【配役、ストーリーに触れていますので、まっさらな気持ちでのご観劇をご希望のみなさまはお気を付けください!】【感想追記!】
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夢の中へ迷い込んだような感覚の作品でした。カラフルな色彩の舞台美術が印象的です。
観終わったあとはなんともいえないふわっとした感覚がありました。
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女性作家さんが男性だけの劇団に書き下ろした『夢邪想』、観劇後もじわじわ味わい深く、今なお堪能中です。
コミュニティを治める者に必要なもの、その権利を有した者の悲哀を感じました。
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幻想的な舞台美術や色鮮やかな衣装で幕が開き、不思議な世界に引き込まれていきます。
最後は観客の自分も夢を見ていたような気持ちにさせられます。
シェイクスピアをベースにしながらも、いろいろなテーマが盛り込まれていて、見応えのあるお芝居でした。
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幻想的で本当に夢の中にいるようです。儚くて悲しくて美しい舞台でした。
歌や踊りも素敵でした。普通の舞台にはない魅力があります。
年齢層が幅広くてどの世代の方でも楽しめます。
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極彩色の豪華絢爛。
美術、衣装が本当に美しくシェイクスピアより江戸川乱歩の夢な感じです。
頽廃的なちょっとした悪夢。寝汗かきそうな。でも癖になりそうな味わいです。
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初めての花組芝居。役者さんの艶のある声、佇まいが素晴らしかったです。
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夏夢のエッセンスを感じるものの、夏夢とは全く別物ですね。
この時代をこんな風に風刺出来るとは驚きです。
反戦も角度を変えれば、いかにもじゃなく観る事が出来ました。
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美しい八代さん、キュートだけど狂気を孕む植本さん、恋の切なさを両性で魅せる美斉津クン、
可憐な堀越クン。とにかく花組役者陣のチカラなくしては成り立たせ得ないであろう“不可思議なのにリアリティ”“和のテイスト”を堪能しました!
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シェイクスピアというよりは泉鏡花の妖しさを感じました。
森に棲む妖精…ではなく、妖かしと人間の重なり。
受け入れ難い掟で棲まう妖かしと、現実を生きる人間達、別物に見えて根本は同じ!?
実際に本当に残酷なのはどちらなのか…思考が深い森に迷い込んでいく感じはシェイクスピアのそれと重なるところが有るのかも知れません。
「本当は女性である男性を男性が演じる」花組が演るからこそ魅せられるものが有ると感じました。
美斉津恵友さん、惚れてしまいそうにかわいい。
これから注目です。
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「原作・夏の夜の夢」は一旦、記憶の彼方に追いやってみても良いと思います。
けれど、エッセンスは残っています。そして、知っていれば更にグッと来ちゃうと思います!
物語に押し切られながら、最後の最後でグワッと掴まれる感じ…。
悔しいような嬉しいような感覚を覚えました。
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毎度ながら、物販も楽しみです。初日は、コングさんと若木さん!
お得感にホクホクしちゃいました♪
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パンフレットなどの売り場にいらした男性の声がとても元気で明るくて、かつ楽しくて…。
久しぶりの花組芝居でしたが、会場に入った瞬間から楽しい気分にさせてもらいました。
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【稽古場レポート】
今年はウィリアムシェイクスピア生誕450年!
あうるすぽっとシェイクスピアフェスティバル2014のラストを飾る、
花組芝居『夢邪想(ゆめやそう) ~「夏の夜の夢」より~』の稽古場へお邪魔してまいりました。
『夢邪想』は秋之桜子さんによる書下ろし新作!演出はもちろん加納幸和さん!
(秋之さんは山像かおりの名で活動する文学座所属の女優さんでもあります)
シェイクスピアの『夏の夜の夢』をベースにはしていますが、舞台は日本、その風土のもつ色や文化を凝縮した夢の世界が繰り広げられます。
この日は稽古場最終通し稽古、衣裳やセットは仮ながらお芝居のほうは
熱く濃くときにおどろおどろしく・・・人間界ともうひとつの世界を怪しく行き来する時代絵巻に引き込まれまくりでした。
物語の始まりはどこか物悲しい
“祭囃子”。
歌と踊りで物語に誘う、このオープニング好きです!
歌と踊りで語られる物語の冒頭、この森・・・なにかが変。
写真中央に仁王立ちの神門(みかど)を唯一の男性とするハーレム状態なのです。
かつて男たちは殺しあい、
おの子(男)はひとり・・・そこに迷い込んだひとりの男(桂憲一さん)
医学生である男の登場でその村の
不文律がくずれていくのです。
森の女たちをご紹介いたします。
やがて森を治めていくことになる姉妹に
加納幸和さん、八代進一さん。その末の妹には
植本潤さん。それぞれに業を背負った女たちです。
姉神:加納幸和さん
妹神:八代進一さん
末妹神:植本潤さん
姉神、妹神の娘たち
“次の世代”は未来!
手前)美斉津恵友(みさいづけいすけ)さん、奥)堀越涼さん
美斉津さん演じる
なみえ は二つの世界の結界を越える使命を負うのですが、その展開は切なく
美しくそしてちょいグロテスク。。。そのもう一つの世界、こちらは昭和18年出陣学徒壮行会。
こちらもまた男が男を殺しあう、
若き命が日々消えてゆく世の中。
出征を間近に控えた学生たち
左より)秋葉陽司さん、大井靖彦(やすひろ)さん、小林大介さん
人間味あふれる学生たちのまっとうなやりとりは今の私たちにも響くメッセージ。
このシーン、笑い泣きです
小林さんは
安定のイイ男!そして隣には・・・なみえ?!
丸川敬之さん
ふたつの世界を繋ぐのは・・・吉原の下の下といわれる羅生門河岸のさらに端っこの蜘蛛屋河岸。
そこにいるのも
悲しき女たち、ドラマティックです。
花魁:谷山知宏さん
遊女たちとそこを仕切る男。
右より)原川浩明さん、松原綾央さん、山下禎啓さん、横道毅さん
あれ、末妹? 一緒にいるのはその“色(愛しい人)”北沢洋さん
そして二人も
随所に出てくる蝶の存在・・・
ここらかの展開が「ちょっと聞いて!ああなってこうなって!!で最後は?!」張り切って伝えたいところではございますが、なにせ新作。
そこは生で味わっていただくとしましょう。
女が治める森の世界、男が男を殺す戦争、閉鎖的なコミュニティー、長としての強さ、そして恋をすること・・・何が正しくて何が狂っているのか。シェイクスピアの『夏の夜の夢』とはちょっと違うかもしれない世界観ですが、その根底で描かれているのは“人間”そのもの。その普遍性とメッセージは450年経っても色あせないシェイクスピアのそれと通じるものです。
そしてその嘘か真かなんともあいまいな世界を男性だけの劇団“花組芝居”が舞台に立ち上げる、その
ジェンダーの倒錯もくせになりそうな作品です。
PUCKの魔法というよりは、花組芝居の妖術(?!)にかけられて観る一夜の夢想、ぜひ劇場でお楽しみください。
稽古着から一転、美しい衣裳とメイク、舞台美術、効果が加わった『夢邪想』、開幕はもう間もなくです!!
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影)監修:おけぴ管理人