【感想追記】『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』開幕レポート

★舞台写真を掲載しています。ご観劇前のみなさまはご注意ください★



「最後のダンスの心地好いカタルシス!もう一度観たい、あの空間に身を置きたい!」、「舞台そのものが曲馬団です」などなど、熱い感想が続々と届いております♪
ドドーンとご紹介!

◆見終わった後、これほど心がほっこり暖かくなるお芝居は久しぶりでした。
全ての登場人物を愛せる素敵な素敵な物語です。サーカス団らしい曲芸も皆さん習得され、披露されるシーンも見応え十分でした。若手俳優さん目当てで行きましたが、植本潤さんも大好きなので見られて良かったです。

◆楽しかっただけに余計、帰り道、中島らもさんが伝えたかったことを真剣に考えていました。

◆中島らもさんを懐かしく思い出せる素敵な演劇でした。劇中の世界へと松尾貴史さんが観客を優しくいざなってくれます。

◆どあたまのピエロさんの口上から、面白すぎてぐっと掴まれます。
池田純矢くんの少尉も入来茉里ちゃんのヒロインもとても初々しくて微笑ましい。
鈴木くんも可愛いです。なにより脇を固めるベテラン陣が軽妙ながらどっしりとしていて、そこがなによりの魅力です。芸は本当のサーカスさながら!
ベイビーさんという不思議な生き物に癒されます。

◆冒頭8分間のピエロ(松尾貴史さん)の一人芝居の語りが素晴しい。
その後はチームワークがお見事です。サーカスの出し物芸一人一人は勿論、アフタートークショウで披露していましたが役以外でも(見えないところで)頑張っているそうです。
ベイビーさんの姿と声は後々まで残ります。
それにしても中島らもさん、そんなに早く亡くなることはなかったのに。

◆重く辛い背景で時々シュールな一面もありますが、実にファンタジーでハートフルな展開でした。坂元健児さんの曲芸は見物です。

◆サーカス小屋そのままといった雰囲気のセットが素敵。
重いテーマが隠れているのだけれど、それを面白おかしく軽妙に描くのが、中島らもらしい作品。
昔に書かれた話のはずなのに現代にもリンクする話になっていました。

◆勝吾くんの少年役が最高でした。本当に可愛い。あと、井澤さんのダンス流石です。
ダンスシーンもう一回見たいわ。純矢くんのラブシーンは可愛かったです。
キュンキュンします。

◆楽しさとともに戦争・軍人のばかばかしさ・こっけいさへの皮肉がきいている劇の導入からよかった。団員それぞれの芸・歌も見ていて楽しい。

◆まさにサーカス!といった演目の数々が繰り広げられるステージ。
衣装も美術も華やかですばらしかったです。至る所に時代感や人々の考え方がちりばめられ、考えさせられました。まさに「ゆあーん」な舞台でした!

◆G2さんの演出ということで楽しみに観に行きました。
あらすじを読み、戦争の時の話ということである程度覚悟して行ったのですが、終始明るい雰囲気でのお話で、楽しく見られました。
ですが、ラストの鈴木勝吾さん演じる少年の言葉に、思わず涙がこぼれ…。
あの一言で色々なことが頭をめぐりました。さすが傑作と言われる作品だと感じました。
役者陣の方々もとても良かったです。サーカス団の温かい雰囲気が本当に家族のようで、思わず顔が緩みました。とても素敵な作品でした。




「疲れた心の栄養補給にお勧めの一品。
理屈抜きに楽しめる作品になったかと思います」(演出:G2さん)



中央・左から)ボーズ:鈴木勝吾さん、内海少尉:池田純矢さん


サーカス団のみなさん

中島らもさん作の、戦時中の満州を舞台に、軍隊を慰問するサーカス団と、彼らを検閲する視察団、そして、サーカス団が連れてきた不思議な動物“ベイビーさん”をめぐる物語
今回、演出を担当されるのは、劇団リリパットアーミー以外で唯一、らも戯曲を演出することが許されたG2さん!

“時代”と、“サーカス”というミステリアスな響き、ちょっと怖いのかなという気持ちで劇場へ、そして帰りは「ほんの少し胸のあたりがチクリと…、でも、なんだかとても気持ちがいいぞ!!
そんな不思議な魔法にかかったような作品『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』が開幕いたしました。

おけぴ開幕レポート、舞台写真&キャストコメントも併せてご紹介いたします。

冒頭のピエロさん飲んだくれトークタイム!
毎回違うんだろうなぁ…お楽しみポイントです。きっと、受け取る世代ごとに笑いのツボが違うのでしょうね(笑)。
松尾さんのピエロさんが『ベイビーさん…』の世界へ誘う、素敵な導入!


