ミュージカル『キューティ・ブロンド』神田沙也加さんインタビュー

 キュートでハッピーなあの映画がミュージカル化!『キューティ・ブロンド』待望の日本初演で、恋もオシャレも勉強も全力投球の主人公・エルを演じる神田沙也加さんにお話をうかがいました。





【エルの魅力は“絶対的ヒロインのかわいらしさ”“人の心をキャッチする素質”“自分を貫き通せる強さとバイタリティ”】


──まずは、こちらの作品の印象から。

 映画ももちろん観ていましたし、ミュージカル版もニューヨークで観て、とてもかわいらしくて素敵な作品だなと思っていました。日本版初演と聞き、やっと日本にくる!ってうれしかったですね。
 でも、実は日本での上演というのはあまり想像していなかったんです。


──それはなぜ?
 
 まず、誰がやるんだろうって(笑)!
 まるで、歩くバービー人形のようなエルですし、作品全体もピンクの世界観ですし…。あれ、言えば言うほどハードル上げていますね、私(笑)。





 そして、この役が発表されてから「エルをやるんですね!」「この映画が一番好きなんです」など、周りの反響もとても大きくて、日本にも根強いファンの方がいらっしゃることを実感しました。


──ニューヨークでご覧になったときの印象は。

 印象的だったのはポップな楽曲とあの世界観です。あとは、エルの感情の起伏がまるでジェットコースターのようにアップダウンするので、英語を一生懸命聞きとっていた記憶があります(笑)。日本語になったときに、明瞭さを保ちつつそのテンションをキープできるか、そしてオリジナルが持つ紙芝居のようなカチャカチャとした展開をどうやって日本のお客様に受け入れてもらえるようにするか。そのあたりが課題かなと思っています。


──神田さんが思う作品、エルという女性の魅力は。




 エルについては、映画のときから“絶対的ヒロインのかわいらしさ”“人の心をキャッチする素質”“自分を貫き通せる強さとバイタリティ”を持っている女性だなと感じていました。もちろん知力についてもポテンシャルの高い人物ですよね。そうでなければ、いきなりハーバード大学へ入るなんて、ね(笑)。

 ただ、完全無欠ではないんです。冒頭で大好きな彼に振られてしまって、見返すために頑張る!そんな女の子ならではの原動力で頑張るところが同じ女性として共感できます。


──それも、明るく前向きでジメッとしたところがなくて。

 そう。エルはなんだかんだ言って楽観的なんですよね(笑)。意志の強さもさることながら、あれがダメなら、これがある!と常に前向きに模索できるバイタリティのある女性だったから成功をつかめたのかなと思っています。




 そして、エルが属していた学生寮デルタ・ヌウの結束力も魅力です。なんていうかポジティブな派閥力(笑)? 女の子が結託したときのパワーは男の子には負けない!そこもいいですよね!

──女性の共感度の高い作品ですが、世の男性へのメッセージとしては。

 男性のみなさんには…「中身を見たほうがいいよ!女性はさなぎから蝶になるからね!」ってことですかね。見た目で判断せずに、内面的なところ、パーソナリティに目を向けてお付き合いしていたほうがいいんじゃないの!って、思いますよ…ねっ(笑)!



【ビジュアルに集約された世界観!キーワードはカリフォルニア感!】


──発表されたときにも感じましたが、公開されたビジュアルを見ても、神田さんはエルのイメージにピッタリです。そして、ビジュアルには世界観が十分に表現されていますね!

 本当ですか!よかった~(笑)。

 ビジュアル撮影のとき、演出の上田一豪さんがとても悩まれたのはブロンドのカツラの色味です。エルは特別なブロンド、いい意味で異質な存在感を醸し出すものをという視点で何パターンもある中から選びました。


──ビジュアルも宣伝ムービーもとても素敵な仕上がりですね!

 撮影はとても楽しかったです!
 常にテンション高く、ハッピーオーラを絶やさないようにと心がけていました。
 ムービー撮影では歩き方ひとつをとっても、日本人が到底やらない歩き方で(笑)。上田さんからはカリフォルニア感を出してと言われました。実際、お衣裳も普通のテンションでは着こなせない服ですしね。


──お衣裳、見事に着こなしていますよ。




 ありがとうございます。こうして写真に収まると落ち着いて見えますが、実際に着て歩くと強烈な色なんです(笑)。髪の色もあって、視覚的に“すごくうるさい人”が歩いているって感じです。舞台上でお芝居するときも覚悟がいると思います。よしっ!と、テンション上げていかないと!

──ちなみに神田さんが思う“カリフォルニア感”とは。

 ハイテンションが大前提。どこか浮足立っている、突き抜けている感じ。ですので、常に頭上に光り輝く太陽をイメージしました。実際にはそれだけでなく、エルは猛勉強もしますし、努力して成功をつかむ、サクセスストーリーでもあるんですけどね。そして、東海岸のボストンへ行っても自分の個性を貫く筋金入りのカリフォルニア感を目指します。


──そして、宣伝ムービーではオー・マイ・ゴッド(OMG)が印象的です。




 撮影のときに、「ここで“OMG”が出るので言ってください」と言われ、私の中では「うわぁ~、テンションが難しい~」というのが正直なところでしたが(笑)、自分自身を奮い立たせて演じました。

