取材陣に加え、400名以上のファンも集まったスペシャルイベント!
来年2015年に創立30週年を迎える
劇団Studio Life。
30週年記念公演ラインナップ・その他予定が一気に発表された、創立30周年製作発表イベント『
The Rise of The Curtain ~Studio Life 30th Anniversary Act1~』の模様をレポートいたします!
劇団新代表、副代表に就任した藤原啓児さん、石飛幸治さん、
さらに劇団中心メンバーから新人までズラリと勢揃いです!
マスコミ関係者のほか、劇団ファンクラブ会員が400名以上も集まったこの日のイベント。
胸に「PRESS」カードをぶら下げたファンの皆さま=新人記者、ということで、製作発表会スタートの前に行われたのが…
『ドキドキ! 初めての製作発表! 新人記者の “取材心得” 特別セミナー』!!
司会は【曽世海司さん】にそっくりな【スクープ・ソゼさん(写真左)】!
(写真右は【及川健さん】にそっくりなモデルさん、という設定でございます)
(写真左から:船戸慎士さん 山本芳樹さん 青木隆敏さん 若林健吾さん…にそっくりなモデルの皆さん)
「みなさんには誰にも負けない Studio Life への深い愛がある! 愛さえあれば何でも出来る!」
スクープ・ソゼさんのこんな言葉から始まったのは、劇団員そっくりなモデルさん協力の取材・実践練習。
その中から、おけぴスタッフが印象に残ったフレーズを幾つかご紹介。
【実践練習その1・コメントを聞く】「メモの準備がなくても大丈夫。心のメモ、愛のメモリーを活用!」
「他に気になる役者さんがいても、目の前でしゃべっている人のコメントに集中する!」【実践練習その2・写真を撮る】「役者というのは思ったとおりに動いてくれません」
「会場が暗くなったときは、暗くしたいとき(だからフラッシュ厳禁!)」【実践練習その3・質問をする】「カメラから手を離して、質問しよう(写真撮影に夢中になりすぎない!)」大いに盛り上がった特別セミナー。
参加した新人記者さんによるレポはファンクラブ会報に掲載予定とのこと♪
さて、ここからが本日のメインイベント。
『
The Rise of The Curtain ~Studio Life 30th Anniversary Act1~』のスタートです!
今年6月に亡くなった劇団創設者・代表の河内喜一朗さんの跡を引き継ぎ、
新代表に就任した藤原啓児さん。
30週年記念公演ラインナップの発表に先立ち、まずは劇団新代表の藤原啓児さんからの挨拶が。
藤原:
「平日のマチネという時間帯にもかかわらずお集まりいただいた400人の皆さま。皆さまの “ご自分の生活を投げ捨ててでも!” という情熱が、30週年を迎える劇団活動を支えてきてくださった第一の要因である、とここに明言いたします! 本当にありがとうございます!
我々 Studio Life は今年6月に前代表の河内喜一朗を喪い、最大の困難の中におります。その中で、関係各所からいただいた暖かい言葉が生涯の宝物になりました。前代表が生涯をかけて築いてきた人脈が希望の光となりました。
ある打ち合わせ中に倉田淳が誰に言うでもなく、ふとこんな言葉を漏らしました。
“演劇を続けるのは難しい…でも、大丈夫、演劇があれば大丈夫。私は行きていける…!”劇団の同志であり、最愛のパートナーでもあった河内を亡くし、また続いてお母様も亡くした直後の倉田のこの言葉、演劇に対する真摯な情熱。そして彼女のダメ出しに歯を食いしばって必死についていく劇団員の熱い思い。それを守っていくことが代表としての仕事ではないかと目覚めた瞬間でございました」
会場がジーンと感動に包まれる中、一段と大きな声で「元気と明るさを持って、精一杯努めたいと思います! 」と高らかに所信表明をした藤原さん。
その直後、さすがの役者魂でがらりと雰囲気一変。
メガネを外し、自らの口でドラムロールを奏でながら30週年記念公演ラインナップの発表です!
【Studio Life 30周年記念公演ラインナップ】
第1弾! 河内喜一朗追悼【『大いなる遺産~GREAT EXPECTATIONS~』】2014年12月18日-2015年1月12日 新宿シアターサンモール
第2弾!【音楽劇『夏の夜の夢』】2015年1月29日-2月15日 中野ウェストエンドスタジオ
第3弾!【若手育成公演『WHITE』】2015年5月
第4弾!【戦後70年記念『アドルフに告ぐ』】2015年7・8月 紀伊国屋ホール/梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
第5弾!【『PHANTOM 語られざりし物語』PartⅠ・PartⅡ連続上演】2015年11・12月 新宿シアターサンモール
「あのエリックが帰ってきます!」
『PHANTOM』連続上演が発表された際には、会場からひときわ大きな歓声が!
