五代目中村雀右衛門襲名披露 大阪松竹座 『七月大歌舞伎』開幕!


「夕霧名残の正月」で遊女・夕霧を演じる
【五代目 中村雀右衛門さん】


 この3月に女方の大名跡「雀右衛門」を襲名した五代目・中村雀右衛門さん

 大阪での襲名披露公演となる大阪松竹座「中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 七月大歌舞伎 関西・歌舞伎を愛する会 第二十五回」が、7月3日に初日を迎えました。



初日劇場前イベントにて挨拶をする雀右衛門さん。
続いて鏡開きが行われ、雀右衛門さん発声による大阪締めで、集まった人々の気持ちもひとつに。






“歌舞伎鑑賞初心者”の、おけぴスタッフが観劇してきました!

【大阪松竹座「七月大歌舞伎」昼の部 観劇レポート】


一、小さん金五郎(こさんきんごろう)
 お崎という許嫁をもつ若旦那六三郎は、芸妓のお糸に夢中になり、家宝の茶入れを五十両で質入れしたため勘当され、今は太鼓持六ツ八となっています。お糸と別れさせることを頼まれた髪結いの金五郎は、お糸を宥(なだ)めて六ツ八との起請を預かり、渋る六ツ八に祝言を承知させますが、納まらないお糸は同じ芸妓の小さんに加勢を頼みます。
 五十両の金の工面を巡っての小さんと金五郎の張合いはみどころで、大詰めの立廻りには独特の色気が感じられます。情緒にあふれ喜劇味のある上方狂言の面白さをお楽しみください。(松竹公式サイトより)



髪結の金五郎役:中村鴈治郎さん(写真右)
芸姑のお糸役:中村児太郎さん(写真左)


 芸姑に入れ込んだ男と、その許嫁。それぞれの立場を応援する【髪結いの金五郎】(鴈治郎さん)と、【芸姑の小さん】(孝太郎さん)のやりとりを、大人のカラッとした色気と笑いたっぷりにみせる「小さん金五郎」

 さまざまなキャラクターが入れ替わり立ち替わりに登場して、それぞれの立場と思いをテンポよくみせていきます。セリフも口語調でわかりやすい!



芸姑のお糸に入れあげて勘当され、今は太鼓持になっている六ツ八(中村亀鶴さん)。
右は、金五郎にぞっこん惚れ込んでいる女髪結お鶴役の上村吉弥さん。


嫁入りができないことを嘆く、六ツ八の許嫁・お崎(大谷廣松さん)。
金五郎は彼女のために一計を案じます…


嫌いな客から逃げてきたお糸に、ある計画を提案する金五郎…


そのお糸は、小さん(片岡孝太郎さん)に泣きついて…


さて、それぞれのカップルの運命は!?


 お互いに意地を張り合って争う金五郎と小さんですが、ラストはまさかの展開に…(よっ、ご両人♪)! 難しいことはなにもなく、傘を使った立廻りも楽しい、なんとも幸せな気持ちになれるハッピー・ラブコメ!? 恋心&ほのぼの&超展開(!)に大いに笑って、気楽に楽しんでしまいましょう! ただひとり、お鶴さんの今後がとっても心配になったおけぴスタッフです…。





二、夕霧名残の正月(ゆうぎりなごりのしょうがつ)
 病によってこの世を去った遊女・夕霧の四十九日。彼女の恋人であった藤屋伊左衛門は、放蕩の末に家を勘当され、借金を抱え、夕霧の死に目にも会うことができませんでした。すっかり落ちぶれていた伊左衛門は、夕霧の死を知り、起請を香華の代わりに手向けようとするところ、気を失います。そこへありし日の姿のままの夕霧が現れ、喜ぶ伊左衛門は夕霧との逢瀬を楽しみますが、やがて夕霧はその姿を消すのでした。
 地唄の「由縁の月」などをもとに書かれた舞踊劇をご覧いただきます。(松竹公式サイトより)



藤屋伊左衛門役:坂田藤十郎さん(写真左)
扇屋夕霧役:中村雀右衛門さん(写真右)


 さあ、いよいよ雀右衛門さんの登場です! 

 この世を去ったあとにも愛しい男の前に姿を現す遊女・夕霧を、雀右衛門さんが儚く、美しく魅せる舞踊劇「夕霧名残の正月」

 自身の襲名披露公演で、先代の雀右衛門さんとこの作品を演じた坂田藤十郎さんと新雀右衛門さんの共演が大きな見どころ。台本・振付も今回のために新しくなったそうです。

 舞踊劇なので、派手な仕掛けや、驚きのストーリー展開! …などはないのですが、手の動きや、視線、顔の表情だけで感じられるふたりの心情がなんとも切ない!


悲しい、けれども甘い夢をみているような…
(襖の絵と、桜の木の融合にもご注目を!)


儚く消えていく夕霧。
大きな動きはないのですが、なぜか雀右衛門さんから目が離せない!


