みなとの夢に我をなげうつ
若者たちの群像劇!
TSミュージカルファンデーションの新作『ちぬの誓い』が開幕いたしました。
平清盛が描く新都の夢。
新都に絶対不可欠の大輪田泊(現在の神戸港)。
決死の工事に挑む不動丸率いる見習い武士たちと水軍衆の前に立ちはだかる
"ちぬの海(現在の大阪湾)"の荒波。
海の竜神が暴れ狂い、幾度となく埋め立てた堤防を流し去り、その度に犠牲も。。。
一方、陰陽師の命令で牢に囚われた旅人たちの叫びは、
牢番の見習い武士の松王丸の胸をえぐる。
囚われた人びとは一体どんな罪を犯して捕まったのか。
宋国の船が入港する日が近づくにつれ、泊の工事を急かす陰陽師。
果たして若者たちの行く手に立ちはだかるものとは…。
描かれるのは淡路島に伝わる“松王丸伝説”に着想を得たオリジナルストーリー!
見習い武士のリーダー不動丸役には
東山義久さん。その
歌声もダンスも力強く、骨太!
物語の中で
成長し、一幕と二幕で一番印象が変化する松王丸には
相葉裕樹さん。
グッときます!
牢番達若の
良知真次さんと囚われ人役・
渡辺大輔さんのシーンは
驚きと感動が。
見習い武士の面々を演じる
藤岡正明さん、上原理生さんの
歌声は鳥肌ものです。
ほかにも照井裕隆さん(振付助手でもある、やっぱりTSのカナメ!)、
橋本汰斗さん(初々しい魅力が役柄にぴったり)などなど
適所適材、魅力炸裂のキャスティング!
そして、ベテラン勢、戸井勝海さん演じる投獄された男の
まさかのカミングアウトな展開!
若者たちの前に立ちはだかる陰陽師・今拓哉さんの圧倒的な力量。
悪を一手に引き受ける
スケールの大きさ、老獪さ、たまりません!
泊の完成のために若者たちがそれぞれの道を歩む
“決断” をする二幕。
誰の決断が正しいとかそうでないとか、そういうことを抜きに、
彼らのような人々が様々な
歴史の礎となったことを改めて思い起こさせられる作品です。
★お寄せいただいた感想をご紹介いたします★
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それぞれが主演を務められるぐらい歌のうまいイケメンのキャストを贅沢に集め、
優れた脚本と演出で感動的な物語をかたち作っています。
東山さんのソロも、全体でも、ダンスのシャープさに一見の価値あり!!
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平安末期平清盛の時代、新しい国造りの理想に燃え、交易の拠点となる港造りに励む若者達。
全編男性キャストのみ。若手、中堅、ベテランのバランスがうまくとれている舞台だと思いました。
また一人一人に見せ場があり、どなたのファンでもきっと満足できるはず。
歌、踊り、芝居、出演者の持ち味が最大限に活かされた舞台でした。
中弛みもなく、テンポよく、和太鼓や群舞も見応えがありました!
最後のシーンが終わらないで欲しいぐらい素敵でした。
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東山さんのしなやかで力強い踊り、
上原さん、藤岡さんの朗々たる歌声と、戸井さんの抑えた中にも光る演技、
不気味さと軽やかな笑いを兼ね備えた今さんの存在感などが
若い出演者が多い中でしっかりと脇を固めてくれていた事で
全体のバランスが取れて良かったです。
2階席からは照明の効果や全体図がよく見えました。
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非常に面白かったです。シンプルなストーリーなだけに、
見終わった後の余韻が心地よく、また見たいと思える作品でした。
時代背景を知らないと難しいかとも思ったのですが、
小難しい話は盛り込まれていない点もストーリーに入り込みやすくて良かったです。
役者さんもみなさん素敵でした。
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作品自体はもちろん、パンフレットのゆかりの地のレポートが
詳しく書かれていたことにとても感動しました。
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あの時代の要が登場しなく、庶民に近いものたちの物語という着眼点がおもしろかった。
今さんは陰陽師がはまり役でした。正直言ったら、もっと群舞を観たかった。
でもおもしろいオリジナルストーリーで楽しめた。
おけぴ取材班:chiaki 撮影:吉原朱美 監修:おけぴ管理人