(右より)池内博之さん、ソニンさん
【寄せられた感想をご紹介いたします!】9/13&15感想追記
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笑いました。最初はブレヒト作、「三文オペラ」ってなんだか格式ばった感じを受けました。
だけど、人間の普遍的な愚かさを描きながら、笑いがあるので、ちっとも重苦しくありません。利己的な人間だけれども、情があってすっぱり切れないのも人間なんですよね。ラストが最高です。
観客の願望を強引ながらあらすじにしてしまうのも「三文」オペラなのでしょうか。
いい意味で裏切られました。
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三文オペラといえば、難解で暗いイメージでしたが、わかりやすく面白かったです。
悪で女たらしのメッキースの池内さんがかっこいいです。
べたぼれのソニンさんと大塚さんの歌いながらのバトルは面白くて大笑いでした。
その両親やメッキースの友人でありながら警視総監の石井さんと娼婦の島田さんとみなさんの存在感はすごくて、島田さんの歌いっぷりには引き込まれました。
ミュージカルでなく音楽劇なので、曲が、ココで終わり?という感じのもありますが、歌詞もおもしろかったです。
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三文オペラというのは度々色々なカンパニーで上演されていますし、ブレヒト だし、演劇ファンなら好きと言わなければいけない雰囲気があるように感じるのは私だけでしょうか。
話は荒唐無稽だし誰にも感情移入できないし、恥ずかしながら私は好きな俳優が出てなければみないのですが。
今日も観劇の動機はそんなところだったのですが、今回の新翻訳、演出で「どこが面白いのかわからない」が見事にふっとびました。
色々、すっきり納得です 。メッキース、ポリー、ルーシー、とても魅力的でした。
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人間は何をして生きるのかという言葉に胸がチクリと痛みました。
いろいろな面で多々やるせなさはありますが、生きていくための手段は人それぞれなのだなと思いました。
難しい物語だと聞いていたので果たして理解できるのだろうかと心配でしたが、観始めたらあっという間に時間がたってしまいました。
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とにかくキャストが皆さん豪華で目が足りないくらいでした。
山路さんの存在感、島田さんの素敵な歌、石井さんのコミカルさ、しっかり堪能しました。
上演時間3時間半でしたが長さを感じることなくあっという間でした。
(左より)池内博之さん、島田歌穂さん
池内博之さんが、極悪なのに女にモテるメッキースにぴったり、歌も、ただ歩く姿でも本当に素敵でした!島田歌穂さんのジェニー、歌はもちろんどんなポーズもちょっとした動作も魅力的で、彼女だけでもチケット代の元は取れます!ソニンさんが、大竹しのぶさんをほうふつとさせる可笑しさと可愛さがある上に歌も上手くて、メッキースの監獄の前で大塚千弘さんと喧嘩しながら歌うデュエットは絶品でした(^-^)v
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ピーチャム役の山路和弘さんが素晴らしい。
貧乏人から金を巻き上げ、きれいな口説で人をけむに巻くところなど、レミゼのテナルディエを彷彿させる。が、こちらのほうが人間が深い。底が見えない。より悪賢いとも思う。
乞食なのにどことなく品のある物言い。彼の狂言回しにすっかりやられた。
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山路さんとあめくさんの夫婦が素敵でみていて、自然と笑うことができました。
二人の存在感が最高。
島田さんも素敵な歌声でうっとりしました。
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雑多なエネルギーが混ざりあった人間らしい舞台、そんな印象です。
どの登場人物も「一筋縄」じゃいかないところが面白い。
池内メッキーの、色気ダダ漏れだけど相当女にだらしないダメ男っぷりとか、
山路ピーチャムの、憎めないけど何処までも小ずるく感じとか、
あと女性陣が素敵!ソニンポリーも大塚ルーシーも島田ジェニーも、
どれもこれも一面じゃない感情が混ざり合って、そこが凄く人間らしくてよかったです!
全然ゆめゆめしくないけど、芝居小屋ならではの非現実感とか娯楽性はあり、全体的に画面も話も明るくは無いのに、見終わった時の気持ちは不思議とすっきりしていました。
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ちょっと調子を外したオルガンのオーバチュアが混沌とした展開を予感させる、まさにタイトルに相応しい、現代社会をも風刺するような、性悪説推奨古典大衆音楽劇の傑作。
千弘ちゃんとソニンちゃんの対決ソング、「ヤキモチのデュエット」は聴き応えがあり、歌穂さんも締めるとこシメて、悪女になり切る演技が素敵。 性悪万歳!
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ストーリーは決して楽しいものではありませんがそれぞれキャラクターがしっかり確立されていて観ていてとても楽しいです。
特に山路さんがいいスパイスとなっています。ソニンさんの少女の声も新鮮です。
ラストのまさかのどんでん返しもびっくりです。
きっとどこかで耳にしたことのある「マック・ザ・ナイフ」も心地よく脳内リピートできま
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ソニンさん、島田歌穂さん始め、アンサンブルの娼婦まで、存在感のある上手い女優さんを揃えた感じでしたが、特に“薄幸の麗人”の役が多い大塚千弘さんのコメディエンヌぶりにしっかり笑わせて戴きました。
上演時間の長い作品てすが、笑い所も満載であっと言う間に終演でした。す。
池内博之さん
【欲ばりな奴らがやってくる!】
新国立劇場2014/2015シーズン演劇の幕開けは
エネルギッシュな音楽劇、ブレヒトの傑作『三文オペラ』!賑やかな稽古場へお邪魔してまいりました。
メッキース役:池内博之さん、ポリー役:ソニンさん
二人は結婚式を挙げるのですが・・・
なんとも言えないわちゃわちゃ感が楽しい!
