【11/1 トニー・ヤズベック&ラミン・カリムルートークショープチレポ】
お二人の…
好きな衣裳/着てみたい衣裳/やってみたい役は?ラミンさん:
カンパニーのボビー/トニーのタキシード/スウィーニー・トッドトニーさん:
フォーリーズのタキシード(このシーンのために、このたびお仕立て!)/スーパーマン/Sunday in the Park with Georgeのジョージソンドハイム人気高いですね!!
トークショーでも、
「年齢を重ねた、今、やりたい」というトニーさんのコメントに納得!
そして、衣裳については結構な悩みっぷりだったラミンさンが、間髪入れずに答えたのがスウィーニー・トッド。本気度高しとお察しします!
ハロルド・プリンス演出については
「ミュージカルを志す者だったら、どこかでハルの作品との接点を持つだろう。
私の場合は子供のころに観た『オペラ座の怪人』です。
そのハルの演出受けることは大変光栄なことですし、
何よりうれしかったのはハルが僕らと友人として接してくれたことです」(ラミンさん)
「常に
大きなヴィジョンを持ってリハーサルにいらっしゃる方です。その中で僕らはその世界を作るひとつひとつのピースとしての役割を果たしていきました」(トニーさん)
大スターでありながら、作品を作るうえではピースのひとつというこの献身。それがこの素晴らしい作品を作り上げているのだと納得。
また、『フォーリーズ』の"THE RIGHT GIRL"のタップシーンについては、
「
振付のスーザン・ストローマン、音楽監督のジェイソン・ロバート・ブラウン、そして僕自身のコラボレーションで作られました。
スーザンは僕の可能性を引き出してくれ、そこにジェイソンの素晴らしい才能が加わり、そしてこのシーンにタップをと最初に考えた
マイケル・ベネット(「コーラスライン」「ドリームガールズ」など)へのオマージュ、彼への尊敬も込めました」(トニーさん)
たくさんの愛と尊敬、そしてミュージカルへの熱い想いが込められたPOB、お見逃しなく!
11月6日(金) 13:30公演後には、これまた楽しみな…
オペラ座の怪人はやっぱり凄かった!!!
劇団四季&ウエストエンド&ブロードウェイの『オペラ座の怪人』キャストが一同に会す世界初のアフタートーク登壇者(敬称略):青山弥生(劇団四季)、北澤裕輔(劇団四季)、ラミン・カリムルー、ケイリー・アン・ヴォーヒーズ
も開催されます!詳細は
こちらから!
※記憶を頼りに執筆いたしましたので細かな言い回しなど、若干異なることもあるかと思います。ご了承ください。【ゲネレポ】
歌、ダンス、そして芝居!
さらには衣裳、照明、セット、オーケストラ…!!
一流のクリエイター、キャストが集結して創り上げた贅沢でゴージャスな舞台
『プリンス・オブ・ブロードウェイ』がついに開幕いたしました。(
おけぴ制作発表レポ、
稽古場レポ)
ブロードウェイで活躍する精鋭たちと唯一の日本人キャスト柚希礼音さん!
ミュージカル?コンサート?まだ見ぬうちは、いったいどんなショーなのだろうかと思っておりました。その実態は、誰かが作品を貫く主人公を演じ、物語を旅する。そういった類の物語とはちょっと違うのですが…。
でも、物語の中心には
“ハロルド・プリンス”、その人がいる。
ハロルドの人生を体現する分身のようなキャラクターを超一流キャストがお届けする
人生ドラマなのです!ハロルド・プリンスのモノローグを担当するのは市村正親さん(声の出演)。
ショーの華やかさと同時に、そこはかとなくただようほろ苦さが心地よく、見終わったとき、楽しさを思い出しつつ、「人生って…」とぼんやりと考えてしまうような、大人テイストの作品です。
そして、あれも成功、これも成功というわけでなく、「この作品はすぐにクローズしちゃったんだけど…」という茶目っ気もたっぷりなのです。
さあ!ここからは第一幕で印象的だったシーンをご紹介してまいります。
待ってました!ミュージカルスター…★ラミン・カリムルー特集★あれもこれも語りたいモードですが、やはり何といっても
「オペラ座の怪人」。
あの印象的な音楽が流れ、この方が登場すると、そこはもうパリ・オペラ座の地下空間。
ファントム役、ラミン・カリムルーさん
クリスティーヌ役は
ケイリー・アン・ヴォーヒーズさん19歳でハロルドに見いだされ、21歳の現在、ブロードウェイで同役を演じています!
"THE MUSIC OF THE NIGHT"
このオペラ座の怪人を見てしまったら、もう、それだけでいわゆる平伏しモードです。
DVDで見ていたあの歌声、佇まいが…という興奮もさることながら、ファントムのもつ類まれな才能や彼が持つ悲しみ、クリスティーヌへの想いなど、その
キャラクターに圧倒されます。
公演としてはファントム役卒業を公言しているラミンさんのファントム、見逃し厳禁です!
ちなみにラミンさんはほかにも、野球選手(「くたばれヤンキース」)、スーパーマン、トニー(「ウェスト・サイド・ストーリー」)ほか、たくさんのキャラクターを演じますよ。ラミンさんのコメディも見たい!
