2013/11/16 「新春浅草歌舞伎」制作発表レポ

新春を迎え、華やいだ雰囲気の浅草で繰り広げられる、
花形役者たちの熱気あふれる舞台!

正月の恒例行事、「新春浅草歌舞伎」の制作発表レポをお届けします。

江戸時代、江戸随一の繁華街として栄えた浅草。
猿若町には「江戸三座」と呼ばれる幕府公認の芝居小屋が並び、大変な賑わいだったとか。

その後、明治以降も日本を代表するショービジネスの中心地として栄えたのはご存じの通りです。


片岡愛之助さん、市川猿之助さん

昭和55年に「初春花形歌舞伎」として始まったこの公演ですが、以来、毎年初芝居の公演を催し、人気を博しています!

芝居以外のお楽しみといえば、出演俳優たちによる「年始ご挨拶」!
どんな内容になるかは当日のお楽しみ。

まさに幕が開かないとわからない「お年玉」です!!



それでは制作発表会見の模様をどうぞ♪

まずは、2年ぶり13回目のご出演となる市川猿之助さん。
「猿之助」としては初めての登場です。


市川猿之助さん

「先日、NHKの番組で私の先祖のことを調べていただいたのですが、ちょうど浅草公会堂の楽屋口を出たあたりにうちの先祖が住んでいたらしく、いよいよ浅草と縁が深いことがわかりました。
すぐそこに“猿之助横丁”という横丁もありまして、今までは他人ごとでしたが、今ではより浅草が身近になった気がします。

亀治郎の大きな“根っこ”の一つがやはりこの浅草歌舞伎。
この浅草の地にどうしてもご恩返しがしたい。
皆さんの力で猿之助にさせてもらったということのご報告もかねて、出演させていただきます」

そして、5年連続8回目のご出演となる片岡愛之助さん。
今年は本業以外にも大活躍の一年でしたね♪


片岡愛之助さん

「浅草歌舞伎は僕の歌舞伎人生にとってターニングポイントのひとつ。
今年で8回目になりますが、これまでにもいろいろ勉強させていただきました。
歌舞伎の世界では“40、50が鼻たれ小僧”と言われますが、私も41歳になって、やっと“鼻たれ小僧”にはなれたかな、と。

10代、20代の役者にとっての登竜門といわれる公演ですから、僕らが成長していくのと同時に、彼らと一緒に浅草を盛り上げ、成長できる公演にしていきたいと思います」


演目は、猿之助さんが「上州土産百両首」そして、先代猿之助の猿翁さん作「博奕十王」。

愛之助さんが「源平布引滝 義賢最期」と「新口村」という、上方にゆかりのある2作品となっています。


猿之助:
「2つとも私が自主公演で初演した作品。
博奕十王は、やはりお正月ということで、非常に楽しい内容になっています。
本興行で上演されるのは初めてなので、楽しんでいただけるのではないかと思います。
猿翁が作った作品ですから、おじの猿翁はこういう役者なんだということを
世間にアピールするような気持ちで臨みたいと思っています。

『上州土産百両首』の方は、浅草で演じるにふさわしい“重さ”のある作品。
古典とは違ったよさがあるし、歌舞伎らしさもある。
若い方にも理解していただきやすいんじゃないでしょうか」


愛之助:
「いつまでも浅草歌舞伎に出させていただくわけにはいきませんし、
若手にバトンタッチする意味でも、何か上方にゆかりのあるものがしたいと思って
選ばせていただいた狂言です

『義賢最期』はこれで4回目。おじの仁左衛門に手取り足取り教わりました。
ご覧になった方は立ち回りの印象のことをよく話してくださるのですが、
僕自身は回を重ねるごとに、そこに行き着くまでの前半のほうが面白く感じます。
武士の生きざまというか、忠義、そういうところに共感しています」


今ではすっかり、若手の登竜門というイメージが定着した浅草歌舞伎。
先達に教えを受け、それを大切に後輩に受け継いでいく・・・
今や若手の筆頭格となった猿之助さんも愛之助さんも、
これからの歌舞伎を担っていく後輩に対しては、
強い思いを抱かれているご様子ですね。

猿之助:
「僕らが最初に出演した頃は空席が目立っていて、
それまで満席の劇場しか知らなかったですから、
先輩方のお力があってこその満席なのだと知りました。
お客さまを呼ぶためには、とにかく日々鍛錬して、芸を磨いていくしかないんです。

