アフターイベント、舞台装置解説イベント等の情報を追加しました!2011年1月、五月洋子役の平 淑恵さんと演出家・鵜山 仁さんのタッグでうまれ変わった
井上ひさしさん初の一人芝居『化粧』。
こまつ座30周年に待望の再演です。
平 淑恵さん
さらに深化した『化粧』の稽古場にお邪魔し、
70分に凝縮された凄まじいエネルギーを目の当たりにして参りました!
さびれた芝居小屋の楽屋を舞台に、虚実いりまじるような不思議な劇世界が広がります。
化粧前に座り、初日公演の準備をする女座長五月洋子。
客席側に鏡があるかのように作られた楽屋のセット、
つまり、洋子は客席を向き、おしろいをはたいて目張りを入れてという具合に
化粧をほどこしていくのです。
座員に檄を飛ばしながらのその一連の動作はまさに日常、
生き別れた母子の物語『伊三郎別れ旅』の稽古にも余念がない洋子。
さらに洋子自身が若き日に泣く泣く別れた息子が登場し・・・。
一人芝居ながらなんとも “賑やかな” お芝居です。
平さんが演じる洋子は、かなりのパワーアップ!
鵜山版初演では “あの上品で美しい平淑恵さんが!” というドキドキが先にたち、
なんともいえない緊張感のなかでの観劇でしたが、
今回稽古場で拝見した印象は“舞台上にでんと座る女性は五月洋子そのもの”なのです。
洋子の口をつく言葉や彼女の仕草はなんとも “猥雑” 。
そして劇中劇ともいえる伊三郎に扮した洋子の七五調のセリフは気風が良くて耳に心地よい。
その切り替えがとっても鮮やか!!
二つの人格、二つの母子の再会物語がよりはっきりとしたコントラストで
表現されるのですが、洋子にとってなにが虚で何が実なのか。
化粧をした伊三郎のシーンのリアリティと舞台裏の洋子の違和感・・・
その境目は実にあいまいなのです。これは不思議体験。
TV局の人が訪ねてきたあたりから、どうなるのどうなるの?!と
観ている者をその世界にひきこみ、その後の展開からの幕切れたるや。。。
起承転結が分かりやすいか。
といわれると、そういった類のわかりやすさはないかも知れません。
でも、井上さんの “母” への思いや、そこに描かれるひとりの人間像はとても興味深く、
観劇後じわじわきます。
大衆演劇一座を守り抜いてきた女座長の激しさと哀しさを併せ持つこの作品。
1月13日の山形公演を皮切りに、北海道公演を経て再び初演の紀伊國屋ホールで上演される
平淑恵さん、鵜山仁さんのつくりあげる『化粧』をぜひ “生” でご覧ください!
【公演情報】
こまつ座『化粧』@新宿東口・紀伊國屋ホール
2014年3月7日(金)~3月21日(金・祝)
<スタッフ>
作:井上ひさし
演出:鵜山仁
<出演者>
平淑恵
<作品紹介>
さびれた芝居小屋の淋しい楽屋。
その楽屋に遠くから客入れの演歌が流れ込んでくるやいなや、
大衆演劇女座長、五月洋子は、座員一同に檄を飛ばし始める。
開演前の化粧支度の最中も、口上や十八番の出し物、母もの芝居「伊三郎別れ旅」の稽古に余念がない。
その慌ただしい楽屋に、洋子をたずねて来る者が居た。
それは、彼女が泣く泣く昔捨てたはずの一人息子と名乗る人物であった。
息子との再会話と出し物「伊三郎別れ旅」の話が重なりあって・・・・・。
<★30周年記念『化粧』アフタートークショー★情報!>
3月9日(日)1:30公演終演後
梅沢富美男「梅沢富美男 七変化 ―the座の対談が飛び出した! 梅沢富美男に七つの質問―」
3月12日(水)7:00公演終演後
鵜山仁・沢竜二・平淑恵「演じる快感・役者の魅せ方」
3月14日(金)7:00公演終演後
鵜山仁・平淑恵「演出家と役者の一騎打ち」
3月15日(土)5:30公演終演後
小田島雄志・小田島恒志「『化粧』の魅力についての親子対談」
3月19日(水)1:30公演終演後
沢竜二「旅芝居の魅力について」
<●アフタートークスタンプラリー●>
上記アフタートークショーに複数回ご参加のお客様には、
劇場にて素敵な特典をプレゼントいたします。
<★『化粧』舞台装置の秘密 全て見せます★>
終演後の舞台にて、スタッフが舞台装置をご説明いたします。ぜひ舞台の仕組みをお楽しみください。
【開催日】
3月8日(土)5:30公演終了後
3月16日(日)・18日(火)・20日(木)1:30公演終了後
3月19日(水)7:00公演終了後
※該当回のチケットをお持ちのお客様がご参加いただけます。
※出演者は都合により変更の可能性がございます
おけぴ取材班:chiaki(文)写真提供:こまつ座 監修:おけぴ管理人