「くたばれヤンキース」より"HEART"
ラミン・カリムルーさん、トニー・ヤズベックさん、ジョシュ・グリセッティさん、シュラー・ヘンズリーさん
シドニー役:マリアンド・トーレスさん、クラーク・ケント役:ラミン・カリムルーさん
「イッツ・ア・バード…イッツ・ア・プレイン…イッツ・スーパーマン」での、
マリアンド・トーレスさんの"YOU'VE GOT POSSIBILITIES"はまるでアメコミのようなセットでのポップでキュート、そして迫力満点のナンバーです♪ 声の"しなり"が最高なのです!
ラミンさんだけでなく、10人の主要キャストがさまざまな作品の登場人物を演じていくのですが、ほんの一瞬の登場場面でもみなさん役を生きているのです!
POBのポイントはなんといってもミュージカル俳優による作品だということ。この"
物語への没入感"はクセになります。
ハロルドが演出家としてブレイクした…★「キャバレー」特集★1966年初演、ハロルド・プリンス氏が演出家として最初のブレイクをした作品がこの
「キャバレー」。ナチス台頭下のベルリンを舞台にした、退廃的な空気をまとう名作。
稀代の個性派キャラクターMCはじめ、その登場人物も多種多様、タレントぞろいのこのメンバーならではのため息モノのひと時です!
ジョシュ・グリセッティさんのMC、
ブリヨーナ・マリー・パーハムさんのサリー、
ナンシー・オペルさんのシュナイダー婦人、そしてキット・カット・バンドの濃すぎる(笑)メンバーなど、見どころいっぱい!
"IF YOU COULD SEE HER"
怪しさと人をひきつける魅力にあふれるジョシュさんのMCとゴリラちゃん
シュナイダー婦人の"SO WHAT?"をうたうナンシー・オペルさん
「だから、なに?」力強い歌声です
キット・カット・バンドには柚希礼音さんも、そしてコ、コ、コントラバス!!
ブリヨーナさんのキャバレーには魂揺さぶられました!
出てくるたびに、のけ反りそうになるほどの歌唱力=魂の叫びなブリヨーナさん、「シー・ラブズ・ミー」の恋する女の子も素敵です。
歌、ダンス、芝居で観客を魅了…★トニー・ヤズベック特集★今年のトニー賞主演男優賞ノミネートのトニー・ヤズベックさん。
「フォーリーズ」の"THE RIGHT GIRL"では、葛藤を歌とダンスで爆発させるパフォーマンスに目が釘付け!!
ダンスから一転、芝居と歌声で感情を吐露するシーンも最高!
今、ブロードウェイで三拍子そろった俳優と言われることに大・大・大納得!
2幕の「パレード」からのナンバーも心震えます。
柚希さんとのデュエットダンスもお楽しみに!
ご紹介せずにはいられない…★みごとな演出、みごとな演技★ぐさりと心に突き刺さったのは、「リトル・ナイト・ミュージック」の"SEND IN THE CLOWNS"。演じるのは
エミリー・スキナーさん。
漆黒の闇のなかスポットライトを浴び、舞台には椅子ひとつ、そこでソンドハイムの美しいナンバーを歌うエミリーさん。
劇場全体がエミリーさん演じるデジレという女性、その一点に全神経を集中、それを引き受け、空間をその世界で満たす。美しいこのナンバーで、あらためてすごいことが起こっているということに気づかされました。
ほかにも、
シュラー・ヘンズリーさんの"IF I WERE A RICH MAN"(「屋根の上のヴァイオリン弾き」)や
ジョシュさんの"TONIGHT AT EIGHT"(「シー・ラブズ・ミー」)などなど…、よくぞこの方を!という配役、そして瞬時に作品世界を観客に伝え、そこでドラマを魅せる!シンプルながら効果的なセットや衣裳、キャラクター創りまで、まさに
ハロルド演出が冴えわたっているのです。
"IF I WERE A RICH MAN"(「屋根の上のヴァイオリン弾き」より)
"TONIGHT AT EIGHT"(「シー・ラブズ・ミー」より)
お待たせしました!
★柚希礼音さん特集★「くたばれヤンキース」では魅惑のローラ!!「フォーリーズ」では美しさ炸裂!
獲物を狙う視線?!
"WHATEVER LOLA WANTS"(「くたばれヤンキース」より)
悪魔が送り込んだLOLA(柚希さん)がジョー(トニーさん)を誘惑するというシーン!
"BEAUTIFUL GIRLS"(「フォーリーズ」より)
舞台装置もステキです!!
二幕「タイムズ・スクエア・バレエ」ではブロードウェイにやっていたREONとして、ノンストップショータイムを踊り切り、演じきる柚希さん!堂々のパフォーマンスです♪
こうして第一幕の様子をレポートいたしましたが、第二幕もじわじわと心にしみる名場面揃い!「カンパニー」の"BEING ALIVE"などは人生を考察させるような深さをもって届けられます。
また、POBの
音楽スーパーバイザー、編曲を担当したジェイソン・ロバート・ブラウンさん(作詞・作曲)とハロルドさん(演出)の「パレード」、ジョージア州で起きたえん罪事件をもとにした作品で主人公のユダヤ人レオが歌う"This Is Not Over Yet"(トニー・ヤズベックさん)、前出の「キャバレー」「屋根の上のヴァイオリン弾き」など、社会とそこに生きる人間を大小の視点から描いた作品も、観劇後じわじわと心に作用します。
このように、ミュージカルの魅力がギュギュギュッと詰まった『プリンス・オブ・ブロードウェイ』。ミュージカルのこれまでとこれからを体感しましょう!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人