【公演NEWS】山海塾3年ぶりの東京公演『卵を立てることから―卵熱(うねつ)』(リ・クリエーション)/『金柑少年』(リ・クリエーション)

 創設から43年、世界47か国のべ700都市以上でワールドツアーを行った舞踏カンパニー山海塾、3年ぶりの東京公演のプレスリリースが届きました。公演は 6月1日~6日、世田谷パブリックシアターにて!上演作品は、本年3月に北九州芸術劇場で初演いたしました『卵を立てることから―卵熱(うねつ)』(リ・クリエーション)と『金柑少年』(リ・クリエーション)です。





卵を立てることから―卵熱(うねつ)(リ・クリエーション)
UNETSU - The Egg Stands out of Curiosity (recreation)

金柑少年 (リ・クリエーション)
KINKAN SHONEN (recreation)

東京公演
会場:世田谷パブリックシアター




Photo © Gan Fukuda


卵を立てることから―卵熱(うねつ)(リ・クリエーション)

“UNETSU - The Egg Stands out of Curiosity (re-creation)”  <1幕7景85分>



(C) Sankai Juku

演出・振付・デザイン:天児(あまがつ)牛(うし)大(お)

音楽:YAS-KAZ 吉川洋一郎
演出助手: 蝉丸
舞踏手:竹内晶 市原昭仁 松岡 大 石井則仁 百木俊介 岩本大紀

共同プロデュース:パリ市立劇場 / 山海塾
初演:1986年パリ市立劇場
リ・クリエーション初演:2018年3月北九州芸術劇場



初演から32年、リ・クリエーション版として再生する生命へのレクイエム

 1986年の初演から世界33ヵ国145都市以上で上演を重ね、2009年を最後に上演されていなかった『卵を立てることから――卵熱』。天児のソロパートを若手舞踏手に委ね、リ・クリエーション版として、2018年3月に北九州芸術劇場で初演してのち、5月に世田谷パブリックシアターで上演します。
 ものごとが生まれる象徴としての卵、万物の源である水と、消えゆくものを示唆する砂の落下と堆積。そしてそれらを受け止め続ける舞台上の水面――。フランスで“唖然とさせる想像力”と称された本作は、誕生、死、そして再生という“生命の連鎖”を印象的に描きだします。


空間を支配する高い美意識・・・舞台上に水をはったプール、静かに落ち続ける砂と水

 本作では、舞台上に水をはったプールが登場。白塗りの5人のダンサーは水しぶきをあげながら舞台上を行き交い、倒れ、起きあががり、時に力強く、また繊細なダンスを繰り広げます。
 舞台奥では、静かに降り続ける水と砂――。心地よい静寂と緊張と共に、時間や空間を超え、生命の源へいざなわれます。



(C) Sankai Juku

 無限大のおだやかな闇夜に、命の孤島がぽつりぽつりと浮かぶ。これら卵が羊水の温もりのなか、かすかなエコーを響かせて思惟をはじめる――未知への好奇心、自然への驚き、そして誕生への快哉と終焉への歎き。生命のクロノス時間の砂時計のつぶがさらさらと落下しはじめると、それは同時に、ゆったりと厳かに風化していく肉体の死をも暗喩する。誕生と死、生成と破壊。幸せな沈黙の殻を破り、生まれ落ちる満目騒音の世。命の残酷な両義性がここでは明快な修辞法で物語られる。静かな薄光のなか、舞踏手たちは、ふっくらと美しい卵とのひめやかなダイアローグをつむぐ。人はこの茫漠たる宇宙において刹那の直立時間に戯れ、他者とのミクロの悲喜哀歓の絆をむすび、ふたたび孤独に横たわっていく。生まれては頽れ、頽れては生まれる。愛おしくも矮小な命たちが、永遠との対話をくりかえしていく。 (K.I)


 山海塾は、唖然とさせる想像力をみせつける。純粋な美に満ちた流れは、観客を静かな夢の中へ浸らせる。 (ル・フィガロ)

 『卵を立てることから―卵熱』は、極めて芸術的、象徴的迫力に満ち、深い感動を呼び起こす。 (ル・マタン)

 原初の素型としての卵との秘めやかな対話が始まる。楕円形の卵は、宇宙の素型の象徴であると同時に、肉体の、さらには霊的なものの素型の象徴でもあるだろう。宇宙の素型とは、永遠であり連続するものの素型であり、肉体の素型とは限界を強いられる不連続の素型の象徴でもある。  (アサヒグラフ)


 世界の劇場からのリクエストを受け実現させるリ・クリエーション。その再生の瞬間に、多くの観客にお立会いいただきたいと思います。



金柑少年(リ・クリエーション)

“KINKAN SHONEN (re-creation)” <1幕7景95分>



(C)Hitomi SATO
                 
演出・振付・デザイン=天児牛大

音楽制作=吉川洋一郎
演出助手=蝉丸
舞踏手=竹内晶、市原昭仁、長谷川一郎、松岡大、石井則仁、百木俊介

初演=1978年6月 日本消防会館ホール
リ・クリエーション初演=2005年10月びわ湖ホール



 『金柑少年』は、1978年に東京の日本消防会館ホールで初演され、1980年にフランスのナンシー国際演劇祭で上演されて以来、パリ市立劇場での最終公演(93年)まで、15年に渡り、世界21カ国113都市で上演を重ねた、山海塾がその後世界ツアーにむかうきっかけとなった記念碑的な作品。
  天児が28歳で発表し、15年間、作品の要ともいえる4つのソロパートを担ってきましたが、05年のリ・クリエーションで、若手舞踏手にソロパートをゆだねました。9年ぶりに東京で上演いたします。


