新国立劇場『ヘンリー四世』二部作 稽古場レポート



アグレッシブ、ライブ感、ロック!!
そんな言葉が躍る取材ノート…それが新国立劇場の『ヘンリー四世』なのです。




ハル王子(浦井健治さん)




 間もなく開幕する新国立劇場のシェイクスピアの歴史劇シリーズ『ヘンリー四世』の稽古場に潜入。シリーズ3作目にして、演劇界に、また新たな衝撃を与える予感がしました。

第一部 -混沌-
 舞台はロンドン。王ヘンリー四世は、前王リチャード二世から王位を簒奪した罪悪感に苛まれていた。一方、長男ハル王子は大酒飲みの、無頼の騎士フォールスタッフと放蕩三昧。そのころノーサンバランド伯の息子パーシーが謀反を起こす。シュルーズベリーに出陣したハル王子とパーシーの一騎打ち。勝敗の行方は・・・・・・。



 この日、取材したのは第一部の後半、いよいよ反乱軍を率いるパーシー(ホットスパー)が挙兵し、第一部のクライマックスともいえるハル王子とホットスパーの一騎打ち“シュルーズベリーの戦い”へと進むシーンです。


【居酒屋で過ごす時間】


 こちらはイーストチープの居酒屋ボアーズヘッド、フォールスタッフ行きつけのお店です。女将のクイックリー夫人(那須佐代子さん)とトラブル発生中のフォールスタッフ(佐藤B作さん)。あーだこーだと、みなさん口が悪い(笑)。そんなやり取りを見ていると、そこが「世間・社会」であることがわかります。



写真左)ボアーズヘッドの女将クイックリー夫人(那須佐代子さん)

 そこへハル王子(浦井健治さん)もやって来て…。
 ハル王子、大物の片鱗が見え隠れします。フォールスタッフとの丁々発止のやりとりは機知に富み、ここぞというときはとても豪快、そんなハル王子を浦井さんがいきいきと演じます。
 居酒屋で彼らと過ごす時間が王子に何をもたらしたのか…。先日の浦井さんインタビューの言葉も頭をよぎりました。




意気揚々と登場!



【向こう見ずな男:ホットスパー】


 こちらは、反乱軍となるスコットランドのノーサンバランド陣営!(鮮やかな場面転換もお楽しみに!)
 ヘンリー四世が前王から王位を奪ったときの功労者であるにもかかわらず、王から冷遇され不満を募らせているノーサンバランド伯ヘンリー・パーシー、その息子の同じくヘンリー・パーシー(通称ホットスパー/岡本健一さん)の不満は爆発寸前!ちなみに、ホットスパーは直訳すると熱い拍車、向こう見ずな人という意味。

 その名の通り、岡本さん演じるホットスパーの熱量はスゴイです!ホットスパー率いる反乱軍が、いよいよ挙兵というときに兵士たちを鼓舞するシーンは、まるでロックコンサートのよう。岡本さんの一挙手一投足、そして言葉が観ている者を扇動していくのです。思わず、「おー!」とこぶしを振り上げたくなるほどのライブ感溢れるシーンです。

 また、逆境を逆境と思わず、むしろ逆手にとって自らを鼓舞するあたりは、どこか『リチャード三世』のときのキャラクターが頭をかすめるような気もします。

 ホットスパー参謀たちも、うわぁ…ということをする下総さん、冷静な今井さん、暴れん坊の鍛治さんと濃いキャラクター揃いです。



写真左より)ホットスパーの伯父トマス・パーシー(下総源太朗さん)、ダグラス伯(鍛治直人さん)


騎士リチャード・ヴァーノン(今井朋彦さん)


【ヘンリー四世】


 放蕩息子ハルを心配し、前王から王位を奪ったことへの罪の意識、ホットスパーの謀反を止めようも止められぬ…憂いの王・ヘンリー四世(中嶋しゅうさん)。アグレッシブな展開の中、ひとり静寂の中にいるような王。最後まで和睦の道を探るヘンリー王なのです。



ヘンリー四世(中嶋しゅうさん)
王として


父として


【やっぱり魅力的なフォールスタッフ】


 フォールスタッフの人物像はこちらの公演HPに任せるとして…、



人を惹きつけるとはまさにこのこと!
HPの名言集にもある、
「名誉ってなんだ? ことばだ。その名誉ってことばになにがある? その名誉ってやつに?  空気だ」も、B作さんの肉体を通して、その



