村井良大さんのチャーリー・ブラウン、中川晃教さんのスヌーピーをはじめ、「ドンピシャ!」(中川さん談)なキャスティングを実感する
『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』公開稽古が行われました。
古田一紀さん、田野優花さん、中川晃教さん、村井良大さん、高垣彩陽さん、東山光明さん
「ハピネス!明日また頑張ろう、生きるパワーを得られる作品です」(村井さん)「どうみてもチャーリー・ブラウンじゃないですか、どうみてもサリーだし…、ドンピシャなキャスティングですよね。まぁ、スヌーピー、犬役の僕が言うのもなんですが(笑)」(中川さん) まずは、楽曲披露から
「これまで何作もご一緒してきましたが、こんなに踊る中川さんははじめてです」と演出の
小林香さんがおっしゃる通り、スヌーピー走り回ります。そして、それはスヌーピーだけでなく、キャスト6人みなさんが踊り歌い、演じる!子どものずーっと遊び続けるパワーにも似た、テンション高めのナンバーです。
【きみはいい人、チャーリー・ブラウン】(タイトル曲。オープニング直後のナンバーです)
まず聞こえてきたのは、目覚まし時計のベル♪「遅刻だー!」(チャーリー)。そこからはじまる、いきなり全力疾走なナンバーです。スクールバスのシーンもかわいらしいですよ。
「チャーリー・ブラウンがみんなから“きみはいい人!”と言われるのだけれど、彼だけがそれがどういうことか気づいていないというシュールなシーンです。でも、そこにこの作品の深いテーマも隠されているのです。最後の最後に、その意味、チャーリーという子の美しさってこういうことなんだなと腑に落ちる…その伏線となるナンバーです」(演出:小林香さん)
「チャーリーは普通の子の代表と言われているのですが、普通って人によって違いますよね。そのさじ加減は、結構、難しいところをつかみにいく感じです。シンプルだけど、シンプルだから、難しい。
それはシュルツさんが描くチャーリーの顔に似ているなと思うんです。自分でも描いてみたのですが、あのタッチが出ない…それがまさにチャーリーの役作りの難しさに通じるんです。ダメなんだけど前進していく力強さがチャーリーの魅力だと思います。それを簡単には作りたくない。今はまだ、(キャラクターの)輪郭をぼんやりと感じながらの稽古ですが、みんなとコミュニケーションをとりながら、素敵なチャーリー・ブラウンと仲間たちになりたいと思います。お楽しみに!」(村井さん)ときどき合いの手のように「ワーンッ」「ワンッ」の声が!その声の主はもちろんスヌーピー!
【ベートーベン・デイ】ロックなパワフルソング!
「ベートーベンを敬愛する天才音楽少年シュナイダーは、ベートーベンの誕生日を祝日にしようと思いつく!そんなナンバーです」(小林さん)
ルーシー →♡→シュローダーですよね
「子どもとは何ぞや!ルーシーとは何ぞや!という部分を模索し、チャレンジし、役を固めていっているところです。ガミガミ怒っているけれど、弱い部分もある、すごくいろんな面があるなと思っています。愛するシュローダーに何度もアタックして、面と向かって「君のことを愛していないよ」と断られても、ポジティブに前進していく彼女の前向きさを、私も見習って頑張りたいですね」(高垣さん)「決してルーシーのこと嫌いとか言ったことないですし…、ただベートーベン、音楽が好き過ぎて…」(東山さん)音楽を奏でてハーモニーを感じることで、ベートーベンの生誕をたたえようと主張!でも、商業主義的なのはいやという純粋なシュローダーなのです♪パワフルソングを熱く歌い上げる東山さん!
「一見、落ち着いてみんなを俯瞰しているようなシュローダーですが、どうしても譲れないもの、音楽、ベートーベンに対しては急に情熱的になるんです。さらにお稽古を積んで、さらに熱いベートーベン・デイをお届けしようと思います」(東山さん)【サパータイム】ビッグなショーナンバー!!
こちらは、演出の小林さんによると「出し惜しみさせていただきます(笑)」ということで、歌唱のみ披露。実際は踊りまくりナンバーとのこと!!(大変失礼ながら)ふ~ん、そっか…と思っていたら、大変です!ガシッと心わしづかみされてしまいました。歌唱だけでこの状態ということは、本番が楽しみすぎます。
白と黒のスヌーピーTシャツ効果(?!)も相まって、おふたりのコンビ感もバッチリ!そうそう、この日はみなさんスヌーピーTシャツでしたね♪
どんな曲かというと、夕ご飯の時間だ!!というスヌーピーがよろこびを歌い上げる「大げさなパフォーマンス」(チャーリー曰く)です(笑)。
はじまりは中世騎士のように朗々と~、3年ぶりのご飯ですか?というくらいの、この時がついにキタ感です。
よろこびのあまり、別世界へ行ってしまわれたようなスヌーピーを、冷静に見つめるチャーリー(笑)
次第にみんなも参加して…
「サリーは全力で喜怒哀楽が激しい女の子。今、(役作りの)難しさに直面して勉強中です。そこがうまくはまったら、素敵な全力な6歳の女の子を演じられると思うので、ぜひ、生で観てほしいなと思います」(田野さん)「ライナスはすごく知識があって、哲学的な部分がありますが、でも、やっぱり子ども。子ども(らしさ)が出てくるところは、誰よりも子どもっぽいなと思うんですね。そこらへんが可愛らしくて、ライナスの魅力だと思います」(古田さん) 作品の中でも最高潮に盛り上がるナンバーとのご紹介がありましたが、その通り!取材後もサパータイム♪の音楽があたまをグルグルです。
最後に、演出の小林香さんのコメントをご紹介します。
「漫画なので、子どもっぽいミュージカルなのではないかと思われがちですが、大人になればなるほど奥深さに気づく作品です。
初演から50年、いまだに世界中で上演されて続けているのは、国、社会を前に進めていく人、子供を導く親御さん、先生、あるいは家族や友人や愛する人たちとしあわせな社会生活、暮らしを築くための、大切なヒントがいっぱい詰め込まれている作品だからではないでしょうか」 “ハピネス”、シンプルだけど奥深い、そしてかけがえのないもの。やはりその言葉に帰着するような、公開稽古でした♪
【囲み取材フォト】
狭き門をくぐり抜けたラッキーなオーディエンスのみなさまとのフォトセッションも盛り上がりました!
ライナスといえば、肌身離さずもっている“安心毛布”が有名ですよね。
古田さんがいつも身に付けているものは…
「ネックレスです。いつもつけているんですよ、今日は忘れちゃったんですけど(笑)」「このメンバー、なんかいい感じのカオスでしょ(笑)。子どもたちの日常を描いているんですけど、本当に大人が見ても、ああこういうことあるよねと自分の人生と照らし合わせることができるような、良質なミュージカルです」(中川さん)
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人