ジャズの調べに乗せて描かれる東洋の魅惑…音楽劇『魔都夜曲』開幕!メインテーマソング「オピウム・ラヴァーズ」(作詞:マキノノゾミ、作曲:本間昭光)
華やかでゴージャスなエンターテインメント作品の誕生です!
ちなみに“オピウム”とは…アヘン
時は1939年、第二次世界大戦前夜。列強各国の思惑渦巻く都市・上海を舞台にしたエンターテイメント大作。
公家の血を引く日本政府要人の息子、中国人を父に持ち、母は日本人という女性とその異母兄、男装の麗人、若きスター…華やかでミステリアスな人間ドラマにぐいぐい引き込まれます!生バンドの演奏も素敵♪
レポートするのは第一幕、街の空気やそれぞれのバックグラウンド、キャラクターが描かれ…物語が大きくうねりだすところまで!!この後の展開が、気になる!!(もちろん、2幕の展開もおおいにご期待くださいね)
<時代背景>
1840年代、アヘン戦争終結後、中国の条約港には欧米各国列強が租界(行政自治権や治外法権を持つ外国人居留地)を設けた。上海もイギリス、アメリカ、日本などの共同租界とフランスの租界が存在し、外国人が多く住み、文化、建築物など異国情緒が漂う華やかな近代貿易都市を形成していた。一方、アヘン売買も盛んで、街のところどころにアヘンが蔓延し、現地の中国人たちの中には貧しい生活にあえいでいる者も少なくなかった。
【感想ご紹介】
おけぴ会員のみなさまからお寄せいただいた感想をご紹介いたします。
♪1939年の上海を舞台に、様々な思惑を持ちながら懸命に生きる人々の人間模様が描かれています。
藤木さん演じる白河清隆とマイコさん演じる周紅花の間にあるのは、恋愛感情か、それとも…。生バンドの素敵な演奏、山西さん、橋本さんらの芸達者な役者さん達、最後まで目を離すことのできない舞台です。
開演前、休憩明け前のバンド演奏、(李香蘭役の)浜崎さんの歌も魅力的でした。
♪シリアスな内容なのかと思っていましたが、ジャズクラブが舞台の場面が多く、所々笑いもあり、全体的に煌びやかな印象です。所々で戦争を描いた場面もありますが、歴史に疎くてもラブ・ストーリーが主軸なので大丈夫です。
出演者も魅力的な方が多いのですが、特に川島芳子役の壮一帆さんが素敵でした。
また1幕2幕の開演前には生演奏があるので、早めに着席した方が良いです。またテーマソングも良かったです。
♪キャストの豪華さが気になって観劇しましたが、素敵な衣装に生バンド、煌びやかな舞台でした。暗い時代の話ですが、急展開の結末、期待を裏切りません!個人的には、橋本さとしさんのバンドマンいじりが気になりました(アドリブ?スジ通り??)。
♪藤木さんのまっすぐな育ちの良い青年、応援したくなりますね。
♪壮一帆さんの美しい姿は、当時の上海のあでやかさや妖しさ、儚さや切なさを象徴しているようでした。生の音楽、最高でした!
♪とにかく、キャストが皆さん素晴らしい!ジャズの生演奏と歌声にワクワクします。
演出が華やかでオシャレで、1939年、大戦前夜の上海にぐんぐん引き込まれます。華やかさの中に、この時代に生きる人の心の暗部、哀しさ、切なさも描きつつ、最後には希望が見える。上質なエンタテイメントだと思います。壮一帆さんの川島芳子、ドンピシャです!
♪ラストにこう来るかというストーリー展開、マキノノゾミさんらしい脚本だと思いました。
♪出演者も音楽も痺れるほどカッコいい。そのカッコ良さを単純に堪能するも良し、ストーリーにハラハラするも良し。舞台が初めての人、ミュージカル苦手だなという人にも入りやすいポップな作品で、舞台見てきたなー!と言える、王道作品だなと思います。春風ひとみさんはじめ、ベテラン勢の名演技も見物です。
♪生バンドの方々のジャズ演奏が本当に素晴らしかったです!
