2013/04/15 彩吹真央20周年記念コンサート「80seasons」 彩吹真央さんインタビュー


宝塚歌劇団の人気男役スターとして活躍、
退団後も海外大作からハートフルコメディまでミュージカル作品を中心に
魅力的な顔を見せ続けてくれる女優・彩吹真央さん。

芸能活動20周年目を記念した
アニバーサリーコンサート『80seasons』開催直前!
今まさに最後の追い込み稽古の真っ最中!の
彩吹さんにお話をうかがってまいりました。



――コンサートの第一幕は宝塚時代の曲を中心に、そして第二幕では卒業後に出演されたミュージカルの曲を中心に歌われるとのこと。
内容についてもう少し詳しく教えていただいてもよろしいですか?

彩吹)
第一幕では宝塚時代に出会った作品中の歌に加えて、
在団中に組ませていただいていたユニット『AQUA5』時代の曲も少しだけ歌います。
また宝塚時代の曲だけでなく、
卒業してから出演させていただいたミュージカルの中で
男性が歌っていたナンバーにもチャレンジしたいと思っています。

――出演中に「これだ!」と思う曲があったということでしょうか?

彩吹)
そうですね。
やはり16年間、男役をやってきましたので、
お稽古中にどうしても “男役目線” で共演者の演技を見てしまうことがよくありまして(笑)。
(宝塚を)卒業して3年経ち、今はそういうことはあまりないのですが、
最初の頃は、男性が演じている役に注目してしまうことが多かったですね。
その中から “男役時代に出会っていたら歌ってみたかった” という曲を選んでみました。

――宝塚卒業後、本当に幅広く様々なテイストの作品に出演されています。
その中でも最近はアンドリュー・ロイド・ウェバー、フランク・ワイルドホーンなど
海外の大御所ヒットメイカーによる作品への出演が続きますね。

彩吹)
ずばり、今お話に出た “あの作品” のビッグナンバーを
コンサートの第一幕で歌わせていただこうと思っています!
これはもう男女関係なく、みなさん歌ってみたい曲だと思うのですが、
なかなか女性が歌う曲ではないので、
この機会に男役時代の気持ちをよみがえらせてチャレンジしようと。
曲名は…バレバレだとは思いますけれど、一応まだ内緒です(笑)。

――“あの作品” の “あの曲” ですね!男役を経て、女優として活躍されている
彩吹さんならではのチョイスだと思います!

彩吹)
かなりバリバリの男性ソングですので、
男役をやっていた私だからこそ、歌ったらどんな感じになるのか、
自分自身も楽しみなチャレンジです。
お客様にも楽しんでいただけると嬉しいですね。



――コンサート全体の曲数はどれくらいあるのでしょうか?

彩吹)
全部で23曲かな?
東京、大阪、それぞれにゲストとのデュエットソングもあります。

――東京公演のゲストは井上芳雄さん、大阪公演は水夏希さん。
おふたりとも彩吹さんと縁の深い方ですね。

彩吹)
井上さんと初めてお会いしたのは、まだ私が宝塚にいた頃ですね。
花組の『エリザベート』にルドルフ役で出演していた時に、
東宝エリザベートキャストの皆さんが大劇場公演を観に来てくださったんです。
井上さんもルドルフを演じていらしたので、ルドルフ同士で(笑)。
もともと井上さんは宝塚歌劇がとてもお好きなんですね。
妹さん(初輝よしやさん)も当時花組生だったのでご縁がありましたし、
終演後に大階段の上で記念写真を撮った時も
「宝塚の舞台に上がれるなんて!」と、とても喜んでいらして(笑)。
ああ本当に宝塚がお好きなんだな、と嬉しく思いました。
そしてなんといっても、宝塚卒業後に『DRAMATICA/ROMANTICA』で
共演させていただいたことが一番印象的ですね。
私自身、女優として初めての仕事でしたし、
その共演のご縁があって、今の事務所に所属する事にもなりましたし。
この出会いで運命が変わった、
この作品に出演していなかったら「今の自分はない」と思っているくらいなんです。

――彩吹さんから見た井上さんはどんな人物ですか?

彩吹)
“真面目な方”、ですね。
もちろん技術や技量をしっかりと持っていらして、その上にサービス精神もある。
『DRAMATICA/ROMANTICA』でもカンパニーの中心となって作品を引っ張ってくださいました。
やはり主演をずっと続けてきたという経験があるからだと思うのですが、
それだけではなくて根本的に真面目で、
人に対してとても優しいジェントルマンです。

――今回のデュエット曲はおふたりで決められたのですか?

