014/02/04 玉造小劇店配給芝居vol.13『洋服解体新書』稽古場レポ

日本に西洋文化が一気に流れ込んだ明治・大正時代を舞台に、“洋服作り”に命をかける職人たち、そして彼らを取り巻く人間模様を描く、わかぎゑふさん新作書きおろし舞台『洋服解体新書』がいよいよ開幕!

初日を目前に控え、照明・音響・装置・衣裳などのスタッフワークを確認する “場当たり稽古” 真っ最中の劇場におけぴスタッフが潜入、一足お先に作品の雰囲気を感じてまいりました!


2004年に上演された『ちゃちゃちゃ~ある洋服職人の物語』をモチーフに、新たに書き下ろされた本作は、日本における洋服草創期に、それまで見たことも着たこともなかった “洋服” を縫い上げた職人たちの物語。

“たかが洋服” が、政府をも動かす―。
洋服を着る側の人間と、作る側の人間の住む世界が全く違っていた、そんな時代。
それぞれに置かれた境遇で洋服作りに情熱を燃やす人々、そして洋服を着ることに魅了された人々…。
個性豊かな彼らがなんとも愛おしい!


洋服を作る職人さんたちの衣裳は…“着物”!


物語のはじまりは明治23年。
政府や財界関係者がこぞって“洋服”を着始めた頃、花形の職業だったのがその “洋服” を作る職人たち。
そんな中、「看板を出せない“ワケあり”の工房」で腕を振るう職人のもとに、やはり “ワケあり” の若い書生が駆け込んでくるところから、別々の場所そして別々の階層で生きていた人々の運命がつながり始めます・・・。


(左から:桂憲一さん(花組芝居) 江戸川卍丸さん)
「表に出せない “ワケあり” の服を作ったりバラしたりする」伝説の職人・富田を演じるのは花組芝居の桂憲一さん。
江戸の名残を感じさせる東京が物語の舞台ですが、弟分の中吉(江戸川卍丸さん)と富田が喋る言葉はいわゆる“上方の言葉”、関西弁です。
江戸の言葉と上方の言葉が自在に交じり合うさまは、さすがのわかぎゑふ作品。
聴いているこちらの耳も楽しい♪
そしてこの言葉の違い、物語のキーポイントでもあるんです。
どういうこと? と思った方はぜひ劇場へ♪


(左から:伊東孝明さん 西牟田恵さん)
富田たちと出会った後、すっかり出世した元書生の文四郎(伊東孝明さん)は、自分の人生を変えた “洋服” をもっと世に広めるため、洋服店を開店。
元芸者の琴葉(西牟田恵さん)を店の女主人に据えてご満悦ですが、彼と彼の店をこの後思わぬ事件が襲います…。

この場面にもやっぱり “言葉の面白さ” が満載。
琴葉の喋る玄人言葉、明治の男の標準語、神田生まれの職人が喋る江戸弁などなど、色も匂いも異なる “日本語” が舞台の上を飛び交います!


(左から:谷川未佳さん 小椋あずきさん)
こちら、おけぴスタッフも大注目の存在感女優のおふたり。
わかぎゑふさんが主宰する劇団リリパットアーミーⅡの谷川未佳さんと、劇団そとばこまちを経て様々な舞台でご活躍中の小椋あずきさん。
このおふたりが舞台の上を歩き、セリフを言う…それだけで芝居の奥行きがぐぐっと深まる、そんな稀有な存在感。
これはぜひ劇場で感じていただきたい!



この笑顔♪
谷川さんが演じるのは、ある特異な才能を持つ少女・マメ。
天真爛漫に生きているように思える彼女の運命が、この物語の終盤、芝居を一気に動かします。

そして、彼女たちとかけ離れた世界に生きる、もう片方のぶっ飛びキャラクターがこちら!


大変に高貴なご身分であらせられる“殿下”。
演じるのは若松武史さん!!


