26歳で傑作ミュージカル
『ウェストサイドストーリー』をプロデュース、演出家に転向後はブロードウェイの最長ロングラン記録を更新し続けている
『オペラ座の怪人』などを手がけたミスターブロードウェイ!
ハロルド・プリンス氏。
彼がこれまで手がけてきたミュージカル作品のいいところ取り!!ともいえる
ワールドプレミア ミュージカル『プリンス・オブ・ブロードウェイ』のリハーサルの様子をチラ見せレポ♪
"ALL I NEED IS ONE GOOD BREAK" from Flora, the Red Menace(『フローラ、赤の脅威』)
ハロルド・プリンス氏のキャリアを語るに欠かせない言葉はgood break、つまり
“運”。
そして、オープニングから「オールスター!」を実感♪
この曲のタイトルの如く、ワンチャンスを掴んだ、またはこの公演出演がそれになるかも!という
ブロードウェイの精鋭たちなのです。
キャストのみなさんは、それぞれの声の色が際立っていて、カラフル!それでいて、作品ごとに、組み合わせごとにうまい具合にまじり合って、決してぶつかり合うことはない!
これぞ、一流のミュージカル俳優さんたちなんだな。
そんな興奮が続くようなリハーサルです。
初めまして!のキャストの方も、出てくるたびに
「わぁ、この方のファンになっちゃうわ♪」の連続です。
その中でも、クルクルと変わる表情、愛らしい仕草で心をギュッと掴まれたのは、
ジョシュ・グリセッティさん!
"TONIGHT AT EIGHT" from She Loves Me
舞台に出てきた瞬間から引力が半端なく、何が飛び出すかわからない本当に多彩なジョシュ!ご注目くださいね♪
キャバレーのMC役もコミカルな中にみせる陰…。
"IF YOU COULD SEE HER"from Cabaret
そして、この公演、本当に油断ならないのが(笑)、オールスターキャストがアンサンブルも務めるという点!陰コーラスも通りすがりの人(?!)もスターたちがやっちゃうんです♪
それも嬉々として! “屋根の上のヴァイオリン弾き”パートが始まった瞬間、この豪華メンバーが“しきたりしきたり”(とは言っていませんが・笑)、
手をつないで上手から下手へ駆け抜けていきました!一瞬のことでしたが、これってかなりスペシャル!お見逃しなく。
屋根ヴァイといえば、製作発表でもその美声を轟かせたシュラー・ヘンズリーさん。オリヴィエ賞&トニー賞の貫禄、歌声はもちろん、はやり芝居力が突き抜けています。この一曲でひと作品分の表現力を見せつけ、稽古場の空気を支配しました。
そしてブロードウェイの精鋭たちと渡り合うのが柚希礼音さん!
柚希礼音さん、魅せます!「くたばれヤンキース」のWHATEVER LOLA WANTSは、悪魔が送り込んだLOLA(柚希さん)が主人公ジョー(トニーさん)を誘惑するというシーン。
柚希さんの超肉食なLOLAは必見!ぐいぐい行きますよ~。
"WHATEVER LOLA WANTS"from Damn Yankees
リフトされる柚希さん!!
ジョーに扮しているのは、
2015年トニー賞主演男優賞ノミネート(『On the Town』)のトニー・ヤズベックさん。今、ブロードウェイの舞台で主役を張る、まさに旬な俳優さんを生で見られるなんて!
フォーリーズの"THE RIGHT GIRL"では、トニーさんの圧巻のタップに見ている者は唖然呆然…そして興奮感動!テクニックが素晴らしいのは言うまでもなく、それが表現にまで高められ、さらには客席ともコミュニケーションしちゃうよ!くらいのエンターテイナーなのです。
言葉にならないとはまさにこのこと、
超絶エンタメタップなのです。
そして、待ってました!
「オペラ座の怪人」の登場です。
ブロードウェイの現役クリスティーヌ、ケイリー・アン・ヴォーヒーズさんと日本でも人気のファントムにしてジャン・バルジャン(「レ・ミゼラブル」)の
ラミン・カリムルーさん。音楽と芝居で、稽古場の空気が一気に「オペラ座の怪人」の世界に♪
"THE MUSIC OF THE NIGHT"from The Phantom of the Opera
ケイリーさんの悲しみを秘めていながら芯の強いクリスティーヌ!
しなやかでセクシーなラミンさんの歌声が導き、ケイリーさんが呼応する、お二人の歌声が互いに作用しあうのです。
そうそう、ラミンさんの七変化(?!)っぷりも見どころのひとつ、こちらはスーパーマンなワンシーンです。この作品名「It’s a Bird…It’s a Plane…It’s Superman」なのですが、あのフレーズって直訳だったんですね!なんて発見も。
"YOU’VE GOT POSSIBILITIES"from It’s a Bird…It’s a Plane…It’s Superman
マリアンド・トーレスさんのパワフルヴォイスも想像以上!全米ツアーでエルファバを演じていたことにも納得の迫力です。ほかの女性陣、
ナンシー・オペルさん、ブリヨーナ・マリー・パーハムさん、エミリー・スキナーさん、それぞれがため息モノのパフォーマンスなんです!
ブリヨーナさんのキャバレーは
ショーストップを予感させる素晴らしさ!!
こうして1幕の様子を拝見いたしましたが、みなさんの歌やダンスのテクニックはそれはもう素晴らしいんです。
でも、それ以上に感じるのは
「役者だなー」ということ。作品世界へ誘う力が素晴らしいのです!
ミュージカル好き、全員集合!ですよ♪
"TONIGHT"from West Side Story
ラミン&ケリーカップルのウェストサイドストーリーも雰囲気たっぷりです。トニー(ラミン)の独りでいたときの表情から、マリア(ケリー)を見つけた瞬間の変化にキュン♪
集合写真提供:梅田芸術劇場
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人