ミュージカル『レ・ミゼラブル』日本初演30周年記念公演!製作発表【コメント】レポート


 1987年の日本初演から30年、前回公演の千穐楽で東宝演劇史上最多の3006回という驚異的な上演回数を記録しているミュージカル『レ・ミゼラブル』。その歴史の新しい一頁を加える、日本初演30周年記念公演の製作発表会が帝国劇場にて行われました。

 第1弾として公開した<歌唱披露レポ>に続き、プリンシパルキャストコメントレポートをお届けします。みなさんのコメントから溢れるレミゼ愛!




【30年の歴史の中で…】

 ひとりの俳優さんが年齢、キャリアを重ねるなかで『レ・ミゼラブル』の別のキャラクターを演じるようになるというのも、レミゼならでは。レミゼと共に歩んでこられたみなさんをご紹介。

 2003年からブリジョン役でご出演、加えて2005年からはアンジョルラスも演じ、そして2015年からはジャベール役としてレミゼに帰ってきた、岸祐二さん


ジャベール役:岸祐二さん

「20周年のときはアンジョルラス役。今回の30周年では、またジャベールを演じられることに、役者として幸せを感じています。この30周年の公演が、最強で最高になる事を目指して頑張ります」


 2005年にコゼット、2007年からはエポニーヌ、そして2011年からファンテーヌ役を演じているのは知念里奈さん


ファンテーヌ役:知念里奈さん

「歴史を積み重ねている作品、受け継がれてきた先輩方の想いを繋ぐ、そういったこともしっかりと感じながら大切に演じたいです」


 2007年にマテロットで初出演、2013年には病気の娼婦、そして2015年公演からコゼットを演じる清水彩花さん


コゼット役:清水彩花さん

「私が帝劇に初めて立たせていただいたのが2007年、20周年記念公演の時でした。こうしてまた30周年にコゼットを演じることが出来て、とても光栄です」


2015年に鳩(女8)、今年、コゼットを演じるのは小南満佑子さん


コゼット役:小南満佑子さん

「2年前に初舞台を踏んだ『レ・ミゼラブル』に今日こうして再び戻って来られた事が本当にうれしく、感謝の気持で一杯です」


2011年にジャベール、2013年からはテナルディエ、華麗なる転身を果たしたのがKENTAROさん


テナルディエ役:KENTAROさん

「ご覧の通り、隣の方々の重圧というか…尊敬する大先輩達と同じ役で。なんとか良い役に、良い作品になるように精一杯努力していきます!」


 初演でコゼット、97年からファンテーヌ、そして今年、ついにマダム・テナルディエとしてレミゼに戻っていらしたのは、鈴木ほのかさん


マダム・テナルディエ役:鈴木ほのかさん

「初演のコゼット役で初めて帝劇の舞台に立ちましたが、その時の熱狂を今でも忘れることはできません。10周年の時はファンテーヌを演じ、世紀越え、21世紀になる瞬間も、この帝劇で森公美子さんと一緒に舞台に立っていました。そして初演から30年、マダム・テナルディエに挑戦させていただきます」


【役を深化させる】

 一方で、『レ・ミゼラブル』にこの人あり。97年から不動のマダム・テナルディエといえば…森公美子さんです。


マダム・テナルディエ役:森公美子さん

「帝劇の舞台に立って34年。昨日今日じゃございませんが(笑)。わたくし10周年・20周年、長きに渡ってマダム・テナルディエを演じております。皆様には、もう飽きられているかもしれませんが(笑)、次のオーディションには受かるかどうかわからないので、これが最後と思いながら、マダム・テナルディエを頑張ります」


 ここからは森さん同様に、回を重ねるごとに役を深められているみなさんをご紹介。

 三者三様、前回に引き続きジャン・バルジャンを演じるお三方から!



