2015/05/01 新国立劇場『サーカス』森山開次さんインタビュー(前編)

永遠の子どもたちと未来の大人たちへお届けする、
目が眩む程きらびやかな、魔法の時間。


大人も子どもも、ご家族で一緒に楽しめるダンス公演『サーカス』の演出・振付・アート・ディレクション、そしてもちろん出演もされる森山開次さんにお話をうかがいました。(レポラストには追加公演情報も!)



森山開次さん


--さっそくですが『サーカス』創作活動は現在どのような段階ですか。

森山さん)
稽古が始まって1か月経ち、残り1か月半。
これはどうだろう、あれはどうだろうと、いろんなことを並べていき試していく時期から、今度はそれを形にする作業に入ってきました。
普通よりも贅沢に時間を取っているつもりでも、ここから先のことを考えたとき、まだまだ足りないことがたくさんあり、今は苦しんでいるところでもあります(笑)。
どの形が一番いいのか、すぐに道が見えるわけではないですからね、もちろん、道が開けてうれしい時もありますけど。

--先日の『新国立劇場 夏のこども劇場セット合同制作発表』(おけぴレポ前編おけぴレポ後編)でも、美術・衣裳のひびのこづえさん、音楽の川瀬浩介さんとのコンビネーションの良さが伝わってきました。今回も気心の知れたお二人との共同作業ですね。

森山さん)
これまでも、こづえさんや川瀬さんと一緒に作ってきましたが、今回はスタンスが少し違うところがあるんです。
『LIVE BONE』でも主に僕が流れを作ってガイドしていきますが、基本3人並列というスタンスでやってきました。僕が衣裳や音楽にノーをいうことはなく、それぞれが出したものを試す、そしてそれがうまいこと回っている感じです。
今回は、お二人に対してもより強く僕自身の方向性を示す必要があり、自分のディレクションが試されている現場です。

--その方向性、テーマはずばり“サーカス”ですよね。そのココロは!

森山さん)
この“サーカス”というテーマがですね。
僕たちはダンサーなので身体能力は高いけれど、いわゆるサーカスの曲芸、たとえば綱渡りができるわけではないんです。その中で『サーカス』と銘打つ、これは勇気がいりました。逆に言うと、覚悟を決めて『サーカス』にしました。
ダンスや「からだであそぼ」(NHK教育)でもそうですが、これまでも身体で表現することに限界はない!と豪語してやってきました(笑)。ダンスでモノも表現できるし、内臓のダンスとかいろいろとトライしてきましたが、そういう意味では曲芸が出来なくても“サーカス”を表現できるんじゃないかと!

--サーカスをやるのではなく、『サーカス』というダンス公演なんですよね。

森山さん)
そうなんです。でも、サーカスだと思ってくる人がほとんどだと思いますよ(笑)。

--ちなみに森山さんがディレクションされたちらしの「Welcome to まっさか ーカス~!」というフレーズに象徴される、さかさまの視点がユニークですよね。

森山さん)
上と下を入れ替えたり、それだけでなく何か視点を変えて見る、人の裏側とか、縦のものを横にしてみたらこうやって見えるとか、反対の意味を考えてみたりすることで見えてくるモチーフって面白いですよね。そういう広い意味で「まっさか サまー(カス)」にしました。
これ下から読んでも「まっさかさまー」なんですよ。そうかと思えば「まさかSummer(サマー)」って聞こえたり、そんな遊び心を持って作品作りをしていけたらいいなと思って。




--本当!面白いですね。そういった視点は日ごろから?

森山さん)
そういう傾向にはありますね。
それがほかの人から見て面白いかはおいといて(笑)、自分の中では「こう見たらさかさまで面白いな」と発見して楽しんだりしています。
ひとつの事柄しか考えられない、一方向からしか見られない人間にはなりたくないなという思いは常に持っています。ひとつの価値観や枠組みにはとらわれない視点で作品を作っていけたらいいなと思っています。

今回の『サーカス』でもそうです。
楽しい世界でありながらちょっと怖さもあったり、“娯楽”という視点ではハッピーを与えるところでもあるけれど、つまりそれはお金を儲けるところでもある。
さらにその内側では曲芸に死もつきものだったり、昔の見世物小屋などでは差別があったりとか…いろんな面がありますよね。そう考えると曲芸だけじゃないサーカスが見えてくるんです。
こんな風に僕はどちらかというとシリアスにしたがるところもあるんですけど(笑)、そこはあくまでもこづえさんだし、川瀬さんなので、すごく暗いシリアスなタッチでは描きませんけどね。ポップな中にそういうことを入れていけるテーマなのかなと思っていますので、そういう意味でも大人から子供まで楽しめるものになると思います。



