【感想が届きました】
◆ドン・キホーテ全幕を観たのは初めてでしたが、全幕通して楽しめました。
主演のキトリとバシルの息の合った踊りが最高でした。また踊りだけでなく、演じている、その表現力に引き込まれました。キューピットたちの踊りはとても可愛かったです。
観客で埋められたホール全体が鳴り止まぬ拍手と喝采で盛り上がってとても良い公演でした。
◆福岡さんのバジルは、お調子者のキャラクターと、アクセントを効かせているのに嫌味のない踊りではまっていました。小野さんはお姫様のイメージでしたが、手も足もどこまでも遠く、大きく動かして、やんちゃなキトリを演じていました。
◆舞台が楽しい雰囲気に満ちていて、観劇しているこちらまで明るい気分になる作品でした。
その一方でバレエの技術は奇をてらわずオーソドックスで、かつ極めてレベルが高いものでした。片手1本で女性をリフトするところなんか思わず「おおーっ」と声が出そうになりました。
◆初めてのバレエでした。開演直前にパンフレットの見所などの解説をサッサッと読んだだけですが、楽しめました。ちょっと笑ってしまったのは、サンチョはどのような舞台でも、サンチョなんです!観てよかった!
◆ドン・キホーテはバレエを楽しむには最高の演目ですね。
主役の二人はもちろんのこと、大勢の群舞(コール・ド)のレベルが高くて、とても華やかです。生のオーケストラも迫力満点で、バレエもライブがいいと思いました。
◆初めて見る全幕バレエとしてもオススメです!ストーリーも、誰もお亡くなりになることなく、ハッピーエンド。
◆数多くあるクラシックバレエの名作の中でも、観た後にハッピーな気持ちになれる演目の1つです。
幕が上がればそこはもうスペイン。美しい舞台装置、コスチューム、音楽とダンサー達の華麗な舞に酔いしれます。キトリ(米沢さん)とバジル(井澤さん)の超人的なテクニックは、瞬きするのも惜しいくらいですので、ぜひお見逃しなく!
◆テクニックも役作りもバッチリな主役2名(小野さん、福岡さん)に加えて,芸達者なダンサーが脇を固める楽しい作品でした。スペインの明るい雰囲気あり、森の場面の「ザ・バレエ」という雰囲気ありで全幕を通して見所満載です。
◆第3幕で第1ヴァリエーションを踊った五月女さんがとても素敵でした。1幕や2幕の酒場などは主流のお話以外にも脇でちょっとした小芝居をダンサーの皆様がされているのが面白かったです。
◆明るく華やかで、見せ場が多くとにかく楽しく飽きないです。
マタドールのエスパーダ(マイレンさん)のマントさばきに目を奪われます。
3幕の公爵の館での結婚式の場面で次々と繰り出される踊りの数々もスゴイです。
キトリ(米沢さん)とバジル(井澤さん)のフェッテが圧倒的!拍手喝采!
◆ドン・キホーテ(貝川さん)が顔は老けメークだけど、背が高くて立ち姿が素敵でした。
◆最後ハッピーエンドで終わる上に、ストーリーもわかりやすいのでバレエファンにもバレエ初心者にも誰にでもおススメできる演目だと思います。
個人的には日本のバレエ団の中で、今最高峰と思っている新国立バレエ団。
しかも日本人の女性の踊り手としては最高と思っている小野さんのドン・キホーテキトリ。
大輪のバラのように華やかでしかも丁寧なポワントワークを堪能できます。
ソリストの方々が素晴らしい上に、コールドの方々も粒ぞろいで踊りも魅入ってしまうし、安心感のある踊りのおかげで話に引き込まれました。新国立の皆さんの舞台は同じものでも何度も観たいと思ってしまいます。
◆久々の日本人出演のバレエでしたが、レベルの高さにビックリ。
最近、世界中のコンクールで日本人がトップにいるのも頷けます。
◆ドン・キホーテは初めて観ました。本当のお話しと少々違いますが とても楽しく明るい感じの内容で、フラメンコや 闘牛士、赤や黒の衣装等、スペインが見え、楽しかったです。
キトリとバジルのすばらしい踊りには只々感心。自分が踊っているような気分で観てしまいました(もちろん踊れませんが^^本当はバレエを習ってみたかった私)、最後の方の回転、ジャンプ、凄いですね。また色んなバレエを観に行きたいと思いました。
◆バレエ鑑賞初心者ですが楽しかったです。公演HPにラブコメと書いてあったのですがその通りキュートなキトリとバジルの恋のドタバタが素敵なダンスに。