ジャン・バルジャン役:福井晶一さん

「2013年、新演出版初演で初めて『レ・ミゼラブル』の舞台に立ち、今回で3度目になります。久しぶりに帝劇の舞台に立つと、最初の頃のようにワクワクと恐怖が押し寄せてきます。開幕に向け、その恐怖を拭い去れるように、しっかりと準備して挑みます」




ジャン・バルジャン役:ヤン・ジュンモさん

「日本ではまだまだ新人俳優のヤン・ジュンモです(笑)。私は韓国ではミュージカルを14年間やってきましたが、日本ではまだ新人です。たくさん勉強する気持ちで頑張ります。そして、30年の歴史に見合う演技をお見せします。小さい力ですが、日本と韓国の文化交流の役に立ちたいと思っています」(日本語で)



ジャン・バルジャン/ジャベール役:吉原光夫さん

「自分は本当にこの劇場が大嫌いなんです。怖くて怖くて。2011年に初めてバルジャン役を演じた時もここで記者会見をしましたが、心臓が飛び出てどこかにいってしまうのではないかというくらい緊張して歌ったことを覚えています。それ以来、目の前に宇宙のように広がる帝劇が怖くてしょうがない。またその闘いが始まると思うと、今から気合を入れていこうと思います。長期の公演、演じることがルーティンにならないように、作品に向き合い、バルジャン、ジャベールの2役にしっかりと取り組みたいと思います」



ジャベール役:川口竜也さん

「ジャベールとしてまた舞台に立てることを心の底から嬉しく思っています。僕は3回目の挑戦となりますが、これまでのことは置いておいて、一度壊して、また新しく挑戦していきたいと思います」



ファンテーヌ役:和音美桜さん

「今回私は4回目の挑戦になりますが、後悔をしないよう毎回を新鮮に(ファンテーヌとして)生きられたらいいなと思います。半分近くが新しい方になったので、刺激を受けられるのではないかと楽しみにしています」



テナルディエ役:駒田一さん

「ベテランのほうに入ってきて、もう出演者80人を覚えられるか、そこから頑張らないと(笑)!30周年という長い歴史の中で、また帝劇に立たせていただける事に幸せをに感じながら、頑張っていきたいと思います。どうぞ応援宜しくお願いします」

 駒田さんが話しはじめると、すごく安心感があります!なんでしょう、この感覚。やっぱりそれってベテランの力!


【若手俳優の登竜門】

 さて、ベテランの力も魅力ながら、若手のみなさんは、前回公演から多くの舞台を経験され、ひとまわりもふたまわりも大きくなって、またレミゼに挑む!期間をおいて同役で観られる、いわば定点観測で驚かされることも多いですよね。ワクワク!



エポニーヌ役:昆夏美さん

「私は今回で3回目の出演ですが、1回目は毎公演とても新鮮で、2回目は1回目で気付けなった発見がたくさんありました。今回はエポニーヌという女性のもっと奥深いところを表現できるよう努めてまいります」



マリウス役:田村良太さん

「この作品は上演される時代、社会情勢によって意味、雰囲気、感じることが変わってくると思うんです。30周年の節目の公演をご覧になったみなさんが、何を感じるのか、劇場にいらして確かめていただければと思います」



アンジョルラス役:上山竜治さん

「僕の中でアンジョルラスはフランスの侍だと思っています。僕も日本男児として、赤いふんどしをしめて気を引き締めて演じたいと思います(笑)」

 上山さんは前回に続いて、和モノからのレミゼ、ゆえのコメントでしょうか(笑)。妙な説得力アリです!


 数々の出演作、なかでも同じフランス革命の時代を舞台とした作品への出演を糧として新たにアンジョルラス役に挑むのは上原理生さん


アンジョルラス役:上原理生さん

「30周年という大きな節目に、自分がデビューした役で出演できることをとても嬉しく思います。私事ですが、昨年春に、ここ帝国劇場で、フランス革命に勝利する役を演じました。その作品の後で、『レ・ミゼラブル』がどの様に映るのか、僕自身も楽しみです」


