10/13 寄せられた感想とシアタートークレポ追記!【みなさんから寄せられた感想】
「設定がすごく刺激的なのに、舞台はシンプル。
でも、その中で時に激しくぶつかり、感情を露わにし、時に昔からの友人のように同調する・・・わかる!
女はそんな生き物だよな~「女の肖像」という副題も、納得。とても惹き付けられる舞台でした」
「素晴らしい女優さんお二人の舞台で、マデリンの若村さんと、フランシスの久世さんが入れ替わりの配役でも面白そうだと思ってしまいました。
二人とも、実はこの日まで「マーティン」のことを愛していて、
でもこの日を境にケリをつけられたのだと思います。(でも「マーティン」は多分この二人の女性どちらにも本気ではなかったのではないか?とか思ってしまいました)
二人芝居は、そういう想像が広がりますね!」
「あるテレビ番組でこの公演のためにショートカットにするかどうか迷っていた若村さん、ショートカットにして
正解だったと思います」
「
窓から差し込む光、音、ひかりとカーテンのゆらめきが、本当に窓の向こうには海がみえて舞台が島にある家にいるように思えます。
演出がとても、美しくてよかったです。島の空気感すら感じました」
「開演前から、この部屋に暮らす女性はどんな人なんだろうと想像が膨らみました。
大きな窓からのぞく
海、空、闇、光。波の音に鳥の鳴き声。
全てが自然で、2人の会話に引き込まれつつ、固くなりすぎずに二人芝居を楽しめました。
どちらの立場にもなりたくないけれど、誰かと語り合いたくなりました」
「元妻と元愛人がかつて愛した一人の男性について、夜通し語り合う。
なんとなくどういう展開になるか想像できたけど、大人の女性ならではの語り合い、時にちょっとしたバトルにものすごく共感できました。
そして
出演者のお二人の表情がすごく良かったです。
特に久世さんは、私が宝塚で最初にファンになった男役さん。
彼女の笑顔が大好きだったんだなあと改めて思い出すほど、
穏やかな笑顔が素敵でした。
じわじわ感動が押し寄せてくる作品です」
「英国の大きな窓のある部屋での濃密な会話劇を堪能しました。
淡々と始まり、激しさが増していく女の闘いに釘づけに。
その原因の男の残念さに笑いながらも・・・。
蓬莱さんの演出は細部まで丁寧で見惚れる」
「
デイヴィッド・ヘアって…あの映画「ダメージ」の…なるほどな作品でした。
どちらもステキだけれどダメ男の話、そして女が強い」
「
女二人の迫力ある会話劇でした。
個人的にはストーリーはあんまり・・・っていうのが正直なところでしたが、役者さんの演技・衣装そしてセットが素敵。
特に午後~夜~朝へと移り変わりを表す
窓がいい感じでした」
【シアタートークレポート】
“元妻が元愛人のもとを訪れ、かつて愛した男について語り合う”なかなか共感というか実感をもってその世界にのめりこめるというわけではありませんが(笑)、二人芝居という演劇の醍醐味を存分に味わえる作品です。
作品に踏み込んだお話が繰り広げられたシアタートークの様子をレポートいたします。
シリーズ「二人芝居─対話する力─」第1弾を任された蓬莱竜太さんは「粘り強くコツコツと積み上げるタイプの演出家」(宮田慶子芸術監督)。
その蓬莱さんがこの戯曲を選んだ理由は “いくつかいただいた候補の中で一番・・・
わからなかったから” “でも
女性の中に渦巻く何かを感じた” “劇団「モダンスイマーズ」は男所帯なのでそこではできないタイプの作品だから” など、なるほどー!なお答え。
設定上、覚悟の上だったもののキャリアを積んだ女優さんお二人との稽古については “
全く違うアプローチをするお二人に最初はどうしよう(汗)でしたよ”、濃密な稽古に“そりゃ、疲れましたよー(笑)”、戯曲を読み解くうえで女性陣からマーティンの思考を問われることが多く、それには内心“(自分は)マーティンじゃないし・・・”。
と、笑いを交えながらのお話でした。
ちなみにそれぞれのアプローチ方法をざっくりとご説明いたしますと、
どうしてその言葉を発するか納得できないと口にできない若村さん
とりあえず言ってみる、言葉を入れて初めて動ける久世さん確かに対照的ですね。
とはいえ、同じ山をまったく違う場所からまったく違う方法で登り始めたお二人がたどり着いた頂上はとっても見ごたえあるものに仕上がっています。
蓬莱演出についてはお二人から “
適切な言葉でスパッと切りこんでくる” との言葉が!