若手の彼らも、今後歌舞伎を支えていく大切な人材。
彼らも大役をやることで、自分を知り、学ぶ力、自ら考える力を養ってもらいたい。
今回は保護者のような気持ちで臨ませていただきたいと思っています」


愛之助:
「(ほかの公演ではまだ脇の役だったので)
浅草で“芯の役”をやることが大きな経験になりました。
芯の役をやってこそ、脇の役に戻ったときに違った視点で見つめ直せる。
後輩たちにも、この公演で引き出しをたくさん作って、
今自分が出ている歌舞伎に役立ててもらいたいですね」

猿之助さん、愛之助さん、今をときめく二人のプリンスを中心に
豪華花形役者の皆さんが揃い踏みする、お正月らしい豪華な舞台です。
2014年のスタートを、とびきり華やかな雰囲気と共に迎えてみてはいかがでしょうか!


<公演情報>
浅草公会堂 新春浅草歌舞伎
2014年1月2日(木)~26日(日)
第1部:11:00~ 第2部:15:30~
(13日(月祝)第1部休演)

<演目>
【第1部】
■お年玉〈年始ご挨拶〉

■一、源平布引滝 義賢最期(よしかたさいご)
木曽先生義賢 片岡愛之助
九郎助娘小万 中村壱太郎
待宵姫 中村梅丸
百姓九郎助 嵐橘三郎
葵御前 上村吉弥
下部折平実は多田蔵人 中村亀鶴

■二、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
正太郎 市川猿之助
牙次郎 坂東巳之助
勘次女房おせき 上村吉弥
宇兵衛娘おそで 中村梅丸
亭主宇兵衛 市川寿猿
みぐるみ三次 中村亀鶴
金的の与一 市川男女蔵
隼の勘次 市川門之助

【第2部】
■お年玉〈年始ご挨拶〉
   
■一、博奕十王(ばくちじゅうおう)
博奕打 市川猿之助
獄卒 市川弘太郎
同 市川猿四郎
閻魔大王 市川男女蔵

■二、恋飛脚大和往来 新口村(にのくちむら) 
亀屋忠兵衛 片岡愛之助
傾城梅川 中村壱太郎
孫右衛門 嵐橘三郎
忠三郎女房 上村吉弥

■三、上 屋敷娘(やしきむすめ)
   下 石橋(しゃっきょう)
〈屋敷娘〉     
お春 中村壱太郎
お蝶 中村米吉
お梅 中村梅丸
〈石橋〉     
獅子の精 中村歌昇
獅子の精 中村種之助
獅子の精 中村隼人

<みどころ>
二〇一四年の新春を寿ぐ、
新春浅草歌舞伎

 今回の出演は、襲名後初の新春浅草歌舞伎となる市川猿之助! 猿之助の名跡が十九年ぶりに正月の浅草に戻ってきます。そして、すっかり新春浅草歌舞伎の顔となった片岡愛之助! 本年も浅草の幕を華やかに開けます。さらに、新春浅草歌舞伎おなじみの市川男女蔵、中村亀鶴をはじめ、次代を担う若手花形の出演により、二〇一四年の新春を寿ぎます!

 第1部の幕開きは平家全盛の時代を舞台にした義太夫狂言『義賢最期』。源義朝が敗死した後、弟の木曽義賢のもとに平清盛の使者が白旗詮議に現れますが…。迫力ある立廻りや仏倒しなど見どころ満載の一幕です。そして、男の友情を皮肉な運命の中に描いた『上州土産百両首』。浅草の待乳山聖天を舞台に、猿翁(三代目猿之助)も演じた正太郎を、当代猿之助が本興行で初めて勤めます。

 第2部は市川猿翁作『博奕十王』。昭和四十五年に猿翁自らが執筆し、初演した本作を、猿之助は自主公演で四十一年ぶりに復活上演しました。地獄で繰り広げられる可笑しみのある舞踊劇です。続いては、男女の悲恋を描いた上方和事の名作『新口村』。上方芸を継承する愛之助が忠兵衛を初役で勤める話題の一幕です。さらに、屋敷奉公をする娘たちが艶やかに踊る『屋敷娘』、獅子が壮麗に舞う『石橋』で華やかに打ち出しとなります。

 新春浅草歌舞伎恒例の『お年玉〈年始ご挨拶〉』にもご期待ください。舞台上より、出演者が新年のご挨拶を申し上げます。

 雷門の大提灯が新調された浅草で、新年を寿ぐ新春浅草歌舞伎を皆様お見逃しのなきよう、ご来場を心よりお待ちしております!





おけぴ取材班:hase(文/撮影) 監修:おけぴ管理人

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