ミュージカル『Finding Mr.DESTINY』(あなたの初恋探します)菅野こうめいさん(演出)×玉置成実さん対談

★アフターイベント情報★
菅野こうめいさんと坂元健児さんの”FMDミュージカル講座”
8/6(日)17時、8/10(木)19時公演の終演後、
お二人によるミュージカル講座を行います!
どんな”講義”になるか…お楽しみに!!


 昨年、日本版初演を迎えた韓国創作ミュージカルの金字塔『キム・ジョンウク探し~あなたの初恋探します~』。キャスト、タイトルを一新して迎える再演公演ミュージカル『Finding Mr.DESTINY』にて、ヒロインのアンリタ役を演じる玉置成実さん、初演に引き続き脚本・演出の菅野こうめいさんのステキ対談記事が届きました♪



 その前に…どんな作品?!

おはなし
 仕事のキャリアも曲がり角、父親からは“そろそろ結婚”…のプレッシャーをかけられるヒロイン、アン・リタ。お見合いの席で彼女は「私、初恋の人が忘れられないんです」と衝撃の告白。それならばと父に連れて行かれたのは、青年・ミニョクが一念発起して立ち上げた「初恋探し株式会社」。
 さっそく始まったリタの“初恋探し”は大難航。それもそのはず、手掛かりとなるのは“キム・ジョンウクという名前”と“リタの記憶”だけなのです。果たしてリタの初恋の人は見つかるのか?!(ちなみに“キム・ジョンウク”というのは韓国でよくある名前の代名詞として使われるほどポピュラーな名前)
 
3人のキャストが届けるロマンティック・コメディ・ミュージカル
 テンポよく進むこの物語。出演者はミニョク&キム・ジョンウクの2役を演じる高田翔さんとヒロインを演じる玉置成実さん。そして、その他の登場人物24役をすべて演じるマルチマンの坂元健児さんの3人。


【対談スタート】


「面白い役者になりたいなと思うんです。ひとつの枠に収まるのではなく」(玉置成実)

「その人を純粋に愛した自分に会いに行く、自分の心を探しに行くという意味では「初恋探し」をしてみたいかな」(菅野こうめい)


──おふたりの出会いは。

こうめい)
 2007年の『ハイスクール ミュージカル』だから、ちょうど10年前だ!

玉置)
 あれからもう10年、懐かしいですね。

こうめい)
 成実ちゃんは変わらない、いや、それは失礼だよね。すっかりステキな女性になって。

玉置)
 いや、なっていないです…。申し訳ないです(笑)。

こうめい)
 ハハハ(笑)。せっかく僕がそう言っているんだから!!

玉置)
 ありがとうございます(笑)。

こうめい)
 でも、もしかしたらあの頃のほうが大人っぽくふるまっていたかな。今日会って、今のほうが自然体だなと感じたよ。楽になったんじゃない?

玉置)
 そうですね。高校を卒業したころで、確かに背伸びしていたようなところがありました。


──そして10年ぶりにご一緒するのが、この『Finding Mr.DESTINY』。そこで玉置さんがヒロインのアン・リタを演じられます。

こうめい)
 この役は、多分、素の成実とは正反対の女性じゃないかな。僕のなかでは、成実は恋愛やほかの物事に対しても大らかに受け止めるタイプ。リタはそうではなく、恋愛のために自分のキャリアを捨てて旅に出ちゃうからね。

玉置)
 私にはそういう要素はないですよね(笑)。ただ、そこが面白いと思うんです。普段の自分にはない価値観、行動をお芝居の世界で演じるというのが。そんな、そこでしか見せないものを観に来てくださった方がどう感じるか。「こんな玉置成実は初めて」という部分を見てもらいたいですね。

こうめい)
 まずはそこを出せれば、今回またこうして一緒に仕事をした意味というか、お互いにこの作品に関わったことがすごく有意義だったといえるよね。
 ちなみに、この作品は韓国発のミュージカルなんだけど、成実は歌の仕事の関係もあって韓国に詳しいよね。

玉置)
 仕事でも行きますし、プライベートで数週間滞在することもあります。実は韓国語を勉強もしていたこともあるんですよ。向こうに友達もたくさんいます。 ユナク君も(キム・ジョンウク役を)やっていたんですよね。音楽で超新星ともコラボしているので、負けないようにしっかりと作らないと!

こうめい)
 韓国で過ごした経験や、肌で感じた文化、その感覚に期待しています。もしかしたら初演で気がつかなかったことに、成実がいることで気づけるのかなって。

──この物語の中で出てくる「初恋探し」、玉置さんはしてみたいと思いますか。

玉置)
 思わないですね!

こうめい)
 即答(笑)。
 ただね、この物語でいう「初恋」というのははじめて付き合った人というか、僕らの感覚、たとえば“幼稚園の先生”とはちょっと違うんだよね。

玉置)
 その意味でも、やっぱり初恋の相手に会いたいとは思わないかな。気にはなるし、幸せになっていてほしいですけど、もうお互い新しい道を歩き始めたんですから。

──しっかり割り切るタイプでいらっしゃる(笑)。

玉置)
 はい(笑)。お互いいい歳のとり方をしていればいいなと思います。こうめいさんは?