見送る伊左衛門の表情も…切ないんです…
 






三、与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)
 江戸の大店伊豆屋の若旦那与三郎が木更津の浜見物をしているところへ、この界隈の顔役赤間源左衛門の囲われ者であるお富が通りかかり、互いにひと目惚れします。逢瀬を重ねる二人の関係を知った源左衛門により、与三郎は全身に三十四箇所の刀傷を受け生死の境をさまよいます。与三郎が死んだと思って海に身を投げたお富でしたが、和泉屋多左衛門に救われます。それから3年、命を取り留めた与三郎は「切られ与三」の異名をとってならず者の仲間に入っています。ある日、兄貴分の蝙蝠安に伴われて鎌倉・雪の下の源氏店にたかりに入ったところ、死んだと思っていたお富と運命的な再会をするのでした。
 おなじみの名せりふが織り込まれた世話物の名作にご期待ください。(松竹公式サイトより)



伊豆屋与三郎役:片岡仁左衛門さん


 昼の部ラストは、片岡仁左衛門さんが当たり役“切られ与三”こと、与三郎を演じる「与話情浮名横櫛」

 有名な「見染」「源氏店」のほか、萌えポイント多数(詳細後述)! の逢引シーン「赤間別荘の場」も演じられ、ストーリー展開がわかりやすい形での上演です。


木更津の浜辺で出会ってしまって一目惚れ!
お富(雀右衛門さん)と、与三郎(仁左衛門さん)が、惹かれ合う様子が艶めかしくてドキドキ…♪


人気者おふたりがこんなに近くに! 客席は大盛り上がりです♪
(左:鳶頭・金五郎役の中村橋之助さん)


「赤間別荘の場」の胸キュン♪ポイントその壱!
差しつ差されつ差し向かい…一度絡みあった視線はもうほどけずに…
この後も「積極的なお富さん」「透けて見える障子の向こうに…」など、ドキドキポイント多数。
ぜひ劇場でお確かめください!!
(しかし2人はこの後…)


色っぽさ、豪胆さのなかに、揺るがない清潔感があるのが魅力的な雀右衛門さんの“お富”。


体に切り傷だらけの無頼漢になっても、どこか甘い優しい雰囲気のある仁左衛門さんの“与三郎”。


小石を足でいじる姿までもカッコいい♪




 襲名披露公演にふさわしく、雀右衛門さんがさまざまな女性を演じる大阪松竹座 『七月大歌舞伎』。

 歌舞伎鑑賞“超”初心者のおけぴスタッフでも楽しめたのは、わかりやすいセリフ、設定の演目が多かったから? いえ、それ以上に感じたのは、出演者のみなさまの「“可愛い”魅力」でした。

 歌舞伎の登場人物や物語には、現代の常識で考えると「こんな展開、いいんですか!?」とツッコみたくなる要素も満載(笑)。でもそれが愛すべきポイントに思えてくるのが不思議なところ。

 雀右衛門さんはもちろん、藤十郎さん、仁左衛門さん、ほかのみなさまも、美しさ・格好良さのなかに、「“可愛い”魅力」があふれています。

 自分よりずっと歳上のおじさまたちが、カワイク思えてしまう。これこそまさに“芸の力”あってこそ! もちろん、歌舞伎に詳しい方にしてみれば、他の見どころが山ほどあるのだと思いますが、初心者としては、まずその芸の力、愛され力を堪能するのも良いのでは。

 昼の部、夜の部とも、一作品から気軽に見られる幕見席も設定されています。(詳細はこちら
 
 上方の色気たっぷりの人気役者に囲まれた、新雀右衛門さんの“カワイイ!”を、ぜひ舞台で満喫していらしてくださいね♪


【「夜の部」見どころも少しだけご紹介♪】

  八代目中村芝翫の襲名を10月に控える橋之助さん登場(同じく福之助襲名予定の次男・宗生さんもご出演♪)。かつて源氏に仕え、いまは平家のために働く兵法学者とその弟、そして牛若丸と彼に恋する娘、それぞれの思惑が絡みあう人気演目「鬼一法眼三略巻」
 
 続いて、やっぱり襲名披露はこれが楽しみ! 幹部俳優勢揃いで新雀右衛門さんの襲名を祝う華やかな「口上」
 
 岡本綺堂が実際の心中事件をもとに書いた新歌舞伎「鳥辺山心中」では、仁左衛門さん演じる旗本・半九郎と、雀右衛門さんが演じる遊女お染の、哀しく激しい恋物語をじっくりと。
 
 最後は「身替座禅」「棒しばり」で知られる岡村柿紅作の舞踊劇「芋掘長者」。お姫様の婿選びの会で、舞が苦手な友人のために面をかぶっておどる藤五郎(橋之助さん)のユーモラスなパフォーマンスで、賑やかなファンタジーをお楽しみください!



大阪松竹座
中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露 「七月大歌舞伎 」関西・歌舞伎を愛する会 第二十五回
2016年7月3日(日)~27日(水)

大阪松竹座
公演詳細(歌舞伎美人サイト)




おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)   監修:おけぴ管理人

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