写真左)美術・衣裳のひびのこづえさん


--森山さんの描くサーカスの中に登場するダンサーのみなさんもさまざまなバックグラウンドをもったメンバーが集まりましたね。


森山さん)
サーカスなので綺麗どころを集めてというより、家族的な“一座”をイメージしました。
新体操の日本代表選手として活躍後、現在ではダンサーとして活動中の浅沼圭さん引間文佳さん、コンテンポラリーの宮河愛一郎さん、大道芸人としても活躍中の谷口 界さん、若きモダンダンサー水島晃太郎さん、そして新国立劇場バレエ団にもかつて所属されており、現在はNBAバレエ団のプリンシパルを務めるバレリーナの竹田仁美さん、いろんなキャラクターを集めたので個性豊かですよね。みんな動けるといってもその質も違いますしね。


写真左より)宮河愛一郎さん、引間文佳さん、浅沼 圭さん

たとえば愛一郎くんは芝居にも興味を持っているし、8年間在籍したNoismを出てから彼がやりたいと思っている方向性を僕もなんとなく感じ取っているので、彼にはダンサーとしてだけではない役割を担ってほしいと思っています。


水島晃太郎さん みなさんのウォーミングアップも個性的!!


写真左)竹田仁美さん 「小さくてかわいいバレリーナ」のイメージにピッタリ


--これから実際にお稽古を見せていただきますが、まさに創作過程真っ只中ですよね。

森山さん)
そうですね。僕の頭の中にあるイメージを形にする、そのゴールに到達するにも時間がかかります。漠然としているものなので、やってみて違うと気付いたり、思ったように動けなかったり。ベースになるものがあって、そこに何層か積み上げていって、ようやく到達するような作業が繰り返されています。
その意味ではダンサーも周りのスタッフも忍耐が必要なんですよね。でも、時に何か爆発したようにイメージ通りのものをつかめたりすることもあるので、そういう意味では稽古場は楽しくもあり苦しくもある場所ですね。


【リハーサル風景】

では、ここからはそんな稽古場の様子をご紹介いたします。

ひびのこづえさんの小道具的な衣裳、そのサンプルが数点届いたこの日、まずはそれらをどう活かせるかの作業が行われました。




とってもかわいらしくて不思議な小道具の数々が『サーカス』の中でどのようなに登場するのかワクワクです!でも、当たり前ながら打ち合わせ中のひびのさんも森山さんも真剣そのもの!でもでも…やっぱり遠目で見ると、オモシロ風景です。


新体操のリボンも!しかも操るのは水島さん?!


こちらも大事な小道具のようです。『サーカス』でどのように登場するのかお楽しみに!


そして、いよいよオープニングのお稽古に。
イメージは神出鬼没!そして動きは昆虫っぽく!わかるような、わからないような…と思っていたら、なるほど!見て納得!
うにょうにょしたなんとも不思議な動き、なにか新しい生命体を感じさせます!


「一度作ったものを壊していく感じ」という森山さんの言葉を受け、みなさんの動きがぐんぐん自由度を増してイイ感じになっていく様子に本番への期待が大きく膨らみました!

そして何より、みなさんとても個性的!!
森山開次『サーカス』、さぁ、どんな世界が待っているのか!
開幕が待ち遠しい!!

というところで、インタビュー後編へ続く♪


こちらは音楽担当の川瀬浩介さん


★大好評完売につき『サーカス』追加公演が決まりました★
2015年6月23日(火)19:00 開演
2015年6月26日(金)19:00 開演
一般発売:日時:6月1日(月)10:00~



<おけぴ関連記事~夏のこども劇場~>

2015/04/06 新国立劇場 夏のこども劇場セット合同制作発表レポート(前編)

2015/04/06 新国立劇場 夏のこども劇場セット合同制作発表レポート(後編)

【公演情報】
森山開次『サーカス』
2015年6月20日(土)〜28日(日)@新国立劇場 小劇場

幼い頃に憧れた、ピエロが踊るあの姿。ちょっとフシギな「サーカス」の世界をダンスで表現。NHK教育「からだであそぼ」などでも大活躍のダンサー・振付家、森山開次が贈る、目が眩む程きらびやかな魔法の時間。ダンスがいっぱい!いざ開演。。。

予定上演時間:約1時間10分(休けいなし)

演出・振付・アート・ディレクション:森山開次
出演:森山開次
浅沼 圭/竹田仁美/谷口 界/引間文佳/水島晃太郎/宮河愛一郎
音楽:川瀬浩介
美術・衣裳:ひびのこづえ
映像:ムーチョ村松

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文・撮影) 監修:おけぴ管理人

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