こうめい)
 今、成実の話を聞いていて思ったんだけど、その人に会いに行くのではなく、その人を純粋に愛した自分に会いに行く、自分の心を探しに行くという意味では「初恋探し」をしてみたいかな。そして、そんな「初恋」の物語をご覧いただいて、お客様に「恋っていいな」と思ってもらえる舞台にしたいね。

玉置)
 そう思っていただけるように頑張らないと。でも、演出がこうめいさんだからとっても心強いです、こうめいさんって本当にロマンチスト!!


──ではここで、初演を経てあらためてこうめいさんが感じるこの作品の魅力は。



こうめい)
 この作品には、とくに今の若者がわざと避けている、隠しているような部分をストレートに出している潔さがあるんですよ。結局これって、恋愛あるある物語。恋愛好きな私としては(笑)、みんな恋をしようぜ!と観ている人を覚醒させたいんですよね。
 今年は、高田翔くん、坂元健児さん、そして成実で、そこをさらにパワーアップさせたいと思っています。

──高田さん、坂元さんに期待するところは。

こうめい)
 翔くんは今回初めてご一緒しますが、会った瞬間にイメージがわきましたね。役柄より少し年下で、まだ慣れないことによる遠慮のせいか、でも眼鏡をかけたら即ミニョクだなって。その一方で、すこし低い声で囁いてみてもらうと、キム・ジョンウクなんだよね。初演キャストの村井良大くんの撮影の時も同じような手応えを感じたんだけど、良大くんは役者として頭脳派、翔くんは感性派、また違う魅力のミニョクになりそう。そこにマルチマンが肉体派(?!)の坂元さんでしょ。すでにビジュアル撮影だけで、高い身体能力を発揮していますから。もちろんそれだけでなく、坂元さんは初演を観に来てくれて、楽屋で「この役やりたいでしょ」と聞いたら、即「やりたい!」って言ってくれたんだよね。駒田さんも言っていましたが、マルチマンって同業者に嫉妬されるような大きなやりがいのある役なんですよ。案の定、それにハマってくれたというか(笑)。とにかくやる気満々なので、坂元さんならではのマルチマンを作ってくれると思いますよ。

玉置)
 マルチマンって24役演じるんですよね。お稽古が始まったら、坂元さんのマルチマンが出来上がっていく様子を間近で見るのも楽しみです。みんなで作り上げる過程も大好きなんです。
 お稽古って、ちょっと変な言い方になりますが、思いっきりやっていいじゃないですか。やりすぎたら演出家がストップをかけてくれる場なので、とにかく思いっきりチャレンジしたいなと思っています。おいおいってこうめいさんに止められるくらいに。

こうめい)
 とにかく思いっきりやる。この作品はそれが許されるというか強いられる作品なんだよね。これまで成実がやってきた作品、たとえばブロードウェイの翻訳ものは、お手本になるものが無いようであって、どうしてもどこかでそこにはめていく作業が必要になってくる。それに対して、この作品は自由度が高いから、役者の個性でどこまでも行ける気がする。

──そうなると昨年に続いての上演になりますが、また新しい作品に出会うような感覚でしょうか。

こうめい)
 作品の上演という点では、もちろん初演の成功があってこそですが、作品作りに関しては、この作品に限らず僕は常にそういった心持ちで臨みます。とくにこれは3人しか出ていなくて、3人とも変わりますからね。全く別バージョンになりますよね。

──さらに今回は劇場も変わり、前回より密な空間になりそうです。

こうめい)
 前回は小劇場とはいえない規模だったので、あえてシアトリカルな空間を作り出しました。今回は韓国オリジナルに近い、エネルギーの詰まったものなりそうです。そして、そのエネルギーがリアルに伝わる面白さが出せるといいなと思っています。

玉置)
 私、大劇場とはまた違う、小劇場の魅力にもちょっとハマっています。表情など芝居の細かいところまで伝わるので、見てもらう側としてもとても楽しいんです。

こうめい)
 すぐ近くにお客さんがいるって、抵抗ないの?



玉置)
 私はあまり気にならないんです。お芝居が終わって、最後に客席を見たとき、“近っ!”って認識するくらい(笑)。そして、そのときに舞台上から見えるお客様の笑顔がうれしいんですよね。こちらからもおひとりおひとりしっかり見えるので、大きな力になります。

こうめい)
 舞台やお芝居をすごく楽しんでいるね。役者としても充実している証拠だよ。

玉置)
 私、最近、面白い役者になりたいなと思うんです。ひとつの枠に収まるのではなく、そんなこともするんだ!という役にも挑戦していきたいというか。

こうめい)
 じゃあ、早速この作品でもいろいろとチャレンジしよう!

玉置)
 よろしくおねがいします!

──楽しいお話をありがとうございました!

【公演情報】
ミュージカル『Finding Mr.DESTINY』(あなたの初恋探します)
<東京公演>2017年8月4日(金)~13日(日)@DDD青山クロスシアター
<大阪公演>2017年8月17日(木)、18日(金)@ABCホール

<スタッフ>
Book & Lyrics by You Jeong Chang
Music by Hae Sung Kim
Originally Produced on the Korean Stage by CJ E&M Corporation

脚本・演出:菅野こうめい
振付:広崎うらん
音楽監督:かみむら周平

<キャスト>
高田翔・玉置成実/坂元健児

公演HPはこちらから

対談記事提供:ミュージカル『キム・ジョンウク探し』製作委員会

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