新国立劇場2017/2018シーズン オープニング・バレエ公演【新制作】『くるみ割り人形』主役リハーサル特別公開レポート

「劇場で起こる魔法を目の当たりにして下さい」(振付:ウエイン・イーグリングさん)

 新国立劇場2017/2018シーズンオープニングを飾るのは新制作『くるみ割り人形』
 新国立劇場バレエ団の特徴を知りつくした振付家のウエイン・イーグリング氏が日本人デザイナーたちと作り出す華やかな開場20周年のシーズンの幕開けにふさわしい『くるみ割り人形』の誕生に期待が高まる中、主役リハーサルが特別公開されました。

 新制作のポイントは物語が少女クララの夢として構成され、ストーリー展開がより一層理解しやすくなっていること!とはいえ、全貌が明らかになるのは本番のお楽しみ♪ そこを置いておいてもワクワクが膨らんだリハーサルの模様をダンサーのみなさんのコメントともにレポートいたします。


 雪の降りしきるクリスマスイブ。少女クララはクリスマスパーティでドロッセルマイヤーの甥に出会い、ほのかな恋心を抱く。パーティが終わり、ドロッセルマイヤーから贈られたくるみ割り人形を手に寝室へ戻るクララ。夢の中ではくるみ割り人形とネズミたちの戦いが!クララは傷ついたくるみ割り人形を介抱すると、人形が美しい王子に姿を変える。王子はクララを雪の森に誘うが、そこでもネズミの王様に追いつめられる…。


 まず登場したのはクララ:木村優里さん王子:渡邊峻郁さんのペア。今年6月の『ジゼル』でもペアを組まれたおふたりですね。『ジゼル』リハーサルレポート





「イーグリングさんの振付は難しいですが、本番までに音楽と一体になっているようにリハーサルを重ねています。トキメキやワクワク、温かい気持ちをお持ち帰りいただけるような作品にしたいと思います」(木村さん)

「ウエインさんご自身がパ・ド・ドゥが得意なダンサーだったこともあり、雪のシーンの振付もドラマティックな波のような流れのある踊りになっています。そして、パートナーシップがとても重要だと感じています。まだ(技術的なところで)いっぱいいっぱいですが、本番までに動きの中でしっかりと感情を表現できるようになりたいと思います。こうしてリハーサルではウエインさんから直接ワンステップずつご指導を受け、実際にやってみせてくださるのでとても勉強になります」(渡邊さん)


 続いてはクララ:池田理沙子さん王子:奥村康祐さんのペア。このシーンはドロッセルマイヤーも登場、ダンサーは菅野英男さんです。(ドロッセルマイヤーは貝川鐵夫さんとのダブルキャスト)こちらは『コッペリア』リハーサルレポのお三方!

 大きな気球で登場するというシーン、想像するだけでとても楽しみです。踊りはまさに「緩急」が見どころ。ゆ~ったりフワフワしていたかと思うと、クルクルとアクロバティックな動きが繰り出されるのです!





「イーグリングさんの振付は1つの音楽のフレーズの中にたくさんの踊りの要素があり、いかに途切れずにできるのか、パートナーの康祐さんにも教えてもらいながらリハーサルに励んでいます。本番まで流れるような動きができるように頑張ります」(池田さん)

「今回のバージョンでは王子役がとてもハードです。プロローグから最後まで出ずっぱりで、リハーサルの度に腕をスポット取り外し取り換えたくなるくらい(笑)」(奥村さん)公開されたのは一部のシーンですが、それでもすでにその言葉に納得!


 こちらはクララ:小野絢子さん王子:福岡雄大さんのペア。もう説明不要なくらいの鉄板ペアです!『ドン・キホーテ』インタビューにご登場いただきました!