ギャグからアングラ、時代劇まで華麗に演じ分ける“怪優”(!)若松武史さん。
“洋服” に魅せられた、さる高貴なお方という役を、大変に軽やかに、そして大変に変態的(失礼!)に快演しておられます!!
殿下に仕える小林役を演じる浅野雅博さん(文学座)とのやりとりは、まさに演劇的プロレス!
これ、本番の舞台でどんなことになるのか…想像がつきません(笑)。


殿下!
もちろん、このほかにも個性豊かなおもしろキャラクターが続々登場!
こちらは謎の闇市を仕切る慈坊(浅野彰一さん 写真左)。
セリフ回しの気持ちよさ、必聴です!

洋服姿が板についていない…ような気もする(笑)、貴族のボンボンを演じるのは山内庸平さん(写真右)。
空気を読まない彼の行動で、アンタッチャブルな秘密が動き出します…。

“小物っぷり” が絶妙♪ な洋服店の主任(荒木健太朗さん 写真右)と、大阪からやってきた職人志望の若者・弥吉(うえだひろしさん 写真左)。
あの手この手で洋服店に入り込もうとする弥吉。
彼がそこまで洋服にこだわるその理由とは…?

佐藤誓さんが演じるのは、職人たちの憧れの的である腕利きのカッター・庄之助。
「宮中に刃物を持って入ることができるのは洋服職人だけです」
一級品の洋服を作り上げる彼が身にまとっているのは…そう、“着物” です。

出演はほかに松竹新喜劇でご活躍のベテラン・曾我廼家八十吉さん(藤山寛美さんのお弟子さん!) など、東西の芸達者演劇人がずらり。
異なるパーツが集まって、不思議な調和をみせるこのお芝居。
まさにたくさんの型紙から作られる一着の洋服のようです!

住んでいる場所や身分によって違う言葉、そして着るもの…。
近代化していく日本を舞台に、時代の “闇” の部分にもスポットをあてて描かれるのは、生きていく “人間” たちの物語。

わかぎゑふさんならではの豊富な時代知識、そして伏線を散りばめた物語は重いテーマを含みながら、どこまでも優しいまなざしが印象的。
そしてもちろん、“職人さん” のおはなしだけに、東西の “演劇職人” が集まったキャスティング、スタッフワークも見応えたっぷりです。
美しく差し込む照明の光、小粋な音楽が心を浮き立たせる音響効果、そして演出のわかぎゑふさんみずから布の長さ数センチにまでこだわって整えていらした衣裳、小道具、シンプルな舞台美術などに「演劇ってやっぱり総合芸術なんやなあ」と、思わず少女マメのように、ほえーっと感心してしまったおけぴスタッフ。


つい先日東京公演が幕を下ろした舞台『一郎ちゃんがいく』も好評だった わかぎゑふさんが描く、もうひとつの明治の物語。
目をそらすことのできない真実を描きながら、笑いの要素もふんだんに盛り込まれ、力強くも爽やかな風が吹くような舞台です。

劇場でしか味わえない、職人芸の合わせ技を堪能できる舞台『洋服解体新書』。
東京公演は2月6日から16日まで座・高円寺にて、大阪公演は3月13日から16日まで今春新装オープンとなる近鉄アート館にての上演です。
お見逃しなく!!


<公演情報>
『洋服解体新書』
東京公演 2014年2月6日(木)~16日(日) 座・高円寺
大阪公演 2014年3月13日(木)~16日(日) 近鉄アート館

<作・演出>
わかぎゑふ

<出演>
うえだひろし
谷川未佳

若松武史
曾我廼家八十吉
佐藤 誓
桂憲一(花組芝居)
浅野雅博(文学座)
西牟田恵
伊東孝明
小椋あずき
山藤貴子(PM/飛ぶ教室)
浅野彰一(あさの@しょーいち堂)
江戸川卍丸
荒木健太朗(Studio Life)

谷畑聡(劇団AUN)
山内庸平

わかぎゑふ 

玉造小劇店HP
座・高円寺HP


おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)  監修:おけぴ管理人

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