2人で踊るのもステキだけど男性ダンサーさんのソロのダイナミックさとかやっぱり、おぉー!ってなりました。スペイン調の闘牛士とかも、森の中のふわふわな妖精達も、結婚式の華やかなドレスなどの衣裳もステキでした。衣裳を細かく見たくてオペラグラスを覗いたりも。
◆美しい音楽と共によい休日を過ごせました。プログラムも凝っていて松本幸四郎さんが文章を寄せていたり、ダンサーさん自らの振付解説なども面白かったです。【インタビュー】
活気にあふれたバルセロナの町を舞台に繰り広げられる床屋のバジルと町娘キトリの恋物語!バレエ『ドン・キホーテ』で主役カップルを踊る小野絢子さんと福岡雄大さんにお話をうかがいました。
小野絢子さん、福岡雄大さん
★バレエ『ドン・キホーテ』★
メインストーリーはバジルとキトリの恋物語(ラブコメ的要素アリ!)ですが、みなさまおなじみの騎士物語に没頭し、諸国遍歴の旅にでるドン・キホーテやお供のサンチョも登場します。ほかにもインパクトのある登場人物が数多く登場する陽気さと古典バレエならではの美しいコール・ド・バレエもお楽しみいただけるおススメ作品!
【インタビュー】
──これまでも数多くの公演でペアを組んでいるお二人ですので、まずはお互いをご紹介いただけますか。福岡さん) こちらは小野絢子さんです(笑)。おきれいなことは皆さんすでにご存知かと思いますが(笑)、ダンサーとして、ここ数年たくさんの経験を積み重ね、着実にレベルアップしている方です。僕が言うのもちょっと失礼かもしれませんが、今、また、さらに進化している人です。
小野さん)
福岡さんは基本的にとても器用で、なんでもすぐにできるので、リハーサルでも早い段階から役作り、作品作りに取り組める方です。そして絶対に妥協しないダンサーです。私よりも経験豊かなので、男性の役だけでなく女性の役についてもアイデアが豊富でいつも「こうしてみたら」というヒントをもらっています。そこについて行くのはとても大変でもありますが、毎回すごく勉強になります。福岡さん) うわっ、なんかこそばゆい(笑)。
──今回、お二人は『ドン・キホーテ』では初めてペアを組まれるのですね。バジルは福岡さんが新国立劇場バレエ団で初めて全幕ものの主役をされた役でもあります。小野さん)
福岡さんは入団してすぐに『ドン・キホーテ』に抜擢されたのですが、エネルギッシュでキレがあるバジルはとてもインパクトがありました。※バレエ団へは小野さんが1シーズン先に入団されています福岡さん) 資料として僕が過去に踊った映像が残っていますが、今見るとため息が…(笑)。でも、これまでの記憶をたどることで、改善点も明確になります。そこからよりレベルアップするために日々リハーサルをしています。再演では、もっと上手く踊れるようにしたいです。
バジル役の福岡雄大さん 「ドン・キホーテ」2013年公演より
──そんな福岡さんとペアを組む小野さんはいかがですか。小野さん)
自分の中からもっと熱いものを出さなければというプレッシャーでいっぱいです。でも、相手にエネルギーがあるので、それに乗っかって、引っ張ってもらうのは刺激的で、リハーサルも充実しています。福岡さん) 僕たちって、「毎回(一緒に)踊っているから組みやすいのでは…」と言われることが多いのですが、もちろんそういう面もありつつ、毎回踊っていても毎回何かしらあるんですよね。むしろ毎回踊っているからこそ、慣れも生じますし。意識的にもっとスパイスを効かせようなど工夫していかなければステップアップできないと思います。お客様も、小野さんがきれいで上手なのはすでにご存知で、さらに何かプラスを求めていると思うんです。そうでなければ面白くない…、あれ、なんだか先生みたいなこと言っていますね(笑)。
小野さん)
確かに、私が公演を見に行く立場で考えるとやはりそうなんです。すべて上手にきれいにできていることが前提だと思うのですが、ただ失敗なくきれいに踊るのを見たいわけではないのです。そこを追求するなら過去の素晴らしい公演の映像を見ることで済んでしまうかもしれません。でも、生の舞台を見たいと思うのは、その向上しようとすることで生まれるプラスアルファに魅力があると思うのです。福岡さん) そうそう、何らかのサプライズが欲しいよね!
