2013/04/29 劇団EXILE『SADAKOー誕生悲話ー』稽古場レポート

鈴木光司さん原作の、あの『リング』シリーズのホラーヒロイン・SADAKOが
ついに舞台版に登場!

劇団EXILEによる
全く新しいSADAKOの物語『SADAKO―誕生悲話―』。
脚本として参加した樫田正剛さんも見守る中で行われた
劇場入り直前の通し稽古を拝見してきました!


『SADAKO ―誕生悲話―』というタイトルが示すとおり、
今回の舞台版で描かれるのは
SADAKO=山村貞子というひとりの女性の悲しみ、そして愛の物語。


サダコの真実、その悲しい過去を語る
キーパーソン・遠山を演じるのは劇団EXILEの町田啓太さん。



怯えと苛立ちを体いっぱいに表現する町田さん。
この遠山というキャラクター、
みる側のイメージを二転三転と裏切っていく難役です!
町田さんの熱演、ご期待ください!



「破壊活動防止法って知っているよなあ?」
危険物所持の疑いで警察に拘留された遠山。
かれを執拗に恫喝する刑事を演じるのは、天野浩成さん。



ねちっこく尋問していく感じがいいっ!
そしてめちゃくちゃかっこいい!


彼に追いこまれ観念した遠山の口から、
かつて彼とサダコが在籍していた劇団での出来事が語られていきます…。

学生運動がさかんだった1960年代、とある劇団に研修生として入ってきたサダコ。
辛い子供時代を送った彼女の悲しい過去を、追求していく劇団員たち。


写真左から長谷部優さん、野替愁平さん、小澤雄太さん、八木将康さん

一癖も二癖もありそうな劇団員たちを演じるのは、
劇団EXILEの小澤雄太さん、野替愁平さん、八木将康さん、そして長谷部優さん。



エチュード芝居の連続ともいえる彼らの稽古方法。
次第にヒートアップしていく劇団員達。
生々しい感情があらわになります!


劇団のカリスマ主宰者を演じるのは瀬下尚人さん。
心理療法士の父を持ち、
“サイコドラマ”と呼ばれるちょっと変わった稽古方法を行なっている
ワンマン演出家役です。


限界に達して、正直な感情を吐露する劇団員。
弱さの中にも屈服しない目の光が印象的な八木将康さん。
時に厳しく時に艶かしく劇団員たちを扇動していく、
劇団の中心女優役・長谷部優さんは、
サダコをいびる先輩女優を“いやーな感じ”で力演!
女帝のように劇団に君臨します。


「自己批判」「総括」「ノンポリ」…、きな臭い言葉が飛び交う中、
彼らが芝居をうつ真の目的は一体何なのか?
主役に抜擢された舞台の初日、突然姿を消したサダコの行方は…?

そして遠山の口から衝撃の事実が・・・!!!


刑事の取り調べを受けるシーンと、過去の回想シーンが絡みあい、
少しずつ浮かび上がる真実…。

登場人物たちのせりふの応酬でじっくりと語られていくサダコの悲しい物語。
映画のサダコのイメージが強烈で、
ショッキングなホラー作品という先入観をお持ちの方も多いかもしれませんが、
今回の舞台版は、いたずらに恐怖心を煽るような作品ではなく、
追い詰められた人間の心情、集団心理の怖さ、狂信、そして人間の悲しみ、希望…を真正面から描こうとした人間ドラマとなっています。

ひとつひとつの台詞、シーンの裏に隠された意味とは…?
観劇後の帰り道にはきっといろいろと語りたくなるような、そんな作品です。

EXILEのTETSUYAさんがボイスパフォーマーとして声の出演をすることでも話題のこの舞台。
サダコとはいったいどんな“女の子”だったのか?
彼女の真実をぜひ劇場で確かめていらしてください!!



<公演情報>
劇団EXILE『SADAKO-誕生悲話』
東京公演  2013年5月3日(金・祝)~12日(日) 新国立劇場小劇場
大阪公演  2013年5月15日(水) 森ノ宮ピロティホール
名古屋公演 2013年5月23日(木) アートピアホール
静岡公演  2013年5月25日・26日(日) 浜松市勤労会館Uホール

