上方落語の大ネタが、
歌あり踊りあり、もちろん笑いあり♪ のお芝居に!
時事ネタやアドリブを取り入れて、
“あの世”のあれこれを、面白おかしくきかせる落語の大ネタ
『地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)』が、舞台版になり、さらにパワーアップ!
いきいき(!)と活躍する亡者たちに、閻魔大王の前での“かくし芸大会”、そして
歌とダンスのレビューまで…!?
今年3月に亡くなった
上方落語の巨星・桂米朝さんを明るく、楽しく、偲ぶ、追善芝居
『地獄八景亡者戯』製作発表の模様をお届けいたします♪
お餅を喉につまらせて“あの世”へ行ってしまう売れない落語家を演じるのは…
この方、【桂ざこばさん】です!
ざこばさん)
「こんな大きなネタを芝居でできるということが、ほんまに嬉しい! 師匠(米朝さん)がこのネタをやってなかったら、この仕事もなかったかと思うと(笑)、ごっつう嬉しいです。
自分の役が“餅食って死ぬ、落ちぶれた落語家の役”ということしかわかりません。それも今日、知ったとこですわ。まだ台本できてへんもん(笑)。
落語は、ひとりの人間が、衣裳もカツラもなしの“地(じ)”のままで喋って、お客さんが想像するもんですが、芝居だと目の前にそのものが出てきますので、面白そうですわ(笑)。
いいなあ、一門のチームで、衣裳をつけて、(芝居)できるなんて、これぜったい面白いですわ。ワクワクしますわ。落語とちがって背景、セットもあるしね。
早く初日をあけたいと思います。ほんまに!
…こんなもんでよろしいか?(笑)」米朝一門に女性としてはじめて弟子入りした、
“桂すずめ”こと、女優の【三林京子さん】(写真中央)
三林さん)
「ざこば兄ちゃん演じる落語家の嫁はんと、“しょうづかの婆”の二役。まあ、可愛い役ではないと思います(笑)。
“地獄”といっても、100人いたら100人ともイメージが違うと思うんです。極楽もそうでしょうけど。
ポスター見てもらったわかりますけど、こんな扮装の“しょうづかの婆”なんて今までなかった。やったもん勝ちやと思ってます(笑)」※“しょうづかの婆”=三途の川で亡者の着物をはぎ取る奪衣婆のこと「自分がなぜこの場にいるのか疑問(笑)」という【ISSAさん】。
ダンスですべてを語る(!)名古屋山三の役を演じます。
ISSAさん)
「自分がなぜここにいるのか…緊張しています(笑)。
いままで洋楽やダンス、海外のものをリスペクトしてやってきたので、今回どうなるかわかりませんが…自分の持てるものを充分に発揮して頑張りたいと思います。
(落語を題材にした作品、役作りはどうするか?という質問に)
ひとつだけ先に言わせてください。僕、役者じゃないので…(笑)。
(起用されたことは)大きな賭けにでたな、と。僕自身、舞台の上で自分がどうなるのか、わからないです。でも素晴らしい先輩たちと一緒に役を作り上げて、一生懸命やっていきたいという気持ちだけはあります!
前評価が高くなっちゃうとプレッシャーなので(笑)、僕のことは「あ、いるな」くらいの気持ちで観ていただければ。
人それぞれ、いろんな“地獄”があると思うんですけど、その状況のなかで、どうやって楽しいことができるのか、そんなことを考えながら役を作っていければいいなと。あ、なんかすみません、役者みたいなこと言って(笑)」
2、3年前からの“飲み友達”というざこばさんとISSAさん。
「DA PUMPのダンス、ムカつくほどかっこいいで」(byざこばさん)
元OSK日本歌劇団トップスター【桜花昇ぼるさん】。
出雲阿国役をダブルキャストで演じます!
