2014/08/28 おけぴロングインタビュー『伊礼彼方さん』 その1

2014年、演劇、ミュージカル、朗読劇、和モノ、洋モノ、現代モノ、時代モノ・・・縦横無尽の活躍を見せる俳優の伊礼彼方さん
作品ごとに違う顔を見せる伊礼さんにいろいろな角度からお話をうかがい、その素顔にちょこっと迫ってみました。


伊礼彼方さん


--まずは直球で!現在公演中の『朝日のような夕日をつれて2014』についてうかがいます。(9月12日&13日、東京凱旋公演!@サンシャイン劇場
鴻上尚史さんの処女作にして劇団第三舞台の人気作の17年ぶりの上演、伝説の作品と謳われる作品への出演オファーを受けたときのお気持ちは。


伊礼)
まず、『朝日のような夕日をつれて』という作品に出演できていることを鴻上さんに感謝しています。

ただオファーをいただいた時点では実はこの作品についてあまり知らなかったんです。僕、芝居を始めたのは7,8年前ですからね(笑)。
最初にお話をいただいたのが、昨年の『キフシャム国の冒険』公演が始まったころで、その時はなによりも“もう一度鴻上さんに声をかけてもらえたこと”がうれしくて、この作品のために一年間がんばろうと思えました。

そしてふたを開けてみたらこのように歴史的な作品であり、大変な作品だった。それが後からついてきた感じです(笑)。

--いろいろとわかり始めると押し寄せてくるプレッシャー、当然、周りの反応からもありましたよね。



伊礼)
ありましたよ、劇団鹿殺しの丸尾丸一郎さんから(笑)。
「おまえ、俺の作品を汚すなよ!」って、酔っぱらって電話かかってきました。
深夜だったので「はい、わかりました、頑張ります」みたいに返したんですけどね。
そのくせまだ見に来てないんですけどねー(笑)。
丸尾さんの公演と日程的に重なっているのも知ってるんですけど、あえて声を大にして言ってみました(笑)。

ほかにも『テンペスト』のプロデューサーにも言われましたし、東京公演中には福田雄一さんも観に来られたり、多くの演劇関係者が一ファンとしてこの作品への思いを持っていて。
もちろん演劇関係者に限らず、多くの方がこの作品になんらかの影響を受け、区切りをつけ、人生の新しい章を始めるという経験をされてきた作品に立つ、プレッシャーはありますよ。
なんなら筧利夫さんがされていた役が松重豊さんになり、それが・・・おいおい待てよ、ですよね。

--実際にお稽古が始まってからはいかがでしたか。



伊礼)
何よりも作品の重みを感じたのは、全シーンの稽古がひと通り終わって、カーテンコールの決め事の確認が行われた時、(初演から出演の)大高(洋夫)さんが突然、
「礼、短くな」と仰ったんです。
思わず、藤井さんと僕で理由を尋ねたところ、大高さんがひと言、
「それが第三舞台だから」って。
その瞬間、“うおおお!”です。

大高さんが第三舞台を背負って出ているんだということをすごく感じ、それは小須田(康人)さんも一緒だと思ったんです。
僕らも、新しく入っているけど、第三舞台の作品に立っているんだというプレッシャーが押し寄せて、正直、恐怖心が芽生えました。でも、同時に、これは暴れなきゃいけない!中途半端なことはできない!という思いもわき上がりました。
こうなったら遠慮せず、失敗も恐れず、どんどん出していこう!と覚悟が決まった瞬間です。
それが初日の一週間くらい前のことです。



--グッときてしまいました。
そうして迎えた初日、公演を終えられたときはどんな感じでしたか。


伊礼)
初日の後は・・・・エリザベート(ルドルフ役での初出演‘08年)の初日みたいな感じでしたね。
エリザベートの初日、僕、覚えていないんですよ、名古屋だったんですけどね。
あの時はその前一か月ほとんど覚えていないんですけど、今回は初日だけです(笑)。
もう、どうやって呼吸するんだっけみたいな。すごいプレッシャーでしたよ。
ただ、記憶は薄いですが、ものすごく汗はかいたという気はします。これまでで一番汗かいたんじゃないかな(笑)。