──向上心を持ち続け、挑戦し、進化していくのですね。福岡さん) 挑戦するからこそ、レベルアップできる。それは作品のためでもあり、自分たちのためでもあります。決して安定は求めていません。もっと踊りと表現の幅を広げたいですし、いろんなことができるようになりたいんです。ちょっと無理かなということにも、歯を食いしばって、でも、涼しい顔をしてやりたいタイプなんです。
小野さん)
すごく共感します。だからこそ、一緒に組むことで勉強になることがたくさんあります。──一緒に組むことで発見したことは。小野さん)
(福岡さんは)ダイナミックで豪快な踊りのイメージが強いですが、すごく繊細な面もあります。細かいところまで気を配っているから舞台が盛り上がるのだと、近くで見て、一緒に踊って気が付きました。表現の幅は保ちながら、すごくキッチリしていますよね。小野さん、福岡さんが初めてパートナーを組んだ2011年「ラ・バヤデール」
福岡さん) まず、僕は振付家に忠実に踊りたいんです。大変でも、そこを崩して安全にやるのが嫌いなんです。そして、「ここ絶対5番!」とか「そこはビシッと!」とか、こだわるポイントがすごくあるんです。繊細というか…要は細かいというか。細かいということは周りからも言われます。だから、嫌われているかも(笑)。
──いえいえ、だからこそ見ていていつも気持ちの良い舞台なのですね!
では、ここからは『ドン・キホーテ』についてうかがいます。とくに好きな場面はどこですか。キトリ役の小野絢子さん 「ドン・キホーテ」2013年公演より
小野さん)
私は1幕の酒場の場面。陽気なスペインの町の雰囲気の中で、さまざまなキャラクターの感情があふれていています。そこでは踊りだけでなく芝居も展開しているところが好きです。一人ひとりの人生があって、貧しかったり、すごくお金持ちだったり。その日機嫌がいい人もいればそうでない人もいる。それぞれが役を演じています。それは見られているかもしれないし、見られていないかもしれない。でも、そこを丁寧に作っていくことで絶対に舞台は変わってくると思うんです。福岡さん) 僕もその場面です。あの雰囲気というのは、町の人々がどう見えるかで決まると思う。少し具体的に言うと、個性的なガマーシュというキャラクターが出てきたときのみんなのリアクション、キトリのお父さん(バジルと娘キトリの結婚に反対中)に結婚を許してとお願いする二人を心配そうに見ている人々の様子…。わいわい賑やかな中に、たくさんの見所があります。主要な登場人物だけが舞台を作っているのではなく、バレエ団での公演ですから周りもじっくり見ていただきたいですね。とくに今回はフレッシュなメンバーが揃っているので新鮮で明るい雰囲気になると思いますよ。もちろん僕らもがんばります(笑)。
踊るうえでも町の人々とのやりとりは楽しいです。気を付けないといけないのがワンアクションで終わらないようにすること。なにげない会話が続いているような、日常の景色をつくり出すことを心がけています。
あとは一幕の登場時のバジルはハイテンションでいきます。“若者”というイメージを前面に出したいので!
キトリ役:小野絢子さん、バジル役:菅野英男さん 「ドン・キホーテ」2013年公演より
──バジルは二枚目な面も、ちょっと三枚目的なところも持っているキャラクターですが、その加減はダンサーに任されるのですか。福岡さん) そうですね。もちろん役作りもしますが、やはりその人のもっているものが出てしまいますから。それも含め、どんな福岡バジルになるかということです。いや、僕も二枚目でいきたいですけどね(笑)。
小野さん)
『ドン・キホーテ』のバジルをやりたい男性ダンサーが多い理由はそこにあると思います。王子様役は周りと距離があってあまり交わることがありませんからね。バジルはみんなと同じ身分の人なので、遊べる要素が多いのです。それは女性にとってもそうで、キトリを踊ることに対しても同じような魅力を感じています。福岡さん) そうそう、王子だと「おお!元気か!」と気軽に肩組めないですからね。ともに平民を楽しむ感じかな(笑)。
──王子様とお姫様とはまた違うお二人が見られますね。
続いては、この作品の表現の特徴、むずかしさはどのあたりに感じていますか。福岡さん) まず、基本的にどの作品もむずかしいものですが、『ドン・キホーテ』には、より演劇的な『マノン』や『ロミオとジュリエット』とは違うむずかしさがあります。ひとつ例を挙げると、大きく手を使ってわかりやすくマイムをするなどの表現が必要になります。そこでは、自分の表現が前から見てどう映るか、大きな視野でとらえることで表現を向上させられる作品だと思います。その中で、バジルやキトリの人物像、『ドン・キホーテ』という作品をどう見せたいかを追求していきたいと思っています。