桜花さん)
「OSKを退団して1年、不思議なご縁に導かれております。
米朝師匠の奥さまは、駒ひかるさんという芸名で、大阪松竹少女歌劇団(OSKの前身)の男役スターさんでした。亡くなられたときの葬儀でもOSKのテーマソング「桜咲く国」を流されたと聞いています。実は、駒ひかるさんと私は高校も同窓でして、米朝師匠とともに、先輩である奥さまのことも偲びたいと思います。
阿国は“男役”を作られた方、言ってみればOSKの祖とも思っています。OSK在団時に阿国から名古屋山三への早替りを演じたこともあり、こちらも不思議な縁を感じます。
OSK卒業後、上方講談の世界に入りました。今回共演する三林さんからも“この世界は瞬時にいろんな役にならないといけない。勉強になるで”と教えていただいております。
ずっと歌と踊り、レビューをやってきましたので、語りだけで表現する世界を知りませんでした。語ることで背景まで見えるような力を身に着けたいと思っています。
…あ、でも今回はお芝居なので背景もつきますね…。背景がついて、嬉しいです(笑)。ISSAさん演じる名古屋山三と恋人同士になれるのも嬉しいです(笑)」【三倉茉奈さん】が演じるのは、
落語「たちぎれ線香」に登場する芸者・小糸です。
三倉さん)
「出演が決まって、あらためて“地獄八景~”をきいたら、本当におもしろくて! あ、落語ってすごい、米朝師匠って本当にうまいんだなと、落語に関してはド素人の私ですが、そう感じました。
こんなに楽しい落語が舞台になったら、いったいどれだけ面白くなるんだろうと。
落語では、ひとりの方が、年齢、性別、立場、なにもかもちがう役を演じ分けている。役者として衝撃を受けました。
今回の舞台もいろいろなジャンルの方とご一緒できるので、先輩方から勉強させていただければと思っています」桜花さんとダブルキャストで阿国を演じるのは、
同じくOSK日本歌劇団元トップスターの【洋あおいさん】!
コメディセンス抜群の洋さん、ISSAさんとの舞台上でのやりとりが楽しみ♪
洋さん)
「私もOSKを卒業して××年になりました…(笑)。卒業後、男役から女役までいろいろと演じてきましたが、今回は上方芸能発展の大功労者である米朝師匠の追善芝居に出演できるとのこと、また師匠の奥さまはOSKの大先輩ということもあり、身が引き締まる思いです。
われわれが演じてきた歌劇の先祖といっても過言ではない出雲阿国役。憧れの役でしたので、元気いっぱいに頑張りたいと思います。
実はOSK時代に、いま横におられるISSAさん、DA PUMPの曲を歌って踊ったことがありました。今はもう無理ですが(笑)。
桜花さんとダブルキャストということで、客席から彼女が演じる阿国を見るのも楽しみです。お互い精進できるのではと思っております」ざこばさん)
「師匠が亡くなって8ヶ月。でもまだどこかにいはる気がします。
これね、地獄の話やなくて、“あの世”の話なんですわ。地獄に行く前の話やから明るくておもしろいと思うんです。地獄は嫌やけどね(笑)。
“あの世ってこんなとこやで、いっぺん死んで行ってみようか”って(笑)。
早めにあの世にいってもいいな、と思える芝居になったらおもしろい。
師匠はぜったいに喜んでくれてはるやろうと思います」
桂米朝 追善芝居 『地獄八景亡者戯』は、2016年2月6日より大阪松竹座にて上演。
今回登壇した皆様に加え、長江健次さん、関口まいさん、トリプルキャストで閻魔大王役を演じる桂南光さんほか多彩なキャストがご出演。
米朝さんの長男・桂米團治さんも声の演技でご出演です。
さらに!
OSK日本歌劇団OGの沙月梨乃さん&美森あいかさんがダブルキャストで登場、
OSK現役生の結菜ほのりさん、穂香めぐみさん、由萌ななほさん、かなめ樹里さん、星南ゆりさん、和紗くるみさんもご出演で、これは…“あの世”でのレビューシーンが楽しみです♪
“あの世”で歌って踊って、笑いましょう!
おけぴ取材班:mamiko(撮影・文)