後列左から和田泰右さん、森新吾さん、中塚皓平さん、小寺利光さん。前列左からTAKAさん、東山義久さん、咲山類さん
祝・結成10周年!
5ダンサー&2ボーカルでオリジナリティ溢れるステージを魅せてくれる、“超・装飾系” Entertainment Art Unit(エンターテインメントアートユニット)
「DIAMOND☆DOGS(ダイアモンド・ドッグス)」!
DIAMOND☆DOGS生誕の地であり、ホームグラウンドともいえる銀座・博品館劇場で行われる定期公演「Super“D-☆”Cruising Show DIAMOND☆DOGS memorial 10 TEN STEPS」に向けて稽古中の都内某スタジオに潜入してきました!
メンバー自らショーの構成・演出・振り付け・音楽を手掛けるという多才さ。
この日のお稽古場でも、振付を確認しつつお互いに指導しあう姿がとても熱く、複雑なフォーメーションやダイナミックなリフトに目が釘付けでした!
施行錯誤を繰り返しながら、結成10年目にして新たな形が見えてきたというDIAMOND☆DOGS(以下D☆D)。
グル―プ結成秘話から、各メンバーの“他己紹介”まで、リーダー・東山義久さんと、森新吾さんにたっぷりとお話をうかがってまいりました♪
にこやかに質問に答えて下さった東山義久さん(右)と森新吾さん(左)
──10周年おめでとうございます! 2003年結成時のオリジナルメンバーのお2人ですが、当時を振り返ってみてどんな思いがあるのでしょうか?東山)結成時、最初にD☆Dをやろうと言いだしたのが僕で、最後に入ってきたのが新吾(森さん)。気がついてみたら一番上と下が残っていました(笑)
結成の動機は“自分が主導して作る作品”に出演したかったということですね。もちろん、外部のステージに出るのが嫌だったわけではないんですが、「このままだったら、ずっと他の人が作ったステージにばかり出ることになるんじゃないか」と思って…。
D☆Dはジャンルの違う5人のダンサーと、ロックとクラシック出身の2人のボーカルという構成。違うジャンルのメンバーから、いろいろなものを吸収できるのがすごくいいですね。
──D☆Dの公演では、メンバー自身が構成・演出・振り付けを手掛けていらっしゃいますね。東山)音楽や衣裳プランも自分たちでやっています。新吾が先頭に立って引っ張る感じかな。
最初はステージ作りの進め方もわからず、全員で集まって話し合ったりしていましたね。
今は僕と新吾が中心になって、大まかな流れを決めています。新吾が色々とアイディアを出して僕に提案してくれるんです。
森)最終的にはリハーサルをしながら他のメンバーとも話し合って作っていきます。
──お2人を中心に個性的なメンバーが集まったD☆D。グループのお兄さん的立場のお2人から、他のメンバーの皆さんを紹介していただけますか?森)では、まずは小寺君(小寺利光さん)から。
としちゃんは、実は一番ダンス経験が長いんですよね。舞台経験も僕たち2人よりある。だから、なんといっても彼が一番器用ですね。歌もダンスもお芝居も。何でもこなせる人なので、作品作りの過程でもすごく理解があります。
専門ジャンルはタップダンス♪ 美しいターンも必見の小寺利光さん
東山)彼はメンバーの中で一番のデジタル人間。機器を駆使して音楽編集とか映像編集とか、ささっとやってくれますね。
トークもうまくて、MCも担当してくれるし。色々な才能がある人です。
森)まんべんなく才能がある(笑)。僕たちの個性をぎゅっとまとめてくれるような存在です。
──では次に中塚皓平さんの紹介を。東山)彼は3歳からバレエをやっている20年選手。
森)D☆Dに入って一番変わった人なんじゃないかな。初めて会った時はいかにも「バレエをやってきました!」という少年だったんですけど、最近、舞台の上でひとり凛と立っている姿を見ると「変わったなー」と思いますね。6年間で体つきも変化して…
東山)2倍くらいにでかくなった(笑)。
森)線の細い子だったのが、いまやプロレスラーみたいになって(笑)。
レスリング…ではなく、リフトの練習中!