「初日にクララを踊ります。『くるみ割り人形』はバレエ団に入ってからもいくつかのバージョンを踊らせていただいている大好きな作品です。新制作の舞台、新しいバージョンを踊れることを楽しみにしています」(小野さん)

「(ドロッセルマイヤーの)甥とくるみ割り人形と王子役を踊ります。ウエインさんの振付は斬新で、音楽と振付が化学反応を起こしプロローグからエピローグまで、今まで見たことのないような『くるみ割り人形』になるでしょう。ダンサーとしては大変ですが、すこしでも振りを体に入れて、ご期待に応えられるような舞台になるように頑張ります」(福岡さん)


 ラスト、グラン・パ・ド・ドゥを披露したのはクララ:米沢唯さん王子:井澤駿さんです。月並みな表現ですが、音楽との相乗効果でダイナミックでドラマティック!!イーグリングさんによる『眠れる森の美女』で初めて組んだ時のおふたりが懐かしい♪





「最初に振りをいただいたときはあまりの難しさに果たしてこれができるのだろうかと思いました。そこから、リハーサルを重ねることで少しずつパートナーと息を合わせできるようになってきたところです。本番までに、その先の(物語の)世界を作るところまでできるようになりたいと思っています」(米沢さん)

「まだまだ僕自身の踊りでは課題がたくさんある状態ですが、作品はこれまでの『くるみ割り人形』と違います。その1つはクララが(ドロッセルマイヤーの)甥に恋をして、夢の中で甥が王子やくるみ割り人形として出てくるところです。そしてキーパーソンはドロッセルマイヤーかなと思っています。これまでのバージョンよりクララと王子、ドロッセルマイヤー3人の関係性が大事。そこの絡みもお楽しみに」(井澤さん)


 振付のイーグリングさんの指導にも熱が入ります!



振付:ウエイン・イーグリングさん

「クララ、王子役のダンサーは本当にやらなくてはならないことが多く、大きなチャレンジになるでしょう。ソロもパ・ド・ドゥも難易度は高いです。彼らにはそれを楽しんでもらいたい。彼らならそれを乗り越えて魔法を起こしてくれるでしょう。この場を借りて、ベストを尽くしてくれているダンサーにお礼を言いたい。
 また、『くるみ割り人形』には、たくさんの役、ダンサーが登場します。全員がプリンシパルに負けない役作りをしています。コール・ド・バレエを見ていても全員がプリンシパルのように見えてくる、それほどの意気込みです。このバレエ団にはそういった精神が息づいている。全員が最高のものを見せるべくベストを尽くす。それがプリンシパルを支え、同時にプリンシパルが若手を支えているのです。
 みなさん、ぜひ観にいらしてください。そして、劇場で起こる魔法を目の当たりにして下さい」


 イーグリングさんはオランダ国立バレエ、イングリッシュ・ナショナル・バレエで『くるみ割り人形』を作られています。今回のポイントは、男性ダンサーのための“大役”。オランダ版では2人のダンサーが踊った甥とくるみ割り人形を1人が踊ります。(つまり王子、甥、くるみ割り人形の3役を踊るのです)

 ほかにもネズミの王様をはじめとするネズミの大活躍、ドロッセルマイヤーのトリックなど見どころいっぱい!ネズミの王様にはこの日のリハーサルにも登場した井澤駿さん、奥村康祐さん、渡邊峻郁さんがキャスティングされていますよ。全貌が明らかになるのは10月28日!待ちきれない!

【公演情報】
新国立劇場2017/2018シーズン オープニング・バレエ公演『くるみ割り人形』

<スタッフ・キャスト>
芸術監督: 大原永子 プロフィール
音楽: ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
振付: ウエイン・イーグリング
指揮: アレクセイ・バクラン
管弦楽: 東京フィルハーモニー交響楽団
合唱: 東京少年少女合唱隊

10/28(土)14:00 小野絢子 福岡雄大
10/29(日)14:00 米沢 唯 井澤 駿
10/31(火)〈貸切〉13:30 池田理沙子 奥村康祐
11/3(金・祝)13:00 米沢 唯 ワディム・ムンタギロフ
11/3(金・祝)18:00 小野絢子 福岡雄大
11/4(土)14:00 木村優里 渡邊峻郁
11/5(日)14:00 米沢 唯 ワディム・ムンタギロフ
*10月31日(火)は貸切公演のため、Z席を含めチケット販売はございません。
主要キャストスケジュールはこちらよりご確認ください。

公演HPはこちらから

写真提供:新国立劇場
おけぴ取材班:chiaki(会見撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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