羽原大介さん | おけぴ管理人インタビュー#7 | チケット救済 | 公演紹介 | 観劇ノススメ | 検索 | 使い方(FAQ) | サイトマップ | トップ |




管理人インタビュー第7弾は、羽原大介(はばらだいすけ)さん。 「フラガール」、「パッチギ!」といった人気映画の他、 日生劇場公演「何日君再来(いつのひかきみかえる)」、 新国立劇場「歌の翼にキミを乗せ」の脚本を手掛ける今話題の脚本家さんです。 新宿芸能社という劇団を主宰されており、7月の舞台版フラガールの脚本など とってもお忙しいスケジュールの合間に、桜咲き誇る新宿某所にてお話をお伺いしてきました。



脚本を書こうと思われたきっかけを教えて下さい

きっかけは、特にないっていったら嘘になるけど、 つかこうへいさんにあこがれたことだけですかね。 特にシナリオの学校を出たわけでもないですし。 制作会社にいて、予算がなくて外注できないので、なにか書けないかと言われて・・・。 見よう見真似で書いてみて。そのまま撮影に入り。。 再現ドラマになってテレビで流れるに。。という感じです。

昔から書いたりされていたのですか?

日大の芸術学部卒なんですけど、その頃はつかこうへいさんは活動休止中で、 そんな中、つかさんの作品を他の劇団が上演するのを見てて、 で、自分たちもやってみたりしていたんです。 その頃は、脚本とかは書いてましたけど、 プロになれるとかはまったく意識してなかったですね。

再現ドラマの後は?

制作会社にいた頃は、時代的にバブルがはじけた後で、 どうやって一生食っていくのかなと模索してたました。 当時右肩上がりの急成長産業にVシネマというジャンルがありまして。 Vシネマの仕事が来たんですね。 相当な予算をかけてものすごい本数作ってたんです。 Vシネマ1本で80万円もらえたんですよ。 当時の私の年収が多分250万とかでしたから、 これ、3本書けば暮らしていけるんじゃないかと(笑)。

ではそこからVシネマの脚本を書かれるように?

Vシネマは、3,4本やりました。 で、1本書けばコネもツテもできるんですね。 これはもう会社にいると損だと。 給料でやるより、Vシネマライターで俺は食っていけるぞと。

そう思って会社を辞めたら、辞めた途端にVシネマ業界が斜陽になり、 1本80万円と言ってたのがどんどん下がり・・・ 5万円でお願いできませんかみたいなところまで。。。 撮影も2日撮りで。どんなんだよみたいな(笑)

それでどうなっちゃったんですか?

それで、あっという間に食えなくなり、 深夜ドラマなんかをお願いして、 食えてるんだか食えてないんだかのようなどん底生活になって。。。

そうこうしているうちに、知り合いのプロデューサーが たまたまゴールデンタイムに人事異動になったんです。 で、仕事がきまして、なので私の才能じゃなくてですね(笑)。 そこで、土曜九時のジャニーズ枠とか、安達祐実ちゃんや KinKi Kidsの光一君の連続ドラマを2年間で3本くらい書きました。

で、これはすごいと。あっという間に年収一千万を超え。 これで俺は食っていけるぞと。俺は運がいい。年に一本やればいい。 あぁよかったよかったと思っていたら、その人がまた人事異動で飛ばされた(笑)

するとまた仕事が来なくなって。。


ほどなくして映画のシナリオを書かれてますよね?

お昼のジャニーズの番組書いたりしてたときに ひょんなことから、共通の知人の助監督に紹介されて 井筒和幸監督と出会って初めて組んだのが「ゲロッパ」です。

このチームに出会えたことが大きかったです。 そこから2年連続アカデミー賞をいただいて(「パッチギ!」「フラガール」)、 いろんな方がいろんな企画を持って来て 一緒にやってくれないかと言われるようになりました。

その頃まで、実は仕事は一回も断ったことなかったんです。 来た仕事全部受けてました。 ジャンル問わず。アニメでも(※注釈。アニメ「プリキュア」等の脚本も書かれてます)。 とても幅広く書いてましたね。

そのうち、あまりにも依頼が多くなってきたので、 早いもの順で受けるようになってきた(笑)。 選ぶんじゃなくて早いもの順で。 今、企画段階のものも含めると、常時5本くらい抱えてます。


脚本はどういう場所で書かれてるんですか?

書くのはデニーズでもどこでも大丈夫なんです。

いい案が出てこないときは?

だいたい出てこないですね(笑)。 そんな簡単には出てこないですね。 どうしようもないけど、やるしかない。

今夏、「フラガール」が舞台になりますね

脚本は大分違いますね。 映画じゃないと見せられないシーンってたくさんあったと思うんですね。 簡単にいうとカットバックなんてありえないじゃないですか。 かたや穴ほってて、かたやダンスっていうシーンはね。 あと、大きく後半展開が変わってます。 舞台的にすごく面白いと思います。 脚本はもう、ほぼ出来てます!