劇場にいながら本物のナイトクラブにいるような錯覚を覚えましたし、秋夢乃さんの歌声が実にマッチしていました。橋本さとしさんとのデュエットも素敵でした。
♪一言で表すなら「大人の舞台」。開演前から舞台上ではジャズの演奏!それをゆったりした気分で聴いていると、何か自分も上海のナイトクラブにいる錯覚に…そんな良い気分の中で舞台が始まります。
内容も最初は藤木さん&マイコさんのラブ・ストーリ?と思いながら観ていたら、1幕最後からは大変ミステリアスな展開に!時代背景は日本の暗黒時代だけれど、華やかな上海の夜の世界を楽しめました。
♪何と言ってもキャストの豪華さ!藤木直人さんとマイコさんは美男美女カップル、橋本さとしさんのかっこよさ、壮一帆さんの凛々しさ美しさ、小西遼生さんの説得力にコングさんの唯一無二の存在感。村井春風コンビが観られるなんて。生演奏と華やかなチャイナドレスの女性陣にも酔いしれました。
♪魔都と言われていた上海を舞台に、違った立場の人々の思いが複雑に絡みあっていき、ラストまで息つく暇がありません!素晴らしい音楽と美術や照明の力もあり、とても見ごたえがある舞台でした!開演10分前から、舞台上は上海になるので早めの着席をおすすめします。【出会い】
藤木直人さん演じる主人公の白河清隆は遊び好きで、明朗快活、屈託のない人柄。さらに公家の血筋をひき、政府要人の父、まさに“貴公子”(もちろんカッコイイ!)。しかし、清隆なる人物、ただの遊び人ではない。一本筋の通った男です。その上、ときにアッと驚く大胆な行動にも出る!これは誰もが惹かれてしまいます。そんな清隆を藤木さんはときに軽やかに、ときにシリアスに嫌味なく魅せます。
ある夜、清隆は暴漢に襲われた男女を助ける。それが紅花(ホンファ、マイコさん)と志強(チーチャン、小西遼生さん)兄妹との出会い。三人は意気投合、兄妹は清隆が日本と中国、両国の関係の現状を学ぶ指南役になり、友情を育む。そして、次第に惹かれあう清隆と紅花。日本人の清隆、日本人と中国人の血を受けつぐ紅花、中国人の志強、3人それぞれの宿命を背負いながら歴史の大きな波に巻き込まれていくのです。
マイコさんは凛とした芯のある美しさ、小西さんは妹思いの兄、そこからの展開が気になる一幕でした。
小西遼生さん、マイコさん、藤木直人さん、村井國夫さん
マキノノゾミさんらしい劇中のほっこりシーンとなるのは清隆の住む「虹口アパート」。そこには、租界地の開業医で清隆を温かく見守る西岡勇(村井國夫さん)や清隆のお目付け役、外交官の籾田守(山西惇さん)、気のイイ管理人さんヤーイー(春風ひとみさん)らが。村井さんのダンディ&チャーミングが炸裂!山西さんの堅物だけど人間味もある籾田の恋(!!)の行方も…。
勉強のため?!街へ繰り出す3人、すると本作の魅惑のメインテーマ曲「オピウム・ラヴァーズ」がはじまります。めくるめくドラマが展開し、最後はキャストそろっての大合唱!(冒頭の写真)
【フランス租界のクラブ「ル・パシフィーク」】
劇中に登場するフランス租界のクラブ「ル・パシフィーク」はスーツ、チャイナ服、軍服に身を包んだ人々が集まる華やかな社交の場。ゴージャスなのは衣裳(←こちらもおすすめポイントです)や雰囲気だけでない!主役級の俳優さんが次々に登場するのはcube20thならではの贅沢感ですね!!
橋本さとしさん、秋夢乃さん
「ル・パシフィーク」の支配人、謎めいた日本人の新田日出夫には橋本さとしさん、渋さとちょっぴり胡散臭さ(失礼、でもイイんです)で色香漂うクラブに。しかも支配人が歌ってしまうという(笑)♪
そして、クラブの歌姫ユー・チュンには秋夢乃さん。これぞ適役!!しっとりとした歌声に冒頭から心わしづかみにされます。陽気なボーイのサミーにはコング桑田さん、ピアノ弾きの鹿取良治を演じる松下洸平さんはかわいらしさ担当?!というほどキュート。
松下洸平さん
籾田もただの堅物ってわけではないんです!クラブに来たのは…?
史実をモチーフに創作された本作には、清朝の皇女にして「東洋のマタハリ」と呼ばれた男装の麗人・川島芳子や日本人でありながら中国人女優・歌手としてスターとなった李香蘭など実在の人物も登場します。川島芳子を演じるのは壮一帆さん。以下のお写真をご覧いただけば、説明はいらないでしょう。さすがの男装です!!彼女たちがどの様に物語に関わってくるのか、それは見てのお楽しみ!
壮一帆さん
浜崎香帆さん(李香蘭は高嶋奈七さんとのダブルキャスト)
【魔都の暗部…そして】
紅花に連れられてきた貧民街で清隆はこの街のもう一つの側面を見る。
(貧困街で出会った花売りの少女役のキッド咲麗花さん(パコちゃん!)の歌声も胸に響きます)
さまざまな人との出会いを経て、次第に自らの道を見つけ出す清隆。そして、互いに惹かれ合う清隆と紅花の恋の行方はいかに…。
華やかな街でジャズの調べに身を任せているような登場人物たち、でも、どこかみな“影”を感じさせる、時代の、人生の、そして魔都の陰影が心に焼き付く作品です。
最後になりましたが、本作は音楽劇。ご紹介したテーマ曲はもちろん、劇中にはさまざまな音楽、歌が登場します。ジャズはもちろん、李香蘭が歌う蘇州夜曲、幼い頃を思い出す唱歌、貧民街で出会った女の子が歌う歌など、人生の様々な場面寄り添う歌がある。音楽に彩られた魔都・上海を存分にお楽しみください!
また、本編開始前に約10分、会場アナウンスを兼ねた歌唱シーンもあります。お早めにお席にお着きになることをおすすめします!
感想:おけぴ会員のみなさま
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人