新国立劇場バレエ団『ロメオ&ジュリエット』公開稽古レポート

【残念なお知らせ】(バレエ団HPより
2016/2017シーズンバレエ「ロメオとジュリエット」10月30日(日)公演にロメオ役で出演を予定していた井澤駿は、怪我のため出演できなくなりました。代わりまして、ワディム・ムンタギロフが出演いたします。
また、井澤はパリス役での出演も予定しておりましたが、こちらも出演いたしません。



 あまりにも有名なシェイクスピアの『ロメオ&ジュリエット』、演劇やミュージカルでもおなじみの純粋な恋人たちの物語はバレエでももちろん大人気!今シーズンの幕開けに新国立劇場バレエ団が上演するのは、英国が生んだ20世紀の最も重要で革新的な振付家、ケネス・マクミランの最高傑作、ネオクラシックバレエの真髄との呼び声高いバージョンです。



写真右より)福岡雄大さん、小野絢子さん、米沢唯さん、井澤駿さん

 10月29日の初日を1か月後に控えた9月末に、公開リハーサルが行われました。


【主役リハーサル】


 まず披露されたのは、ともに初役となるジュリエット:米沢唯さん、ロメオ:井澤駿さんコンビによる第3幕 - 第1場「ジュリエットの寝室」~二人は結ばれるが、ヴェローナからの追放を宣告されたロメオは家の者が起き出す前に出て行かねばならない~という場面です。




 芸術監督の大原永子先生の「まだ出来上がった状態ではないのですが…」との前置きがあって始まったリハーサル。 ここから感情表現を深めていくという段階ながら、見ているとジュリエットの悲しみがひしひしと伝わってきます。二人の姿を見ていると、心がギューンと締め付けられるのです。





全身で若き恋人たちの苦悩と愛を表現するお二人
パートナーを組むことの多いお二人ならではの信頼関係に基づいた、幸福から絶望へ
振れ幅の大きなロメオとジュリエットの物語が展開しそうな予感です!


 大原先生からも「ジュリエットというキャラクターは、幕開きはお人形さんで遊んでいるくらいの幼さがあるのですが、ロメオと出会って恋をして、(秘密の)結婚をし、一夜を過ごして…、4日間の物語の中で女の子が女性になるのです」と、ジュリエットの心理的成長の表現・描写の難しさが説明されました。さらには「かわいい素敵なロメオとジュリエットだけでないところを突き詰めていってほしいですね」と愛あるゲキもとびました。



もはや演劇の如く伝わる芝居の濃さ!
ここからさらに芝居が深められた本番が楽しみです

 ひと通りシーンを通してからは大原先生によるノート。「離れたくない二人が離れ離れになる。振りとしては次の動きにいかなくてはならないけれど、どこかに気持ちを残すということを意識して」「指先の感情!」など、先生の指導でますますドラマ性を帯びるお二人の踊りに本番への期待がさらに高まりました。

米沢さんと井澤さんのインタビューはこちら



 続いて披露されたのは、物語としては前後しますが第1幕 - 第6場「ジュリエットの寝室のバルコニー」~舞踏会で出会ったジュリエットとロメオがバルコニーでお互いに愛を打ち明ける~というあの名場面です。こちらはジュリエット:小野絢子さん、ロメオ:福岡雄大さんです。




 大原先生曰く「こちらは恋を知った二人の場面ですから、ラブラブラブでいいのよ」





これまでも数々の作品でペアを組まれたお二人ですが、なんでしょうこの初々しさは
見ていて気恥ずかしくなるような…これ、大絶賛コメントです!





絡み合う手に現れる感情!


 このように“まぁステキ!”なシーンなのですが、大原先生からは「このシーンは男性がすごく大変。ソロのヴァリエーションを踊り、疲れたころに女性が入ってきて、そこからは持ち上げの連続なので」との解説が。さらに「絢子、オフからキュッと戻る。安全なほうに寄らないように!」「雄大、もうちょっと顔を残せる?そのほうがキレイだから」と細かな指導が。そこから見えるのは大原先生の期待と信頼です。

 代表的な2つのシーンのリハーサルが公開されましたが、まだ感情は30%程度(?!)とのこと!確かな技術に加えて、物語の中を生きる二人、そして周囲の人々のドラマで作り上げられる『ロメオ&ジュリエット』の世界をお楽しみに!