彩吹)
はい。
二転三転して今の曲に落ち着いたんですけれど、選ぶのが本当に大変でした!
『DRAMATICA/ROMANTICA』の時にもデュエットナンバーはあったのですが、
天使と人間とか、それこそルドルフ同士だったりとか…、
いわゆる恋人同士のラブデュエットというのは歌ったことがなかったんですね。
今回も最初は自分の中でも照れくささがあって(笑)、
恋人同士というよりも、
もっと大きな意味での愛を表現するようなナンバーがいいのではないか、と考えていたのですが、
最終的には、せっかくやるなら、(ラブデュエットに)挑戦してみよう!という気持ちになりました。
これからもラブデュエットを歌うような共演はないと思うので(笑)。
いえ、未来のことはわからないですけれど(笑)。

――おふたりのラブデュエット、とても楽しみです!! 
水夏希さんとのナンバーはどんな感じになりそうでしょうか?

彩吹)
水さんとは宝塚時代にずっと一緒にやってきたという想い、絆を
1曲に全て込めたいという気持ちで曲を選びました。
…といっても、これまであまり水さんとデュエットした経験がないんです。
男役同士のデュエットってそもそもあまりないですしね。
宝塚卒業後もふたりで歌う機会はなかったので、
この機会に私たち2人に合うようなデュエット曲を探してきました。

――実際のおふたりの関係に重なるような曲なのでしょうか?

彩吹)
ええ、そうですね。
2人の絆だったり、私たち2人からファンの皆様への気持ちだったり…。
宝塚時代の再現ではなく、
今現在の私たちを感じていただければ嬉しいですね。


――ゲストのお2人のほかに遠藤留美子さん、福田えりさんの出演も発表されています。

彩吹)
えりちゃん(福田さん)とは『Pal Joey - パル・ジョーイ』という作品で、
るみちゃん(遠藤さん)とは『COCO』で共演させていただきました。
その後、『モンティ・パイソンのスパマロット』で3人一緒に共演しています。
今回はコーラスそしてダンスでも、
舞台を華やかに彩ってくれる強力な戦力になってくれています。

――演奏編成などは?

彩吹)
東京公演会場のオーチャードホールはとても広いホールですが、
編成はあまり大きくせず、
私の歌と踊りをシンプルにお届けしたいなと思っています。
演奏はピアノを中心とした5人編成の予定です。

――本当にじっくりと彩吹さんの歌を楽しめそうですね。
男役時代の曲と、卒業されてからの曲を同時に歌われるのは大変なのでは?

彩吹)
男役の時とは音域がぜんぜん違いますから、やはり大変です(笑)。
男役の低い声を出した後に、カーンと高い音ってなかなか出せない。
曲と曲の間、そして一幕と二幕の間で
どれだけ声を整えていくかというチャレンジでもありますね。
実は、二幕では彩吹真央として初めて挑戦する “あること” も用意してありまして…。
これは私にとって本当に大きなチャレンジ、
二幕の目玉になると思います!

――宝塚時代にも、卒業されてからもやっていないこと、というわけですね?
想像が膨らみます…なにかヒントをいただけますか?

彩吹)
いやあ、これは…内緒です(笑)!
一般的にどうなのかはわかりませんが、
私にとっては本当にチャレンジだった…(笑)。
ぜひ楽しみにしていてください。

――わかりました(笑)。
本当にバラエティにとんだ選曲になりそうで楽しみです!

彩吹)
今回は特にその役のソロ曲を歌っている、
いわゆる “聴かせる” ナンバーを集めていますし、
1曲1曲が “濃ゆい” 曲ばかりで。
さっきまでにぎやかに楽しく歌っていたのに、次はしっとり…といった感じで、
通し稽古ではまるで多重人格者のようになっています(笑)。
ただ、ほとんどは以前に演じた役の曲なので、
前奏が聴こえてくると、ふっとその役を演じていた時の自分に戻れるんです。
“彩吹真央” の色々な面を見ていただけると思いますし、
“女優” という意味でもやりがいを感じますね。
“ひとりの人間がこんなにいろいろな役を演じてきたんだ、彩吹真央って面白いな” と
思っていただければ嬉しいですね。

――コンサートタイトル『80seasons』にもそんな思いが込められているのですね?

彩吹)
初舞台から20周年目を迎えて、80の季節を過ごしてきたという思い、
そしてこれからもたくさんの季節、舞台を経験して行きたいという
未来形な気持ちを込めました。
あとは私、宝塚歌劇の80期生なので、
そこにも少しだけかけてあります(笑)。


――“80の季節” の名にふさわしく本当にいろいろな役柄を演じていらっしゃいます。
宝塚を卒業されるときに既にミュージカル女優でいこうという思いがおありだったのでしょうか?