たしかに出演者は30名とその数も多いのですが、決してそのせいだけじゃない
混沌としたエネルギーの渦のようなものを感じたときの高揚感は、まるでテーマパークにいるかのよう。
でも、夢の国じゃないんです!!みなさんお気をつけあれ!
あんまり浮かれていると・・・足元をすくわれちゃいますよ。
なんてったって、欲ばりな奴らですからね!
【「元気にはじけていきましょう!」】
稽古場に入るとまず目に飛び込んでくるのは、階段状の奥行きのあるセットに囲まれた広いアクティングエリア!
これ、中劇場にピッタリ!
そんなことを思っていると、
演出の宮田慶子さんの
「元気にはじけていきましょう!」という号令で、いよいよ通し稽古の始まりです。
するとセットのそこここから湧き出るように現れる
乞食と泥棒と売春婦、稽古場はたちまち
ロンドンの下町ソーホーに。
そしてみなさまおなじみの
♪マック・ザ・ナイフ(殺しのバラード)。
あの耳馴染みの良いメロディが味わい深い芝居歌で届けられると、思わずそれに合わせて鼻歌でも歌いたくなるのですが、よくよく聞くと・・・
「え?すごいこと言ってる?」。
そこで歌われているのは・・・ひとりの男の悪事の数々?!
そして、
その名を聞くだけで震え上がるその男こそ、メッキースなのです。
池内さんが醸し出す
ギラギラした色気とキレたら何をするかわかない危険な香りがメッキースにピッタリ!
メッキース颯爽と登場!このカッコよさがあってこその説得力です!
心地よいメロディとどす黒い歌詞が“紙一重”で隣り合う、この作品の魅力が凝縮したオープニングによって一気に作品世界へ引き込まれます。
【こうして始まるお芝居、とにかく人が濃い!】
まずはこちらのお二人からご紹介。
乞食たちの総元締め「乞食の友商会」社長・
ピーチャムとその妻です。
ピーチャム役:山路和弘さんとピーチャムの妻役:あめくみちこさん
もう、こちらのお二人最高です!!いろんなものが飛び出してくるのです。
笑ってカメラのシャッターが切れないことも一度や二度ではございませんでした。
ただ、滑稽だなーとケラケラ笑っていたら、グサッとやられました。
生き抜くたくましさが凄まじく、ユーモアいっぱいの中で「人間というもの」の核心を突く言葉がビシビシ放たれるのです。
山路さんの笑顔が怖い・・・軽妙で残忍
こちらはメッキースと親友の
警視総監タイガー・ブラウン、世間的には真逆のポジションにいる二人の男の友情というのも興味深いところです。
タイガー・ブラウン役:石井一孝さん、メッキース役:池内博之さん
この場面の男性デュエット、カッコいい!
石井一孝さん演じるブラウンの警視総監然とした自信に満ち溢れた面と弱気な面のコントラスとも印象的です。
そこに象徴されるように、これだけの出演者ですからみんながみんな出ずっぱりというわけではございません。
それでもそれぞれの登場場面でのインパクトが大きく、キャラクターが鮮明に印象付けられるので、あの人がこんな・・・落差がすごいです。
警視総監が弱気な・・・表情
続いては
メッキースと女たち!
ポリー役:ソニンさん
純粋でかわいらしいのだけど、いざとなると肝っ玉が据わっているのは親譲り?ただのヒロインじゃないソニンさんのポリー、歌声も伸びやか迫力あります。
メッキースとブラウンの娘ルーシーもただならぬ関係?!
ルーシー役:大塚千弘さん
ということで、こうなっちゃいますよね(写真↓)。
大塚千弘さん演じる勝気なお嬢さんルーシーはポリーにも上から強気でぶつかっていきます!!
二人が美しい歌声同士でぶつかり合う、なんともコミカルな場面も。
さらに・・・
娼婦・ジェニー役:島田歌穂さん
島田歌穂さん演じる
ジェニーのクールですべてを見透かしたような視線と佇まい、心の深くに響く歌声がじーんときます!
メッキース一人に女が三人、いやいやそんなもんじゃございません。
女たちに囲まれこの表情
さらにはメッキースを取り囲むのは女たちだけではございません。
メッキースの子分の泥棒たちも個性派ぞろい!
原慎一郎さん(左から2人目)のキャラクター、大森いちえいさん(右から2人目)のオペラ仕込みの美声などそれぞれ見どころ聞きどころありです!
【“聞くは易く歌うは難し”】
こうしてメッキースを軸にいろんな人々が入り乱れてのお話ですが、難しいとかややこしいとかそういう先入観は鮮やかに裏切られました。
制作発表でキャストのみなさんが口々に仰っていた“難しい歌”というも、芝居の中で聞いているとさほど違和感はなく、すんなりと言葉や心情が伝わってきます。
ただ、ふと我に返りメロディラインを追うと「難しさを感じない」とか思ってごめんなさい!というほど複雑。
でも、ほら、
“聞くは易く歌うは難し”ということでお客様はご安心くださいませ(笑)。
劇場を後にする時には、その余韻に心がチクリと痛みつつ、でもいつもより力強く一歩を踏み出せそうな音楽劇『三文オペラ』。
秋の始まりに、エネルギッシュな舞台、おススメです。★関連記事★新国立劇場『三文オペラ』おけぴ制作発表
舞台写真提供:新国立劇場
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人