2013/12/12 明治座『コンダーさんの恋~鹿鳴館騒動記~』稽古場公開会レポ




2014年、新春の明治座は華やかですよーー!!
大地真央さん主演の笑いと涙と感動のラブコメディー巨編、
『コンダーさんの恋~鹿鳴館騒動記~』の稽古場公開会の様子をレポートいたします。




明治初期、
近代日本のイメージアップのために迎賓館・舞踏会場として建設されたのが“鹿鳴館”。
誰もが耳にしたことのあるこの “鹿鳴館” ですが、実は大失敗の政策だった?!とか。
それでも「なんとかしよう!」と魅力的で骨太でたくましい明治の人びとが
大奮闘するエネルギーあふれる人情喜劇の稽古場も、また、
作品を生み出すエネルギーに満ちた空間でした。

まずは軽~くお話をご紹介。


明治16年。迎賓館・舞踏会場として「鹿鳴館」が建設されたものの
肝心のダンスを踊れる日本女性は皆無。
そこで、踊りの師匠や芸者ら「プロ」にダンスを教えて
舞踏会に出席させようという計画が立てられた。

菊川流の踊り手・前波くめは、「コンダーさんのために一肌脱ぎたい」と感じていた。
コンダーさんは鹿鳴館を設計した英国人、くめとは「いい仲」にあった。


菊川流の踊り手・前波くめを演じるのはもちろん大地真央さん!
コンダーさんと “いい仲” 、そんな艶っぽい響きがピッタリの粋な女性です。



そして、大地さんといえば最強コメディエンヌでもあります!!
この作品では、そんな一面もたっぷりとお楽しみいただけますよ。
何か起きれば見過ごせない、ましてやコンダーさんに関わることとなれば、
ひと肌もふた肌も脱いじゃう勢いの人情派でもあるのです!!


この日公開されたのは、ドタバタプチ騒動からの明治版・ロミオとジュリエット♪な場面です。

まずはこちらのお二人、鹿鳴館建設の裏に何か政府の企みがあるのでは・・・
と目を光らせていた文学博士と建築助手!
建築様式がちぐはぐであることを熱く語るのですが周囲の人々には暖簾に腕押し状態。


「コンダー先生の建築はゴシック様式、
でも取り付けようとしているマンサード屋根はネオバロック様式なんですっ!!」
瀧大吉役の荒井敦史さん(右から2人目)


「流派の問題なんですっ!!」坪内雄蔵役・植本潤さん(右から4番目)

“なんとなくわかるけど、それってそんなに大事?”
周囲の人々を必死に説得するくだりが、なんともおかしいんです。
坪内のヒラメキで、ついに、“とある例え” がヒット。
その瞬間「ありえない、許せない」の大合唱で一致団結!

この一連の流れがメリハリあってテンポよく展開し、一生懸命ゆえの面白さに、
稽古場にも笑いが広がります!!


続いて、お待たせいたしました “ロミジュリ的” エピソードへ。


ロミオ的な陸軍卿・大山巌(ベンガルさん)
 

恋のお相手は、米留学を終えたばかりの山川捨松(秋本奈緒美さん)


陸軍卿は捨松にプロポーズするも、実はこの二人は薩摩と会津出身なのです。
その上、捨松は米国滞在中に日本語を忘れ英語で話し、陸軍卿は薩摩弁。
それぞれに通訳が必要という、こんがらがった状況です。

そして明かされる捨松の悲しい過去。


捨松が陸軍卿への思いを綴った手紙を翻訳しながら代読する米女性クララに牧瀬里穂さん


するとどこからか歌声が。
春高楼の 花の宴 めぐる盃 かげさして・・・。


歌いだしたのは先ほど建築を熱く語っていた瀧大吉(荒井さん)


大吉は荒城の月を作曲した瀧廉太郎(荒井さん二役)の従兄弟でよき理解者なのです。
会津若松市の鶴ヶ城址を歌ったともいわれるこの曲は
劇中の登場人物のみならず取材班のこころにもしみてきました。


その輪は広がり、いつの間にか全員での合唱に。


その時の捨松のひとことに・・・思わず感涙でした。


この作品、他にも気になるカップル揃いなんですよ。


こちらのお二人はクララ嬢とアノ勝海舟の三男・梅太郎(葛山信吾さん)

そしてもちろん、この方も!


くめさんはコンダーさんと結婚したいが、“師匠” の反対に遭ってしまうのです

しっとりムードをドカンと打ち破るように登場するのが鹿鳴館を訪れた芸者衆♪
一気に華やかで賑やかな舞台へ!!


芸者衆を率いるのは伊藤博文夫人の伊藤梅子役・未沙のえるさん!


華やかな芸者衆!!


そんな舞台の司令塔は劇作家で演出家のG2さん(書下ろし新作です)!


自由にアイデアを出し合う活気ある現場!
大隈重信先生の名前にたどり着くまでいろんなクマさんがでましたねー



自らが動いて見せての大奮闘!

感情の流れと動きがピシッと一致し、
なおかつ客席全体にそれが伝わるような芝居が作り上げられていきます!!

お話もキャラクターも盛りだくさんなこの舞台、キャストさん、G2さん、
そして明治座さんからのお年玉みたいな豪華さ!!
果たして3組の恋は?舞踏会は成功するのか?
その結末は、ぜひ劇場で。

と、〆に入っていますが・・・やっぱりみなさん気になるのはあの方ですよね?
「で、コンダーさんって?」

それは・・・観てのお楽しみでございます♪
早く来い来い、お正月!
『コンダーさんの恋』は2014年1月2日開幕です!!



残念ながら勝海舟役の江守徹さん、踊りの師匠である菊川金蝶役の寿ひずるさんは
この日はいらっしゃいませんでした。



【公演情報】
明治座『コンダーさんの恋~鹿鳴館騒動記~』
2014年1月2日~27日@明治座

<スタッフ>
作・演出:G2

<キャスト>
大地真央
牧瀬里穂 / 葛山信吾 / 秋本奈緒美 / ベンガル
三上市朗 / 久ヶ沢徹 / 植本潤 / 荒井敦史 / 寿ひずる / 未沙のえる
江守徹
ほか

<作品紹介>
明治16年。
近代日本のイメージアップのために迎賓館・舞踏会場として「鹿鳴館」が建設された。
ところが肝心のダンスを踊れる日本女性は皆無。
そこで、踊りの師匠や芸者ら「プロ」にダンスを教えて、
舞踏会に出席させようという計画が立てられた。

菊川流の踊り手・前波くめは、師匠から「西洋ダンスなんてもってのほか」と釘を刺されるが、
「コンダーさんのために一肌脱ぎたい」と感じていた。
コンダーさんは鹿鳴館を設計した英国人。日本文化を愛し日本舞踊にも通じ、
くめとは「いい仲」にあった。

鹿鳴館時代を舞台に、ユニークなキャラクターたちが愛を求めて奔走する、
笑いと涙と感動のコメディー巨編!

作品HPはこちらから




おけぴ取材班:chiaki(文/撮影)監修:おけぴ管理人

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