さらにさらに!
公演の合間には Studio Life らしいイベントも盛りだくさん!
「すでに告知済みの3月『スペシャルショーケース(仮)』は芝居要素を取り入れた歌ありダンスありのステージになります」
「9月には『The Rise of The Curtain ~Studio Life 30th Anniversary Act2』を開催」
「再来年2016年の1月には国内ツアーイベント開催予定」
と、ファンの皆さまには嬉しいイベント目白押し!
河内さんが上演を熱望したという『大いなる遺産』
19世紀イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの長編夢小説『大いなる遺産』。
ディケンズ生誕200周年を記念してロンドン・ウェストエンドで上演されたジョー・クリフォード版は、生前の河内さんが Studio Lifeでの上演を熱望していた作品とのこと。
両親をなくした貧しい少年ピップが、ひょんなことから出会った脱獄囚を助けたことから、もうひとつの人生を生きることになる物語。
主人公ピップの子供時代をダブルキャストで演じる関戸博一さん、松本慎也さん、そして大人になったピップを演じる笠原浩夫さんが、それぞれ抱負を述べました。
松本慎也さん
松本:
「入団して10年経ったこのタイミングで、同期の関戸と共にピップを演じられることを幸せに思います。セッキーと良い刺激を与え合い、助けあいながら、ピップの成長や変化を舞台の上で丁寧に構築していければ、と思っています。河内さんが遺して下さった『大いなる遺産』を劇団の新しい代表作のひとつにできるよう、出演者一丸となって真摯に取り組んでいきたいです」
関戸博一さん
関戸:
「この作品は、登場人物みんなが、色々な形で愛する存在を持っていて、そのことが彼らの人格、生き方を決めている。僕が演じるピップも成長していく上で色々な選択をして、愛を見つけて、変化していきます。みなさんも生きていく上できっと色々な選択をしていると思います。きっと共感できる部分があると思います。…ポスターのピップが僕ではないことについては何も言いますまい(笑)! 僕のピップには劇場に来ないと会えませんので、ぜひ劇場に足を運んでいただければ思います」
笠原浩夫さん
笠原:
「この作品はどこでもないどこか、いつでもないいつか…。
(「あ、それちがいますね。ちがう作品ですね!」と曽世さんからのツッコミが)
改めまして、大人になったアダルト・ピップを演じる笠原です。ピップの影の部分をお見せできればいいなと思っています。どうぞご期待くださいませ!」
続いて、演出を手がける倉田淳さんから、熱い思いのこもったコメントが。
倉田淳さん
倉田:
「これは大人になったピップが、自分がどこから来たのか、何者なのか、そしてこれからどこへ行くのか、ということを考えながら、子供の頃を回想していく物語です。
まだ稽古が始まったばかりですが、若い頃には分からなかったディケンズ作品の奥深さ、人生の示唆に富んだ言葉の数々が、心にしみじみと染みこんできています。クールな目線を持ちながらも、とても深い愛情、慈しみの心があるんですね。そういうことを若い時には見落としていました。ですから今またディケンズに出会えて良かったなと思いながら、もちろん若い方にも楽しんでいただける作品になるように稽古をしています。
思い通りの人生を生きている人なんて、なかなかいないですよね。皆それぞれの問題を抱えて、苦しみながら、それでも生きて行く。作中に出てくる “地に足をつける” “よく生きて、よく死ぬことだ” という言葉。まさにその言葉のように、思い通りに行かない人生でも、真摯に毎日を生きていれば、パンドラの箱をあけて最後に希望が残るような結末にたどり着くのではないか、そういう作品になるといいなと思っています。
ディケンズというと、堅いとか、長いとか、暗いとか(笑)、思われる方も多いと思いますけれど、そうではない新しいディケンズに出会える舞台、それを目指したいです」
続いて、なぜこの3人をピップ役にキャスティングしたのか、という質問が。
さらにその回答を聞いた、3人のピップの反応は…?