 ひとまわりふたまわり…前回公演から一躍スターダムに!といえばこの方、マリウス役の海宝直人さん


マリウス役:海宝直人さん

「2015年に初めてこの作品に参加して、その時はがむしゃらでした。千穐楽では「自分自身、もっといろいろできたのでは、こんな風にも解釈できたのではないか」という思いが浮かびました。ですので、今回またチャレンジ出来ることがとても楽しみです。気を引き締めて臨んで行きたいなと思います。ヴィクトル・ユゴーの描いた世界観を深く熱くお届けできるように頑張ります」

 ヴィクトル・ユゴー原作の『ノートルダムの鐘』にて、主人公カジモト役も演じている海宝さん、今年はユゴーイヤーですね。


【新しい風】

 最後は、注目の新キャストのみなさんです!



ファンテーヌ役:二宮愛さん

「私はこの作品がミュージカル初挑戦になります。30周年という大きな節目の舞台に携わる事が出来て本当に光栄です。ファンテーヌという役を私自身も心から愛し、皆様からも愛されるように日々勉強をしている最中です」



エポニーヌ役:唯月ふうかさん

「30周年の記念イヤーに出演できること、帝劇の舞台に立てることを本当にうれしく思っています。必死に食らいつきながら、自分らしいエポニーヌに挑みたいと思います」



エポニーヌ役:松原凛子さん

「スコア(楽譜)に目を通すと、奥が深くて、音符1つにも無駄がないんです。そして、さまざまな解釈もでき面白い。一生かかっても読み切れない作品だと思います。そんな素晴らしい作品に関わる事ができて幸せです」



コゼット役:生田絵梨花さん

「今日初めて全キャストの皆さんと顔を合わせ、改めて身が引き締まる思いです。コゼットとして30周年を盛り上げていけるように、精一杯頑張りたいと思います。今日初めて帝劇に立たせていただく、この幸せを噛みしめながら臨みたいと思います」



マリウス役:内藤大希さん

「僕は小学生の時に帝劇で両親と『レ・ミゼラブル』を観たことで、(ミュージカル俳優への道が)スタートしたといっても過言ではありません。(帝劇の舞台に立つ姿を)両親にも見せたかったのですが…、両親には公演本番をたくさん観てもらいたいです。頑張ります」

 内藤さんのご両親は残念ながらオーディエンス募集に落選してしまったとか。ぜひ、本番は!!



アンジョルラス役:相葉裕樹さん

「30周年という記念すべき公演に出演できることを光栄に思います。そして、新アンジョルラスとして新しい風を巻き起こせるようしっかり精進していきたいと思います」

 力強いコメント同様に、その後、堂々とした歌唱披露をされた相葉さんです!


 そして最後は、テナルディエ役で初帝劇の橋本じゅんさんです!



テナルディエ役:橋本じゅんさん

「ミュージカルにはスコア(譜面)があります。音程があって、その中で大きな世界を作っていく、総合芸術の最たるものの1つだと思っています。役者というのは1+1が2にならなかったり、「俺は今日こういう感じやから、これでいいねん」と済ましてしまうことが多いのですが、これはそうはいかない。

 そこに挑戦することに対してドキドキしてたのですが、今は不思議なものでワクワクに変わってきています。ここから、最高に楽しむ気持ちで劇場入りできるような状態にもっていけるような準備をしていきたいと思います」


 劇団☆新感線では看板俳優として活躍、ご自身のフィールドでは自由自在な芝居をみせる橋本さん。この日のオープニングを飾った♪宿屋の主人の歌では、これまでに見たことがないほど緊張されている様子。それはこちらが驚いてしまうほど。人気、実力、地位、名誉ともに安泰の地を飛び出して挑戦し続ける姿に、心揺さぶられました。

 歌唱披露後のコメントでは「今、ここで感じていただいた数100倍の作品、歌を目指して準備して参ります」と。
 思いっきり、期待しています!


【スペシャルゲスト:島田歌穂さん】

さらに、この日スペシャルゲストで、初演キャスト、エポニーヌ役の島田歌穂さんが登場!