主宰されている劇団「新宿芸能社」について教えて下さい

2001年頃ですかね。 立ち上げたきっかけは、ライター稼業でなんとか食っていけるなと思ってからですね。 劇団を作りたいというのは、つかこうへい門下なので、ベースはつかこうへいなんです。

劇団をやってる最大の理由は、自分が企画者になれること。 職業として脚本家をしていても、なかなか企画者になれないんです。 持ち込み企画がすんなり通ることはまずない。 ほとんどのライターのスタッフは、プロデューサが発信する企画を受けて 「乗れますか?乗れませんか?」という仕事の成り立ちが多い。

自分で取材しているものに限っていえば、もともとの企画を 最後まで貫けるのが最大の魅力ですね。 脚本・演出・作、なによりも、企画。 企画は、今チームで、劇団で考えるようにしてるんですけどね。

新宿芸能社という名前は?

なんでもよかったんですけどね(笑)。 あまり、こうお堅い名前じゃない方がいいなと。



(銀座通りのデカプリオの稽古風景)

劇団のテーマは「人間バンザイ」?

これもつかこうへいシステムをなぞってるんですけど、 舞台装置を使わないです。俗にいう大道具というものを使わないんです。 素舞台と読んでるんですけど、人間だけでどこまでやれるかということに こだわってやってます。


取材をよくされるとお聞きしました

映画にしても舞台にしても、大きな嘘をついて お客さんをだますものじゃないですか。というものだと私は思ってます。 一つな大きな嘘の物語を作って、あるメッセージを受け取ってもらう。 笑ってもらうなり、泣いてもらうなり、感動してもらうなり、 元気になってもらうなり。。そういうものだと思ってます。

大きな嘘をつくためには、緻密な「本当」がギッシリ詰まってないといけません。 感情移入してみてくれないと思います。 なので、できるだけ取材をして生の声を聞く。
例えば、心臓病の役が一人いたら、実際の心臓病の人の本を読んだり あって話しを聞いたりしないと、嘘の心臓病をやってしまうことになる。

今回の「銀座通りのデカプリオ」はどういう作品でしょうか?

これは縁の下の力持ちが元気になれる芝居です。 お祭りって、お御輿かつぐとか、夜店で何か買うとか、 参加するものだって思われているけど、 実は準備委員会の人々がいるわけですよね。 その人たちの苦労話みたいな。

泣けるとか笑えるとかでいうと、 最近ある人に言われてその通りだなと思ったのが 「21世紀型寅さん」。 笑って泣ける人情喜劇ですね。


そのなかでここは見所という場所を教えてください

最後15分くらいは延々とショータイムなんです。 劇中のお祭り本番シーンが15分くらいあるんですけど、 そこに向う話なので、なんの取り柄もない奴らが、 これっぽっちの智恵と努力でここまで頑張りましたということが。。 そのお祭りの本番15分の間に、今まで起きていた全ての事件が解決していくわけです。


舞台作りにおいて意識されてることがあれば教えてください

舞台ってのはステージ上の役者とお客さんとが 一体となって作るものだと思うので、 うけなかったところはうけるよう修正したり、 公演中も毎日変えるようにしてます。 初日と最後は随分変わってると思います。 上演中はなるべく見るようにしてます。手抜く奴もいるんで(笑)

これはよく言うことなんですけど、脚本家は、設計士の仕事と似てると思うんです。 作るのがアパートだろうが豪邸だろうが、同じ”設計士”じゃないですか。 ほとんどの場合は、クライアントから仕事をもらって、家を建てるわけです。 ここが脚本家の仕事とすごく似てる。 こんなドラマをやりたいからというのがすごく似てるんです。

そして設計士の場合、大概は、そこに住む人の意向が最も重要になりますよね。 どんなに綺麗な家でも、どんなに金かけても、住む人に合わなければ・・・ それと同じで、どんなにお金かけても、お客さんが楽しめないものはだめだと思ってます。 自分が設計士だとしたら、住む人はお客さんなので。


最近面白いと思われてることがあれば教えてください

桜が咲いてるって言われてて、嘘だと思ってたんですよ。 ある一定のとこでしか暮らしてなくて、 事件とかもヤフーの10文字くらいでしか知らない。 打ち合わせしてやけ酒呑んで、帰って直して、また別の打ち合わせ。 なので世間のニュースに疎いんです。 桜の時期はまだまだだろう。8割は嘘だろう。3割だろうと。 そう思ってたら満開に咲いてました・・・

今後の活動の夢

新宿芸能社で企画した芝居が、映画化されるといいなと思いますね。 やっぱり企画から立ち上げるのが楽しいじゃないか。 映画になるような芝居、作りたいですね。

羽原さん主宰の新宿芸能社の次回公演「銀座通りのデカプリオ」
(4/22-5/2@シアターブラッツ) チケットのお申込みはこちらから

お稽古場の様子をすこーし動画でご紹介♪


新宿芸能社 第11回公演
2008/4/22(火)〜5/2(金)
at シアターブラッツ

「銀座通りのデカプリオ」
 あのおバカな祭男、祭女が帰ってくる!!

前売 2800円
当日 3000円(消費税込)

及川いぞう
倉貫匡弘
本名陽子リマックス
松林慎司
浦島三太郎(←浜島直人改め)
鄭光誠
ゆかわたかし
アフロ後藤
杉本凌士男魂
高橋稔

藤田美歌子
中川絵美
ちかみれい
康実紗
神谷奈々江
ムッチー水原






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