【寄せられた感想をご紹介いたします!】8/29感想追記
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快哉を叫びたいユカイツーカイな作品。
軽やかなピアノに馴染みやすい歌、面白い振付、ライトを煌めかせて回るステージ。
どんな場面でもガラッと“ショー”に転換!! 始終、ニコニコ笑みがこぼれ、拍子を取りたくなる♪その中で一貫して揺るがぬ太い芯を持つ吉野作造の精神・理想。
この舞台を観た人は、今 この時代の流れの中で、自分が感じる「なぜ?」を、諦めずに堂々と“世に投げ掛けてほしい”と切に願う。もちろん私もそうしたい。
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大正デモクラシーで有名な<吉野作造>の評伝劇……で、堅苦しい演劇かと思ったら、とんでもない! 歌ありダンスあり笑いあり…で、流石こまつ座という感じの舞台でした。
兄弟姉妹のある方は、ちょっと見方も違ってくるかも~~!?楽しめます!!
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こんなに楽しかったかな?と、以前の観劇の記憶をたぐってみましたが、今回が余りにも楽しく、上書きされてしまいました。3時間があっという間、まったく飽きるところがない。
強くお薦めします。
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やっぱり井上先生の戯曲は良いですね。
国家とは、憲法とはって難しいテーマですが笑いの中で腑に落ちる、そんな感じでした。
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もう一つ観たい舞台があって悩みながらもこちらを選んだのですが、選択に間違いはありませんでした。
正反対の兄弟の熱さもさることながら、その姿勢の良さのに負けず劣らず、一本筋の通った奥方姉妹の何事にも動じない格好良さに痺れました。
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辻さん、大鷹さんを見に行ったのですが、ほかの4人も素晴らしかった。
歌入りのミュージカルっぽいのはあまり好きじゃないのですが、この舞台では話の展開や時空の広がりに躍動感を生み出しているように感じました。
テーマの重さが今という時代に実感として伝わるものでした。
井上作品の素晴らしさに改めて敬服。そして、鵜山演出に乾杯。
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素晴らしい脚本に素晴らしい役者さん達!現代に照らし合わせて色々考えさせられました。
いつ観ても何回観ても、井上先生からの課題には『何故?』と問い掛けられています。
平成の現代に観ても新しい『何故?』 何故、今も人間は愚かな過ちを繰り返しているのか?何故、国民の暮らしが中心柱で無い政府・政策なのか?何故?のオンパレードでした。
やはり『不戦』の日本は、憲法第9条はノーベル平和賞に相応しいのです。
と腑に落ちたストーリーでした。
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所々で歌われる色々な歌が楽しかったです。それと、宮本さんと小嶋さんは何役やられてるんでしょうか?大活躍でした!(その答えは稽古場レポにて↓)
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【稽古場レポート】
2003年の初演以来、再演を重ね四度目の上演。
今を生きるわれわれへの示唆に富んだセリフの数々を笑いと軽やかな唄に乗せて届ける人気作!
「政治は国民を基とする」民主主義の種をまいた大正デモクラシーの先駆者・
吉野作造の音楽評伝劇『兄おとうと』の稽古場へお邪魔してまいりました。
「吉野作造・・・大正デモクラシーでしょ。それ以上は・・・」
恥ずかしながら、この人物はずっと“教科書の中の人”でした。でも、稽古場を後にする頃には、なんだか古くからの知人のような親しみや尊敬の気持ちを自然に抱いていました。
そんなとってもチャーミングな吉野作造を創り上げるのはもちろんこの方、
辻萬長さん。
日常の軽妙なセリフ回し、国家を語るときの熱を帯びた瞳、市井の人々を見つめる優しいまなざし。
井上戯曲のことばを生きたものとして我々に届けてくれる辻さんの芝居はやはり必見です!
そして、タイトルからお察しの通り、この作品はある兄弟を軸に描かれているのですが、弟とは・・・10歳離れた作造の弟、エリート官僚の信次。
兄に負けず劣らずの秀才ながら思想はまるで正反対、兄弟が大人になって一緒に寝たのはたったの5回だけ。その仲良く(?!)寝た日のエピソードで綴られるのです。
大鷹明良さんが演じる信次は、じつに“堅物”(笑)。
カッチカチの役人なのですが、劇中なかなか可愛らしいところもある、人間味あふれる信次なのです!弱点を突かれたときの信次のキャラクターの振り幅がツボでした!
そんな“兄おとうと”の連れ合いが、実は“姉いもうと”なのですが、この姉妹が実に賢いのです。
機転がきいて、肝が据わっている姉の玉乃には
剣幸さん。
劇中次第にたくましくなっていく芯の強さが印象的な妹の君代には
高橋紀恵さん・・・とっても魅力的な二人なのです。
中でもユーモレスクの旋律に乗せての♪へそくりの唄は最高です!!
喧嘩ばかりの
“兄おとうと”をあの手この手でとりもつような、それは見事な連携を見せる
“姉いもうと”にもご注目ください。
一方で
小嶋尚樹さん、
宮本裕子さんはマルチプレイヤーとしてこの二組の夫婦に関わるたくさんの役を演じ分けます。
天津から来た娘を演じる時の宮本さんのチャキチャキとした動きとセリフの小気味よさ、小嶋さんの随所で繰り出されるポップなお芝居!懸命に生きる人々を七変化で演じるお二人にも大拍手なのです!(実際にはそれぞれ
5役ずつ、つまり全場異なるお役!!)
こちらの作品はスタッフ勢も盤石の布陣!
演出は初演時に読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した
鵜山仁さん、ピアノ演奏
朴勝哲さんもその時優秀スタッフ賞を受賞されました。振付はTSミュージカルファンデーションの謝珠栄さん。
みなさんの手にかかれば、音楽も歌も踊りでさえもそれが芝居になるから不思議です。
ちょっぴり物悲しいメロディで始まってからの一転・・・この切り替わりで一気に心つかまれる演出、好きです!!
国がおおきな舵を切ろうとするとき、自然と頭をよぎるのは
「井上ひさしさんだったら何ておっしゃるだろう」。
井上さんはもういらっしゃいません、でも、たくさんの作品を残してくれました。
この作品にも、わたしたちが立ち止まって考えるためのヒントがたくさん詰まっています。
現在日本が直面している問題にあまりにもリンクして背筋がゾクゾクとするような言葉もあります。
みんなの願い
「三度のごはん きちんとたべて 火の用心
元気で生きよう きっとね」そのためにどうすればいい?
唄と踊りと極上芝居で綴られる兄おとうとの物語。今だからこそ、一人でも多くの方にご覧いただきたい作品です。
おけぴ取材班:chiaki(取材・文)写真提供:こまつ座 監修:おけぴ管理人