ミュージカル『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』観劇レポート

“無限の夢”と“限られた時間”のなかで浮かび上がるのは生きるエネルギー。

 80年代アメリカ、「居場所はない。ここにいたくない」と故郷ペンシルベニアを飛び出し、NYへやってきたキース・ヘリング。彼は、NYで表現の場と仲間に出会い、時代を代表するアーティストとなる。
 やがてエイズにより幕を下ろすキースの31年の生涯を、時を行き来しながら描くミュージカル『ラディアント・ベイビー』

キース・ヘリング役に柿澤勇人さん、キースの親友、写真家ツェン・クワン・チー役に平間壮一さん、恋人カルロスに松下洸平さん、聡明なアシスタントのアマンダに知念里奈さん、ほかにもディーバウーマンにエリアンナさん、ディーバマンSpiさんといった多彩なキャスト、演出は岸谷五朗さんという布陣での日本初演がシアタークリエで上演中!




劇場を入った瞬間からそこはキースの世界。
 1Fエントランスでの「キース・ヘリングのポスター展」、客席階ロビーでの資料展示、客席に配布されているキーワード解説などに事前に目を通すと作品をより身近に感じることができます。少しお早目のご到着を!
 ここからはおけぴにお寄せいただいた感想を舞台写真を交えながらご紹介いたします。


【圧巻の柿澤キース~DRAW ME A DOOR~】




「とにかく柿澤くんのキースがいい!凄い熱量で物語が進んでいきます。
 彼を取り巻く人々の優しさに、彼は愛されていたんだなぁと感じたり、クラブでのシーンは彼の生きた時代や彼自身の疾走感を感じさせて、夢半ばでの終わりがなんとも切なかった」

「キースのスピード感がすごい。役者さん皆さん良いのですが、特に、柿澤勇人さんのキース!魂を削っています。何らかの事情により、気になっているけど踏み出せないという人、迷っている人、とりあえず、見ておいた方が良いと思います」

「柿澤さんがとても良く動きまわる感じが楽しくそして切ない。最後の方は、明るさのぶんだけ胸が締め付けられる。
 歌は皆さんとても上手くてNYの雰囲気がありごちゃごちゃした感じが雑多さを表していてとても良かった。
 何より柿澤さんの力のこもった歌素晴らしい。筋肉の線や流れ落ちる汗すら演技の一部となってただ見惚れる限りである。キースのことを余り知らなくてもわかる内容となっていた」




写真左より)キース役:柿澤勇人さん、恋人でDJのカルロス役:松下洸平さん
「君といると新しいサウンドが聞こえてくる」(カルロス)「君の眼に絵が見える」(キース)


「パワフルなダンス&歌で圧倒されました。柿澤勇人さんは、あんな姿勢からどうやったらあの声量の歌が歌えるのでしょうか?? スリルミーでかつてペアを組んだ松下さんとの息の合ったお芝居も素敵でした」

「見どこはもちろんカッキーの台詞の多さに歌い躍り、何度裸になる事か…途中で倒れちゃうんじゃないかと言うくらいのハードな所ですね」



【舞台から伝わるエネルギー~FASTER THAN THE SPEED OF LIFE~】


「柿澤さんの熱演をはじめ、キャストの皆さんの熱量に胸打たれました。
 キースの短かった生涯の疾走感、焦燥感も楽曲から感じられ、一緒に切なくもなりましたが、彼が愛した彼自身の人生をともに駆け抜けたといった余韻です」

「ものすごいパワーとスピードで、人生より早く、という劇中歌そのままの感じ。何より柿澤さんのキースは圧巻、必見です!!濃厚で何度も見たくなってリピーターチケットも買いました!」

「歌もダンスも圧巻!出演者一人一人がとても魅力的でどこも見逃せなく目が足りない状態でした...役名がある人だけでなく、アンサンブルの方にもぜひ注目してもらいたいです!」





「子供たちのピュアな歌声で静かに始まったと思ったら、パワフル&リズミカルな音楽とダンスでスピーディに展開する1幕!キースと彼を取り巻く友人たちの心情が明らかに展開する2幕!グイグイ引き込まれて観ているうちに終わっていました。
 純粋で正直な気持ちをdraw(描くこと)に情熱を注ぐキース・ヘリング。そんな彼を各々の視点と角度から愛し理解しようとするクワンとカルロス。柿澤さん、平間さん、松下さん、 3人とも舞台上で各々の人物を生き抜いていた姿に感動しました」