千数百匹のまぐろの尾尻が壁一面に打ち付けられた舞台。
そこから原初の生き物の鼓動が聞こえてくる。
少年期の悪夢、エロティシズム、思い出されることのない心象風景の断片が、
鮮明にそして強烈に舞台上で展開される。
生命の有限性に対する不安を感じた少年の夢の連なりは、
やがて成人することの痛み、絶望、歓喜へと向かう――。



  性をはるかに通りこす強烈なエロティシズム、打楽器の轟き、西洋音楽のけばけばしさ、そして静寂、高尚な儀式舞踏に、会話のない物語が混ざり合う――開いた口からほとばしる静かな叫び声の重み、異様な旅、息も詰まるような時間――。山海塾は我々の知覚、価値観を根本から覆した。 (ル・モンド)

  冒頭、直立不動で登場した制服姿の少年、茫洋と妖しく立つが、極度に集中した姿でもある。低くうなる警鐘とともに、突然、全身を硬直させ背後に転倒、少年は急速に異次元へと遡行してゆく。 -中略- ものの質感に対する嗜好や、豪奢なエレガンスを感じさせる天児の美意識はすでに感じられる。年月を経て、客観的に振り伝えられたものの、この作品は少年期の感性を痛烈な情景として蘇らせた。 (読売新聞)


【山海塾 プロフィール】

山(さん) 海(かい) 塾(じゅく) SANKAI JUKU

 1980年より海外公演を開始し、主にフランスと日本を創作活動の本拠地として、およそ2年に1度のペースで新作を発表しつづけている。1982年以降の作品は、すべてパリ市立劇場(Théâtre(テアトル) de(ドゥ) la(ラ) Ville(ヴィル), Paris(パリ)) との共同プロデュース 。世界のコンテンポラリーダンスの最高峰であり、厳しく作品の質を問う同劇場が、30年以上にも渡り共同プロデュース形式で創作を支援し続けているカンパニーは、世界でもわずかしか存在しない。

<一貫した作品のテーマ>
 山海塾の作品は、演出・振付のほか、空間や衣裳のデザインも総合的に天児牛大が創作している。天児は一貫して舞踏を「重力との対話」と捉え、「誕生」「死」といった普遍的な人間の内的本質に迫る。身体言語に基づく独自のアートフォーム(表現形態)を創りあげたこと、作品の普遍性、そして何よりもその表現の芸術的強度によって、世界各国できわめて高い評価を得てきた。

<世界47カ国でのワールドツアー。作品への揺るぎない評価>
 山海塾は1980年に海外公演を開始して以来、ヨーロッパのみならず、北米、中南米、アジア、オセアニアなど、世界47カ国のべ700都市以上でワールドツアーを行っている。創立から40年もの間、あらゆる文化圏で支持を得ていることが、山海塾作品の普遍性を実証しているといえよう。また『遥か彼方からの―ひびき』はイギリスで最も権威ある舞台芸術賞「ローレンス・オリヴィエ賞 」の“最優秀新作ダンス作品賞”を受賞(02年)。国際交流基金賞を受賞(13年)。


“私の内には常に一つの像が展開している。天秤ばかりの二つの皿が均衡を求め、回転しつつ上下する運動の様相である。一方の皿には文化。固有の特異性を持ち、他からみれば理解しがたいほど神秘的となってしまう異なり。しかし、ちがいがあるからこそ文化であり、そのちがいは重要である。もう一方の皿には普遍性。人に共通するであろうものごとである。このちがいと共通が均衡を求め、揺れ動いている。”   
天児牛大 (USHIO AMAGATSU dialogue avec la Gravité / 仏ACTES SUD刊より)


“宇宙はコンセプトの論理や意味によってだけとらえられるものではない。身体を宇宙そのものに溶け込ませ、無と化する時にはじめて身体のなかに宇宙があらわあれる。そういう強い信念が、この一人の舞踊家を支えている。天児牛大の舞踊は、身体のなかの宇宙への旅であり、その身体の深部にかくされていた宇宙そのものであった。”
舞踊評論家 渡辺保(写真家Guy Delahaye写真集SANKAI JUKU / 仏ACTES SUD刊より)


“天児牛大の作品をみることは、長い間、存在と詩を探求する男との出会いであり、長い間我々にひらかれた、居心地のよい瞑想の空間なのだ。彼の極めてきめ細やかな動きの中に、観客は無意識に吸い込まれる。睡眠と覚醒の間で、ダンスの神秘の核心へ誘う不思議なプロセスである。”
ロジタ・ボワソーle Monde 2000年12月22日

【公演情報】
2018年6月1日(金)~6月6日(水)@世田谷パブリックシアター
6月1日19時、2日15時、3日15時:卵熱 リ・クリエーション
6月5日19時、6日19時★:金柑少年 リ・クリエーション
★ポストパフォーマンストークあり(詳細は後日決定)

◎チケット取扱
山海塾
世田谷パブリックシアターチケットセンター tel. 03-5432-1515(電話・窓口/10:00~19:00)
世田谷パブリックシアターオンラインチケット(24時間受付・要事前登録)
PC  携帯 


協賛:株式会社資生堂
提携:世田谷パブリックシアター/(公財)せたがや文化財団
後援:世田谷区
協力:急な坂スタジオ
主催:山海塾

この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました

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