東山)メンバーの中では、彼はムードメーカーです。
森)雰囲気を作るか壊すかのオールオアナッシングですけど(笑)。
東山)プロデューサーからは「中塚に喋らせるな」と言われております(笑)。
いま僕ら中国語を学んでいるんですけど(※)、彼の場合まず日本語を勉強した方がいいんじゃないかな…。
(※2012年、日中国交正常化40周年記念イベントに出演するなど中国での活動も本格化)
森)うん、彼はまだまだ“伸びシロ”がありますね。日本語に関しては(笑)。
真剣な表情でモニターをチェックする“伸びシロあり”の中塚さんと東山さん
──では最年少・和田泰右さんについて森)メンバーになって今年で3年目。ようやく3歳になったかな、と。
森さんとのユニット・MILLION DOLLAR ROUGEでも活動中の和田泰右さん
東山)泰右(たいすけ)はねえ、今はだいぶメンバーっぽくなってきたけど、最初は“一体この子をどうしたらいいんだろう”と思いました(笑)。
やっぱり10年も続いているグループの中に最年少で入って来るっていうのは大変ですよ。彼の中にも葛藤があったと思います。
新吾とダンスジャンルが同じ(ヒップホップ)なので対になって踊ったり、ユニット(MILLION DOLLAR ROUGE)を作ったりしていて、あれでだいぶメンバーとの距離が近くなったよね。
森)彼なりにD☆Dの味と言うか、ダンスのスタイルを感じて、いい意味で僕たちの目指す方向に染まってくれていますね。
D☆Dに寄り添いながら、自分の持ち味を探している感じ。
ダンスのジャンルを通り越して、これからどんどん伸びて行く可能性がいっぱいある子で、7人並ぶと末っ子・弟的存在かな。
東山)まだ線が細くて。身長は僕らと変わらないのに。
森)そうそう、背は僕よりも高いんですよ。
──キャリアを積んでいくと中塚さんのように大きくなられたりして…。森)うーん、どうでしょう。たいちゃんが筋トレしているところをみたことがない(笑)。
東山)でも彼がすることならみんな笑顔で「うんうん♪」と見守っていますね。マスコット的存在かな(笑)。
──ボーカルの咲山類さんはクラシック出身ですね。東山)えーと…国立(くにたち)音楽学校だったっけ?
森)国立(こくりつ)ならぬ“くにたち”ですね(笑)。
東山)国立音大かーすごいな、と思っていたら「いえ、くにたち、です」って(笑)。
──いやいや、充分すごいと思いますよ!森)それがふたを開けてみたら、最初は舞台の上でまともに歩くこともできなかった(笑)。歌うこと以外は何もわからないまま入ってきたんですよね。
東山)クラシックの場合はマイクを使わないから、歌っているとマイクが口元からどんどん離れて行っちゃうんですよ。「あれ、声が聞こえないな」と思うとマイクが離れている。もう「あほー!」って!
森)歩くと手と足が一緒に出てナンバになっちゃうし。卒業式みたい(笑)。
──いまの舞台姿からは想像できませんね。森)D☆Dの音楽はクラシックからいまどきの音楽まで色々と取り入れてやっているので、類も彼なりに“クラシック音楽”という固定観念から離れて広がってきていますね。類なりの歌い方・パフォーマンスが出来る、とても魅力的なメンバーになってくれました。
東山)この人もメンバーの中では“いじられキャラ”。
外では“王子さま系”とか“クール”とか言われているみたいですけどね。
森)喋らなければ王子様なんでしょうね…(笑)。
いまではエアマイクもお手の物の咲山さんです♪
──では最後にもう一人のボーカル・TAKAさんについて東山)この人はね、自分のことを“Vロック王子”と言っています。ロックバンドをずっとやってきていて、今ではD☆Dの音楽全般を作ってくれている。ライブの時はバンドを取りまとめる音楽監督的な仕事もやってくれますね。
彼も(D☆Dに入って)ずいぶん変わったよな?