また、このシリーズのテーマでもある “対話” についても大変興味深いお話がありました。
“対話” といっても、フランシスとマデリンの二人は関係を深めよう、築こうという目的ではない。(とあるシーンでは)それぞれの時間を過ごしつつ、いつのまにかマーティンという存在について語り合い、向き合うこととなる。
明確なストーリーの無い中での価値観の違う二人のやりとり、その辺りのパワーバランスも二人芝居ならではの楽しさかもしれませんね。
【稽古場レポート】
新国立劇場2014/2015
シリーズ「二人芝居─対話する力─」の第一弾を飾るのは実力派女優の競演
『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』。
芝居の基本であり究極でもある
“対話” 。
新国立劇場で今月から3か月連続して上演されるのは、その“対話”の面白さを存分に味わえる “二人芝居” 3作品。
そのトップバッターは2002年にロンドンで初演、ウェストエンドのストレートプレイ興行記録を塗り替えた話題作!
元妻と元愛人、
女性二人によるひとりの男をめぐる対話劇、これはいったいどんな展開になるのかワクワクの足取りで稽古場へお邪魔してまいりました。
舞台はイギリスのとある海岸沿いにあるテラスハウス。
そこに住む夫の元愛人を元妻が訪ねることで始まる物語です。
キャリアウーマンの元愛人・マデリンに若村麻由美さん。マデリンはとても冷静に物事をとらえる現実主義者。
若村さんの
知的でさっぱりとしたカッコよさがマデリンをとても魅力的にみせます。
若村麻由美さん
専業主婦から流行作家となった元妻フランシスに久世星佳さん。回想録執筆のためにマデリンのもとを訪れたとのことですが、
穏やかで温かい佇まいのその奥にある心情が見えそうで見えない序盤のフランシス。彼女の真の目的とは・・・久世さんの絶妙の間合いがツボな取材班でした。
久世星佳さん
ちなみに肝心の元夫マーティンはというと・・・、
若い彼女とシアトルで暮らし始めたというではないですか!
これいったいどういうこと?!
マーティンっていったい何者なの?!
ただそのことが生み出す二人の間のなんともいえない距離感が戯曲の魅力でもあります。
つまり「夫を返して!」「彼と別れて!」そういったお話ではないのです。
互いを認め合ったうえでの二人の会話は機知に富み、時折、皮肉や可笑しみも感じさせるという展開。でもそこで繰り広げられるのは確実に、互いに対峙し感情や言葉をやり取りする
“対話”です。
価値観の違う二人が奏でる絶妙なハーモニー。
対話というからには言葉のやりとりがメインですが、なんだか劇中の二人をみているとそれだけでなく、行動や相対的な立ち位置、視覚的にも互いが影響しあっているように感じます。
一幕ラストのあるやりとり。その瞬間の元妻・フランシス(久世さん)の表情に注目していましたが、その表情は予期しないものでした。
「そのココロは?」と思わず声を大にして尋ねそうでしたが、きっとその答えは第二幕にあるのでしょう。
嗚呼、大人の女の “そのココロ” はまだまだ計り知れません。
こうしてお稽古の様子を拝見しながら徐々に生まれてきたのは“対話”ってなんだろう、彼女たちは最終的に
何と対峙しているのだろうという思いです。
その果てにあるものへ想像がモクモクと膨らんでいくような時間でした。
ちなみにサブタイトルは
“女の肖像” 。
最後には新たな一歩を踏み出そうとする清々しく美しい大人の女性の姿が描かれるこの作品の演出は作家・演出家としてご活躍の
蓬莱竜太さん(劇団「モダンスイマーズ」作品や新国立劇場では『まほろば』など)。
男性の蓬莱さんが “女の肖像” をどう見せるのか、
蓬莱さんと二人の女優の対話の産物ともいえるであろう『ブレス・オブ・ライフ~女の肖像~』、ぜひご期待ください!!
この公演のおけぴ会員向けチケットはこちら↓からお求めいただけます。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人