 では、そんなキャラクターが佐藤B作さんによって、どのように立ち上がっているかというと。愛嬌と狡猾さが絶妙バランス、ちゃらんぽらんでしたたかで、そうかと思うと真理を語る。もう、気になってしかたがない。いやぁ、やっぱりこの人すごく魅力的だわ!と見ているだけで楽しくなってしまうB作フォールスタッフです!
 気になるのは、本番ではどのような太っちょキャラで登場するか、その風貌です♪


【征伐軍VS反乱軍、そして、ハル王子とホットスパーの決闘】


 ついに来ました、この日のクライマックス“シュルーズベリーの戦い”。ホットスパーについては先述の通りですが、いよいよ戦いの火ぶたが切って落とされる際のハル王子の、自らがホットスパーと一騎打ちを!と決意表明をするシーンもカッコイイ。
 ホットスパーに心酔し観劇時には赤い服を着ていこうかしら?なんて思っていた心をゆさぶるハル王子の力強さです。

 なんだか、そんな風に客席も含めて劇場全体が劇世界に巻き込まれそうな、精神的参加型な上演になる予感です。



王も戦います!


そこに颯爽と登場するハル王子!



フォールスタッフも、彼らしい戦いっぷりです



そしてついにホットスパーとの直接対決!


 こうして“シュルーズベリーの戦い”の結果はみなさまご存知の通り。第一部はそこで幕となるのですが、これぞまさしくTo Be Continuedなラストに、思わず、「この勢いのまま第二部もいっちゃいましょう!!」と言いそうになった取材班なのでした。
 それほどまでに高揚感のある第一部です。

 そして、気になっている方も多いかと思いますが、ハル王子のヘッドフォン。稽古開始前は、浦井さん、音楽を聞いて集中力を高めていらっしゃるのかなと思っていたのですが、ハル王子の小道具でした。今言えることは、この秘密は…見れば納得!です。




 こうして通し稽古を見ていると、本当に贅沢な布陣で上演されることを実感いたします。さらにはこの日はご出演シーンを見られなかったラサール石井さんや立川三貴さんら、存在感ある役者さんが多数ご出演されます!

 大きな歴史のうねりのなかへ身を委ねるような観劇体験!開幕は26日、もうすぐです。


【ほかにも注目のキャラクターは!】




写真右奥)バードルフ(松角洋平さん)とフォールスタッフのやりとりも注目!


ハル王子の弟にあたるランカスター公ジョン(亀田佳明さん)の成長も!



続く、第二部は…いよいよヘンリー五世の誕生です!

第二部 -戴冠-
フォールスタッフはシュルーズベリーの戦いで手柄を立て、過去の罪状を許されるが、ノーサンバランド伯の討伐軍に加わることになる。昔馴染のシャロー判事の暮らすグロスターシアに徴兵に訪れた彼に、ハル王子がヘンリー五世として即位したとの報が。意気揚々と新王の前に姿を現すフォールスタッフを待ち受けていた運命とは?





【公演情報】
新国立劇場『ヘンリー四世』 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐
2016年11月26日(土)~12月22日(木)@新国立劇場 中劇場 (map)

※第一部、第二部は連続した物語ですが、独立した2つの作品です。交互上演となりますので、上演日時は公演HPにてご確認ください!

★新国立シアタートーク(入場無料。ただし満席の場合、制限有)
 日時:11月29日(火)公演終了後 中劇場
 出演:浦井健治、岡本健一、佐藤B作、鵜山 仁、宮田慶子   司会:中井美穂
 入場方法:本公演のチケットをご提示ください。

<スタッフ>
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁

<キャスト>
浦井健治 岡本健一 勝部演之 立川三貴 綾田俊樹 ラサール石井
水野龍司 木下浩之 有薗芳記 今井朋彦 青木和宣
田代隆秀 那須佐代子 小長谷勝彦 下総源太朗 鍛治直人 川辺邦弘 佐川和正
亀田佳明 松角洋平 松岡依都美 藤側宏大 岡﨑加奈 清水優譲
中嶋しゅう 佐藤B作

公演HPはこちらから
UK15
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人

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