──さきほど3幕のリハーサルを少し拝見しましたが、3幕目にしてハードなグラン・パ・ド・ドゥもあります。体力的にもハードな作品ですか。小野さん)
体力的に特別大変な作品という印象はありませんが、実は体力という面ではキトリは1幕が一番ハードです。ただ、エネルギーを思い切り発散できるタイプの役なので、白鳥やお姫様の疲れとはまた違うんですよね。バジルはやはり3幕ですか。福岡さん) バジルは1幕が楽しすぎたり、力んでしまったり、演技に熱が入ってしまったりで、予想以上に体力を使ってしまうことが多いです(笑)。
──本番が近づくと体力作りも必要になってきますね。福岡さん) リハーサルのない日は運動量も落ちるので、ジムへ行き自転車をこいだり、走ったりしますね。体力作りもダンサーとして大事な仕事です。
──食生活にも変化が出ますか。小野さん)
はい、いっぱい食べますね。リハーサルで運動量が増えるとその分食べますし、特になにか気を付けるというより身体に正直に食べています。福岡さん) 僕は食べなくなります。
──食欲がなくなるとか。福岡さん) いやいや、喉から手が出るほど食べたいんですけど、太りやすいので。
(食べるお話からお二人の意外な共通点が…)
福岡さん) 僕、子供のころすごく太っていたんです。その原因も食べすぎ(笑)。子供のころから食べるのが大好きなんです。
──プロフィールを拝見すると、7歳からバレエをはじめられたということですがその頃も?福岡さん) 始めたころは良かったのですが、いつの頃からか週末に祖父母も交え家族みんなで食事に行くようになり、それが毎週日曜日のお楽しみに。そこからみるみるうちに太っていきました。母に「あなたはいったい何になりたいの!」と言われたのですが、小学生ですよ、「まだわからへん…」って(笑)。そこからダイエットが始まり…、そして徐々に背も伸びて自然と普通になりました。今写真を見ても「こんなに太っていたんだ!」と自分で驚くほどで、よくバレエレッスンに行っていたなと思います(笑)。
おそらく母もバレエの先生に「雄大は太りすぎなので、痩せさせたほうがいい」と言われたのだと思います。
小野さん)
以前、何かのインタビューでもお話ししましたが、実は私も子供のころは軽度肥満児だったんですよ。その頃は運動も苦手で、苦手というより嫌いでしたね。体が重いと走るのもしんどかったですし。福岡さん) そうそう、動きたくないんです。
小野さん)
ちょっと動くと汗びっしょりで息切れしますしね。福岡さん) そして「アイス食べたい…」となるんです。
──その悪循環から見事に脱したのは。小野さん)
バレエはずっとやっていたので、成長期とともにレッスン量が増え始め、そのころから徐々に普通の体型になりました。今は少し細すぎるかとも思いますが、元気です!やはりダンサーとして、怪我をしてもいけませんし、体力も必要、強い身体は基本です。福岡さん) 30歳から身体も変わってくるといいますし、やはりそこには気を付けています。長く踊りたいですから!
──本当に、表現者であり、アスリートなのですね。日々のたゆまぬ努力に、わが身を反省しきりです。
では、最後に今回の『ドン・キホーテ』のイチオシポイントを。小野さん)
前回の公演よりだいぶメンバーが入れ替わり、初役の人も多くいます。どのような作品に仕上がるのか、そこは私たちにとっても楽しみなところです。福岡さん) 役によっては、ダブルキャストの二人とも初役ということもあります。公演期間中、常にフレッシュな『ドン・キホーテ』が見られると思います。主役も本当にフレッシュだよね、僕ら以外は(笑)。
小野さん)
福岡さん、『ドン・キホーテ』では一番のベテランですね。私はまだ2回目なので(笑)。福岡さん) そっか…、それは暗に僕がおっさんということ(笑)?
はい、ベテラン頑張ります!
──おっさんだなんて…(笑)。力強く溌剌したバジルとキトリを楽しみにしています!楽しいお話をありがとうございました。 無理やりポーズをお願いしてみました
舞台写真提供:新国立劇場バレエ団
おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文・撮影) 監修:おけぴ管理人