倉田:
「子供時代のピップを演じる2人は、入団10年。劇団は創立30周年。そろそろ背負って立ってもらおうかなって(笑)。役者って感性、感覚的なことはもちろん、読解力や構築力も大切なんです。分析力も。そのあたりのバランスが2人とも良くなってくる時期ではないかなと思いました。ピップというのは、どんどん変化をしていかなければならない役。それを彼らならできる、やって欲しいと思って選びました。
笠原については、もうこういう役が来たらニョロ(笠原さんの愛称)しかいないんです(笑)! ちょっといい加減で、ニョロニョロしていて、ボーっとしているように見えて(笑)、でも彼は人の痛みが分かる人間なんですね。大人になったピップは、傷とか、痛みとかを内包していなければ、物語の真髄に触れることは出来ないと思い、彼に演じてもらおうと思いました」
関戸:
「誤解を恐れずに言いますと、この10年間はできるだけ怒られないように、倉田さんの求めるものを追いかけて必死にやってきました。この次の10年間はもっと自分の頭で考えて、ひとりよがりではなく、喜びを持って演じてられるような境地に行かなくてはと感じています。そろそろ次のステージに行ってもらわないと困ります! という倉田さんからのメッセージをひしひしと感じています(笑)」
松本:
「“読解力と構築力”…忘れないようにあとで手帳に書いておきます。
“背負って立つ” と言っていただきましたが、藤原さんから耳にタコが出来るほど言われていますように “芝居はひとりではできない” もの。先輩方、後輩たちもたくさんいて、ピップ以外にも魅力的な人物がたくさん登場します。皆で芝居を作っていきたいと思っています」
笠原:
「“痛み”…あとでメモに書いておこうと思います(笑)。
“痛みが分かる” ということについては、本当に倉田さんに、そして過去の Studio Life の上演作品に鍛えていただきました。傷つく役、痛みを感じる役をたくさん演じてきましたので。それぞれの役が、また新しい役を演じるために(自分を)押し上げてくれていると思います。それぞれの役があってこその “痛み” です(笑)!」
続いて、劇団副代表に就任した石飛幸治さんから、
【『トーマの心臓』公演DVD発売決定!】のアナウンスが!!
「どのバージョンが入るかはまだ秘密」とのことですが、特典映像として『訪問者』収録。
さらに原作者である萩尾望都先生が、このDVD用に書きおろしイラスト鋭意作成中との情報も!
(30周年記念ロゴも『トーマの心臓』からのモチーフを使用とのこと♪)
倉田:
「経済的な効率を目指すだけではない、“かけがえのないもの” がこの世の中には絶対にあると思います。私たちもその “かけがえのないもの” のひとつになれるよう努力をしていきたい。
…こういう話をしている時に、いつも大きな顔でニヤニヤしている河内がいました。彼がいなくて淋しいなとも思います。けれど、彼が心血注いで、全てかけて遺してくれたこのStudio Lifeという劇団、そして本当にかけがえのないウェストエンドというスタジオがある。
今日は良い仕事が出来たなという日は、彼の遺影が満面の笑みで迎えてくれるんです。いまいちだった…という日は同じ写真なのに、いやーな顔になっていて(笑)。心の鏡なんだと思います。毎日、笑顔で迎えてもらえるように全てのメンバー、スタッフとみんなで頑張って行きたいと思います」
フォトセッションの後に、劇団員全員が一言ずつユニークな『ご挨拶』をして退場。
Studio Life ならではの、感動と笑いに包まれた製作発表イベントが終了しました。
河内喜一朗さんが残した“大いなる遺産”。
劇団Studio Life 30周年記念公演第1弾『GREAT EXPECTATIONS~大いなる遺産~』はいよいよ12月18日に開幕です!
お見逃しなく!
<おまけ>
【劇団員全員による個性あふれる“ご挨拶” 】
藤原:「劇団スタジオライフ一同、夢に向かって精進していきたいと思います。ご挨拶!」
八木澤元気:「邁進」
江口翔平:「新入生」
吉野雄作:「吠える」
田中俊裕:「健康」
藤波瞬平:「温故知新」
久保優二:「ノンストップ・全力」
千葉健玖:「ラブ&パフォーマンス」
沢井俊輝:「困知勉行」
若林健吾:「雑草魂」
鈴木翔音:「臥薪嘗胆」
宇佐見輝:「無病息災」
鈴木智久:「アイ・ハブ・ア・ドリーム」
松村泰一郎:「日進月歩」
緒方和也:「九州男児」
原田洋二郎:「虎視眈々」
仲原裕之:「いきる」
大沼亮吉:「奔放自在」
関戸博一:「ひろげる」
松本慎也:「挑む」
牧島進一;「真剣勝負」
奥田努:「家賃滞納」
青木隆敏:「一球入魂」
船戸慎士:「ピリオドの向こうへ」
前田倫良:「自由奔放」
曽世海司:「言霊」
大村浩司:「異彩を放つ」
深山博貴:「もう1回」
及川健:「七転び八起き」
楢原秀佳:「万里一空」
山本芳樹:「踏み出せ一歩」
倉本徹:「生涯現役!」
山﨑康一:「心意気」
笠原浩夫:「覚悟」
石飛幸治:「品性」
藤原啓児 「継続!!」
全員:「本日は誠にありがとうございました!」Studio Life の魅力を間近で感じるスペシャルイベント♪
参加者も大盛り上がりでした♪
おけぴ取材班:hase(取材・撮影) mamiko(文)