森)変わりましたねー。
東山)“ロックしか認めないぜ!”という子だったのが、D☆Dのメンバーそれぞれに合わせた音楽を考えて作ってくれるようになった。
ロックがベースにありながらも、幅広く色々なジャンルの音楽を作ることが当たり前になってきたのかな。世界観が広がって、D☆Dに入って本当に良かったと本人も言ってくれていますね。
TAKAさんがステージでみせる艶やかなビジュアルにもご期待下さい♪
──D☆Dの世界観に合う音楽は、みなさんで話し合って作るのですか?東山)ざっくりとしたイメージをTAKAに伝えて作ってもらいます。
森)彼はコアなものからポピュラーでメジャーな感じのものまで、オーダーの真意を汲み取って作ってくれますね。
D☆Dのイメージや感覚をわかって作ってくれるので、音楽に関しては本当に信頼できるメンバーです。
──なるほど。音楽と言えば、3月に1stアルバム「DIAMOND☆DOGS」が発売になりました。また、海を越えて中国のイベントやテレビ番組に出演されるなど、ステージを飛び出した活動もされていますが、D☆Dの中で「舞台公演」というのはどういった位置付けなのでしょうか?東山)D☆Dのホームはステージ・舞台公演です。
僕たちの舞台をより多くの方々に見てもらう為の表現、手段のひとつが、メジャーシーンでの音楽活動や海外での活動ですね。
全てがこのステージの為に、と思っています。
ですから舞台に帰って来たというよりは、今まで色々なところに蒔いた種がどれくらい育ったかな、というワクワク感がありますね。
──D☆Dの一番見せたいもの、神髄がステージにある、と。結成当時から定期公演を行っている博品館劇場に特別な思いはあるのでしょうか?東山)踊って、歌って、お芝居もして、さらにバンドも入れてライブもしちゃうという僕たちのパフォーマンスに最も合っている空間だなと思っています。
とても臨場感のある劇場。実際、お客さんの顔もとてもよく見えるんですよ。
僕たちの戻って来る場所という感覚ですね。
森)D☆Dの基本形が博品館で作られたという思いがありますね。
新しいことにも挑戦できるし、一番自信があって見てもらいたいものも出来るし。
やっぱりこの定期公演は僕たちが一番大事にしているものですね。
──第1回公演「未完成」から10年目の今回の公演「10 STEPS」。どんな構成のショーになりそうでしょうか?東山)今回は2部構成になっていて、1幕目ではこれまでの公演の代表的なナンバーを再現します。
森)かつてのナンバーをブラッシュアップして再構築しています。
今までの10年間のアラカルトをバランスよく見せるのが1幕。2幕ではこれからの僕たちを発信していくというか、D☆Dの未来へとつながっていくようなナンバーを見せますよ。
もちろん、ひとりひとりのメンバーにクローズアップするようなナンバーもありますし。
東山)これまでは毎回、お芝居というかコントのようなシーンが入っていたのですが、今回は僕たちの一番の魅力である「踊り」と「歌」を全面に出していくステージになります。
森)ダンスと歌に込めたもので、お芝居の部分も感じていただきたいなと。一挙手一投足を見逃せないような作りにしていきます。
物語は…リーダーの背中で感じて下さい!
東山)え…プレッシャーやな…。
──目がいくつあっても足りない!というステージになりそうですね。東山)ぜひ複眼でご覧下さい(笑)。
──それでは最後に東山さん、森さん、お互いについてどう思っているかをお聞かせいただけますか? 面と向かって言いづらいこともあるかもしれませんが…。
森)では、まず僕から。
リーダー(東山さん)とは僕が20歳の頃から10年間ずっと一緒にいたので、もう家族ですね (笑)。
親といるよりも長いんじゃないかって思っちゃうくらいに、濃い時間を過ごしていて、リーダーとの絆はすごく強いです!
そこが一番のダイアモンドなんじゃないかなって思っていますね。
リーダーがいなければD☆Dじゃないし、僕がいなくてもD☆Dじゃない。そう自信を持って言えるかな。
これから先も「10年…いや40年来の付き合いだよ」となれればいいなと(笑)。
東山)お互い、頭もハゲ散らかして(笑)。
森)杖をつきながら、博品館で「ここでよく踊ったんだよ」とか語る(笑)。
──トークですか!?森)ええ…トークサロンですね。50歳過ぎの2人が、お茶でも飲みながら。
東山)50歳はまだ杖じゃないだろ!