【会見】


 公開リハーサル後には、大原先生、ダンサーのみなさんの会見が行われました。



大原永子芸術監督

「海外と日本では、この作品、ロメオ、ジュリエットという人物についてのとらえ方が異なります。端的に言うと、ジュリエットは可憐なスズランのような女の子じゃないということ。イタリア人の気質、敵対している家の事情を全部打ち破ってロメオと一緒になって、最後は自殺をしてしまう。カトリックにおいて自殺というのはクライムなのです。それほどまでに燃え上がって突っ走るのです。日本だけです、美的に感じるのは。そういう歴史的、文化的なバックグラウンドを勉強するのも必要かなと思っています。
 演技については、ジュリエットになってしまいなさい、そしてただロメオを愛すればいいと言っています。こうしたらジュリエットに見えるかしらという演技はドラマを浅くします。どうぞ愛し合ってください(笑)




ジュリエット:小野絢子さん

「バレエ団に入団して10年、ジュリエット役も2度目となります。これまでの経験を活かして、先生の情熱に応えられるよう頑張ります。
 私はドラマティックなバレエが好きです。踊っていて感じるのは、やりがいがあって楽しいということと、生命力が削られるような、非常に消耗する作品だということです。ただ、それを経験することできっと何か見えてくるものがあると思います。この作品に、ドラマティックバレエにハマっています



ジュリエット:米沢唯さん

「テクニックはもちろん、内側から出てくるものが重要なこの作品、果たして自分の中にあるのだろうかという自問自答をしながら日々苦しんでおります。舞台のうえでジュリエットとして“生き切る”ことができるように頑張りたいと思います。
 ほかのクラシックバレエは人間を超えたものを表現することが多く、重心が高く、重力がないかのように動く。“バレリーナは美しいもの”という大前提があります。そこを壊して、清濁併せ持つ人間の身体の重み、血肉が観客に伝わる作品だと思って踊っています。切ったら血が出るような生々しい人間を表現しなくてはいけない。そこがこの作品の魅力であり難しさだと感じています」



ロメオ:福岡雄大さん

“その手に言葉がないのなら手を出すな”、そういう指導を受けたのはこの作品が初めてでした。目でしゃべるとか、ナチュラルな演技、そしてそれをお客様にも見せないと、伝えないといけない。マクミランのロミジュリとほかの作品との違いはそのあたりかな。
 ロメオのキャラクターについて最も重要視するのは振付です。振りに忠実に踊っていけばその性格は表現されると思っています」



ロメオ:井澤駿さん

「『ロメオ&ジュリエット』、ネオクラシックと呼ばれる作品を踊る経験も初めてで、出来ないことばかり、日々勉強中です。あと1か月でどうにか自分のモノにできるように、努力していきます。
 古典のバレエとは技術的にも表現方法という点でも違います。ポーズを作ってはいけないなど、その辺にも違いを感じています

 ダンサーとしても、人間的にも成長し、この大作、大役に挑戦するにふさわしいと大原監督が太鼓判を押す4人のロメオとジュリエット、そして「僕らだけでなく、バレエ団のひとりひとりが一生懸命リハーサルに励んでいるのできっとよい舞台になると思います」という福岡さんの言葉にあるように、今の新国立劇場バレエ団だからこそ創り上げられる『ロメオ&ジュリエット』の世界をぜひ劇場でご覧ください!

ロメオ役には英国ロイヤルバレエ・プリンシパルのワディム・ムンタギロフさんも新国立劇場バレエ団シーズン・ゲスト・プリンシパルとしてキャスティングされています
【公演情報】
新国立劇場バレエ団『ロメオ&ジュリエット』
2016年10月29日(土)~11月5日(土)@ 新国立劇場オペラパレス -おけぴ劇場map

<スタッフ>
芸術監督:大原永子
音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
演出・振付:ケネス・マクミラン
装置・衣裳:ポール・アンドリュース
照明:沢田祐二
指揮:マーティン・イェーツ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

<キャスト>
ジュリエット:小野絢子(10/29,11/2,4)、米沢唯(10/30,11/3,5)
ロメオ:福岡雄大(10/29,11/2,4)、井澤駿(10/30)、ワディム・ムンタギロフ(11/3,5)

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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