この不思議なおはなしの語り部、ピエロさん:松尾貴史さん

「(初日を迎え)実に清々しいです。やることはやったという感じです。 初演を青山円形劇場で観て、出演したかったなあと思ったときから、20 年が経ち、ひたすら感慨深いです。
(ピエロさんは)らもさんがご自分で演じることを想定して書いた役なので、どういう人格設定をしていたのか、想像する作業が楽しかったです」(松尾貴史さん)



左から)八代少尉(のちの八代大佐):小須田康人さん、堂山中尉:久保酎吉さん
プロローグで登場の二人。数奇な運命に導かれての再会は…?!
現実の厳しさ、その中での人間って…といったところを一身に引き受ける八代大佐、小須田さんが迫力と悲哀をもって演じます。

八代大佐が視察に訪れたサーカス団のメンバーは、とってもカラフルな人々!!
不思議なサーカス団の団員と八代大佐の部下・内海少尉の交流、そして、餌を食べないというなぞの動物“ベイビーさん”を巡るものがたりが始まるのです。


象使いのゾウさん(曲芸シーンのMCも!!):井澤勇貴さん、内海少尉:池田純矢さん、カタカタさん:植本潤さん、ママさん:林 希さん


こんな!
内海少尉:池田純矢さん、玉:入来茉里さん
玉ちゃんはみんなの妹的存在。入来さんがもつキュートさと、身体能力をいかんなく発揮!


交流も♪

堅物の内海少尉のどぎまぎっぷりが微笑ましいシーンです。
若い少尉らしい一本気なところや人間味あふれる弱さ、「こうあるべき」と「本当にそうなのだろうか」の狭間で葛藤する人物を実直に演じる池田純矢さん!

「お芝居の質的にも、身体的にも、どちらかと言うと普段は発散する役どころの方が 多かったのですが、今作ではどちらにも大きな縛りがあり、自分を抑圧する事が課題でした。 何もしない、しかし、そこに在る。 と言うのがどれ程難しいか、痛感したように思います。 逆に、不自由の中に生まれる自由を見つけた時は何よりも嬉しかったです」(池田純矢さん)


ピエロさん:松尾貴史さん、ボーズ:鈴木勝吾さん
サーカス団に迷い込んだ孤児ボーズはピエロさん指導のもと一輪車乗りを目指すことに!!

鈴木勝吾さんのピュアなお芝居でつくり上げられるボーズというキャラクター、気が付くと客席もみんなボーズの味方に!「がんばれ、ほら、もう少し!」。
それだけに、ボーズのあのシーンは…ホロリとさせられます♪


写真上)ママさん:林希さん(気風がいい!頼れるママさん!)
写真下)ボーズ:鈴木勝吾さん、団長のドードーさん:久保酎吉さん

ドードーさんっていったい?!しかも団長?!
いやぁ、まさか久保酎吉さんのこのようなお姿を拝見できるとは(笑)。でも、さすが久保さん、さすが団長なんですよ、このドードーさんは!

慰問のサーカス団ですからね!曲芸はもちろん、歌って踊るショータイムもあるんです。


植本潤さん演じるカタカタさんは、本当にカタカタ!そして、一世一代の大勝負で…なんと(笑)!
さらには、もうひと役のはまり方が半端ないのです(見てのお楽しみ♪)


逆立ちからの!
ピエロさん、チカラさん:坂元健児さん、タズマさん:木下政治さん


はいっ!!

気は優しくて力持ち!頼れる兄貴なチカラさんを演じるのは坂元健児さん!
曲芸シーンはもちろん、随所でチカラ技炸裂です。
木下政治さん演じるタズマさんのマジックも鮮やかなキャラクターチェンジもお楽しみに!


「この作品は純粋に「面白い!」と言ってもらえる作品だと思います。 コメディ、シリアス、エンタテイメントいろんなものが詰まっています。 舞台観劇が初めての方にも優しい作品です。 是非、ワクワクした気持ちでいらしていただければと思います」(池田純矢さん)

この言葉に偽りなく、戦争というあまりに大きな現実とゆるふわなサーカスの世界が融合した、笑いいっぱい心温まるものがたり。温かい光に包まれて劇場を後にするような『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』、お見逃しなく!


曲馬団パフォーマンス、一部シルク仕込み?!

【公演情報】
『ベイビーさん~あるいは笑う曲馬団について』
2015年11月7日(土)~14日(土)@Zepp ブルーシアター 六本木

<スタッフ>
作:中島らも
演出:G2

<キャスト>
池田純矢/鈴木勝吾/井澤勇貴/入来茉里/久保酎吉/植本潤
木下政治/林 希/坂元健児/小須田康人/松尾貴史 ほか

<ストーリー>
昭和6年(1931年)、満州のとある戦場で幕を開ける。第二次世界大戦に日本が突き進んでいた時代、堂山中尉と八代少尉の二人は爆撃から逃れてとある塹壕に潜んでいた・・・。

それから10年、昭和16年。
いよいよ日本が第二次世界大戦に突入しようとしている時。満州の新京。とあるサーカス団が、軍隊の慰問をするために活動を開始している。
その慰問が適正かどうか視察にきているのは、八代大佐率いる一同。見世物が終わって、八代大佐のもとに集まってくる、サーカス団の連中。

「サーカスではない、曲馬団だ」
士気を鼓舞するための慰問だ、間違っても敵性語を使用してはならない。

「そういえばここには動物はいるのか」八代大佐に問われて、象やらがいると答える曲馬団の一同。日本国中が食べ物を制限している中、餌をやることに不服をぶつけられて、サーカスの連中が思わず放った言葉は「餌を食わない動物もいるんですよ」
餌を食わない動物なんているはずがない!と息巻く八代大佐のもとに連れてこられた一頭の動物。
「ベイビーさんで。」

こうして、ベイビーさんと曲馬団と八代大佐たちは出会ったのだった・・・。

公演HPはこちらから

舞台写真・コメント提供:(株)セガ・ライブクリエイション
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人

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