【ストーリー】
学生運動が活発だった60年代。
突然行方をくらませた劇団飛翔の新人女優・山村貞子に何があったのか……
日米安保条約反対に始まり、やがて世界的なベトナム反戦運動の波を受けて活発化した1960年代の学生運動。警察権力と運動家たちとの衝突が各所で大きな暴動騒ぎに発展する中、警察は運動家たちへ目を光らせていた。
とある警察署の取調室。水澤刑事は遠山と名乗る、舞台の音響オペレーターの男と対峙していた。危険物所持を理由に警察に拘留された遠山だったが、初対面のはずの刑事が驚くほど自分の周辺情報を熟知していることから、これが別件逮捕であるのは明らかだった。
ついに水澤刑事が核心に触れる。
「山村貞子という劇団員は、本当はお前たちが”総括”したのだろう?」
これまでの捜査から水澤は、遠山が以前所属していた劇団”飛翔”がセクト(社会活動家の分派組織)の一つと考えており、遠山が劇団を辞める少し前に公演直前で突然失踪した新人女優・山村貞子の出来事を、セクトによる総括(リンチ)殺人だと疑っているのだった。
今の劇団のことはよく知らないと言いながらも、遠山はぽつぽつと劇団の様子や稽古の目的などを語り始める。劇団主宰で演出家の重森、看板女優の栗原真理子、北嶋や有坂、浜岡といった仲間たち。
そして劇団の特殊な稽古。
世間からペテン師の汚名を着せられ、自殺した母のことで周囲から苛め抜かれた経験のある貞子。そして遠山は、幼い頃に父を亡くし、唯一の肉親であった母を他の男に奪われ、家族が崩壊した過去を持っていた。その他の劇団員たちも何かしらの心の傷を持ち、劇団で行われていた特殊な稽古は、そうした劇団員たちの心の傷を癒す目的もあった。
貞子と遠山との知られざる秘密と究極の愛
劇団では演出家の重森のほか、どこか儚げな貞子に心奪われる団員たちが少なからずいたが、一方で栗原真理子を筆頭に彼女を毛嫌いする向きもあった。遠山は何があっても貞子を守ろうと心に決めていた。二人は深く愛し合っており、切っても切れない特別な関係だったからだ。貞子が失踪した日の出来事も、遠山ははっきりと覚えている。彼女はあの日殺されてなどいない。いや、むしろ……。
次々と明らかになる貞子出生の秘密、貞子と遠山の関係。人を寄せ付けなかった貞子が、遠山に心を開いたのはなぜだったのか。
「呪い」と呼ぶか「生きようとする意志」と呼ぶかは観た者に委ねられる。
特殊な力に翻弄された一人の女性の、悲しくもせつない物語が遂に舞台に明かされる!!

【出演】
町田啓太 (劇団EXILE) 小澤雄太 (劇団EXILE) 野替愁平 (劇団EXILE) 八木将康 (劇団EXILE)・
長谷部 優 /天野浩成 /瀬下尚人
TETSUYA (EXILE)※声のみの出演

【スタッフ】
原案・オリジナルストーリー:鈴木光司
脚本:樫田正剛
演出:星田良子

公式サイト



おけぴ取材班:おけぴ管理人、mamiko  撮影:おけぴ管理人

おすすめ PICK UP

「M's MUSICAL MUSEUM Vol.6」藤岡正明さんインタビュー

こまつ座『夢の泪』秋山菜津子さんインタビュー

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』ニキヤ役:廣川みくりさん、ガムザッティ役:直塚美穂さん対談

【井上ひさし生誕90年 第1弾】こまつ座 第149回公演『夢の泪』観劇レポート~2024年に響く!~

【公演NEWS】『デカローグ 1~4』開幕!各話の舞台写真&ノゾエ征爾・高橋惠子、千葉哲也・小島聖、前田亜季・益岡徹、近藤芳正・夏子からのコメントが届きました。

“明太コーチ”が“メンタルコーチ”に!?『新生!熱血ブラバン少女。』囲み取材&公開ゲネプロレポート

JBB 中川晃教さんインタビュー~『JBB Concert Tour 2024』、ライブCD、JBB 1st デジタルSGを語る~

【2024年の旅が始まる】ミュージカル『VIOLET』GPレポート~行こう、マイ ウェイ~

ミュージカル『VIOLET』演出:藤田俊太郎さんインタビュー

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』速水渉悟さんインタビュー

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』中川晃教さん×相葉裕樹さん×木内健人さん鼎談

【おけぴ観劇会】『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』おけぴ観劇会開催決定!

【おけぴ観劇会】ミュージカル『ナビレラ』おけぴ観劇会6/1(土)昼シアタークリエにて開催決定

【おけぴ観劇会】ミュージカル「この世界の片隅に」おけぴ観劇会 5/19(日)昼開催決定@日生劇場

おけぴスタッフTwitter

おけぴネット チケット掲示板

おけぴネット 託しますサービス

ページトップへ