『城塞』、いよいよ公演もラストスパート!想像以上の衝撃に観劇後のなかなかおさまらないドキドキ、ゾワゾワ。はじめは不思議な舞台装置、そこで繰り広げられる奇妙なやり取りに、日常から浮遊しているような印象を受けた舞台上の世界。それが、ラストシーンでは、これは私たちの世界とも地続きなのかもしれない…。そんな印象に代わりました。重量級のテーマが浮遊しているような、独特の観劇体験でした。
おけぴ会員のみなさんから届いた感想もご紹介いたします!!(4/26追記)
【感想が届きました】
安部公房の不条理な話かと思いきや筋は分かり易い。が、全体に流れる不気味さ怖さおかしさがなんとも独特で、観るほうの体力が問われる作品。
迷っているなら絶対観るべき。この作品をかけた初演当時の日本の芝居を支持する層も凄かったんだと感じた。
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圧巻の舞台でした。重いテーマですが、舞台上で役者さん達の台詞の駆け引きが凄くて、前のめり(の気持ち)で観ていましたが、先が全く読めません。
(山西さんご出演の)『木の上の軍隊』も素晴らしくて、ストレートに台詞が突き刺さって来ましたが、この作品は、ジワジワ後からきます。終わった後の、山西さんの表情が忘れられないです。
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安倍公房の脚本なので難解では、と先入観を持っていましたが、劇中劇やテンポの良い演出なと、一旦芝居が始まるとその面白さにあっと言う間に引き込まれました。
役者さんが全員素晴らしく、この作品を面白く感じられるのも彼等の演技力の賜物だと思います。
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巧みな役者陣の演技に惹きつけられました。先の読めない展開そして予想もしなかったような怒涛のラスト。
『城塞』というタイトルが意味するものがとても腑に落ちました。セットの仕掛けも面白かったです。
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辻さんがすごすぎる!!
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戯曲を読んだことはないのですが、面白そうだったので機会があれば読んでみたいです。想像していたよりもぶっ飛んだ内容でしたが、演出・役者共に落ち着いた印象だったので、もっと突き抜けた感が欲しかった気もします。
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公演パンフレットのドナルド・キーン氏のコラムも面白かったです。
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イライラもドキドキも含めて、まさに安部公房ワールドでした。ラストのダンスの場面は圧巻。彼女もかっこいいし、舞台効果も印象的。もう一度観たい。
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安部公房の年表がかかっていたのが良かったです。新国立劇場の多くの芝居はホワイエに舞台模型が設置されているのが好きです。
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「難しいが、このメンバーなら大丈夫です」と、宮田慶子芸術監督が言っていますが、その通り熱中して観劇できました。とりわけ興味深いのは、劇中劇がリフレインすること。初めは、満州で利益を上げた父への批判として。二度目は、高度成長期へ向かう軍需ブルジョアの息子に関して。タイムリーな上演でした。パース(遠近法)を強調した装置も面白い。
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冒頭からただならぬ緊張感。芝居巧者のキャストの力でピーンと張った空気が僅かに緩む、その差で物語を織りなしていく様は流石で、始終興味が尽きることがありませんでした。
上村演出作品はとても緻密で、静かな空間の時にも怒涛の感情が込められている気がします。山西さんの青年声に萌えました(笑)。
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重厚な舞台。役者5人の見事なぶつかり合い。二重構造のストーリー。
安部公房と聞くと身構えてしまいますが、この作品はテンポも良く話が分かりやすい。最後がどこに向かうのかドキドキしながら拝見しました。
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大好きな山西さんが出演されるということで、全く予備知識なしに見に行きました。
こまつ座に出ておられるのをよく見ておりましたが、安部公房ということで私についていけるかなーという一抹の不安はありましたが…。正直なところ、作者のメッセージはいろいろ考えてみましたが分かりませんでした。でも、戯曲としての作り方見せ方がとても面白かったです。
見ている人をいい意味で裏切る感じ。えっ?そういう場面だったの?と後から気がついて、最初を思い出そうと思ったり、後半の展開が全く読めなくてラストは圧巻でしたし。
それぞれの役者さん方が本当に「そこまでやるか」と思うくらいそのものになりきっていて、見てはいけないものを見てしまった感もありました。でも目が離せない。
しっかりついていかないと、誰がどうなったのか分からなくなりそうな緊張の一時でした。変に納得しようとしないで、戯曲としてのこの作品を楽しめばいいのかもしれないと思います。
もう一回見に行くことにしているので、今度は少し違った見方ができるかもしれないと楽しみにしています。山西さんも迫力あってとてもよかったですし、他の方も凄いの一言。
気迫のこもるお芝居を堪能しました。※辻萬長の「つじ」は一点しんにょうです。◆ 本日初日をむかえた新国立劇場『城塞』、開幕リリースが届きました。
新国立劇場では本日4月13日(木)に『城塞』が開幕しました。
新国立劇場が3~5月にかけて企画する、昭和30年代の傑作戯曲を気鋭の30代の演出家3人が手がけるシリーズ「かさなる視点―日本戯曲の力―」。
その第二弾として、安部公房による意欲作『城塞』に上村聡史が挑みます。
常に問題意識を持ち、時代や状況に批評精神を投げかける上村の演出で新たに立ち上がる『城塞』。
山西惇、辻萬長ら重厚な舞台を支える実力派俳優陣の名演も大きな見どころです!
※辻萬長の「つじ」は一点しんにょうです。 
右から山西 惇さん、辻 萬長さん
【山西惇のコメント】
「私が生まれた1962年、戦後17年目に初演された作品ですが、怖いくらい今の日本にも通じる物語です。私が演じる戦争成金の「男」は、父の代から続く事業を引き継ぎさらに大きくしながらも、罪の意識に苛まれ続けている。戦争が人の心に残す傷の大きさ、深さを思わずにはいられません。…とはいえ、安部公房らしいシュールな喜劇性も存分に盛り込まれていますので、大いに楽しんでいただけるのではないかと思います」
『城塞』おけぴ稽古場レポはこちらから
【あらすじ】
とある家の広間。爆音が響く。電燈が尾を引いて消える。どうやら戦時下のようである。「和彦」と呼ばれる男とその父が言い争っていた。父は「和彦」とともに内地に脱出しようとするのだが、「和彦」は母と妹を見捨てるのか、と父を詰る。
しかし、それは「和彦」と呼ばれる男が、父に対して仕掛けた、ある"ごっこ"だった......。
【『城塞』PV 稽古場映像】
公演は30日(日)まで、新国立劇場小劇場にて。予定上演時間は、約2時間25分(1幕55分 休憩15分 2幕75分)です。
この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました
4/26 おけぴ会員様より寄せられた感想を追記いたしました