるかみ)
高僧が美女の色香に迷い堕落するという物語。
前半のふたりのやり取りはエロティシズムと共にユーモアもあふれます。
品格の中にも艶めかしい色気をみせる、女方の腕の見せ所!
笑也さんの姫、ご期待ください。
そんな台詞劇から一転、後半の鳴神が怒り狂う場面は典型的な荒事
(荒々しさを誇張して演じること)。
豪快な立ち廻りや火焔の衣裳へのぶっ返り(一瞬のうちに衣裳が変わる!)、
見得や飛び六方など数々の荒事芸がみどころ!

右近さん)
このたび初役となります鳴神、歌舞伎十八番の名を辱めぬよう
相務めさせていただきます。

『瞼の母』
任侠の世界に生きる番場の忠太郎の幼き頃に生き別れた母への慕情を描いた
もの哀しくも味わい深い新歌舞伎。



獅童さん)
『瞼の母』は勘三郎のお兄さんに教わった演目です。
お兄さんが勘九郎時代に弟分の半次郎をやらせていただきました。
僕にとって、いわゆる書き物といわれるお芝居で台詞がたくさんあるお役というのは
初めてでしたので、たくさん稽古していただき、たくさん叱られましたね。
そこから、いつか自分が忠太郎をやりたいという思いでやってきたといっても過言ではない、
そのくらい思い出深い作品です。
お稽古中にある台詞を言ったときに、勘三郎のお兄さんがお客様のように
泣いてくださったことを覚えています。
教えながら泣かれる方ってそういらっしゃらないでしょ、
常にハートでお芝居をするということを教わりました。

『供奴』(ともやっこ)
軽快な足拍子を主体とした賑やかな長唄舞踊♪
江戸の吉原仲之町を舞台に、
廓に出かけた主人のお供をしていた奴が主人とはぐれてしまい、
探しながら主人の粋な様子を真似ていくさまがテンポよく華やかに表現されます。

松也さん)
『供奴』は数々の大先輩たちが踊ってこられたのを観てまいりました。
特に覚えているのは、みなさんそうだとおもうのですが、
中村富十郎さんの供奴が素晴らしく、
もちろんそれを超えるなんてことは不可能ですが、
少しでも近づけるように頑張ります。

‐夜の部‐
『歌舞伎十八番の内 毛抜』
平安時代、小野家のお家騒動を背景に、獅童さん演じる粂寺弾正 (くめでらだんじょう)が
謎解きをしながら、悪事を暴いていく推理小説のような一幕。
最大の見どころは、謎解きの過程を荒事の5つの見得を使って見せていく場面!
古風な作風ながら、色彩美と様式美に富み、理屈抜きに楽しめる作品です。

獅童さん)
『毛抜』は初めて浅草新春花形歌舞伎でやらせていただいたときに
團十郎のお兄さんのご自宅へ通って3日間ほどですかね、お稽古していただきました。
お兄さんは舞台稽古も見に来てくださり、歌舞伎十八番ものの力強い、
線の太い男を演じるにあたっての心、莫大な台詞を言うときのコツ、
本当に手とり足とり教えていただいた演目です。

『澤瀉十種の内 連獅子』
能を題材にした歌舞伎舞踊です。
前半の主役(前シテ)の見どころは獅子の子落とし。
いわゆる親獅子(右近)が小獅子(弘太郎)を谷底に落とし
這い上がってきた子だけを育てるというおはなし。
子を想う親心、親を慕う健気さが緩急の妙を極めた舞踊で表現されます。



右近さん)
私の師匠、猿翁の親獅子で務めてまいりまして、
そこからこの澤瀉屋の連獅子の魂も受け継いでまいりました。
こうして、若手と一緒にできることを嬉しく思います。

『権三と助十』
大岡越前守が江戸の町奉行をする享保時代の神田橋本町の裏長屋を舞台にした、
江戸市井の人々の人情を描いた新歌舞伎。



松也さん)
私が所属している菊五郎劇団で大事にされている作品です。
この世話物というのは得意とするところでして、
私の恩師である菊五郎兄さんの権三で、私は彦三郎で出演しております。
歌舞伎を見たことない人でもわかりやすく、
江戸の町の雰囲気が良く描かれているので、
お客さまが江戸にタイムスリップしたように思える作品です。

このように、バラエティに富んだ演目で構成された明治座歌舞伎、
実はいくつかの演目は明治座にて初演されたという、劇場にとっても
ゆかりのある演目なのです!
このチョイス、心憎いですねぇ。


そして、会見の最後に、ちょうど数日前に最終回を迎えた大ヒットドラマにかけて
“倍返し”にちなんだコメントを求められたみなさん、
この日のベストアンサーは笑也さん!

「明治座の一等12,600円、お客様にはそれ以上の演技をお返しいたします!
倍返しだ!
そんな感じでいかがでしょう(笑)」


素敵な倍返し、期待しています!!


松也さんのお答えには「面白くない、うまく絡めないと記事がちっちゃくなっちゃうなぁ」と
獅童さんからダメ出しが(笑)


その後の囲み取材では、

やっぱり俺が一番うまく言えていなかったかも・笑(獅童さん)

【公演情報】
明治座『十一月花形歌舞伎』
2013年11月1日(金)~25日(月)@明治座

【昼の部】
一、歌舞伎十八番の内 鳴神(なるかみ)
 鳴神上人 市川右 近
 雲の絶間姫 市川笑 也
二、瞼の母(まぶたのはは)
 番場の忠太郎 中村獅 童
 金町の半次郎 尾上松 也
 お登世 市川春 猿
 半次郎妹おぬい 坂東新 悟
 金五郎 市川猿 弥
 半次郎母おむら 市川右之助
 水熊のおはま 片岡秀太郎
大喜利 供奴(ともやっこ)
 奴松平 尾上松 也

【夜の部】
一、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
 粂寺弾正 中村獅 童
 秦民部 尾上松 也
 八剣玄蕃 市川猿 弥
 秦秀太郎 市川春 猿
 八剣数馬 市川弘太郎
 錦の前 坂東新 悟
 腰元巻絹 市川笑三郎
 小野春風 市川笑 也
 小野春道 市川門之助
二、澤瀉十種の内 連獅子(れんじし)
 狂言師右近/後に親獅子の精 市川右 近
 狂言師左近/後に仔獅子の精 市川弘太郎
三、権三と助十(ごんざとすけじゅう)
 権三 中村獅 童
 助十 尾上松 也
 権三女房おかん 市川笑 也
 左官屋勘太郎 市川猿 弥
 小間物屋彦兵衛 市川寿 猿
 助八 市川弘太郎
 小間物屋彦三郎 市川笑三郎
 家主六郎兵衛 市川右 近
 石子伴作 市川門之助
※澤瀉十種の内「瀉」のつくりは、ただしくは”わかんむり”です。

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(文・撮影)監修:おけぴ管理人

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