「事実は真実の敵なり」
「一番憎むべき狂気とは、あるがままの人生に折り合いをつけて、あるべき姿のために戦わないことだ」生きるヒント、人生の糧になる素晴らしいメッセージ溢れる傑作ミュージカル
『ラ・マンチャの男』再び!
歌舞伎役者・松本幸四郎さんのもう一つの顔とも言えるのが、この『ラ・マンチャの男』。1969年の日本初演よりライフワークとしてこの作品とともに歩み、仲間とともに見果てぬ夢を追い求めるカンパニー!新しい仲間を迎えた『ラ・マンチャの男』2015、いよいよ始動です。
作品へのみなさんの思いをひしひしと感じる製作発表、その中でもとくに印象的だったのは会見大詰めでの歌唱披露サプライズでした!
【歌唱披露でその存在感を見せつけた新アルドンザ】
歌唱披露、まずは、キャスト全員バージョンの♪見果てぬ夢。33名のキャストによる迫力の歌唱でした!
その迫力に圧倒される会場でした
「父が死んだときも母が死んだときも、「見果てぬ夢」を歌っておりました。
この作品、この歌に、助けられ勇気づけられて、今日に至るというのが正直なところです」幸四郎さんの作品への思いが凝縮されたコメントです。
ここで…駒田サンチョが「旦那様!」と槍を持って登場!スペシャルカーテンコールさながらに英語バージョンでの♪見果てぬ夢も披露されました。
柔らかな表情で、エレガントだった霧矢さんが…
英語で「騎士の遍歴って何のこと?」アルドンザのセリフを発したその瞬間、スイッチ入りました!
そこにいるのは、まさに…あばずれ女…
アル ドン ザ それを受け…
「真(まこと)の騎士の使命、いや務め、いやそれ以上の、その特権ともいうべきもの…」ラ・マンチャの男、ここにあり! この3人の並び、今から本番が楽しみです!
日本版では8人目のアルドンザとなる
霧矢さんのこの迫力、アントニア役の
ラフルアー宮澤エマさんは
ミュージカル『シスターアクト』で鮮烈な帝劇デビュー!数々の舞台、映像でご活躍!その透明感のある歌声が劇場に響き渡る…とっても楽しみですね。
幸四郎さんをはじめとした男性陣はもちろん、初参加の
ラ・マンチャの女たちにも期待です!
ラ・マンチャの女たちにも期待が高まります!! 【名作ミュージカルの魅力を紐解く】
ではここからは、役者、物語、そして音楽、ミュージカルの魅力がぎゅっと詰まったこの作品、簡単にみどころを紹介いたしましょう!
<強力なキャスト>セルバンテスでアロンソ・キハーナでドン・キホーテな
松本幸四郎さん(3役?!その秘密はのちほど)、牢名主で宿屋の亭主の
上條恒彦さん、キホーテとともに旅をするサンチョの
駒田一さんはもうお馴染ですね。
加えて、ドン・キホーテが恋い慕う“麗しの姫ドルシネア”ことアルドンザに
霧矢大夢さん、アロンソ・キハーナの姪アントニアに
ラフルアー宮澤エマさん、アントニアの婚約者カラスコ博士に
宮川浩さんが初役で挑みます。
『ラ・マンチャの男』セルバンテス、キハーナ、キホーテの松本幸四郎さん
アルドンザ役 霧矢大夢さん
サンチョ役 駒田一さん
キハーナの姪アントニア役 ラフルアー宮澤エマさん
牢名主、劇中劇では宿屋の亭主役の上条恒彦さん
劇中劇でキハーナとは違う思想を持つカラスコ博士役 宮川浩さん
<巧みに練られた三重構造>上下二巻にも及ぶ原作、劇化不可能とまで言われたこの壮大な物語を“演劇の力”で可能にしたのがこの『ラ・マンチャの男』です。3つの世界を行き来する、一見すると複雑な劇構造ですが、物語の緩急にもつながる巧みな仕掛けなのです。
1)<現実の世界>舞台は16世紀末のスペイン、セビリアの牢獄教会を侮辱した罪で宗教裁判にかけられた
作家セルバンテス(松本幸四郎さん)が
召使(駒田一さん)と共に投獄される場面からはじります。セルバンテスは申し開きのために牢屋で
囚人たち(上条さん(牢名主)、霧矢さん、宮澤さん…みなさん)を役者に見立て
劇中劇の上演を試みます。
2)<劇中劇現実の世界>劇中劇の世界作家セルバンテスが演じるのは
年老いた男アロンソ・キハーナ(幸四郎さん)。召使は
お供のサンチョ(駒田さん)を、牢名主は
宿屋の亭主(上条さん)を、囚人たちも
アルドンザ(霧矢さん)、アントニア(エマさん)、カラスコ(宮川さん)といった
セルバンテスの戯曲の登場人物を演じることとなります。
3)<アロンソ・キハーナ(劇中劇)の妄想の世界>遍歴の騎士ドン・キホーテの世界騎士道物語に没頭しすぎた
キハーナ老人(幸四郎さん)は自らをドン・キホーテ(幸四郎さん)と思いこみ、悪を滅ぼす旅に出るのです。風車を巨人だと思いこみ決闘を挑むなど、その行動は狂気の沙汰。
立ち寄った宿屋で
アルドンザというあばずれ女(霧矢さん)に出会った
キホーテ(幸四郎さん)は彼女こそが「
憧れの麗しき姫ドルシネア(霧矢さん)」だと言い、騎士道に裏付けされた誇り高き夢を謳い上げる…。
そこに、姪の
アントニア、カラスコたちがやってきて現実世界(2の劇中劇の現実の世界)へ引き戻そうと画策する。
さぁ、キホーテの求める夢とは、その真実とは。
つまり、
最初の登場人物である作家セルバンテスが、劇中劇として田舎の郷士アロンソ・キハーナと、キハーナが創り出した人物ドン・キホーテを演じるという、三重構造で物語は進むのです。
<人生の応援歌、珠玉のミュージカルナンバー>あまりにも有名なナンバー
「見果てぬ夢」、軽快なリズムに乗せてキホーテとサンチョが歌う
「ラ・マンチャの男」、キホーテとアルドンサがそれぞれソロで歌う
「ドルネシア」...珠玉のミュージカルナンバーが効果的に芝居に織り交ぜられています♪
見る者を勇気づけ、明日への一歩を踏み出す後押しをしてくれるようなミュージカル『ラ・マンチャの男』、大阪公演、松本公演を経て10月に帝国劇場にて上演されます。
最後に、この日、会場に飾られていたこのトロフィーをご紹介いたします。
ブロードウェイ初演時に脚本の故デール・ワッサーマン氏がトニー賞を受賞した際のトロフィーです。
ワッサーマン氏の「この作品にふさわしい人に渡してほしい」という遺志により、
記念すべき1200回目の公演の日にワッサーマン夫人から幸四郎さんに授与されました。
稽古場の様子はこちらから
『ラ・マンチャの男』公開稽古&松本幸四郎さんバースデーイベントレポート
おけぴ取材班:chiaki、hase 監修:おけぴ管理人