--そうだったんですね。汗といえば、伊礼さんに限らずスーツの色が変わるほどにみなさんすごい汗で、途中着替えられていますよね。スーツは何着ご用意があるんですか。

伊礼)
はい、2着です。

--昼夜公演あっても。

伊礼)
2着着回しです(笑)。

--スーツも頑張っているんですね(笑)。
続いては、稽古中に苦労した点について聞かせていただけますか。


伊礼)
一番の壁はセリフが入りづらかったことですね。鴻上さんからも「今回遅いな」って言われたんですよ。
通常の会話じゃないので、感情で動けないというのがあって。
だからこそ、セリフが入ったらすごく楽になりましたね。
なんかこの作品ほど他の人のセリフまで全部を覚えたほうが楽になる芝居は他にないですよ。
僕、藤井さんのセリフも言えますもん(笑)。

--それはあのテンポを出していくのに必要なことでしょうか。

伊礼)
テンポもありますね。あとは覚えておかないといつもと違う間合い、何か起きたときに対応しきれないときがあるんです、やっぱり早いので。
僕の場合は藤井さんとのやり取りがメインになってくるのですが、どっちかがこけたときに対応できないとまずいなって。
藤井さんは吉本新喜劇でのこれまでの経験があるので、アドリブで対応できる能力が非常に高い方です。それに対して自分にできることは全セリフきっちり入れて、もし何かがあったときは藤井さんがアドリブでやってくれるから、それを拾って元に戻す役割を担っているつもりでいます。

--役者さんであり、芸人さんである藤井さん、豊富な舞台経験ゆえですね。

伊礼)
実際ハプニングがあった日も、その後でゴドーとして客席から登場するときに「さっきはすいませんねー」と笑いに変えるんです。それによってハプニングを帳消しにして、さらにお客さんも笑わせる。「これから頑張りますからねー!」と言って、そして頑張りを見せる!そこがすごいです!


伊礼さん、玉置玲央さん、藤井隆さん


--違う道からやってきて、この作品で出会ったお二人ですが不思議と名コンビですね!
さて、ここからはドキドキの<豪快にネタバレコーナー♪>





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『朝日のような夕日をつれて2014』ネタバレトークコーナー入口はこちら
ネタバレコーナーパスワード:letitgo

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--改めまして、伊礼さんにとって『朝日のような夕日をつれて』はどのような作品でしょうか。

伊礼)
生で観て、時間や空間を共有することで得られる高揚感がある作品だなと思います。
その意味ではスポーツ観戦に近いのかな。サッカーの試合でゴールが決まった瞬間、ボクシングで右ストレートが入った瞬間のような。

“観に来てください”より“体感してください”ですね。
男5人の生命力を感じてください。


起承転結のストーリーが無い、正解のない不条理作品ですが、たとえそれを言葉にできなくてもそれぞれ心の中で感じたものが答えなんじゃないかと思います。家に帰って、カバンの中に(劇中で客席に放たれる)キラキラの一片を見つけた瞬間、それが答えかもしれないんです。

公演中に見た あるツイートに感動しました。
その方はかつてこの作品を観て、それに影響され進む道を決めた。2014年バージョンを観て、あの時の決断をこの作品が肯定してくれた。というような内容でした。
その間いろんなことがあっただろうし、いろんな思いを抱えていたかと思います。それを間違っていなかったと肯定する作品、スゲー作品だな。作品もその方も素敵だなと思いました。

以前、先輩に僕たちの仕事は魂を削る仕事だと言われたことがあります。
『朝日・・・』はそれを特に実感する作品ですね。
体力も相当消耗、身も削ってますけどね(笑)。

--本当に素敵な作品ですよね。
2014年の『朝日のような夕日をつれて』を観られてよかったです。


伊礼)
ありがとうございます。僕も出られてよかったです(笑)。



--公演は旅公演を経て、いよいよ東京凱旋校へ!わずか2日の貴重な公演、みなさまお見逃しなく!

熱い『朝日・・・』トークに花が咲き、ついついこのボリュームに。
伊礼彼方さんおけぴロングインタビューその2では、今年の伊礼さんの活動、そしてこれからについてお届けします。
キーワードは伊礼彼方フィーバーゾーン!?
お楽しみに!

★その2公開いたしました!こちらからどうぞ!




【伊礼彼方さん公式ホームページ】
KANATA IREI official web site

【公演情報】
『朝日のような夕日をつれて2014』東京凱旋公演
2014年9月12日(金)、13日(土)@サンシャイン劇場

<スタッフ>
作・演出:鴻上尚史

<キャスト>
大高洋夫/小須田康人/藤井 隆/伊礼彼方/玉置玲央

公演HPはこちらから


舞台写真提供:サードステージ
おけぴ取材班:おけぴ管理人(撮影)chiaki(インタビュー・文)

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