森)そっか。まだD☆Dやっているかもしれませんね(笑)。
東山)では、次は僕から。
実は、D☆Dに新吾が入る前に既に7人のメンバーは決まっていたんですよ。それが第1回公演の3か月前、仮チラシも出来ていた時に急にひとりのメンバーが参加出来ないということになって…それで、急遽探したのが新吾です。僕は彼のダンスを見たこともなかった(笑)。
森)リーダーに会う2時間前にプロデューサーに初めて会って。「じゃあ、おいで!」ってグローブ座に連れて行かれて…。
その時に撮った写真が第1回公演チラシの写真。
東山)だからひとりだけ写りがちょっと違う(笑)。さっき泰右(和田さん)のことをいろいろ言っていたけど、彼なんかよりもっと線が細くて、自信なさげな子がそこに立っていましたね(笑)。
個性の強いメンバーにのまれないようにって、よく2人で飯を食べに行ったり話したりしていたよね。そしていつのまにか、この2人だけが残っちゃった。
新吾のいいところは、初めて会ったときから変わらないD☆Dへの想い。D☆Dを愛している、というのかな(笑)。
僕はリーダーとしても、D☆Dの急先鋒として外部の舞台に飛び込んでいってD☆Dの世界を広げているという自覚はあるのですが、新吾はD☆Dのテクニカルな部分とか、方向性とかを決めて引っ張ってくれている。
彼が抜けたら公演が成り立たないですからね。
──森さんがいるから、安心して外の舞台にも出ていける?東山)そうです。新吾に任せられるから「俺はD☆Dの看板を背負って行ってくるからな!」という気持ちがありますね。
──なんだかご夫婦みたいな(笑)。東山)お父さんとお母さんみたい。
「お母ちゃん、おいしいお味噌汁作ってやー」って(笑)。
森)「お父ちゃん、行ってきー!」ってね。
東山)僕が帰ってきたら、お母ちゃんが「今日は和風ロールキャベツやで」「え!そんなん、どうやって作るの!?」みたいなね (笑)
森)ふふふ、今日はロールキャベツにニンニク入れて見ました。という感じで「新しい音楽と振付出来たんで帰って来て下さいーっ」と。
東山)晩ご飯のおいしい家には絶対に旦那さんは帰ってきますからね。
それから、新吾には先見の明がある! 少女時代とかAKBとか、流行りだす前から「これは絶対に日本一になる」と予言していましたからね。どこの社長さんですかっていう…(笑)。
(森さんに)そういう面でD☆Dはこれからどうなっていくでしょうか?
森)D☆Dはこれからが勝負です!
もう1段、階段を昇らないとね。だから「10 STEPS」なんですよね。
東山)まとめましたね。
森)10周年を迎えて、ここからがスタートだ!と思っています。
この先もD☆Dを育てて守っていくビジョンは僕もリーダーも見えています。メンバーたちにもその思いが伝わって受け継いでいってくれるといいなと考えていますね。
東山)いつまでもキャッキャしていられないからな(笑)。
…あ、でも、俺たちメンバーのだれよりも若いですよ! キャッキャしていますよ! 矛盾しているけど!
─(笑)。この楽しい雰囲気をステージで拝見するのを楽しみにしております! 今日はどうもありがとうございました!!まるで夫婦漫才のような息のあったトークで、インタビュー中も笑顔が絶えないお2人。公演中に開催されるアフタートークショー(5/21・22)にも期待が高まりました♪
もちろん、ステージの上ではガラリと変わった、超!! かっこいいダンス・パフォーマンスをみせて下さいますよ。
このインタビュー後に、振付確認作業を撮影させていただいたのですが、振り付け確認なのにジャンプが高い!ターンが早いっ! 実際のステージではどこまでかっこよくなってしまうのでしょう!
DIAMOND☆DOGS関連 おけぴレポ一覧はこちら<公演情報>
『Super“D-☆”Cruising ShowDIAMOND☆DOGS memorial 10 TEN STEPS』
2012年5月19日~27日 銀座・博品館劇場
<構成・演出・振付>
DIAMOND☆DOGS
<出演>
DIAMOND☆DOGS
東山義久/森新吾/小寺利光/中塚皓平/和田泰右/咲山類/TAKA/
長澤風海(ゲスト)
おけぴ取材班:mamiko(インタビュー/文) 撮影:yoshida、おけぴ管理人 監修:おけぴ管理人