──役作りのカギはその辺りにありそうですね。




 私自身はエルのようなキャラクターに対しては完コピしたい派なんです。これから映画も更に繰り返し見て、仕草や目線なども徹底的に研究したいなと思うのですが、日本で、日本語で上演する上で、それをどう自然に存在させるかを追求したいですね。

 客席の温度も一緒に上がらないと、舞台からどれだけごり押ししても、どんどん引かれてしまいますよね。押しつけがましくなく、でも、完全な予定調和ではいけない。そのパズルをどうやって組み立てていくかを考えなくてはいけないと思っています。


──客席も突き抜けたカリフォルニア感で応えたいです!続いて、楽曲・歌やダンスについてはいかがですか。

 印象的なナンバーは宣伝ムービーでも流れていた♪Omigod You Guys、やはりあれだけ“OMG”と連発されると気になりますよね(笑)。あのような女子が集まったときのワチャワチャ感、女子女子(ジョシジョシ)感を出していきたいです。男性陣はみなさんご存知の通り、“いい声”の方が揃っているのでその対比としても!




 そして、ダンスについては相当おびえています。ガクブルです(笑)。
 でも、共演の先輩方が、本当に何でもできるみなさんなのでお力をお借りしながら頑張ろうと思います。とくにエルの強い味方ポーレット役が樹里咲穂さんというのは私にとって心強いです。以前共演させていただいてから仲良くさせていただいていて、エルとポーレットさんの関係と私たちの関係がいい形で反映されると思います。樹里さんは本当に明るい方で、一緒だと楽屋でも笑いが絶えないんです!

 主演なのでだれにも頼れないというのではなく、みなさんの胸を借り、知識を貸してくださいと思い切って頼っていく。そんな主演でありたいと思います。



【ミュージカルは最強の表現形態だと思います】


──では、作品からは少し離れますが、さまざまな分野で活動される神田さんが感じるミュージカル・舞台の魅力は。



 その名前の通り、音楽の力を借りて台詞をより立体的に、ドラマティックに表現するのがミュージカルです。さらに舞台では指先の表現ひとつまで、身体をすべて用いることで、その場の空気すべてを支配できる可能性をもつ最強の表現形態だと思います。もちろんそれは簡単なことではないですが。

──大変なことのひとつに体調管理もありますよね。どのようなことを心がけていますか。

 まずは、基本的な生活をおろそかにしないこと。舞台に入ると規則正しくて健康的になります。食べて、寝て、稽古して…そのサイクルの1つずつを大切にしています。

 あとは、日常と役柄を近づけるタイプなので、今回は自分自身の気持ちをアゲルためにピンクのお洋服を着たり、アメリカの毒々しい色の(笑)お菓子とか食べたりしようかな。



──では、最後にお客様へのメッセージを!

 この作品を映画で知っているという方、かわいいもの好きの女子はもちろん、実力のある先輩方とともにミュージカルファンのみなさんにも楽しんでいただける作品にしたいと思います。
 そして、とにかく難しいことはなにもなく、映画で予習の必要もないのでミュージカルをあまり見たことがない方も、ぜひ!広い間口でお待ちしています!






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【ミュージカル『キューティ・ブロンド』おけぴ観劇会】
2017年3月21日(火)~4月3日(月)@シアタークリエ (map)

<出演(役名)>
神田沙也加(エル)
佐藤隆紀(エメット)
植原卓也(ワーナー)
樹里咲穂(ポーレット)
新田恵海(ヴィヴィアン)
木村花代(ブルック)
長谷川初範(キャラハン教授)

真瀬はるか/ダンドイ舞莉花/武者真由
青山郁代/エリアンナ/北川理恵/濱平奈津美
上野聖太/加藤潤一/高瀬雄史/古川隼大

<スタッフ>
音楽/詞:ローレンス・オキーフ&ネル・ベンジャミン
脚本:ヘザー・ハック
翻訳・訳詞・演出:上田一豪
音楽監督:小澤時史
振付:藤林美沙・梅棒

<あらすじ>
オシャレが大好きでブロンドが印象的な女子大生エル(神田沙也加)は、学生寮デルタ・ヌウで友人達と自由に楽しく暮らしている。
だがある日、婚約間近だった彼氏のワーナー(植原卓也)に突然振られてしまう。
その理由は「上院議員を目指す自分の妻としてブロンド娘はふさわしくない」という一方的な決めつけによるもの。
納得がいかないエルは、一念発起して猛勉強の末にハーバード大学のロー・スクールに見事合格する。

しかし、ブロンドでピンクのファッションに身を包むエルは学内で目立つ存在となり、黒髪の美女ヴィヴィアン(新田恵海)
をはじめクラスメイト達から批判を浴びてしまう。
しかもワーナーはヴィヴィアンと婚約してしまったという。
だが、その逆境がエルのやる気に火をつけ、一人前の弁護士を目指して奮闘を始めていく。

尊敬すべき先輩エメット(佐藤隆紀)やヘア&ネイリストのポーレット(樹里咲穂)らと知り合い、
外見も中身も磨きを掛けたエルは、大学の教授でもあるキャラハン(長谷川初範)の弁護士事務所でインターン生として働き始める。
そこで担当することになったのは、デルタ・ヌウの先輩でもあるブルック(木村花代)に関わる裁判。
果たしてエルは彼女の容疑を見事に晴らし、一人前の弁護士になることが出来るのか!

公演公式サイト

おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文) おけぴ管理人(撮影)

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