島田歌穂さん

「帝劇のこの舞台に立つと、初演の初日の何とも言えない幸せな緊張感と、カーテンコールの大感動の想いでが一気に蘇ってきて感無量です。『レ・ミゼラブル』と出逢えたことは生涯の宝物です。今はいち卒業生としていちファンとして、いつまでもいつまでもこの作品が受け継がれますよう生涯願っています。今年のカンパニーの皆様、鈴木ほのかさんとは初演で一緒、同じ楽屋でした。2人部屋でしたね。そして、森公美子さん、駒田一さんも…懐かしい方がたくさんです。このカンパニーのみなさんで、30周年を新たな出発点として、40、50周年に向かって、これからも感動の輪を広げ続けてください」


【質疑:『レ・ミゼラブル』の魅力~長きにわたり愛されるわけ~】



吉原光夫さん

「まず、音楽だと思います。何度読み込んでも深い。音楽監督から『このときのこの音にはこういう意味があるんだよ』と教えてもらうだけで、まるで映画を観ているような気分になります。そして長い物語をギュッと濃縮しているので、とても濃厚な3時間になります。言葉は悪いですが、その濃厚なものを喰らう感じ(笑)が、クセになるのではないでしょうか」



福井晶一さん

「音楽が一気に世界観に誘ってくれる魅力。そして、届けられるユゴーのメッセージ。蔑まれた人や貧しい人、弱き者にスポットを当てた、どの時代でも共感できる素晴らしいテーマ、メッセージをもつ作品だと思います。バルジャンだけでなく、どのキャラクターもそれぞれが自分の信念をもって生きていて、観客がそのときの自分に置き替えて色々な役に共感できる作品。それゆえ何度ご覧になっても違う見方ができ、長きにわたり世界中で愛されているのでしょう」



ヤン・ジュンモさん

「ドラマも音楽も素晴らしいですが、全てのメッセージが込められていると思う場面が1つあります。それはバルジャンの最期のシーンです。「誰かを愛することは 神様のおそばにいることだ』、これは全てのキャラクターに通じること、人を愛する各キャラクターの魅力が、その一節に込められていると思います」



森公美子さん

「この作品は愛で出来ている・・・その愛を伝えるのが、素晴らしい音楽です。
そして、今、こうして我々プリンシパルと呼ばれる人間がここに座っておりますが、この作品の主役は民衆、つまり(先ほどまで後ろに立っていた)アンサンブルのみなさんです。彼らの声で届けられる『民衆の歌』、そこからテーマである“生きることの素晴らしさ”を感じられる、それこそが魅力なのではないでしょうか」



【おまけ:マリウス&アンジョルラスコレクション2017】








 気になるキャストは見つかりましたか。組み合わせの妙も複数キャストならではの楽しみです。プリンシパル&アンサンブル対応の おけぴキャスト組み合わせ検索 もぜひご活用ください。


【公演情報】
ミュージカル『レ・ミゼラブル』
2017年5月25日(木)~7月17日(月・祝)@帝国劇場
プレビュー公演:5月21日(日)~24日(水)

6月11日~17日:日本初演30周年スペシャルウィーク開催!

全国ツアー公演
8月 福岡公演@博多座
9月 大阪公演@フェスティバルホール
9月10月 名古屋公演@中日劇場

<出演(トリプルキャストになります)>
ジャン・バルジャン:福井晶一/ヤン・ジュンモ/吉原光夫
ジャベール:川口竜也/吉原光夫/岸 祐二
ファンテーヌ:知念里奈/和音美桜/二宮 愛
エポニーヌ:昆 夏美/唯月ふうか/松原凜子
マリウス:海宝直人/ 内藤大希/田村良太
コゼット:生田絵梨花/清水彩花/小南満佑子
テナルディエ:駒田 一/橋本じゅん/KENTARO
マダム・テナルディエ:森公美子/鈴木ほのか/谷口ゆうな
アンジョルラス:上原理生/上山竜治/相葉裕樹

公演HPはこちらから

おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) おけぴ管理人(撮影)

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