新国立劇場バレエ団2014/2015シーズンはチャイコフスキー三大バレエのひとつ
『眠れる森の美女』で華やかに開幕です!
シャルル・ペローのおとぎ話をベース書かれた台本、音楽はご存じ
チャイコフスキーのバレエ
『眠れる森の美女』。今回は
マリウス・プティパの原振付を活かしながらウエイン・イーグリングさんが新しく振り付ける新制作版!!
まだだれも見たことのない
『眠れる森の美女』リハーサルの様子をお伝えします。
(先日行われた制作発表の様子は
こちらから)
オーロラ姫:米沢 唯さん デジレ王子(アンダースタディ):井澤 駿さん
取材にうかがった日の主役リハーサルは
米沢 唯さん(オーロラ姫)のペアです。
デジレ王子は本番では
ワディム・ムンタギロフさんが踊りますが、来日されるまでのリハーサルではアンダースタディの
井澤 駿さん(今シーズンから入団の期待の新星)が踊ります。
お二人の
第3幕オーロラ姫とデジレ王子のパ・ド・ドゥを拝見しました。
美しい!
紆余曲折を経て、幸せいっぱいの二人の踊り!
米沢さんの軽やかな動きは見ているだけで幸せな気持ちに
長い手足で繰り出されるダイナミックな踊りの井澤さん
振付のイーグリングさん自らが文字通り手とり足とりの指導をされる場面も
息もぴったりなお二人ですが、残念ながら今回の公演では本番ではこのペアを見ることはできないのですが・・・井澤さんの雄姿は
1幕の“4人の王子”や3幕の“青い鳥”役などでご覧いただけます(青い鳥出演日はキャストスケジュールにてご確認ください)。
レポ後半ではお二人のミニインタビューをお届けします。
ここからは第3幕の全体リハーサルの様子をお伝えします!
第3幕は
おとぎ話の登場人物たちもたくさん登場する姫と王子の結婚式♪楽しい!!
狼:小口邦明さん 赤ずきん:五月女遥さん
キャー!!笑
宝石たち:奥田花純さん、大和雅美さん、小野寺雄さん、広瀬碧さん
キラキラ☆
キラキラ☆
そして、とってもかわいらしかったのが
玉井るいさんと加藤大和さん、今シーズンからの新加入ダンサーのお二人による
“長靴を履いた猫と白い仔猫”。
白い仔猫:玉井るいさん 長靴を履いた猫:加藤大和さん
猫たちのキュートでコミカルな動きと表情に目が釘づけでした
そしてこちらの主役ペアは
オーロラ姫:長田佳世さん、デジレ王子:菅野英男さん!
いや、もう、出てきた瞬間に姫&王子オーラです。
オーロラ姫:長田佳世さん、デジレ王子:菅野英男さん
このように写真でご紹介するとなんともエレガントでロマンティックなシーンですが、実際には非常に細かいステップ(超高速!)やドキッとするような、ともすればトリッキーともいえるような動きの連続。え?おお!わぁ~♪の連続でワンシーンごとになぜかこちらも心拍数が上がっているような運動量。
でもそれだけに、見ていると・・・
楽しいシーンの数々なんですよね!(これ、客席側の特権!!)そしてそんな素敵な振付をされているこの方を改めてご紹介いたします。
振付:ウエイン・イーグリングさん ステップや腕の角度など細かな指導にも熱が入ります!新制作ですからね!!
制作発表でもダンサーのみなさん(特に男性!)が口々におっしゃっていたイーグリングさんのパートナリング技術。要所要所で相手との距離感や手を取ったときの自然な送り出しなどの実演が!
