「雅号は・・・写楽だ。写すのが楽しいと書いて写楽。
東の島・東洲斎、東洲斎写楽!」 己の道を模索する絵師の夢、版元の野望、花魁の恋…百花繚乱大江戸ミュージカル
新版『戯伝写楽 2018』が開幕!
おけぴ会員のみなさまからお寄せいただいた感想はこちらから 江戸・阿波国蜂須賀家のお抱え能役者 斎藤十郎兵衛(橋本さとしさん)
絵を書くことがとにかく好きな おせい(中川翔子さん)
すでに売れっ子絵師の喜多川歌麿(小西遼生さん)
花魁・浮雲(壮一帆さん)
脚本は「劇団☆新感線」座付き作家として、
数々の創作時代劇を生み出してきた中島かずきさん。
演出は河原雅彦さん、音楽は立川智也さん、作詞が森雪之丞さん。歌って踊って泣いて笑って、ココロ大忙しのエンターテインメント!に加え、東洲斎写楽という天才絵師の謎、さらに欲、業といった人間の奥底に宿る影も笑顔の裏にチラリと除くゾワッ感もある大江戸絵巻。
登場人物は、喜多川歌麿に蔦屋重三郎、大田南畝(別号・蜀山人)そして謎に包まれた東洲斎写楽!江戸を、日本を代表する芸術家たちを、夢を、表現を追い求めるひとりの人間として描いた本作。
ストーリー(HPより抜粋)
寛政6年(1794年)1月。喜多川歌麿の美人大首絵が大人気の江戸。己の絵で一儲けを企む男がいた。男の名は斎藤十郎兵衛。江戸・阿波国蜂須賀家のお抱えの能役者だ。ある日、友人・与七と共に繰り出した江戸の盛り場で、似顔絵描きと名乗る不思議な娘・おせいに出会う。その筆力に計り知れない才能を直感した十郎兵衛は、おせいの絵を自分の作として版元・蔦屋重三郎に持ち込んだ。
「雅号は・・・写楽だ。写すのが楽しいと書いて写楽。東の島・東洲斎、東洲斎写楽!」
版元と絵師、仲違いをしている蔦屋重三郎(村井國夫さん)と歌麿の仲介をする大田南畝(吉野圭吾さん)
時の文人・大田を軽妙に演じる吉野さん。芝居も歌も振り切れています!村井さん演じる江戸の名プロデューサー蔦屋重三郎(通称、蔦重 つたじゅう)の凄味と洒落っ気にシビレマス。美人画で名を馳せた歌麿に扮した小西さんが美しいことと言ったら。美を追求した歌麿、あなた自身も美しいっ!!蔦屋VS歌麿、歌麿を超える大首絵を出してやる!蔦屋の意地が写楽を生む?!
写楽の浮世絵に描かれた自らの姿にご不満気味の歌舞伎役者・中山富三郎(染谷洸太さん)、蔦重のライバル版元 鶴屋喜右衛門(池下重大さん)
花魁・浮雲(壮一帆さん)と歌麿の美しすぎる並び。でも、どこか影のある二人。
浮雲はその美しさで一番人気を誇る花魁だが、外見でなく真(まこと)の自分、人の心を写し出す絵師を求める。壮さんの迫力も大きな見どころ。本作に限り、壮さんの“そう”は壮絶の壮かと思うほど。
一方こちらは、おせいと出会い金儲けを企む十郎兵衛。おせいの絵を自分が描いたと蔦屋のもとへ持ち込むのです。おせいはただひたすらに絵を描いていたいという女性。中川さんの少女っぽさと、絵を描くとき、その対象物を見つめる目にチラッと宿る狂気がイイ!橋本さんの十郎兵衛はお調子者で、強欲で……でも、どこか憎めない愛嬌のある男。そして情に厚い!ステキ!
十郎兵衛の友人でこちらもお調子者の与七は栗山航さん(東山義久さんとのダブルキャストになります)。十郎兵衛との掛け合いもリズミカルです。上方出身の与七、気づくと江戸言葉になっているなど順応性高っ!おまけに生活力の高さも発揮する若者。覚醒の時は近い?!
十郎兵衛とともに遊び歩いている与七(栗山航さん)だが……
23日公演より、東山与七登場!違うタイプの与七の魅力、それを受ける十郎兵衛やおせいの変化もお楽しみ♪
おせいの昔なじみ鉄藏(山崎樹範さん)は勝川派を破門され絵師としてもがき中
おせいにつまらない人と拒絶される鉄藏、二人のやり取りを通して「絵師の目」というものが印象付けられます。山崎さんのお芝居の幅、落差がスゴイ。
こうして登場人物の色とその繋がり、社会背景など描かれる一幕。その最後に……いよいよ役者は揃った「江戸にでっけえ写楽の絵を描こうじゃねえか!」。
随所で芝居を締める村井さん。芝居だけでなく、歌声もたっぷりですよ♪
それぞれの思惑が動きだし、やがて激流となって江戸の街を飲みこむ二幕。「写楽」の目を通して見えてくる社会は現代にも通じるもの。光が強ければ、闇も深い!
ドラマももちろんですが、大江戸ミュージカルですので、歌や踊りもたっぷりお楽しみいただけます。舞台のヴィジュアルに反して(?!)、音楽はポップなものから、ジャジーで大人お洒落なものまでバラエティ豊かです。歌麿と蔦屋のナンバーはメロディも三拍子も色っぽくてドキドキしちゃいます♪
新春にふさわしい華やかなエンターテインメント作品をお楽しみください♪
舞台写真提供:キューブ
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人