キースの親友、写真家ツェン・クワン・チー役:平間壮一さん、キース、カルロス
NYでの仲間、理解者との出会いがキースを変える


「物凄くパワフルな舞台です! 皆さんのダンスに圧倒され、休む暇なく勢いを増して進行していくところが、主人公の人物像に真実味を与え、シリアスでありコミカルな演技がより人物に厚みを加え、観終わる頃には人生を共に生きたような達成感と爽快感が残りました。
 観る者にエネルギーと何か幸福感のような感覚を与えてくれる作品です」

「表現のエネルギーは絵を描くことも、歌うことも芝居をすることも、何も変わりはないのだと思いました。だから、ミュージカルとなってもキースの思いや衝動がきちんと伝わってくるのだと。
 何よりキャストのパワーがすごい。カンパニーの心が一つになっているのをひしひしと感じました」

「子役の子たちは歌も演技も良く、舞台での使い方も上手いなぁと思いました。また始まる前の場内アナウンスも子供たちが行って、それがまた可愛くて面白くて、思わず笑ってしまいました」



子供たちの目線、視点というのもこの作品の特徴
キースと子どもたちの交流、そこで生まれる透明感とキラメキは希望へとつながります


【キースが駆け抜けた80年代のニューヨークを感じる~THIS IS THE WORLD~】




「キース・ヘリングの名前を知らなくても、誰もが彼の作品を見たことがあるはずです。なぜ、彼の作品がそうなったのか、そうなるまでの葛藤が、短い生涯がぎゅっと詰まった作品でした。
 ロビーにも座席にもこの作品を楽しむ為の手助けがあります。少しお時間に余裕を持って、入場することをお勧めします」






「役者さん達の熱演は子役もアンサンブルさんもダンサーさん達も素晴らしいです。
 スチュアート・ロスが言っているように80年代はパーティを楽しむことにも真剣な時代。その頃10代から20代で若者だった人には懐かしさでいっぱいになること間違い無しです。そして、今現在若者の人には、ママ達の生きた時代だよ。色々あったけどスッゴイ楽しかったんだよ。と言ってお勧めしたい」

「自分の歩んできた道を振り返りながら、観劇しました。舞台上にシーンの年代が示されていたので、身近に感じとることが出来ました」




 公開稽古でも披露された、それぞれの居場所に想いを馳せ、「まだここにいたい」と願うキース、クワン、アマンダ、カルロスのナンバー♪STAY。劇中で聞くと、それまでのドラマが重なり合い、より一層胸に迫るものがあります。居場所を求めて疾走するキース、自身のアートについて思い悩む、迫りくる最期を感じる…心を閉ざした、そんな時に光となるものは。作品のタイトルも、観劇前と観劇後では少し受け止め方が変わってくるような。
 歌の浸透力、ダンスの躍動感、伝わる温度、“感じる”ことができるミュージカルです。



キースを支える有能なアシスタントのアマンダ(知念里奈さん)



 終演後、ふと、小淵沢の中村キース・ヘリング美術館のエントランスに飾ってあったキースのポートレートを思い出しました。劇中では平間壮一さんが演じるツェン・クワン・チーが撮影したその写真の中のキースの表情、その裏にある二人の関係性や物語。あの写真もアートなんだな。そんなことを思う帰り道でした。

【公演情報】
『ラディアント・ベイビー』
2016年6月6日(月)~22日(水)@シアタークリエ

<スタッフ>
脚本・歌詞:スチュアート・ロス
音楽・歌詞:デボラ・バーシャ
歌詞:アイラ・ガスマン
演出:岸谷五朗
訳詞:小林香
振付:大村俊介(SHUN)、原田薫

<出演>
柿澤勇人/平間壮一/知念里奈/松下洸平
Spi/Miz/大村俊介(SHUN) 汐美真帆/エリアンナ/香取新一
加藤真央/MARU/戸室政勝/おごせいくこ
大西由馬/設楽銀河/永田 春/朝熊美羽/伊東佑真
漆原志優/新井夢乃/小林百合香/ミア
(子役は交互出演)

<あらすじ>
キース(柿澤勇人)は、自分の居場所を求めて
故郷のペンシルベニアからNYに出てくるも、初めての都会での生活に翻弄される。
友人のツェン・クワン・チー(平間壮一)、アシスタントのアマンダ(知念里奈)、
恋人のカルロス(松下洸平)、そして自身が美術を教える3人の子供たちに囲まれて
アートに没頭する彼は、名声を得てもなお自分が信じる世界を探求し苦悩の日々を送る。
病に冒され、31歳の若さでこの世を去ったキースが、
全速力で駆け回り、追い求め続けたものとは。

楽曲紹介はこちらから
公演HPはこちらから

舞台写真提供:東宝演劇部 感想:おけぴ会員のみなさま
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人

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