2014/02/07 宝塚歌劇宙組『翼ある人びと―ブラームスとクララ・シューマン―』公開舞台稽古レポ


若き日のヨハネス・ブラームスを演じるのは
宙組期待のスター・朝夏まなとさん!

ブラームス、そしてシューマン。
クラシック音楽史に残る2人の作曲家と、彼らに愛されたひとりの女性、クララ・シューマンとの関係を描く、宝塚歌劇宙組公演 『翼ある人びと』

心を震わす音楽に彩られ、複雑な感情が交錯する大人の関係を、宙組の朝夏まなとさん、伶美うららさん、緒月遠麻さんが魅せる美しく繊細な作品世界!
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、初日を前に公開された舞台稽古の模様をお届けいたします。


写真左から:伶美うららさん 朝夏まなとさん 緒月遠麻さん

昨年の宙組公演『風と共に去りぬ』でヒロインのスカーレットと、彼女に愛されるアシュレーの二役を役替りで演じ、男役としてまたひと回り大きくなった印象の朝夏まなとさん。
今回挑むのは、言葉よりも音楽で自分を表現し、芸術に身を捧げる青年・ヨハネス (若き日のブラームス)です。

シアター・ドラマシティ公演 (東京公演は日本青年館) 初主演とは思えないほど、気負いなく自然な舞台姿。
客席の心をぐっとつかむスターオーラに、これからの宝塚歌劇を引っ張るスターのひとりであることを再確認しました!

無口で世渡りのうまくない人物像、芸術家として敬愛するシューマンとの絆、そしてその妻であるクララに強く惹かれていく様子…。
ひとりの人間として描かれるブラームスの心情を丁寧に表現して、役者としてさらに幅を広げた朝夏まなとさん。
枯れ葉が舞い散る中で長い手足を優雅に動かし、一瞬にして舞台上の空気をつかむオープニングシーンの美しさ、子どもたちと一緒に見せる無邪気な笑顔、そしてクララへの思慕を抑えきれなくなっていく様子など、ファンの方にはたまらないポイントも多数あり♪

美貌の娘役・伶美うららさんが演じるのは、自らもピアニストとして成功していながら、妻そして母としての役目も果たし家族を深く愛するクララ。
妻としての愛、母としての愛、そしてひとりの女性としての愛・・・。
ともすれば “人妻との背徳の愛” となってしまいそうな設定を、男女の愛にとどまらず、芸術に身を捧げた物同士のどこまでも美しく崇高なものに感じさせるヒロイン像。
内に秘めた感情を控えめに、けれども確実に客席に届けなくてはならない難役を経て、さらに大きく開花する魅力に注目が集まりそうです。

そして、このふたりを大きな愛情で包み込むロベルト・シューマン役を演じるのは緒月遠麻さん。
誠実な夫であり、ブラームスを音楽の世界に導く師でもあるシューマン役に、緒月遠麻さんの持つ独特で優しい声質がぴったりハマリます。
もちろんこのシューマン役、ただ寛大な夫というだけの役柄ではありません。
自らの音楽家としての評価が下り坂に差しかかった時期に出会った新しい才能、それを全力で支援しながら、精神に病を得て苦しみ、派閥争いにも巻き込まれていくシューマン。
偉大な才能を前に苦悩する芸術家” という作品のもうひとつのテーマと、それを越えていく愛の力…。
一筋縄ではいかない複雑な役柄を、芝居巧者として知られ、さらに宙組を引っ張る上級生の立場となった緒月遠麻さんがどうみせてくれるのか?これはぜひ劇場でお確かめくださいね。




フランツ・リスト役:愛月ひかるさん

さてここからは、物語を彩るキラ星のような実在のイケメン音楽家たちをご紹介♪
その超絶技巧で “ピアノの魔術師” と称されたフランツ・リスト役に配されたのは愛月ひかるさん。
自信満々でダークな雰囲気、色気ムンムンで女性たちにキャーキャーと騒がれるかっこ良すぎるフランツ・リスト!
音楽的信条の違いからシューマンらとは一線を置きつつも、実は過去にクララと関わりがあったという設定。
このところ一気に “大人の男” の雰囲気を感じさせるようになった愛月ひかるさんの魅力が炸裂、ハートを撃ち抜かれぬようお気をつけださい!!


ヨーゼフ・ヨアヒム役:澄輝さやとさん(写真左)
見目麗しく魅力的な音楽家たちが次々に登場するのも “タカラヅカ的お楽しみ” ♪
澄輝さやとさん(写真左)が演じるのは、ブラームスをシューマンに紹介したヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒム。
女好きのプレイボーイの筈なのに、心から惹かれる令嬢ルイーゼ(すみれ乃麗さん)には何も言い出せない様子に、胸がキュンとする人が続出の予感♪
ブラームスたちを真摯に支え男気もみせるヨーゼフ役、力の抜けた佇まいでみせる好演です。


リヒャルト・ワーグナー役:春瀬央季さん

そして次代を担う若手にもご注目。
こちらはワーグナーを演じる春瀬央季さん。
登場シーンは少ないながらも、目を伏せる時の一瞬の表情、長身を生かした麗しい舞台姿で取材陣の視線を集め、今後の飛躍に期待が高まります。

客席の目を楽しませてくれる、イケメン揃いの音楽家たち。
しかし彼らを苦しめていたもの、それは偉大なる先進者・ベートーヴェンの存在。
音楽の歴史を塗り替えたともいえる天才・ベートーヴェンが残した作品を前に、自分が作る音楽の存在意義を探し求める彼ら。
ブラームスの心の影として登場する “ベートーヴェン?(凛城きらさん)” という役柄に、昨年5月にバウホール公演『月雲の皇子』で鮮烈な演出家デビューを飾った上田久美子さんの作家的野心が込められている、そんなことを感じたおけぴスタッフです。

3人の男女の愛憎とともに、ブラームス、シューマン、リスト、ワーグナーら同時代に活躍した音楽家たちの “芸術家としての苦悩” にもスポットをあて、作品としての厚みを持たせた新進演出家の手腕、そこに宝塚歌劇への愛が絶妙にブレンドされ、心にしみるようなセリフとともに語りかけてくる『翼ある人びと』。
陰影を感じさせる舞台美術や、登場する音楽家たちの代表曲が物語にあわせて編曲されている音楽も見どころ(聴きどころ)です!

人妻である女性への思慕」という際どいテーマながら、どこまでも美しく気品を保った宝塚歌劇ならではの舞台。
フィナーレのダンスにいたるまで、作品の世界観を大切にした繊細さ!

大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演では、オリジナルグッズプレゼントやバレンタイン企画、レストランとのコラボメニューなど楽しいイベントも♪
(詳細は梅田芸術劇場公式サイトをご覧ください)

伝統と新しさ、その愛の形をぜひ劇場でお楽しみくださいませ。



<公演情報>
宝塚歌劇宙組『翼ある人びと―ブラームスとクララ・シューマン―』
作/演出:上田 久美子
出演:朝夏まなと/伶美うらら/緒月遠麻 ほか宝塚歌劇宙組

梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演 2014年2月8日(土)~2月16日(日)
日本青年館大ホール公演 2014年2月26日(水)~3月3日(月)

梅田芸術劇場公式サイト

 
おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)  監修:おけぴ管理人

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