ちなみに、米沢さん&井澤さんは
“フロリナ王女と青い鳥”でもペアを組みます。
こちらは「フロリナ王女と青い鳥」のお二人
しあわせいっぱいな結婚式シーン、ここに衣裳や装置、照明、音楽が加わって・・・華やかな舞台を想像するだけでうっとりしてしまいます。
<ミニインタビュー>
リハーサルを終えられたばかりの米沢唯さんと井澤駿さんにお話を伺いました。
―まずは、初めて組んでみてお互いにいかがですか。米沢)とても献身的なんです。
井澤)いえいえ、自分は不慣れなところも多く迷惑をかけてしまうこともあるのですが、時間を割いて練習につきあってくださったりと、唯さんにはいつも助けられています。
米沢)私はパートナリング(技術的なこと)はもちろんですが、一緒に踊るうえで大切なことはパーソナリティ、人として信頼できるかだと思っています。そこがないと踊っていくうちにだんだんと辛くなってきてしまうんです。でも、井澤さんは外見と中身のギャップが(笑)。
―ギャップですか?米沢)とてもカッコイイのに素朴で真面目な人なので(笑)。どんな要求にも応じて、次までに修正してきてくれます。
井澤)まだまだ全然できていないです。
米沢)本当にすごいなと思っています。
初めて組んだ時より今のほうが色んなことが出来るようになっていると思います。ビデオで見比べたら面白いんじゃないかと思うくらいです。
―ということですが、いかがですか。大抜擢ですよね!井澤)なんていうか、驚くばかりで(笑)。
この2か月、本当に勉強させていただいて先輩方の指導のお陰もあり、作品を始めた時よりスムーズにサポートできるようになりました。
―2つの本役(4人の王子、青い鳥)に加えてのデジレ王子のアンダースタディですが、お稽古も大変なことになっていそうですよね。井澤)もちろん覚えることが沢山なのですが、それだけ勉強できるということなので本当にありがたく思います。
米沢)やることがいっぱいあるので朝から晩まで一日中控えていて、リハーサルをずっと見ながらひとりでイメージトレーニングしていて。大変だと思います。
―リハーサルではどんなことを感じていますか。井澤)憧れのみなさんと一緒の舞台に立てるということが、本当に幸せです。
大変なこともありますが、日々とても充実しています。
米沢)よかったです(笑)。
―お二人、息もぴったりですよね。この新制作版がバレエ団のレパートリーとして定着し、再演となると井澤さんのデジレ王子も期待できますね!米沢)(デジレ王子)もうできます!
井澤)まだまだです、できませんよ(笑)。
―いつかその日を楽しみにしています!
続いては、まさに“新制作”真っ只中の作品についてうかがいます。
イーグリングさんとのリハーサルはいかがですか。米沢)非常にハイレベルな技術が求められるリハーサルです。
例えば、離れていて一気に走り寄って即ポーズなどハイリスクなサポートも求められます。
男性が待っているところに女性が近づいていったり、女性が立てるまで待っていてポーズに入ったりというのではなく、もっとギリギリのことが求められています。ちょっとしたタイミングのひとつひとつがプロ仕様です。的確な位置にバランスがないと手が離せないけれど、音楽に合わせて離さなくてはいけない。いまはそこが一番しんどいですね。
―さきほど拝見した3幕のリハーサルでも、とても粘り強い指導がされていました。米沢)とくに3幕は振りが出来上がっているので、ここからはいかにハイクオリティにしていくかです。そのこだわりをすごく感じます。
―タフな印象も受けましたが、ピシッと決まったときを見ていてとっても楽しかったというのも本音です。米沢)出来るかどうかというリスキーなところが見ていて面白いと思います。地味なところなんですけど(笑)。
―オーロラ姫の表現という点ではいかがですか。米沢)最初、オーロラ姫は「少女らしくキラキラして」と言われ、そんなイメージで踊っていました。するとどうやら「みんなの存在感に負けてしまう」らしく、堂々と踊ってみたんです。そうしたら今度は「世慣れしている、4人の王子を手玉に取っているみたい」と言われてしまって、それは嫌だなと(笑)。難しいです。
―では、突然ですが4人の王子として踊るとき、井澤さんはオーロラ姫をどう見ていますか。井澤)結婚相手というかそういう存在として踊っていますが、でも16歳の少女ですよね。
今とは時代が違いますが・・・。
米沢)自分も17,8歳だと思ったら?(笑)。
お二人)笑!!
―最後に公演を楽しみにされているみなさんにメッセージをお願いします。米沢) 舞台デザインはとても美しいです。衣裳は私のイメージとはだいぶ違っていたのですが、舞台セットの中に入ったとき、それがどのような相乗効果になるのか、私自身楽しみです。
井澤)今回自分にとっては初めての公演になりますが、新制作である「眠れる森の美女」に携わることができ、とても嬉しく思います。開幕公演である「眠れる森の美女」、是非観に来てください。劇場にてお待ちしております。
―お疲れのところ、ありがとうございました。新制作の『眠れる森の美女』開幕までいよいよカウントダウン、新国立劇場バレエ団オリジナル版の誕生が待ち遠しくなる稽古場取材でした!
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新国立劇場バレエ団『眠れる森の美女』制作発表&公開リハーサルレポート
おけぴ取材班: chiaki(文・撮影)監修:おけぴ管理人