彩吹)
卒業を決めた時点では、その先の将来のことはなにも想像していなかったですね。
その時は本当に「卒業を決めた」ということしか考えられなかったので…。
卒業して第一歩を踏み出したときは、
この先、舞台に立ち続けるのかどうかもわからなかったですし、
これから自分はどうなっていくんだろう…という気持ちでした。
それからお仕事を続けていくうちに、
たくさんのご縁をいただき、
今は確信を持って、これからも女優として舞台に立って行きたい、と思っています。
まだまだやっていないような役柄もたくさんありますしね。

――今まで以上に多彩な役柄に挑んでいく?

彩吹)
これまでにやったことのないような役は、なんでもやりたいですね。
例えば、このコンサートの後に出演させていただく『タンブリング』という舞台では
校長先生の役をさせていただくんです。
最初は「私が校長先生!?」と思いましたけれど(笑)、
私で良ければぜひ!と今は出演を楽しみにしています。

――女優・彩吹真央の活躍は止まりませんね。

彩吹)
宝塚を卒業して、女優のお仕事を始めて、
とにかく丸3年は、何が何でもがむしゃらにがんばろうと決めていたんです。
3年たって、やっと “彩吹真央というのはこんな女優なんだ” と認めてもらえるかな、と。
いまちょうど丸3年目になるのですが、
これからは “自分がやっていて楽しい” だけではなく、
私が舞台に立って表現することによって、
観てくださる方に何かを…勇気だとか思い出だとか…何かを感じ取っていただけるような、
そんな女優としてやって行きたいと思うようになりました。
もちろん宝塚時代からそういう気持ちで舞台に立っていたのですが、
女優になって3年目で、そう言える自信がついてきたんです。
これからも変わらずにその気持でやって行きたいなと思っています。


――今回のコンサートでは女優としての3年間を経て、再び男役時代の歌にも挑戦されます。
女優だから、女性だからというくくりではなく、表現者・彩吹真央、という印象です。

彩吹)
本当にその通りです!
“彩吹真央” というのは芸名でして、本名の “私” も実はいるのですが、
あまりそこに自分自身ギャップを感じていないんです。
もちろんお仕事の時には“彩吹真央”として、
皆さんに喜んでいただけるように努力をしていて、
素の、部屋着の私のままで出られるわけではないんですけれど(笑)、
自分自身の根本として、本当に舞台が好きで歌が好きでやっていて、
本名の私と “彩吹真央” としての私との間にあまり差はないんです。

――コンサートでは、お芝居のように役を演じるわけでもないですしね。

彩吹)
本当に素のまま…もちろんそのままお見せできない部分もありますので(笑)、
ある程度きちんと “彩吹真央” にはなりますけれど(笑)、
宝塚時代から、ニュートラルな自分というものを大切にして、
その上で役を演じてきましたので、そこは女優になっても変わらないですね。
しっかりとした舞台人、そしてひとりの人間として舞台に立ちたい、
そして飾らない自分のままで歌わせていただきたいなと思っています。
“へなちょこな自分” では舞台に立てないので…(笑)、
自分の根本を試される機会でもあるかもしれませんね。

――彩吹さんの核の部分が感じられるステージになりそうですね!
最後にコンサートを楽しみにしている皆様へのメッセージをいただけますか?

彩吹)
私にとって大きなチャレンジがたくさんあるコンサートです。
宝塚時代から応援してきてくださった方には、
懐かしく思っていただける曲もたくさん用意してあります。
当時の私と違っているところもありますし、
根本的に変わっていない部分もありますので、
どちらも楽しみながらお聞きいただけると嬉しいです。
また宝塚時代をご存じない方にも、
宝塚での16年があったからこそ、今の私があると思っていますので、
私の“誇れる過去”をぜひ感じていただきたいです!
男役の歌も、それ以外の歌も、きっとここでしか聴けないものになると思いますので、
ぜひ楽しみにしていてください!

ニコニコとした笑顔、そして時折飛び出す関西イントネーションが
とても魅力的だった彩吹さん。
女優としてこれからの思いを語られた時のキリッとした表情も印象的!
取材班一同、あっというまにその魅力の虜となってしまいました♪

彩吹真央さん20周年記念コンサートは、
東京、大阪それぞれで1回ずつの開催です!

作品ごとに様々な顔を見せてくれる女優・彩吹真央さんのあらたなる挑戦、
ぜひ会場で、その“癒しの歌声”をたっぷりと楽しんでいらしてください!

【公演情報】
彩吹真央20周年記念コンサート『80 seasons』
演出/振付:港ゆりか
音楽監督:宮崎誠
出演:彩吹真央 /遠藤瑠美子 福田えり
ゲスト出演:井上芳雄(東京)/ 水夏希(大阪)
東京公演 4月20日(日)Bunkamuraオーチャードホール
大阪公演 4月28日(日)サンケイホールブリーゼ

彩吹真央さんオフィシャルサイト

春らしいファッションも素敵でした♪




おけぴ取材班:mamiko(インタビュー/文) hase(撮影) 監修:おけぴ管理人

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